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宇多丸 R-指定の夏フェス大遅刻事件を語る

宇多丸 R-指定の夏フェス大遅刻事件を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2022年8月22日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でCreepy NutsのR-指定さんが音楽フェス『MONSTER baSH 2022』でCreepy Nutsのステージ開始時間に間に合わず、遅刻して登場した事件について話していました。

(宇多丸)そんな中ですね、メールもいただいておりまして。私もニュースで聞いてたんですけどね。「宇多丸さん、熊崎さん、スタッフの皆様、こんばんは。8月21日の最新カルチャーニュースとして香川県の讃岐まんのう公園にて開催された音楽フェス『MONSTER baSH 2022』において、アトロクでもおなじみのCreepy NutsのR-指定さんが15時15分演奏開始の時刻を大幅に遅刻する大遅刻をしてしまいました。

本来なら演奏しているはずの時間の15時25分にDJ松永さんがTwitterに投稿した『R-指定さん、こんにちは。もうライブスタートの時間はとうに過ぎているので会場に来ていただいてもよろしいでしょうか?』というたくさんの観客等に撮影した写真も添えられたこのツイートはバズり、多くのいいねがついておりました。当のRさんは15時30分頃に会場に到着して、ステージに登場するやいなや、かつてのMummy-Dさんとの飲み会の時の大遅刻の時と同じように、観客の皆さんに向けての模範のような美しい土下座をし、相方の松永さんも同じようにRさんの大失態を詫びるたびに藤井隆さんばりの低頭な美しい土下座をし。結果的にクリーピーのお二人が揃って観客の皆さんに向けて美土下座をしてから演奏をスタートするという、音楽フェスではめったに見られない光景が繰り広げられました。

ちなみにその後のステージでRさんは遅刻した分を取り返すかのようなキレキレのラップを披露。松永さんもキレッキレのDJプレイを披露し、会場のボルテージを見事にぶち上げました。宇多丸さん、今度ビヨンドザカルチャーで遅刻特集をやる際にはぜひ、クリーピーのお二人をお呼びした上で今年3月の松永さんの会見に遅刻した件も含めてバキ打ちでお願いします」という。ありがとうございます。

これ、私もそうなんですよ。小耳に挟みまして。まあCreepy Nuts。もう、皆さんもご存知。この番組にもね、ちょいちょい出ていただいておりますけれども。非常に技量の高い、日本で一番うまいラッパーと日本で一番うまいDJが、なおかつ面白くてね。そして結果、売れてね。「なんだかな……」っていう、そういうグループです。Creepy Nutsね。「なんだかな……」っていう感じのグループですよ(笑)。

で、Rがすごい遅刻癖があるっていうのは皆さんね、聞いたことがあるかもしれませんけども。あんなね、めちゃくちゃいい子なのよ。Rって真面目だし。頭の回転も速いし。ちゃんとしている人なんですけどもね。で、おそらくその遅刻癖っていうのも俺は被害を食らったことがないから、そんなにピンとは来ていないんだけど、なんかするんですって。で、それが治らないから都心の方に家を構えて……みたいな。あと、なんだっけな? 移動手段のところに近いっていう。だから羽田にも東京駅とかにも行きやすいという位置に住んでいるらしいよ?

(熊崎風斗)遅刻した時対策っていうことなんですね。

(宇多丸)遅刻でこんなに……だから「早起きは三文の得」とか言うけどさ、遅刻魔は何十万の損なんだ?っていう。月何十万の損なんだ? その分……そのために住んでいるんだからさ。で、まあやらかしたってことなんですけど。ただ、私も私も含め、フェスの当日に「ああっ!」っていうことは、まあなかったわけじゃない。私も寝坊、ありますよ。で、思うにこれ、15時って……結局、間に合ってるんだけどね。そのライブ中には。言っちゃえば。遅れはしたけども、そのCreepy Nutsの時間帯内には間に合っているわけじゃない?

