スポンサーリンク

モーリー・ロバートソン グラミー賞・チャイルディッシュ・ガンビーノ受賞を語る

モーリー・ロバートソン グラミー賞・チャイルディッシュ・ガンビーノ受賞を語る 水曜日のニュース・ロバートソン
スポンサーリンク
スポンサーリンク

モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で2019年のグラミー賞でチャイルディッシュ・ガンビーノが主要2部門などを受賞した件についてトーク。ミュージックビデオ『This Is America』の意味を紹介していました。

(モーリー)今日はもう最高のネタをつかまえてきました。ニューヨーク・タイムズの2月10日のツイートです。まずはこちらをご覧ください。英語で行きましょう。チャイルディッシュ・ガンビーノ、この人はマルチアーティストなんですけども、もう大変な才能の持ち主です。「Childish Gambino’s “This Is America” won song of the year, best rap/sung performance, best music video and record of the year. Here’s a full list of winners:」というグラミー賞を受賞した人たちをアナウンスする記事なんです。

チャイルディッシュ・ガンビーノっていう人がまあ素晴らしい楽曲と音楽ビデオで受賞しています。日本語を見てみましょう。「チャイルディッシュ・ガンビーノの『This Is America』が今年のグラミー賞最優秀楽曲賞と最優秀レコード賞、そして最優秀ラップ・サングパフォーマンス賞、最優秀ミュージックビデオ賞を獲得しました」ということで。まあ、すごいわけですよ。

(プチ鹿島)はい。

(モーリー)それでね、そのチャイルディッシュ・ガンビーノがグラミー賞の主要2部門を受賞したっていうことは、これはヒップホップ史上初となる快挙です。要はヒップホップっていうのはグラミー賞では日の目を見ていなかったんですね。そして実は本人、受賞の場に現れなかった。というのは、多くのラッパー、ヒップホップアーティストはグラミー賞のヒップホップに対するバイアス、一種の排除に抗議する形で今年、あえて参加をしないって宣言をしたの。だから本人不在の状態で賞をいっぱいもらっちゃっているんですよね。

で、チャイルディッシュ・ガンビーノというこのアーティスト名なんですが、俳優であるドナルド・グローヴァーがミュージシャンとして活動をする際のステージネームです。3枚のアルバムを発売していて、2016年には『Awaken, My Love!』でもグラミー賞を受賞。俳優としても『オデッセイ』や『スパイダーマン:ホームカミング』などの人気作品にも出演している人です。そしてこのミュージックビデオがいまのアメリカを象徴しているということで。とにかくこのビデオがすごいので少し見てみましょう。飛ばし飛ばしで見てみましょう。長いのでフルはネットに載っています。

今日は注目ポイントを動画から説明していきましょう。はい。ここまでは「ああ、彼は踊りもできるんだ」っていう感じなんですね。で、ここ。(顔を隠された人を後ろから銃で撃つシーン)。あ、ヤバい! で、なんなの、これは?っていうことなんですけど、要するに白人警官が無抵抗の黒人を射殺する事件が相次いでますよね? そこへのオマージュが入っていると思われます。

そして、ここでまたこの踊りがちょっと独特なんですけども。非常に踊りが上手い中高生の子供たちが出てきますよね。でも、裏の方にはたえず貧困な黒人街であるとか治安の悪さ、暴動が起きている。警察による暴力などなどがちょっとずつ、チラッチラッと出てくるんですね。車が暴動で燃えている場面なんかも出てきて。それが淡々と、前景のチャイルディッシュ・ガンビーノの踊り。妙にニコニコしている。身体技能はすごい。踊りはとても上手い。なんだけども、怖いところですね。

次のシーン。これは黒人教会でみなさん、ゴスペルを歌っています。非常に楽しそうです。実際に黒人の若者にこれを見せるという動画があったんですけども、ここまで見てみんな「ああ、教会に行っていたのを思い出すな。懐かしい」なんて言うんですよ。で、ここにチャイルディッシュ・ガンビーノが出てくる。そして……(マシンガン乱射で)一瞬でみんな死にます。これは白人至上主義者による黒人教会での銃乱射事件へのオマージュと言われているわけですよね。

そして、またどんどんと凶悪な状況が続いていくんですが、その中でチャイルディッシュ・ガンビーノはひたすらニコニコして踊っている。そしてこの脚さばきを見てください。この脚さばきは実はどうもジム・クロウ・ダンスをオマージュしたものではないか?って言われています。ジム・クロウ・ダンスっていうのは顔を黒塗りにした白人の俳優などがミンストレル・ショーと言って黒人をちょっと茶化したショーをやっていた。その時にやる典型的な踊り。白人が黒人を模倣してやる踊りということで。

スポンサーリンク

ジム・クロウ・ダンス

(プチ鹿島)うんうん。

(モーリー)そして最後のシーン。これを見てください。真っ暗な中にそのチャイルディッシュ・ガンビーノが逃げていて、後ろにいる人たちがあまり映っていないんですけども、どうも白人っぽいんです。で、これがリンチの歴史。白人が黒人に襲いかかってリンチをする歴史。それと南部の白人がよく差別をする時に「黒人は暗い中でも目は白く光っているからリンチをする時に見つけやすい」という、恐ろしい伝統的な言い回しがあるんですね。そこへのオマージュだったりします。

(モーリー)ですからなぜ、こういう動画を作ってそれが受賞したのかなのですが、まあいまのトランプさんの時代になって、たとえば白人の人種差別のデモがあった時、トランプさんはそこを直接は非難せずに「彼ら(白人の人種差別主義者)にも正義があり、言い分がある」っていうようなことを言ったりとか。いわゆるちょっと差別が目立つ政権になってしまっている。そして、ヘイトクライムと呼ばれる白人から黒人に対する憎悪犯罪も結構増加中。それを淡々と告発しているんですけども、これは実は黒人の音楽ファンの間でも賛否両論、非常に分かれています。

スポンサーリンク

全米ライフル協会の反応

あまりにもおどろおどろすぎる。黒人が黒人を射殺するのはよくないとか、まあいろいろと意見が出ている。だけど僕がいちばん注目をしたのは、全米ライフル協会(NRA)のスポークスマンがものすごく感情的に非難をしているんです。「まるで銃のせいで犯罪が増えているというプロパガンダのように見える。本当の問題は黒人同士で殺害事件が起きている。非白人同士が殺し合っている事件の方が多いんだ!」っていう非常に感情的な詭弁を言ってしまった。

それを言わせた、そこまで差別をNRAに言わせてしまった強烈なビデオがここにあるんだなと私は逆に解釈しました。こういう形でヒップホップがいまのアメリカの問題をえぐり出す。告発する形でグラミー賞を取ったのはやっぱりちょっと前進したかなという、そういう印象です。

(プチ鹿島)はー! モーリーさんの解説だとよくわかりますね。そういうことだったんですね、これね。

(モーリー)ぜひこの動画の全編を通して見ていただくと、あまりラップの意味とかをわからなくても、映像で淡々と語られていますね。

(プチ鹿島)ありがとうございます。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました