宇多丸・漢 a.k.a GAMI『今日は一日”RAP”三昧』対談書き起こし

宇多丸・漢 a.k.a GAMI『今日は一日”RAP”三昧』対談書き起こし 今日は一日RAP三昧

漢 a.k.a GAMIさんがNHF FM『今日は一日”RAP”三昧』にゲスト出演。宇多丸さんと2000年代の日本のヒップホップやMCバトルの歴史について話していました。

(宇多丸)そんな感じで聞いていただいたキック・ザ・カン・クルーの『マルシェ』。これ、2002年。

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90年代後半から2000年代の頭にかけて、たとえばm-floがさ、普通に売れて。m-floのVERBALのラップってめちゃめちゃ難しいからさ。それこそ、カンパニーフロウとかそういう影響を受けたラップだったりして。そういうのが普通に売れていたりとか。さっきも言ったように割とみんな軒並み……我々もメジャーデビューして、普通に売れてたりしてたじゃないですか。あと、重要な動きとしてはキック・ザ・カン・クルーのトラックも作っているKREVAという、いまでもスーパースターとして活躍していますが。KREVAとかが優勝したことで有名なというか、いまに至る、要するに『フリースタイル・ダンジョン』でMCバトルが非常に盛んですけども。僕の知る限り、そのMCバトルを大会形式でやったのは1999年の『B BOY PARK』でのMCバトルというのがたぶん最初です。

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(渡辺志保)おおーっ、なるほどね。

(宇多丸)で、その前は実は試合形式のバトルってほぼなくて。その前は、たぶん1994年とかのMC SHIRO(宇多丸) VS MCジョーっていう。日本最初の公式戦という。

(DJ YANATAKE)ああーっ、それですね。

(宇多丸)それが最初だと思いますが。なかなかやるのは面倒くさいんで、やらなかったんだけど、99にやりました。私が司会をやってね。ルール作りとかをいろいろやって大変だったんですけど。で、『B BOY PARK』でやって、そこからKREVAが三連覇というような流れがあって。そこからの盛り上がり……『B BOY PARK』のMCバトルそのものはいろいろあって頓挫もするんだけど、そこからバトンがつながれて、フリースタイルシーンというか即興バトルのシーンはシーンでまたずっとあって、いまに至るということもあって。それがもう99には用意されているという。

(渡辺志保)うんうん。

(宇多丸)そしてやっぱり99、忘れちゃいけないというか、大きな動きはザ・ブルーハーブ(THA BLUE HERB)ですね。もちろん、BOSS THE MCという人はその前からいろいろと活動をずっとしていたんだけど、ブルーハーブが99年に出した『STILLING,STILL DREAMING』というアルバム。これは彼らが完全に自主制作で作っていたんだけど。で、まあ札幌をベースに活動しているグループですけども。で、非常にアンダーグラウンドかつシリアスでリリカルで……というか。要するに、東京のヒップホップシーンというのに対するある種のカウンターとして登場し、瞬く間に。本当にスキルもただごとじゃないんで。BOSS THE MCのラップは。瞬く間に支持を広げて、これもめちゃくちゃ売れたわけですね。で、それ以降の要は東京以外のシーンの活性化というところもそうですし。

(渡辺志保)はい。

(宇多丸)あと、ラップのスタイルも進化……やっぱりBOSS THE MC以降みたいなものが確実に生まれたと思うんですよね。そんな感じで、ではブルーハーブから1曲、なにをかけようかなと思ったんですが、これはアルバムの次に出したEPに入っているやつかな? ザ・ブルーハーブで『アンダーグラウンド Vs アマチュア』。

THA BLUE HERB『アンダーグラウンド Vs アマチュア』

(曲終わり)

(宇多丸)はい。ブルーハーブで……まあBOSSくんはバースが長いというね。ブルーハーブで『アンダーグラウンド Vs アマチュア』。2000年の曲を聞いていただきました。といったあたりで、ブルーハーブの登場を直接的じゃなくても、なんかシーンの空気感みたいなのが変わったというのがありまして。そのあたりも含め、MCバトルの時代というのも含めて、この方をゲストにお話をうかがいたいと思います。漢 a.k.a GAMIさんです。いらっしゃいませー!

