ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『爆笑問題日曜サンデー』にゲスト出演。いまいち日本語ラップに乗れないという田中さんに、日本語ラップの面白さを教えていました。
(宇多丸)(笑)。進んだ結果が、『才能ない』。だからさっきの、僕のラップのあれですよ。それこそ自分でやるたびに、『俺、またこの手癖でちゃってる』って。自分のラップの方ですよ。で、自分の限界を感じるみたいなの、いくらでもありますから。ぜんぜんある。
(田中裕二)あれね、俺、正直佐野元春さんのファンで。『Visitors』っていうアルバムが、日本でまあ、ラップ的なやつの。
(宇多丸)ニューヨークから帰られてね。
(田中裕二)一般的に言うと。それがちょうど大学の頃。
(宇多丸)『Complication Shakedown』。
佐野元春『Complication Shakedown』
(田中裕二)大学の頃、俺がちょうど佐野元春大好きで。で、聞いて衝撃を受けて。『わー、こんなのもあるんだ!』っていう感じで。で、そっからね、それで終わっちゃった。で、いまのっていうか、その後の。ちょっとたってから日本でもラップが、それこそライムスターさんの80年代後半とか90年、こう来たじゃないですか。そっからね、乗れないの。なんでだろ?
(江藤愛)相談(笑)。
(宇多丸)まあ、一言で言えば、知らねーよ!っていう。
(宇多丸・太田・江藤)(爆笑)
(田中裕二)なんでだろ?
(宇多丸)いや、まず80年代後半とか、僕らが始めた頃のラップっていうのはまだ日本語として。それこそ太田さんが言うような、日本語としてまだこなれていない表現も多かったと思うんで。未熟なものも多かった。いま、じゃあこなれてるのか?っていうと、まだまだ僕は発展途上だと思ってるんですけど。なので、入れないのも当然かな?と思うんですよね。ただ、僕の感じる日本語ラップの面白さっていうのは、輸入する過程でさ、こうすれば日本語に乗るかな?とか、こうすればかっこいいラップになるかな?みたいな時の。その試行錯誤も含めて。
(田中裕二)あー。
(宇多丸)ちょっと違和感を感じるぐらいの段階が僕はスリリングだったりする。
(田中裕二)そういう方がね。違和感があるぐらいの。
(宇多丸)そうそう。で、完全に日本語のポップスみたいに。たとえばロックもそうじゃん。昔、日本語でロックできるか?論争があったぐらいなのに、もういまはそこに誰も疑問を感じなくなって。もはや普通に英語で歌って、それが日本のポップミュージックとしてヒットしたりするじゃないですか。で、疑問がなくなった状態は、僕はね、意外とあんまりね。僕にとってはあんまり興味がなかったりして。
(太田光)その、発展途上の・・・
(宇多丸)どうしたらいいのか?って考えているぐらいのが、僕は面白い。その発展途上の面白みも、まず味わっていただくといいのかもしれない。
(田中裕二)そうか。そうか。
(宇多丸)で、ここまで日本語ラップ。ここまで来た!ここまで来た!っていう、その喜びっていうかね。だから、新しい人が出てくると、『あ、またこんな新しいやり方』『またこんな上手いこと書いてきた』。こういうようなのがね。
(田中裕二)なるほどね。
(宇多丸)で、その一方で僕みたいなベテランが、じゃあその若い子が出てきたところで、ベテランはじゃあどう出るんだ?と。やっぱりライムスター、年寄りなりの知恵を働かせてこういうのを出してきた、とか。そういう面白がり方をしていただくとね、よかったりなんかするかな?って。
(田中裕二)最初はきっかけ、なんですか?ラップにハマる。
(宇多丸)きっかけはまあ、RUN DMCっていうのがね、向こうでドカン!と売れて。あのRUN DMCが売れる前までは、もちろんラップとかHIPHOPはあったんですけど。あんまりね、ラッパーが中心にくる文化じゃなかったんですよ。もっと、ブレイクダンスとか、他の部分が中心だった。やっぱりRUN DMC以来、ラッパーが主役になって。んで、なんか音楽はすごい好きだったんですけど、楽器もできないし、歌も下手だし、ブサイクだし。で、いたらRUN DMCっていうのが・・・もう、だってジャージ着てカッコつけてるんですよ?
(太田光)そっか。
(宇多丸)やったー!って。それまでだって、日本は、やれディスコに入るのにこんな・・・
(田中裕二)ドレスコード。
(太田光)黒服がいてね。
(宇多丸)なんていって。そんなの、10代の若者は元気出ないじゃないですか?どうにもなんないじゃん!って思ったら、ジャージ着て、アディダス履いて、街角で歌ともつかないやつで。しかも、面見たらとんだブサイクで。もう、これはイケるぞ!と。チャーンス!梨花に遊ばれるところまで行く、チャーンス!
(太田光)(笑)。ポイ捨てされたいと。
(宇多丸)ポイ捨てされるところまで行く、チャーンス!付き合うまでいかないという(笑)。
(田中裕二)なるほどね。年齢とかも、やっぱりあるよね。
(太田光)奥さんとはどこで出会ったの?
(江藤愛)まだ戻りました。
(宇多丸)奥さんとは、まあ四谷の飲み屋みたいなので。電撃ネットワークのギュウゾウさんの紹介で。
(太田・田中・江藤)えーっ!?
(太田光)電撃ネットワークと付き合いあるの?
電撃ネットワーク・ギュウゾウさんの紹介で奥さんと知り合う
(宇多丸)電撃ネットワーク、ギュウゾウさんとはすごい仲良くて。一緒にDJのイベントとかやったりなんかして。
(太田光)へー!意外!
(田中裕二)南部虎弾さんに間違えられたり、しないですか?(笑)。
(宇多丸)それ、サンプラザ中野と同じですよ!
(江藤愛)レベル的には(笑)。
(太田光)でも、『ウチに入らないか?』って言われなかった?南部さん、さんざん誘ってたからね。
(田中裕二)いろんな人、誘ってたから。
(宇多丸)いや、仲良いんですよ。で、『飲みましょうか』って言ったら、当時ね、マッド・カプセル・マーケッツのKYONOさんっていう、これまたすごい世界的に有名なミュージシャン。その人と、その人の当時のガールフレンドと、その友達が。僕のいまの奥さんが来て。
(太田・田中・江藤)へー。
(太田光)かわいかった?
(宇多丸)そうっすね。
(江藤愛)一目惚れ?
(太田光)キスは?最初に、どこでしたの?
(宇多丸)キス(笑)。キスはね・・・結構1年ぐらい普通に友達づきあいみたいなの、してから。
(太田光)おおっ、いいね!いいね!
(田中裕二)気持ちはあったけど、友達のまま。
(太田光)言えなかったんだよ1
(宇多丸)いや、ちょっとこっちはこっちで前の付き合いみたいなのがあって。
(太田光)あー!
(田中裕二)二股か。
(宇多丸)いや、二股じゃないですよ!そうじゃないから!
(太田光)じゃないから!二股MCみたいなことじゃなくて。
(宇多丸)!?
(田中裕二)なににかかってんだよ!わかんないよ!二股って。
(太田光)『フタマター宇多丸』って。
(田中裕二)『二股』『ライムスター』にもかかってる。
(宇多丸)さすがですよね。もう、田中さんしか言い返せないですよ!何に対する何なのか、わかんないから!
(太田光)元がわかんないから(笑)。
<書き起こしおわり>