NONA REEVES西寺郷太さんがTBSラジオ『たまむすび』にゲスト出演。たまむすびの出演者でもある少年隊の錦織一清さんの、見失いがちな凄さについて語っていました。
(赤江珠緒)はい。もうね、TBSラジオでもお馴染みの西寺郷太さんですけども、改めてプロフィールをご紹介させていただきましょう。
(西寺郷太)ありがとうございます。
(赤江珠緒)西寺郷太さんは京都生まれの京都育ちという、都育ちですね。実家がお寺で、名前の郷太さんは釈迦。ゴータマ・シッダルーダが由来だということですね。
(ピエール瀧)釈迦ね。
(西寺郷太)ゴータマ・シッダールタ。なんて言いました?シッダルーダ?
(赤江珠緒)私、なんて(笑)。ゴータマ・シッダールタですね。えっ?
(西寺郷太)そうですね。シッダールタ。
(赤江珠緒)シッダルタ?
(西寺郷太)シッダルタ(笑)。知っとるけみたいな(笑)。
(赤江珠緒)あれ?おかしいな。私、マンガも読んでるんですけどね。釈迦の。
(ピエール瀧)ゴータマ・シッダールタ。
(赤江珠緒)そうですか。ちゃんとマンガも読んでるんですけどね。
(西寺郷太)初めてのサウンドで呼ばれました。
(赤江珠緒)すいません(笑)。
(ピエール瀧)マンガもね、マンガかい!って話ですしね(笑)。
(赤江珠緒)経典を読んだわけじゃないですからね。はい。高校卒業後、早稲田大学に進学。在学中にNONA REEVESのメンバーと出会われまして、本格的に音楽活動を始め、96年にデビューをされます。現在はNONA REEVESの活動だけではなく、音楽プロデューサーとしてもご活躍。岡村靖幸さん、中島美嘉さん、ゴスペラーズ、近藤真彦さん、SMAP、V6、少年隊などなど、様々なアーティストに楽曲を提供されています。ちなみに、いまBGMで流れている、ザ・トップ5のテーマ曲を手がけたのも西寺郷太さんです。
ザ・トップ5のテーマ
(西寺郷太)いつも、ありがとうございます。『トップ5♪』ってやつですね。
(赤江珠緒)そうですよね。さらに、大のマイケル・ジャクソン好きで、マイケル研究者としても有名。ご著書『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』と『マイケル・ジャクソン』の2冊は大変話題になりました。ということです。
(西寺郷太)この番組の前にキラ☆キラっていう番組で、水曜日の3時から。まったくこんな感じで、宇多丸さんとか小島(慶子)さんとかと一緒に話させてもらって。それが、元々マイケルの話をしてたりした時にマイケルが亡くなって。だからやっぱり、TBSラジオ発信でそういう本とかも出させてもらっていたんですね。
(赤江珠緒)そうですか。郷太さんがマイケル・ジャクソンにハマったのは10才ごろ?
(西寺郷太)そうですね。たぶん赤江さんと同じぐらいの世代だと思うんで。みんな、小学生がムーンウォークしてたりとか。結構こう、マイケルっていうのが洋楽ですけど、いまよりももっと、普通にひょうきん族とかでパロディーにしてたりとか。テレビでもガンガンやっていたので。
(赤江珠緒)私はね、13才くらいの時に西宮球場にマイケルが来て。もちろん、チケットとか買えないんで、自転車で行きましたもんね。
(西寺郷太)あ、周りの音を聞きに。
(ピエール瀧)こぼれてくる音を聞きに。
(赤江珠緒)そうそうそう。
(西寺郷太)BADツアーですよ。西宮球場。それ、87年の話ですよ。
(赤江珠緒)あ、もうスラッと。やっぱり年代が出てこられるんですね。
(西寺郷太)はい。9月のことですね。
(赤江珠緒)へー。なんでこれは、もう。聞いた瞬間に?
(西寺郷太)その前に、それこそ昨日も実は錦織さんと世田谷で飲んでいたんですけど。
(赤江珠緒)ニッキさん?
(西寺郷太)ニッキさん。錦織一清さん。この番組にも出られている。やっぱり少年隊も好きでしたし、やっぱりポップスが好きだったんですよね。それこそ、ベストテンなんかは毎週、カセットに録れないから、最初から歌詞を集中して覚えるみたいな。そういう感じでポップスが好きだったので。歌謡曲自体も、筒美京平さんが作った曲とか、好きだったんですよね。
(赤江珠緒)あ、そうなんですか。
(西寺郷太)ただそれで、マイケルとかが登場して、プリンスとか、イギリスのワム!とか。カルチャークラブとかって、結構CMになっていたりとか。カセットの。で、結構どっちも好きになったっていう感じですね。
(赤江珠緒)ポップスの中では誰?好きなアイドルとか、いらっしゃいました?
