モーリー・ロバートソン 日本ボクシング連盟・山根会長を語る

プチ鹿島  日本ボクシング連盟・山根明会長のおもてなしリストを語る 水曜日のニュース・ロバートソン

モーリー・ロバートソンさん、プチ鹿島さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で日本ボクシング連盟の山根会長について話していました。

(プチ鹿島)さあ、モーリーさん。気になったニュースは?

(モーリー)そうですね。やっぱり1週間、JOCっていうのが花火のように大爆発しましたよね。たとえば日テレの『スッキリ』に僕も木曜日に出ているんですけど、僕が出た次の日の金曜日。番組のラストのところで山根会長が出演されて、加藤さんに「私は暴力団関係者に脅されているんだ」ということを自分から、その関与を認めるようなことを言って。それからプレスがワーッて飛びついたという現象があって。

(プチ鹿島)それまではキャラクター先行で「この人はどういう人なんだろう?」っていうような人がはじめて生放送に出たんですね。そしてそういう……。

(モーリー)自分の交友関係とか、何十年にも渡ってっていう。「でも、盃は交わしていない」とか。自身の自分だけのスタンダードで「俺はシロだ」ってやったんだけど、それをテレビで見た人たちは「自分でクロって言った!」みたいになった。そういう瞬間ですよね。それで評価したかったのは、僕は加藤浩次さんがそこまで行くって思っていなかったんですよ。僕はテキストのニュース記事で読んだんですけど。普通、裏社会とのつながりがあるとメディアっていうのは全般に及び腰になる傾向があるんですよね。

(プチ鹿島)そうですね。

(モーリー)だからその問題……要は裏社会に対する報道タブーが強すぎるということ。これは誰かがどこかで始めていかないといけないわけですよ。ただ、そこで「暴対法というものがあります」って紹介をしているだけだと実態は全く解明されない。だからそこに報道全般の及び腰に対する不安がよぎった。加えて今度は、これは木曜の『スッキリ』でもフリーのジャーナリストが告発していたことなんですけど、要はこのボクシング連盟の体質というのはすでにみんな周知のところだったという。ボクシンググローブが一社だけとか。だけどそれを書くジャーナリストがいても、大手スポーツ新聞がブロックしちゃう。

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)だから要は馴れ合い、一種のミニ記者クラブみたいなものがスポーツの中であちこちのジャンルごとにできているっていうようなことを告発されていたんですね。それで、僕らは東電の時に記者クラブ体質とかってさんざん話題になったでしょう? それで「報道でも忖度をしているんじゃないか?」とか。ところが、スポーツというある種サブディレクトリの中で小さな村がまとまっているという。

各業界内のムラ社会

(プチ鹿島)だから「ムラ社会」ってよく言われますけど、本当にあるんですよね。それぞれの村の既得権益でそういう長(おさ)がいて。で、みんなそこはいじらなかった。だからいま起こっていることって、今回はボクシングですけども、たとえば東京医大のことだって財務省とかのセクハラ問題だって、いわゆるローカルルールが世間にさらされた結果……。

(モーリー)政治班のキャップが「黙っておけ」みたいな。だからそれがね、この2018年にまかり通っていること自体が信じれんっていうか。じゃあ、公益社団法人にすれば変わるのか? とかっていう問題でもない気がして。これはいろんな既得権にあやかっているそれぞれのプレイヤーが同時にパズルをはめているわけですよね。で、もちろん損をするのは社会だったり国民全般だったり、そこに補助金という形で税金を抜かれている人たちなんですけど。Twitterがあって、これだけTwitterで先鋭的な人たちが、Twitter内著名人も含めて攻撃しあっているわけですよ。私もニューズウィークの記事が1個オンラインに載っただけで、さっそく賛否両論がブワーッてきていますよ。

(プチ鹿島)えっ、否はあるんですか?

(モーリー)ええとね、「9条教」っていうのが載ったんですよ。そしたら、護憲の人が怒るのはわかるんだけど、ガチ右翼の人が「なにが徴兵制だ? ちゃんと勉強をして。そんなのは技術兵だろ?」みたいな、すごいテクニカルなことで攻撃してきたんで。そっちのミリタリーオタクから来るんですよ。だからそれはあるとして、何が言いたいか?っていうと、それだけみんなが自由に野放図に何の敬意も持たずにお互いを罵倒しあっているネットが毎日24時間動いているのに、肝心のスポーツメディアで活字の世界。キオスクに売っているやつ。やっと俺もそのキオスクに乗ったんですけど(笑)。その中でこんなちっちゃな村が何十年も、半世紀近く。これ、どういうこと? どうして続けられるの?

(プチ鹿島)悪い意味の様式美ですよね。だからこれ、池田さん。後ほどのお話にも通じると思うんですけど、そこに一石を投じて変えれば、こんなに真っ当な素晴らしいビジネスになるじゃないかっていう。

(モーリー)だから東京医大とかと無理に、強引に結びつけるつもりはないんだけど、要はそうやってがんじがらめにやってしまうと結局そこに、その業界に収入のチャンスがあったのに、上の人たちだけが自分たちの取り分を増やしたいという権力構造が独り歩きしたため、業界全体が損をして最後はみんなブラックになるっていうことですよね。

(プチ鹿島)そう。だから僕も同じニュースは気になっていたんですけど。いまのモーリーさんのおっしゃることもまったくその通りだとは思うんですが、もっと言うとモーリーさんはそこで「なんでいままで、こんなものが続いてきたの?」って。まあ、僕も思います。だけど、もうひとつ言うと、もうこれが通じなくなってきたんだろうなっていう。ローカルルールが世間の目にさらされて、「もうこんなのダメだよね」っていうのが始まったのが去年、今年ぐらいの。ようやくですけど、その流れが始まったのかって思ったんですよ。

(モーリー)あの、「#MeToo」も正直ね、最初に「#MeToo」がアメリカで出て日本でも伊藤詩織さんが告発した時にはすごい湿ったマッチみたいに火がつかなかったんですよ。だからやっぱりこれはいつもの日本人の国民性なのかな?って思ったのね。ところが、官僚。事務次官がセクハラで告発された。それがきっかけで後追いで急に「#MeToo」がね。もちろん野党も政治の道具にしたけども。だから、やっとおっしゃったように変化のきっかけが、ほころびが訪れている。

モーリー・ロバートソン 2018年・日本のMetoo元年を語る
モーリー・ロバートソンさんがblock.fm『Morley Robertson Show』の中で財務省福田事務次官のセクハラ問題などについてトーク。最近日本のテレビ番組等でセクハラ問題のご意見番になりつつあるモーリーさんが「日本のMetoo...

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)いままではシームレスだったものがやっとほころびが見えている状態ですよね。

(プチ鹿島)はい。

<書き起こしおわり>

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