(熊崎風斗)完全に飛ばしたわけではない。

(宇多丸)だから、その入りの時間とかから逆算するに、Rはたぶん2時間半ぐらい寝坊したのかな?

(熊崎風斗)15時15分演奏開始だとするならば……。

(宇多丸)そう。まあ、入って直でボンッ!って出たとして。だから15時15分開始だとしたらまあ、だいたい2時間ぐらい前なのかな? 普通、入りはね。

(熊崎風斗)1時過ぎぐらいかなと。

(宇多丸)まあ、別に何時に入ったっていいんだけど。ちゃんと連絡さえ取れてれば。でも、普通提示されるのはだいたい2時間ぐらい前ですかね? やっぱりね。そんな感じだと思いますけどね。なので、たぶんRは2時間を超えて2時間半とか寝坊してで、たぶんこの状態だと思うんですよ。で、俺もでも2時間ぐらいの寝坊、全然したことがあるから。ただ、Rと俺が違うのは、俺が設定してる寝坊の時間ってそもそもが早めなのね。だから2時間寝坊したんだけど、全然通常の時間通りに残念ながら、間に合っていたりするわけよ。

(熊崎風斗)なるほど。じゃあ宇多丸さんは元々、入りをちょっと早めているという?

(宇多丸)入りというか、その自分の行動時間の全体をめちゃめちゃ前倒しにしてるから。
(熊崎風斗)なるほど。ギリギリで行動してない分……。

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寝坊しても黄金コース時間で間に合ってしまう

(宇多丸)していない。だって俺、空港に俺の黄金コースがあるから。空港に着いて、ここでメシを食って、ここで飲みものを買って。ここでペットボトル1本目を飲み終わって、ここで捨てて。ここを通って……要するに、ペットボトルを持ったままゲートを通るのが面倒くさいから、その手前でジャスト飲み終わって……とか。もう「ターン、ターン、ターン!」っていうのが決まっているから。

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(宇多丸)その俺の黄金コースの計画が狂うから。でも、そうやって2時間寝坊して全然間に合ったりするじゃん? その時に俺の中に若干去来する「はあ……俺って小さいのかな?」っていう(笑)。

(熊崎風斗)いやいや、素晴らしいですよ。

(宇多丸)「俺って小せえのか? 2時間遅刻して、まだ間に合うってどういう……石橋を叩いて渡るような。ロックンロールじゃねえな……」みたいなことを思ったりするわけ。

(熊崎風斗)「もっとギリギリで……」みたいな。

(宇多丸)「すいませんね! ロックンロールじゃなくて」みたいなことを思ったりするわけ。だけど、俺はそのロックンロールなんかより、俺の黄金コースの方が大事だから。ロックンロールなんてね、そんなのより俺の黄金コースの方がいいに決まっているから。「ターン、ターン、ストーン!」だから。

(熊崎風斗)いや、素晴らしい。どこでペットボトルを捨てるって、すごいですよ。

(宇多丸)だってあそこを通る時にさ、ペットボトルをいちいちチェックさるんじゃん? 「爆弾じゃないですか? オイルじゃないですか?」って言われるじゃん。だからあれが面倒くさいから、その家から出てからの1本目はもうその手前でちゃんと飲み終わる。で、そのその手前の、第1ターミナルだったらここの店。第2ターミナルだったらここで……っていうのがあって。で、「ターン! ターン!」って決まって。飲み終わったら「ポーン!」って捨てる。

で、通る道も全部、もう靴も脱ぐ。くるぶし隠れる級の靴だともう「脱げ」って言われるのがわかっているから、最初から脱ぐ。「ポーン! ポーン! ストーン! パーン!」って。入ったらここの自動販売機で改めてペットボトルを「ポーン!」って。そこのトイレも「ポーン! ジャー! ボーン!」って。

(熊崎風斗)トイレなんてそのタイミングで……言うことをきいてくれるんですね。素晴らしい。

(宇多丸)「○番の搭乗口ということはここに肩もみ機があるな。トーン!」って。で、1回200円で、2周分ぐらいする時間があるから。ちゃんと400円分、お金をそこで崩す。「ドーン! ターン! ターン! ポーン! ポーン! ウィーン……」って(笑)。

(熊崎風斗)国内線の飛行機だったとするなら、何分前ぐらいに空港に行くんですか?

(宇多丸)空港は……でも皆さんとだいたい1時間前には行くでしょう?

(熊崎風斗)いや、私はもう国内線だったら今は1時間前には行かないかもしれない。

(宇多丸)ああ、もっとギリで行きますか? ただ、私はご飯を食べたいんで。だからその1時間半とかにして。で、「ターン! ターン!」って……まあ、いいんだよ。俺の黄金コースはいいんだ。で、そのRはね、たぶんだからそういう時間の進行のねあれもあって。2時間半ぐらい遅刻して。なんか慌ててファーストクラスに乗って行ったなんて話、聞いてるよ。これは。うらやましいことですよね。

(熊崎風斗)ああ、そうなんだ。近くに泊まっていたわけじゃないんですね。

(宇多丸)違う、違う。たぶん飛行機で。だから、それはさぞかし青くなったとは思うけど。ただね、これは俺に言わせりゃね、もちろんその『MONSTER baSH』の皆さんはすごく青くなったと思うし、もちろんスタッフの皆さんも……松永なんか一番ね。だって、1人で出てずっと待っていたっていうんでしょう? もう、どういう胆力だ?って思うけど。これはすごいと思うけど。さすが世界一は違いますよね。そう思うけど……間に合ったじゃん?

で、俺に言わせりゃね、だからこの「15分スタートの予定が30分頃から」っていうんで。所詮は15分遅れじゃん? 結果として。客も、なんていうかまだネタとして待てる時間よ。15分なんてのは。マドンナなんか2時間とか遅れるからね。平気で。ねえ。そうすると客はいい加減、怒ってるから。そんなところに出てくるマドンナの胆力っていうのはあるよ。でも15分だから。しかも、元々の持ち時間の中じゃん? つまり、フェスっていうのは結局、他の後の人のタイムテーブルに迷惑がかかるから、遅刻とか、あと押すとかは絶対にいけないんだけども。自分たちの時間内で、ある意味それをどう使おうと勝手である以上は、15分間待ちっていうのは、ある意味、待ち芸。松永の待ち芸。

(熊崎風斗)まあ、Creepy Nutsに与えられた時間だもんな。

(宇多丸)で、Rのそのちょっとかわいげのある遅刻芸。からの、土下座芸。からの、で、やりだしたらスキルがあるのはわかってるから。だから我々の経験則から言って、なんかトラブルっぽいことが起こって、そこから復帰する瞬間って一番、ライブで上がるのよ。だから、言っちゃえば、俺に言わせりゃこれ、15分くらいで到着したなんて、めちゃくちゃ美味しいんだよ!

(熊崎風斗)それがエンターテイメントになっているんですね。

15分遅刻なら、めちゃくちゃ美味しい

(宇多丸)「なんだ、それ?」って思って。だから俺、「遅刻だ」って聞いて「ああ、やっちゃったね。やっちゃったねー! あいつら、やっちゃったねー!」って。

(熊崎風斗)なんでサングラス越し、ちょっと嬉しそうなんですか(笑)。

(宇多丸)「やっちゃった、やっちゃった。いつかやるとは思ってたけど。いつかやるとは思っていたけど、ついに来たか!」なんて思っていたら、間に合ったって言うじゃない? で、間に合って盛り上がったっていうじゃん? そりゃ、間に合えば盛り上がるんだよね。

(熊崎風斗)お客さんもだから結構好意的というか。

(宇多丸)そりゃそうですよ! だって15分だもん。これが30分、1時間ってなってくると、それはもうあれだけど。あと、飛んじゃったってなれば、それはもうあれだけど。15分はちょうどいいもんね! 俺ね、思うにね、Rはたぶんひょっとしたら5分ぐらいで着いてたのに、「これは美味しいな!」ってちょっと延ばした可能性もあるよ?

