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モーリー・ロバートソン メキシコ国境「美しい壁」建設差し止めを語る

モーリー・ロバートソン メキシコ国境「美しい壁」建設差し止めを語る 水曜日のニュース・ロバートソン
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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で緊急事態宣言を用いてメキシコ国境に壁の建設をしようとするトランプ大統領と、それに対して予算執行差し止め命令を出した裁判所の対立について話していました。

(モーリー)では、今日紹介するのは連日報じられていたんですけども、トランプ大統領の25日のツイートです。こちら! 文字量多いんだけども、一気に読んでみよう。

(モーリー)まあ、私が大好きなファストフードのような言葉がいっぱい入った英語です! もうね「activist」も「Border Security」も「expedited」も好き! 「activist」は「活動家」ね。「オバマ政権がわざわざ突っ込んでおいた歪んだ裁判官……活動家だろ? 左の裁判官が私に楯突いた」っていう。「Border Security」は南側、メキシコとの国境の壁のことなんですけども。

「安全保障をないがしろにするとはなにごとだ? そうかそうか、その裁判官は犯罪や麻薬、人身売買の味方なんだな? よーくわかったよ!」みたいな。そして「我々、共和党は控訴(appeal)した」という。しかも「expedited(早める)」ということで「迅速な控訴を望む!」みたいなことなんですね。

じゃあ、日本語訳を出してみましょうか。「オバマが任命した活動家裁判官がすでに建設が始まっているメキシコ国境の壁に不当な判決を出した。これは国境警備に支障が出る。犯罪や麻薬取引、人身売買を促進する判決だ。速やかに上訴を行う!」っていうことなんですね。で、この背景を説明しますと、サンフランシスコの連邦地裁が24日に判決を出しました。

トランプ政権が国家非常事態宣言、つまり「メキシコの国境に壁に予算を出せ!」っていうことを言っていましたよね? そうすると、中間選挙で下院は野党・民主党が過半数になってしまったため、どんなに頑張ってもダメだということで否決された。

それに対してトランプさんは腹を立てて、年末年始には予算案が通らないために政府機関に勤めるアメリカの何十万人という公務員の給料が遅配され、公園のゴミ箱やトイレがあふれてゴミだらけ。中にはフードバンクに行かなくてはならなくなった人も出た。そのぐらいにまで迷惑をかけた。

モーリー・ロバートソン アメリカ政府閉鎖長期化の影響を語る
モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でアメリカ連邦政府の一部閉鎖の長期化の影響について話していました。

(モーリー)そしてその後、非常事態宣言をトランプさんは大統領権限で出し、非常事態宣言に基づいて、「非常事態だから……」という別腹の連邦予算枠を予定していたわけですね。そして、予算の編成権は議会が持っているわけですから、その承認を得ずに大統領が直で、政権だけで行こうとしたら、それが裁判に持っていかれてサンフランシスコの連邦地裁は「議会の承認を得ずに予算の使いみちを決めるのは大統領の越権行為であり、ダメである」ということになった。そして政権が捻出した7400億円(67億ドル)のうち、10億ドルの転用は認めないとする仮命令を出しました。

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「上訴する」と息巻くトランプ大統領

で、それに対してトランプ大統領は上訴するって息巻いているわけですね。で、トランプ大統領はこれ、痛手になるんですけども。派手なパフォーマンスです。たぶん最高裁まで2回、上訴するでしょう。そしてもうひとつは、これに訴えを起こしていた様々な団体がいたんですけども、その中に人権団体の全米市民自由連合(ACLU・American Civil Liberties Union)などが含まれています。

さて、ACLUとはいったいどんな団体なのか? 1920年代に設立されました。で、アメリカの権利章典で保証されている言論の自由を守ることを主な目的としたアメリカ国内で最も影響力のあるNGOです。これまでにACLUが起こした訴訟は法律の発展に多大な影響があったとされています。黒人の公民権であるとか、あとは中絶の問題。こういうところに関わってくる。で、どちらかというと進歩的なので、まさにさっきのBBCの50:50みたいな方向の思想の持ち主なので、共和党はそれを忌み嫌っている。「左の団体だ! 活動家!」みたいにレッテル貼りをしているわけですね。

大井真理子 BBCニュース・ゲスト出演者男女比50:50プロジェクトを語る
BBCのレポーター・キャスターの大井真理子さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』に出演。2018年からBBCニュースが取り組んできたゲスト出演者の男女比を50:50にするプロジェクトの結果について話していました。

で、今回のトランプさんの図式を説明したいんですけども、トランプさんは目に見える形で公約を達成したいわけです。要は、「アメリカ人の雇用と治安を守るために大きな美しい壁を作る」っていう宣言をしてしまった以上、とにかく目に見えて日々、建設が進んでいるという状態が必要だということで、議会に否定されても、どうしてもその「壁を作っている」という行為を見せなくてはいけない。そういうトランプさんが自分で出した約束を守らなくてはいけないと焦っている側面があります。