(漢 a.k.a GAMI)はい、こんばんは。

(宇多丸)もう、NHKですよ。どうですか?

(漢 a.k.a GAMI)NHKで、みなさまの目も、お疲れになっているようで……。

(宇多丸)いやいや(笑)。ちょっと目を覚ますピリッとした話をお願いします。ということで漢くん。僕が漢くんの存在をはじめて知ったのは2000年かな? 2回目の『B BOY PARK』のMCバトルに出場してもらって。その時に、漢くんがやった時に僕は「なんだ、この人?」って思って。すごい聞いたこともないスタイルだし。なにしろ怖えと思って。すでにMS CRU(MSC)として活動をしていて。で、会場の前のところでCDを配って……あれ、売っていたんですか?

(漢 a.k.a GAMI)500円で売ってたんですね。

(宇多丸)そうかそうか。それで僕は買ったのかな? もらったのかな? わかんないけど。

(漢 a.k.a GAMI)たぶん、有名な人には渡してますね。

(宇多丸)ハハハ(笑)。すいません。もらっちゃったのかもしれないけど。で、これはまたすごい新世代が出ちゃったなという。大変やりづらくなってきたというのを感じましたけども。ということで、漢くんにいろいろと質問をしたいんですけど。まず、ラップ・ヒップホップを最初に好きになったというか、マイ・ファースト・ヒップホップってどんな感じですか?

(漢 a.k.a GAMI)ラップに触れたのはおそらく、ハマーですね。MCハマーの、しかも『It’s All Good』。

(DJ YANATAKE)ああー、はいはい。

(漢 a.k.a GAMI)あれをゲーセンの100円で聞けるジュークボックスで中1、中2ぐらいの時にたぶん少しハマって。行くとよくかけていたんですね。で、それから全く出会いはなくて。高校に上がった時、同級生に誘われてこのヒップホップシーンを知っていくっていう感じでしたね。

(宇多丸)ただその漢くんのラップって、なにから影響を受けたのかがすごくわかりづらいところがあって。なにに影響を受けたみたいなのって、ある?

(漢 a.k.a GAMI)本当に、なくはないんですけども。昔からひとつのものに集中することがあまりないんですね。つまり、ファンになるというようなことが。自分は高校の頃に唯一ハマったのが、やっていた部活のアメフト。アメフトでも、ファンのチームはなかったし。自分の興味あることをやっていても、そこに対する憧れる人っていうのは特定のものはいないんですよね。なんで、刺激をところどころでもらうというか。「ああ、こんなことやるやつがいるんだ」みたいな。で、ラップに関しては当時、いちばん嫌だったのが「○○知ってる?」っていう。その英語の歌詞は知らないし、グループ名もわからない。レコードを買わない人間がグループ名覚えるの、大変なんで。

(宇多丸)うんうん。

(漢 a.k.a GAMI)そう思った時に『The Message』を聞いて。で、こいつらがラップっていうのをはじめに形にしていったっていうイメージで聞いたんで。とんでもねえところから、ロックだったりいろんな影響があるんだということを学んで。「じゃあ、俺は日本のこいつらでいいや」的な考えで。いちばん最初に作ったやつの気分で。「知識なんて、いいや」っていう。オリジナルで行くって決めちゃったんですね。

(宇多丸)ああー。それで……だからね、漢くんにいちばん聞きたかったのはなんでこのスタイルなのかが本当に前から不思議で。まあ、あえて言えばブルーハーブの影響はあるのかな?って思ったんだけど。どうですか? そのへんは。

