モーリー・ロバートソンさんががBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で、仕事で訪れた能登半島で聞いた日本海・大和堆での漁業資源問題について紹介していました。
(プチ鹿島)モーリーさん、さっそく気になったニュース、行きましょうか。
(モーリー)実は、いろいろと盛り上がっているんですけども、朝鮮半島からの漂着船。これで個人的に興味を持っている筋があるので、今日はその内容を。実は2、3週間前かな? 石川県・富山県にまたがっている能登半島、そこのくぼみのところにある入江の小木という港……石川県能登町小木という場所なんですね。そこの小さな入江はイカ釣りの漁船が昔からやっている場所なのね。で、そこの人たちにイカの取材、食レポをしたんですよ。
水がびっくりするほど澄んでいます!小木港のイカ釣り漁船☆#モーリー #モーリーロバートソン #morleyrobertson #石川県 #ishikawaprefecture https://t.co/on1lixCqj4 pic.twitter.com/MCOQ2vffaA
— モーリー・ロバートソン (@gjmorley) 2018年11月3日
(プチ鹿島)おおーっ、やってるな、なんでも(笑)。
(紗倉まな)おおっ! すごく幅広くいろんなことを(笑)。
(モーリー)イカの塩漬けのワタを「ゴロ」っていうんだけど、ゴロ炊きっていうおばあちゃんが作った手作り料理を食べて、美味しいねっていうそういう食レポをやったんですが。
(プチ鹿島)はいはい。
(モーリー)で、そのイカが取れる名産地である小木港。これは遠洋漁業っていうか、近くまで行くんですけども、その船が行く場所っていうのが日本海の大和堆(やまとたい)という漁場があるんですよ。そこは日本海はずーっと深いのにそこだけ崖みたいに切り立っていて浅いんですよね。その高さの違いでイカとかがいっぱい生息している。そこは昔から地元の人が見つけた漁場だったんですが、最近めっきりイカが取れなくなったと。そして取材をしていた、そのゴロ炊きを作ってくれたお母さんがオフカメラで(小声で)「ほら、北朝鮮があるから」って。
(紗倉まな)はい。
(モーリー)要は北朝鮮の漁船が大和堆にやってきて、本当は日本の排他的経済水域(EEZ)にやって来てイカを……北朝鮮はいま、食糧不足に陥っているから、とりに来ちゃうの。そこで結構イカがとれるから。で、なんで自分たちの近海でとらないのか?っていうことなんですけど、その漁場はね、中国に売っちゃっているの。経済制裁によってお金、キャッシュがないから。背に腹は代えられない、キャッシュがほしいからその漁場を売っちゃった。で、食べるものがなくなっちゃった。じゃあ、大和堆に行けばとれる!っていうことで、海流に乗って来るんだけど、行きはよいよい、帰りは怖いで木造船だから。あっという間に海流で難破しちゃうんですよ。
(プチ鹿島)そうですよね。
(モーリー)ですから日本のあちこちに、青森とかいろんなところに漂着するわけね。なんで、それがひとつの問題じゃないですか。だから実際に小木港の人たちに「いや、北朝鮮の問題がありますからね」って小さな声で言われたっていうのがすごく、大和堆とか出てくるたびに「おおっ!」って思うわけですよ。ところが、ここにさらに11月20日、もうひとひねり入りました。そこでみんながんばって、北朝鮮の漁船なんかとイタチごっこをしながら日本、イカ釣り操業しますよね。そしたらね、韓国の警備艦がやってきて日本のイカ釣り漁船を追い払ったんですよ。操業妨害。
(プチ鹿島)韓国?
(モーリー)韓国が。で、僕はついそこでまた滑るギャグなんですけど。「ああ、なるほど。ムン・ジェイン(文在寅)政権だから日本を追い払って、日本人が見ていない間に北の人たちに『さあ、どうぞ!』ってとってもらって、帰っていったらここは韓国」ってやっているのかな?っていう、そういうギャグも考えたんだけど、まあ滑るので言いません。まあ、そんな風に思ったんだけど、そこから330キロのところには、竹島。
(プチ鹿島)ああーっ!
(モーリー)おおう! ということで一気に、竹島って僕の中ではネトウヨとかが騒いでいる、なんかどうでもいい地図上の点ぐらいに……まあ不謹慎な言い方を覚悟で言うなら、そうなんですよ。ところが、一気に大和堆との近さ。そして北も南も、そして日本の能登半島の漁師さんもみんな死活問題でそこに来ているって考えると、話が変わってくるんですよ。リアルになるわけですよね。だから「ああ、そうか! こういう形で竹島がグンと近くなるんだな!」って思って。だから漂着船は、最近はどちらかと言うと、「もしかしたらスパイが紛れているんじゃいか? 不審船何じゃないか?」とかっていう心配の声がありますよね。ところが、イカ。食料という切実なものを巡って、竹島を含めて三つ巴が起きているっていうね。
(プチ鹿島)どうしても、竹島問題っていう大きい話から入りますけど。
(モーリー)北方領土みたいな。
(プチ鹿島)でも、目先のイカの話からすると、リアルになりますね。
よりリアルに感じられる「竹島」問題
(モーリー)そうなんですよ。だからね、なんかこういう形でニュースっていうものをよりリアルに感じるアングルっていつでもあるんじゃないかな?ってつい思いましたね。
(プチ鹿島)食レポから竹島を意識して。
(モーリー)しかもオフカメラで……まあNHKなんだけど。当然、カットするじゃないですか。
(プチ鹿島)余計なこと言った(笑)。
(モーリー)だからおばちゃんもわかっているんだよ。「ああ、どうせ報道しないんでしょ? だったら私、言うけどさ」みたいに。ちょっとライトとかをこうやってやっている間に「ふんふん。おおっ、すげえ情報、ゲット!」みたいな。面白いっすよ。
(紗倉まな)たしかに。しかもこのサラッと「北朝鮮が……」っていうことを言うっていう、その空気感みたいなものもね。
(プチ鹿島)生活が地続きですもんね。おばあちゃんにとってはね。
(モーリー)だからもし将来、難民とかが来た時にあそこ、特に海上保安庁とかそんなにないから。あの能登半島にグワーッと来るわけでしょう? いざ、なにかあったら逃れてきた人が。「ああ、これはすごいことになるな」っていう暗示にもなりましたね。ということでした。
<書き起こしおわり>