(熊崎風斗)ああ、裏で?

(宇多丸)うん。俺ならやる!

(熊崎風斗)宇多丸さん、やるんですか?

(宇多丸)俺ならやる。俺なら「これ、ちょっと客、あれだな? もうちょっと……もう一波来るから。それを待とうか」みたいな。だから、これは正直、美味しいんですよ。

(熊崎風斗)そういう見方、今まで記事とかでもなかったので。

(宇多丸)そういうことですよ。だしね、あともうひとつ。やっぱりRさんのその遅刻癖ってあるじゃないですか? まあ、松永もこぼしてますよ。「宇多さん、どうしたらいいんですか?」っつって。ただね、私ね、こういう件があるのたびに思うのは、たとえばKICK THE CAN CREWでも活躍しているラッパーのLITTLE。彼は天才なんですよね。紙に一切、歌詞を書かずに歌詞を書ける。で、間違わずにそれができる。わかります? 書く段階からですよ?

(熊崎風斗)えっ、頭で?

(宇多丸)頭で。しかも、いわゆる即興的なことと違って、彼はすごくライムにこだわった、構築的な歌詞を書く人なので。それでも、紙に書かずに全然できちゃうんですよ。で、そういうことができるLITTLEとか、あるいはラッパーのDABOくんっていうのがいて。彼はもちろん、ラップは日本でも本当にトップクラスだし。絵も上手いし、すごいアーティストとしての才能あふれる、すごい色気のあるラッパーで。皆に尊敬されてるラッパーですよ。この2人とあとRとか共通するのは、ラップ超うまい。才能ある。そして遅刻とか、忘れ物とか、なんか社会生活の根源でなにかがごっそり欠落してるところがあるみたいな。

まあ今、DABOさんももう立派なお父さんになってですね、そこがどうなっているのかは知りませんけど。昔はそうだったんですよ。だから、要するにその才能に全部振りしてるっちゅうかさ。脳みそね。だから、Rの場合もですね、これその遅刻癖を治してしまうと、ひょっとしたら「あれ? R、遅刻は治ったけど、なんでこんなにワックに……?」みたいな。そんな風になったら困るじゃない?

(熊崎風斗)たしかに。どっちを取るか?って言ったら、遅刻をしてもいいから才能を……。

(宇多丸)そうそう。そうなんですよ。だからなにか、これを矯正すればいいっていうものでもない気もしなくもないんですけどね。

(熊崎風斗)天才っていうのはそういうもんなんですね。

天才はなにかが欠落している?

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(宇多丸)あと、俺自身も遅刻をしかけて。とはいえ2時間、寝坊してワーッて慌ててやっている時、俺も思うのは「なんか、俺はラップをするののプロで。『この時間、ここでラップしてください』っていう時に、なんか『そこに来るまでがお前の責任だ』みたいなことって、おかしくね? そこにちゃんと責任を持って俺を連れて行けよ! そこだけ振るのって、なんか無責任じゃない? 『そこは自己責任でよろしく』みたいなのって、俺はなんかちょっと違うと思うんだよね?」みたいなことを思ってしまうみたいな。

(熊崎風斗)「移動も面倒を見ろ」っていうことですね?

(宇多丸)そうだね。「そこまで責任を持てよ」みたいな気もしながら。「なんだよ! そもそもおかしくね?」みたいなことを言いながら……(笑)。

(熊崎風斗)それ、2時間寝坊しているタイミングでそれを思うんですね(笑)。

(宇多丸)言いながらも、パンツが何枚いるのかを計算して(笑)。

(熊崎風斗)フハハハハハハハハッ!

(宇多丸)まあ、遅刻はね。遅刻特集もね……遅刻特集は恐ろしいですよ。遅刻する方が偉いような気がしてくるという、恐ろしい特集ですからね。はい(笑)。

<書き起こしおわり>

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Mummy-D ラジオ『WANTED!』泥酔遅刻事件を語る
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