(DJ YANATAKE)あと、どうしてもこれ、俺もそうなんだけども。日本の感じだと「宗教」みたいなことを出されちゃうと、その時点でちょっと「難しい」とか拒否反応みたいなのが出たりするけど。でも、もっとライトにアメリカの人たちの方が接してるんだろうし。
(渡辺志保)まあ、より生活に密着しているんですよね。
(DJ YANATAKE)だから、あんまり構えずに普通に聞いてみるっていうのがいいんじゃないかな。
(渡辺志保)そうそう。それで、なので本当に私もまるっとまとめると、やっぱり長さ、ボリューム的にも、あとやっぱりカニエといえば「お前、それなんのことやねん? 何を言っちゃってるの?」みたいなな感じのすごいナンセンスで下世話なリリック。たとえば『The Life Of Pablo』の時。あれもガワだけはすごいゴスペルチックな、カーク・フランクリンを呼んだりとか。ケリー・プライスを呼んだりみたいな感じでゴスペルっぽく作ったけど、でも蓋を開けてみたらリリックは『Famous』なんかでは「あのビッチ俺とやってフェイマスになったんだぜ」みたいな。そういう本当に身も蓋もないリリック。
(渡辺志保)で、そのリル・パンプとの曲なんかもそうですけど。そういうナンセンスでちょっとハチャメチャなリリックがやっぱりカニエの面白いところだったんですけど。この『Jesus Is King』もそれが全くゼロとはもちろん言わないし、すごい面白いライン……その「Chick-fil-A」(『Closed on Sunday』より)っていうのが日曜日はお店が閉まっているみたいな、そういう面白いラインももちろんあるんだけども。
(渡辺志保)やっぱりそこを毎回楽しみにしてたファンとしては、ちょっとそういう意味でも物足りなさを感じてしまうのが正直なところだし。聞けば聞くほど、最初はサウンド的にすっごい面白くて最高!って思ったけども、やっぱりその彼の方向性みたいなことを考えると、だんだんだんだんちょっと疑問がわいてくるというか。自分の中でもまだね、金曜の深夜にリリースされて2日、3日ぐらいしか経ってないから。そんなに聞き込んだっていう風に胸を張って言えないんですけど。
どういう風に紐解いていけばいいのか戸惑う気持ちもめちゃめちゃ多い。ただ、『ye』の時も私は非常に戸惑ったので、それよりは明快なコンセプトだったり、明快なセオリーみたいなものが見えるなと思ってまして。で、これに関しては今後、クリスマスに『Jesus Is Born』っていう、それこそサンデーサービスを下敷きにしたアルバムが出るという風にすでにアナウンスされておりますので。それをくっつけてね、一緒に楽しんでというか。彼のそのリリックとかサウンド面をより紐解いて味わいたいなと思いますし。で、やっぱりね、体感したいっすねっていうのを強く思いました。サンデーサービスというタイトルで次のツアーが始まるのかはわかんないけど。
『Jesus Is King』ツアーになるかわかんないですけど。今日もそのザ・フォーラムというLAの巨大な会場でサンデーサービスをやっていたわけなんですよね。それ、もうYouTubeで全編上がってるので見れるんだけど。いや、すごいカルト色を増しているなって思う反面、これはでも実際に生で見たら本当にすげーんだろうなって思う自分もおりましてですね。なのでこの『Jesus Is King』をぜひ個人的には実際に体感して完結させたいなと思っているところです。
(DJ YANATAKE)そうね。逆にその希望が……目標が。
(渡辺志保)次の令和の目標としては。
(DJ YANATAKE)でもさ、ちょっと補足で最後に質問というか。その12月25日にね、もう1枚『Jesus Is Born』っていうのが出ると噂されているのともう1個、あのIMAX映画『Jesus Is King』。これ、どうなんですかね? 見れるんですかね?
IMAX映画『Jesus Is King』
(渡辺志保)わからん。あの、アメリカでは公開されていて。で、すごいクソミソなレビューとかが書かれていたりするんですけども。私、映画業界のこと全然わかんないんですけど。日本の、しかも普通のシアターじゃなくてIMAXシアターって、そんなに急にぶっこむこと、できるんですかね?
(DJ YANATAKE)100数十ヶ国で公開みたいな噂があったわけですから。日本も当然入ってるのかな?って思ったけど。うーん。どうなんでしょう。実はやっていたりして。いま。
(渡辺志保)もう、やだー!(笑)。見逃してるじゃない(笑)。
(DJ YANATAKE)ちなみに、もう見たっていう人のレビューが上がっていて。30分ぐらいの映像作品ということらしいんですけどもね。まあ日本でやったら見に行きたいですね。
(渡辺志保)そうですね。私が検索していちばん上に出てきたレビューは「金の無駄」って書いてあって。なるほど、みたいな。
(DJ YANATAKE)でも、見たいよな。これ、でもなんかすぐに配信系で出そうな気もしますけどね。
(渡辺志保)クリスマスには配信されるんじゃないですかね(笑)。あ、いまラッパーのELIONEさんも聞いてくださってますね。
Follow God のサンプリング
秀逸でした!
上ネタの質感に対してのドラムの鳴り方も面白い。
#INSIDE_OUT— ELIONE (@ELIONE1987) October 28, 2019
(DJ YANATAKE)さすが。ELIONEは自分でビートも作れますからね。毎日、本当に買ってきたレコードを持って歩いてる男ですから。
(渡辺志保)すごい! (ツイートを読む)「じっくり聞いてみたくなりました」とか。そうだね。だからみなさんも聞いて。あとは暇な方はぜひリリックとかにも当たって、この『Jesus Is King』の世界を噛みしめて味わっていただきたいなと。
(DJ YANATAKE)ジェーン・スーさんはですね……。
カニエの政治的にちょっと懐疑的にならざるを得ない姿勢は別として、ジーザスイズキング、私はめちゃめちゃ好きなアルバム #INSIDE_OUT
— ジェーン・スー (@janesu112) October 28, 2019
(渡辺志保)おおー、なるほどね。あ、スーさんがツイートしてくださっているところ、どの部分についてコメントを下さっていたのか、ちょっと確認を……。
もうそういうのはそのままやんないって言ったって記事でてたよね #INSIDE_OUT
— ジェーン・スー (@janesu112) October 28, 2019
これこれ。ソースがページ6だけど。#INSIDE_OUT https://t.co/8zgewe5nly
— ジェーン・スー (@janesu112) October 28, 2019
(DJ YANATAKE)じゃあ、続きは明日のTBSラジオで……(笑)。
(渡辺志保)ああ、スーさんとぜひぜひカニエの話やら、したいなと思っております。ということでカニちゃん特集でした!
(DJ YANATAKE)今回もやっちゃいましたね。
(渡辺志保)でもやっぱりアルバム1枚、こうやって勝手に話すのは個人的にはすごい楽しいので。そういうアルバムがやっぱり出るっていうのが個人的には嬉しい。
(DJ YANATAKE)忙しい中ね、ありがとうございました。
(渡辺志保)いやいや、とんでもないです。
<書き起こしおわり>