(西寺郷太)国産の、本当に少年隊がいちばん好きでしたね。
(赤江珠緒)少年隊。へー!じゃあ、いまのニッキさんをご覧になって・・・
(西寺郷太)いや、いまのニッキさんも、本当によく会ってるんですけど。最高ですけどね(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)なんで笑いながら・・・
(西寺郷太)そっちが先に笑ったからでしょ!半分、『んんっ・・・』ってなってたじゃないですか。もう。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)いやいや、なんで少年隊なのかな?っていう。光GENJIとか、そういうのもいっぱいある・・・
(西寺郷太)光GENJIも、もちろんそれこそ87年の8月・9月にデビューして、『ABC』って少年隊が曲を出している時に、『STAR LIGHT』『ガラスの十代』というので競ってましたけど。でもなんか、すごくトレーニングされて、ダンスの揃った感じだったり、ボーカルとしてもすごく素晴らしいので。錦織さんってトークももちろんね、いま、トークすごいですよね。ラジオで。
(赤江珠緒)芸人さんかな?っていう感じな域になってきていて。
(西寺郷太)そうなんですよ。僕、よく2人で飲んでも、『1人では受け止めきれない』っていつも言ってるんで。
(赤江珠緒)(笑)
(西寺郷太)2、3人で飲まないと。昨日もジャニーズの若手の子たちがいたので、僕もあれでしたけど。1対1だと負いきれないっていう・・・
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)チーム戦で臨まないと。
(西寺郷太)そうそう。チーム戦(笑)。タッグを組んで。
(ピエール瀧)群れで追い込んでいかないと、捕まえられないと。
(西寺郷太)ゾーンディフェンス。ゾーンディフェンス(笑)。
(赤江珠緒)ニッキは、ねえ。本当に・・・
(西寺郷太)なんですけど、ともかくいまのジャニーズのグループアイドルの祖というか。ちゃんと、びっしりと。
(ピエール瀧)ザ・ジャニーズですもんね。
(西寺郷太)そうです、そうです。実はその前の、マッチさんとか田原俊彦さんとか。ああいうところってやっぱりソロが多かったりしたので。みんなが『ジャニーズだ!』って思っているものの、ひとつのパイオニアは少年隊だと思うので。
(赤江珠緒)ダンスユニットみたいなね。
(西寺郷太)そうなんですよ。で、あと僕、さっきも曲を人に提供しているっていうのあったんですけど。やっぱり筒美京平さんとか、松本隆さんとか、そういうソングライターにもすごく僕、憧れていたので。自分で歌ったり、バンドもやっていますけど、そういうザ・アイドルのプロデュースみたいなのも、子どもの頃から憧れていたので。曲がともなくいいんですもん。『君だけに』にしても、『stripe blue』、『仮面舞踏会』。いい曲ばっかりで。
(赤江珠緒)いいですよねー。ちょっとこの流れで、じゃあ郷太さんに曲をね、紹介していただきましょうかね。
(西寺郷太)そうですね。錦織さん。本当に、たまむすびをお聞きの方、どういう風にね、捉えられているか、ちょっとわからないですけど。あと本当、照れ屋なので。自分のことをあんまりこういう場で言わないこと、ないですか?言います?
(赤江珠緒)なんかね、いろんなエピソードをしてくださるんですけど。あのね、『ぬか漬けをやってるんだ』とかね、アイドルとは思えないようなエピソードばっかり出されるんですよ。
(西寺郷太)ですよね。僕もよく、本当にLINEとかで『この動画、見ろよ。面白いぞ』とかいって。で、僕も錦織さん来たからその動画を見て、『面白いですね!』とかいって速攻で返事したら、『お前、いま取材中なんだから。LINE送ってくんなよ!』とかいって。おめーだろ?先に送ってきたの!っていう(笑)。
(赤江・瀧)(笑)
(ピエール瀧)なるほど。
(西寺郷太)まあ、そういう人なんですけど。この曲をまず聞いていただきたいと思って。僕も先ほども名前出しましたけど、冬に少年隊が出した曲で、『ABC』。
(曲おわり)
(赤江珠緒)いいですねー!いいですねー!