(漢 a.k.a GAMI)そこが、いまとなってはブルーハーブ、2人とも挨拶したり、しゃべれる仲にもなったんですけど。つい最近。で、さっき『アンダーグラウンド Vs アマチュア』がかかっていたじゃないですか。はじめてちゃんと聞いていたんですけども。なので、あんまりそこもチェックはしていなかったんですよ。

(宇多丸)ああ、そう? じゃあ、すごいね。やっぱり漢くんは。

(DJ YANATAKE)オリジナルなんだ。

(漢 a.k.a GAMI)そうですね。なんか開き直ってしまったというか。はじめてラップをやったやつって、じゃあどうしたの?っていうか。誰の影響を……とか、ないじゃないですか。(それまでは)ラップがないんで。

(宇多丸)まあまあ、なるほど。

(漢 a.k.a GAMI)なので、そこでやった時に僕は日本ではじめにラップをやったやつのつもりになればいいかなっていう考え方に切り替えました。

(宇多丸)すごいね! むしろ、いとうせいこうさんとかがしそうなぐらいの考え方だな。すごいな。なんか、この番組はアメリカのヒップホップと日本のヒップホップを並行でやっているのは、アメリカのヒップホップのトレンドとかあり方みたいなのに日本語ラップっていうのを再解釈していくみたいな時に、進化の原動力が起こりえるというのを仮説としてというか。現実にそれはあると思うんだけど。じゃあ、漢くんに関してはそこはそうじゃないってことなんですね?

(漢 a.k.a GAMI)唯一言えるとしたら、ウータン・クランですね。ハマっていたというか、最初は毛嫌いしていたんですけど、ある時期からそのかっこよさに気づいてからは、ウータン・クランはもっともチェックしていました。

(宇多丸)それは集団というかキャラが違うラッパーがいて……みたいなことだったり?

(漢 a.k.a GAMI)だったり、音楽性とキャラとか、いろんなトータル面で見て、だとは思いますね。

(宇多丸)なるほど。

(DJ YANATAKE)逆に他にラップを始めた当時、聞いていた音楽みたいなところはあったんですか?

(漢 a.k.a GAMI)ありますよ。僕は周りの本当に身近な距離に知識を持っている人間がいないんで。テレビで稀に映ったりとか、コアなヒップホップに触れた時にメモしてチェックする時間もなかったりとかして。なんで、勝手に地元のCD屋に行くんですよ。でも、タワレコでもないし、ムトウっていう音楽楽器屋だったりするんですよ。なかなかなくて、そこで手に入れられたのがアイス・Tのボディ・カウント。そのCDを買ったのと、あとウータン・クランのRZAがやっていたグレイヴディガーズ。その2枚だったんですよ。手にしたのが。

(DJ YANATAKE)ああー。でもなんとなく、カラーが。

(漢 a.k.a GAMI)でも、すごいそれを毛嫌いしたんですよ。聞いて、「なんだよ、これ?」って。イメージが違いすぎてですね。

(宇多丸)アハハハハッ! グレイヴディガーズはちょっとホラーコアというか。ギミック感があるからね。

(漢 a.k.a GAMI)ホラーでしたね。なんで、そこらへんはちょっと1回スルーしてしまったんですよね。で、ウェッサイもちょっと毛嫌いしてしまって。あのシンセの音が苦手で。

(宇多丸)ああ、そうか。たしかに漢くんはMSの頃から割とスモーキーなサンプルサウンドっていう感じだもんね。

(漢 a.k.a GAMI)なんで、いろいろと、日本のヒップホップに出会ってから日本語のラップに集中はするんですけど、常にアメリカのは一応ところどころで、現行をチェックしていくっていう。なんで、いまだに現行はチェックしていくんですけど。

(宇多丸)うんうん。

(DJ YANATAKE)たしかに鎖カフェに行くといつも新しいヒップホップのがかかったりしているんで。

(宇多丸)じゃあ、触れてはいるんだけど、でも分析的に接したりはしないというところが漢くん流っていうことなのかな?

