モーリー・ロバートソン 消えゆく世界の少数民族言語とヒップホップを語る

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モーリー・ロバートソンさんが文化放送『The News Masters TOKYO』の中で日々消えゆく少数民族の言語についてトーク。ブラジルで生き残っている沖縄方言や、少数民族の言語がヒップホップと結びついてリバイバルしている話をしていました。

(小尾渚沙)では、気になるテーマにフォーカス。世界で次々と言語が消滅しています。現在、世界で話されている言葉はおよそ7000言語。そのうち、1/4が絶滅の危機にあり、半分が今世紀中に絶滅すると多くの言語学者が指摘しています。言葉の絶滅は人類にとってどのような意味を持つのでしょうか?

(タケ小山)言葉の言語の消滅。これが実は起きているんですか?

(モーリー・ロバートソン)少数民族の、たとえば数万人を切るような言語というのはかなりの速度で、実は世界中で消滅をしていて。2週間に1個消えているという観測もあるんですよ。

(タケ小山)2週間に1個?

(モーリー・ロバートソン)うん。これは要は、ニュースの表にさえ出てこない少数民族がいろんな大陸にいるわけですよね。中国にもいるし、アフリカにもいろいろあるし。で、日本にも絶滅疑惧のアイヌ語、ありますよね。で、そこに対してユネスコみたいなところが警鐘を鳴らしていて。絶滅危惧の言語を指定したりしているんですよ。

(タケ小山)そうか。生き物だけじゃなくて。言葉も生き物だもんね。

(モーリー・ロバートソン)それで、言葉が消えてしまうと伝統に対する感受性や思い……なんか、記憶も一緒に消えてしまうところがあったりする。まあ、そういうことが世界でいま懸念されている中なんですけども、BBCが先日、ブラジルのサンパウロで取材をした長い記事を載せていまして。現地にいる琉球語を話し続ける移民の家族たちという。

(タケ小山)琉球語がブラジルにいるんですか?

(モーリー・ロバートソン)ブラジルに移民した沖縄地方出身の移民やその子孫が、いまだに琉球語……沖縄方言とか琉球方言とかいろんな言い方がありますけども。琉球語の中には八重山方言も入っているから、沖縄本島以外。いわゆるウチナーグチ以外も、そこらへんも全部入っているんだけど、日本ではすでにあまり使われなくなっている。おじいやおばあしか使わない言葉が、(ブラジルでは)若い子も普通に日常会話で使っているという。

(タケ小山)すごい!

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BBCに掲載された記事

(モーリー・ロバートソン)移民先のブラジルで100年……いや、70年とかかな? 生きているんですよ。で、その英文記事の中で私がはじめて、恥ずかしながら日本のある部分の歴史を勉強したんですけども。日本って1960年代末まで移民を奨励していたのね。日本の人口は多すぎるということで。特に、地方。東京から離れたところ、都会から離れたところであればあるほど、積極的に「移民に行きなさい、行きなさい」って勧誘して。最初はハワイ。そのあとはアメリカの西海岸、カナダの西海岸。そして相当数、メキシコにも行ったのね。

(タケ小山)メキシコも。

(モーリー・ロバートソン)ところが、これらの国々が20世紀の前半に一斉に移民禁止、移民排斥運動が盛り上がるんですよ。いまのヨーロッパみたいな感じ。だから、要はいまは(移民の供給源は)シリアじゃないですか。昔は日本人なんですよ。「東洋人が入ってきたら、我々の文化がおかしくなる!」っていうんで、シャットアウトした。そしたらそのタイミングで、南のブラジルに行ったのね。ブラジルは19世紀末に、それまであった奴隷制を廃止して、その隙間に移民が必要になった。日本人、日系人はそこにダーッ!って行ったんだけど、もともと農業のノウハウを持っていたから、現地の農業よりも水準の高い農業をやっていて、地主になって逆に富をもたらして(現地の人に)歓迎されたんですよ。

(タケ小山)はい。

(モーリー・ロバートソン)だから、数少ない融和した移民で。だけどしかも、沖縄のアイデンティティーを……最初の移民団の半分は沖縄出身の人だったんです。で、結局いま70才になった、60年前に10才の時に移民した、いま70才のグシケン・ヨウコ(Yoko Gushiken)さんという人に長いインタビューを……。

(タケ小山)まさに具志堅さんだよ。

(モーリー・ロバートソン)そう。いまもって沖縄語……「Okinawan」っていう風に英語では言われてますけども。その琉球語を普通に日常生活で使っている。で、たまに里帰りをして、沖縄に残った妹さんと再会して、2人で琉球語の演劇を見に行ったら、妹さんは標準語に染まっちゃっていて何も意味がわからないけど、自分は全部わかったという。

(タケ小山)やっぱり言葉って外に出ていってはじめて生き続けていくんだな。

(モーリー・ロバートソン)よく、日本ではニュースで「沖縄」っていうと基地問題を中心に。それとか選挙とか。それだって結局沖縄のアイデンティティーとか中央というか東京からの距離感みたいなものが争点になるじゃないですか。で、さっきもナショナリズムの話として、自尊心の問題を持ち上げましたよね。じゃあ、沖縄のアイデンティティーがどうなるのかを沖縄の人たちが日頃、お互いの会話でも気まずくなるからそこは言わないっていう部分はあると思うんですよね。

(タケ小山)どんどん沖縄の人は使ったらどうなんだろう?

(モーリー・ロバートソン)いや、僕は実は政治にあまり興味がなかった時から、沖縄の言葉って美しいと思ったんで。八重山語とか。

(タケ小山)風土に合っていますもんね。

(モーリー・ロバートソン)それをね、みすみす……たしかに放送は一方的に中央の東京なまりを押し付けてくるわけですよ。メディアというのは。それになんらか、積極的に自分たちで言語を生かそうと……あ、最後に明るい話です。

(タケ小山)明るい話。

(モーリー・ロバートソン)世界のあちこちの、それこそ数万人しかしゃべらない、北欧のサーミ語とか、そういう言語圏の若者がヒップホップのラップで自分たちの言語をリバイバルさせようとしているの。

少数民族言語がヒップホップと結びついてリバイバル

(タケ小山)ほら、きた!

(モーリー・ロバートソン)で、この前、中国でヒップホップが禁止ってなったじゃないですか。でも、アンダーグラウンドのヒップホップはまだみんながんばって続けているの。中国でも。四川省にいるチベット系中国人の若者が、やっぱりアンダーグラウンドのヒップホップでがんばっているわけ。

(タケ小山)ああ、自分たちの言葉を使って?

(モーリー・ロバートソン)そう。チベット語、消滅危機だから。そういう動きもあるわけです。そこでなぜかヒップホップとつながることで、「うおおおーっ!」って若い人たちが急に、世界共通のヒップホップというかっこよさと、自分たちのどんどん失われていく伝統と文化を合体させて魂をリバイバルする。本当の「ソウル・ミュージック」。

(タケ小山)ソウル・ミュージックだ。

(モーリー・ロバートソン)はい。

<書き起こしおわり>

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