もうひとつ、この壁なんですけども、これはよく見るとはっきりと「非白人に対する壁」なんですよね。よくもののたとえで「人種の壁」っていう言葉がありますよね? 本物の人種の壁。コンクリートと金属の人種の壁。

(プチ鹿島)「コンクリートから人へ」みたいなね。

(モーリー)上手い! まあ、そうですね。コンクリートから人にいってしまいました。本当の人種の壁を名実ともに作ってしまっている側面がある。それに対して誰が喜ぶのか? やっぱりトランプさんの支持層……アメリカで多くて4割いると言われる支持層の人たちが外国から、特に南米から不法移民が入ってきて、アメリカ人の雇用を奪っているという。

ところが、その物語の延長線上には「中国が貿易で不当なことをして貿易赤字が……」とか、「日本が……」とか。そういう風に物語が連結しているんですね。その、希望的観測が含まれた物語の中に壁が入っている。だから、その物語を生かすためにも壁は無理であってもとにかく建設を進めると言い続ける必要がある。

そして、面白いことにあるカメラマンが3200キロに及ぶアメリカ・メキシコの国境を旅して、写真集を作ったんですけども。そこで何千人もの現地のアメリカ側の住民にそのカメラマンがインタビューしました。「壁は必要ですか?」って。何千人にインタビューして「壁が必要だ!」って答えたのは……3人。

(大井真理子)ええーっ!

(プチ鹿島)フハハハハハハハハッ! 何千人のうちの、3人?

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メキシコ国境の住民は壁を求めていない

(モーリー)残りの人たちはみんな、「ヘルスケアと教育をなんとかしてくれ!」って(笑)。ヤバいじゃん。壁沿いの人たち、みんな民主党に入れちゃうぞ? だから、要はなにが言いたいのか?っていうと、フィクションに近いんですよね。「壁を作ることでアメリカがよくなる。経済がよくなる」っていう。

でも、そうじゃない。壁を作ると逆に環境が破壊されてしまうんですよ。雨水が変なところにたまってしまうんですよ。だからむしろエコロジーの人たち。シエラクラブなんかの人たちはこの壁は自然保護の観点から……人種や人権の問題もあるけど、環境の観点から「こんなものはいらない!」って言っているわけですよね。

なので非常にポピュリストの政治の性というか。短期的な、そしてある意味短絡させた……これはイギリスのUKIPにもつながると思いますけども、そういう公約をうそぶく。それに支持層が火がつく。そして、それが実現しなければ次のどこかへと火を移して、クライシスからクライシスを自分で作り出しながら綱渡りをしていくという方法でしか人気を煽れず。超短期的にしか……4年おきにしか動くことができない。でも、それに対してたとえば米中貿易摩擦。中国側はどうしているか?っていうと、別に4年じゃない。一生主席でもいいっていうことで、25年単位で物事を考えている。この長期戦……「長征」で中国は明らかに有利なわけよ。

モーリー・ロバートソン 米中貿易戦争と習近平「長征」発言を語る
モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で米中貿易戦争についてトーク。習近平国家主席の「新たな長征に備えよ」という発言を取り上げていました。

(プチ鹿島)長征……なるほど!

(モーリー)長征ができないのがアメリカのポピュリスト大統領ということなんですね。で、最後に1個。この中で付帯的な損害、コラテラル・ダメージ。1件、ちょっと痛ましいことがありました。イラクに出征して手足をあわせて3つ、失った方。傷痍軍人の方が民間で独自に、「議会が止めても愛国者が立ち上がらねば!」っていうことで、2000万ドル以上をファンディング、GoFundMeで集めちゃった。そして自分たちで独自に重機を持ちこんで壁を作り出したのね。地上20フィート、地下7フィート。トンネルを掘って入ってこれないようにってやったわけですよ。そしたら、それをニューメキシコの街で「お金が入った!」って。ソーシャルメディアでみんなでハイファイブして、「アメリカのために作るぞ! 議会なんかに騙されるな!」ってやったわけ。

そしたら、そこの市の市長さんが今日、建設の差し止め命令。その市の条例では高さ6フィート以上のものは作ってはいけない。20フィートだから「はい、ダメ!」って。そして設計図にも不備があった。いろいろと書類に不備があるということで。そしてその活動家。もう2000万ドル集めて「みんなでやろう!」っていう時に、ローカルな市の条例で足止めを食らったわけ。要は素人がトランプさんを信じて。しかも自分がその傷ついた人であり、アメリカの愛国心に燃えている人ですよね。だから本当に捨て身でやったのに、そんな市の条例で止められて。もう起こって、「バカヤロー!」ってツイートしています。そういう状態なのね。

だから、信じちゃった人もある意味巻き込まれて。たぶん犠牲者も出てくるんじゃないかな? そんな印象がございます。

<書き起こしおわり>

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