(漢 a.k.a GAMI)そうですね。僕は心理的なものですぐに解釈して見ようとしてしまうので。なんかこう、ラップの歌い方だったり、動き方とかも含め。なのでそれで日本流でやるって途中から決めちゃいましたね。

(宇多丸)でも、だからああなんだよな。やっぱり最初に見た時から、「なに、この人? この日本語の使い方、なに?」っていうような。

(漢 a.k.a GAMI)ちょっと強引なスタイルなんですよね。要は、たぶん。強引ではあるけど、一応自分らでルールだったり理由はかならず作っておくというか。裏付け的なものを自分らでしっくり来ていないと嫌だったんで。まあなんか、どこかしらそういうような思想は持って、みんなで共通なものを見てはいましたね。

(宇多丸)僕は1回、MS CRU、バトルで漢くんを見て普通にファンになってしまい、タワーレコードのインストアライブとかを普通に見に行って。そうするとね、ステージングの仕方とかがね、面白いんだよね。俺らと180度違うっていうか。漢くんが「適当に出しちゃって」っつって曲を出した時、衝撃を受けて。「そんな曲の出し方、ある!?」って。「適当に出しちゃって」っていうね、その言語感覚にやられちゃいました。

(漢 a.k.a GAMI)いまだにやってますね。

(宇多丸)これ、お便り。漢さんへのメッセージも来ています。38才男性。大分県の方。「MC漢さん、MS CRUがきっかけで日本語ラップを再度聞き始めました。自分の周りはほとんどそうです。最近は出世されてゾンビみたいなヘイターが増えているかと思いますが……」という。「ヘイター」っていうのは文句ばっかり言う人のこと。「……私はMC漢さんがどんな仕事をされても、それは漢さんがやることに面白みがあると思って拝見させていただいております。とにかく心に染みるリリックをありがとうございます。感謝します」という。熱すぎる!

(漢 a.k.a GAMI)熱いですねー。

(宇多丸)暑苦しすぎるメッセージが。

(漢 a.k.a GAMI)はい。これは自分で言うのも恥ずかしいんですけど、日本語ラップを諦めて離れた同世代だったり、リスナーとしても離れた人間たちが戻るきっかけになっているらしいんですよ。それを昔、よく言われまくったんで。「また始めた」とか。その中にはRUMIだったりKEMUIっていうやつとか、同世代で有名になっているやつからなっていないやつまでいろいろといるんですけども。で、歌い手だけかと思ったら、聞き手側の人たちも「また聞くようになった」と。で、それが何度かあったんですけど、僕らがきっかけで戻ったというやつが、僕が聞いた中ではいちばんそういう声を出してくれたのは、自分らの曲きっかけっていうのがすごい多かったんですね。

(宇多丸)これ、なんだと思います? 僕もたしかにね、MSC以降と……だからMSCが来た時に「これはもう完全に新世代が来た。潮目が変わったぞ。……やりづれえ!」みたいな感じに思ったんだけど。なんだと思います? その前の世代と自分らの世代との……。

(漢 a.k.a GAMI)そうですね。ひとつはやっぱり反発心というか。いちばん最初に日本語ラップのシーンのインディーズだったりコアな部分を知った時、最初はグループはスチャダラパーしか知らなかったので。で、いわゆるライムスター、ギドラとかのその周辺を知った時の衝撃はすごいデカくて。日本語にも聞こえなくて。はじめ聞いた時、俺の地元のやつもそうだったんですけど、「これ、日本語?」って言ったんで。俺も最初は日本語と思わなかったんですよ。そのぐらいたぶんハマっているスタイルをみなさんは完成させていて。

(宇多丸)うんうん。

(漢 a.k.a GAMI)で、純粋に俺もタワレコのインストアライブでYOU THE ROCK★がぶら下がって中止になった……あの現場にいるんですよ。

(宇多丸)アハハハハッ!

(漢 a.k.a GAMI)で、『さんぴんCAMP』には行っていないんですけど。触れには行っているんで、すごい衝撃もあったしやられたんですけど、その時に、自分らでやる時にできないものを否定してしまうという若さゆえの部分があるんですけど、ただそれだけだと理由としてしっくり来なかったので、矛盾点を探したんですよね。日本語ラップの。

(宇多丸)ああ、それまでにやっているのの。

(漢 a.k.a GAMI)いろいろと「ストリートだ!」とか、雑誌を見るとみんな言っているんですよ。で、ラップを聞くと、「なにを言ってるんだろうな?」みたいな。ワード遊び、言葉遊び的な部分が強くて。音楽性はあってもですね。で、いわゆる僕が出会った時のヒップホップはチーマーだったり、ヤンチャな子たちも街にいっぱいいたんで。そいつらがヒップホップだったりとか……アメリカのヒップホップを覗くと、一部の変な見方なんですけども、いわゆる貧困だったり、文字もロクに書けていないようなやつがラップでカマして儲けちゃっているとか、そういうドキュメンタリーを見たりした時に、こっちで言う「ストリート」と向こうが言っている「ストリート」は違うんじゃないか? と。まず。

(宇多丸)ああー、たしかに。90年代ヒップホップ。僕らの世代もそうだけど、まあ宇田川町を中心とした、ちょっとなんて言うの? 仮想ストリートっていうか、そういう感じはあったかもね。

(漢 a.k.a GAMI)そういうものも作らないと、ヒップホップっていうのに入れなかっただろうし。ただまあ、僕らの時代の時にはもう、「日本でもこういう問題あるじゃん。身近にこういうやつ、いっぱいいるしな」って思った時に、そっちに無理やりはめ込んで。音楽性だったり、ラップの完成度よりもまずは内容をやってみようと試みたのがきっかけですね。

(宇多丸)うんうん。だからまさにさっき言った精神性のところから入るっていう風なわけだ。まさに、だからちょうど日本がある意味、もう傾きかけてお先真っ暗なんじゃないの感が出てきて。僕らが始めた時のバブル真っ盛り感とはまず空気感の違いも当然、あるわけだけど。

(漢 a.k.a GAMI)そうっすね。だからバブルっていう時代はすごい知っているんですけど、実際にお小遣いを手にしたりとか、その金を使って人が動いているっていう姿はリアルに見てはいないんですね。ガキンチョですから。で、目の前で弾けたりとか、自分ちもそうですけど、まあいろいろとそれによって日本でもいろんな家庭で貧乏になっちゃったやつとか。バブルという時代が弾けたぞ、みたいな部分はもう中学前だったんで。そうなってくると、いろいろと時代背景と自分の生きてきた時代をリンクさせたり、見ながら行くと、俺たちみたいなのが生まれて最近増えたのはこういう理由なんじゃねえか?っていうのをまず、クルーのやつらで話し出すんですね。

(宇多丸)おおーっ! へー!

(漢 a.k.a GAMI)なんで、結構その時代はテレビも禁止にしてしまったし。事務所っちゅうかアジトでは。

(宇多丸)すごい! 禁止。

(漢 a.k.a GAMI)ゲーム機もあるけど、禁止みたいな。

(宇多丸)自分たちの世界にいったん浸りきるためというか。

(漢 a.k.a GAMI)バイトも辞めろと。

(宇多丸)すごいね! 退路を絶たせて。

(漢 a.k.a GAMI)仮想でもいいから、まず俺と近い部分に来い、みたいな感じで。で、文句を言う前にまず一緒にこの気分を味わえ、的な感じだったんですけど。俺は。

(宇多丸)うんうん。だからでも、MS CRUのなんか独特のまとっている空気は、じゃあそうやって。ある意味漢くんが強制的にまとわせたものでもあったんだ。

(漢 a.k.a GAMI)そうですね(笑)。はい。

(宇多丸)すごいね! じゃあちょっと一発、MSCの当時の曲を聞いてみましょうか。2003年の曲です。MSCで『宿ノ斜塔』。

MSC『宿ノ斜塔』

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