(西寺郷太)懐かしくないですか?でも、最高っすよ。この、後半に『Happines Goes On』っていうラップがあるんですけど。まあ錦織さんの直接聞いて好きなエピソードで。当時、植草さんが『ハピネス池尻』っていうマンションを借りようと思って。あるんですよ。三宿の交差点の近くに。いまでもあるんですけど。
(赤江珠緒)ええ。
(西寺郷太)で、通るたびに思い出して笑ってるんですけど。そこに、手付金みたいなのをもう払って。『俺、ハピネス池尻ってところに引っ越すんだ』ってこのシングルが出る直前ぐらいに言ってたんですって。で、もう女の子たちがそれこそ新幹線とかを追っかけてくるような、あの時代ですから。それで、錦織さんがこの曲を披露する時に、『Happines Goes On』っていうところを『ハピネス池尻』って言ったらしいんですよ。
(赤江珠緒)(笑)
(西寺郷太)ライブの時に。そしたら女の子とかがギャーッ!ってなって。で、もうそこに住めなくなっちゃって。植草さんが。『ハピネス池尻ってなんなんだろう?』って。
(赤江珠緒)ああ!で、調べたらマンションだと出てきますから。
(ピエール瀧)ファンの子たちもすごい。まだネットとかもない時代で。
(西寺郷太)ない時代で、もうハピネス池尻。
(赤江珠緒)ハピネス池尻を聞き取って。
(西寺郷太)なあに?から始まって、それでものすごい植草さんが錦織さんにキレて。もう、大好きで。めちゃ笑うんですよ。
(ピエール瀧)(笑)
(赤江珠緒)うん。
(西寺郷太)で、この前、僕、錦織さんといまミュージカルを一緒に作っていて。錦織さんの演出の舞台の、僕が音楽監督になって。1年半ぐらいかけていま、作っていて。来年、本公演を神奈川芸術劇場、KAATでやるんですけど。KAATっていうんですけど。で、去年にそのトライアウト公演っていって、若手だけで半分ぐらいのテスト公演をしたんです。7曲ぐらい一緒に作ったんですけど。で、その後に打ち上げがあって。スナックみたいなところを出演者の1人が『お母さんがやっているところなんです』とか言って、貸し切りにしてくれて。もう本当にカラオケが歌えるみたいな。でっかいテレビがあって。
(ピエール瀧)うん。
(西寺郷太)で、おじさんとかが行って歌うような場所を貸しきったんですよ。で、演者の人たちみんなで行った時に、中の1人が『郷太さんと錦織さんで少年隊、歌ってくださいよ』っつって。言ってくれた誰かがいて。で、俺からは言えなかったから、『じゃあ歌うか』って錦織さんがなって。それで、いろいろあって、『君だけに』から始まって。で、もう2人で『君だけに』歌って。僕も頭のなかでパパッて考えて。『君を見つめると♪』っていうところを歌うパートなんですよ。『君だけに♪』っていうところは植草さんが歌うんで。
(赤江珠緒)うん、うん。
(西寺郷太)最初にこう、耳打ちして。『植草さんのところ、錦織さんからスタートしてください。そしたら東山さんのところ、僕が受けるんで。そしたらそのまんま、行けますから』ってやったら、『お前、東山派だな』って言われまして。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)こっちは歌の出入りを考えてやっているだけなのにっていうね(笑)。
(西寺郷太)でも、それも最高だったんですけど。その後、『ABC』をやった時に・・・入れてくれたやつがいて。それで歌っている時、もうなんにも練習もしてないですけど、ここを2人で『ハピネス池尻♪』っていうユニゾンで言うっていうので、もう2人で爆笑したという。
(赤江・瀧)(笑)
(西寺郷太)僕は夢も叶ったし、まあ錦織さんも嬉しそうだったっていう。
(赤江珠緒)カッちゃんが気の毒で。
(ピエール瀧)郷太くんにしてみたら、とうに本物登場。それと歌えるなんて、もうこんなハッピーなことはないわけですよね。
(西寺郷太)そうです。そうです。本当に楽しかったんですね。あれは。
(赤江珠緒)スーパーアイドルですもんね。本当に。
(西寺郷太)スーパーアイドルなんですよ。錦織さん。
(ピエール瀧)そうか。で、2人とも人をおとしめる感じが同じだったっていう。
(一同)(笑)
(赤江珠緒)特に打ち合わせもなく、『ハピネス池尻』。
(西寺郷太)『ハピネス池尻♪』。見てる若い子たち、ぜんぜんわかんないですけど、俺たちだけ、ただ笑っているっていう。
(ピエール瀧)植草さんのことを若干軽く見ているっていう(笑)。
(西寺郷太)いやいや、本当に、まあまあ。面白エピソードでね。
(ピエール瀧)そんなのやるんだ。いま、作ってるんだ。2人で。
(西寺郷太)作ってますよ!
(赤江珠緒)いまニッキさん、いろんな舞台を手がけてらっしゃいますもんね。
(西寺郷太)あの人の凄さというと、僕、曲を作っていくんですけど。まあ、脚本があるミュージカルなんで、物語に沿ったような歌詞にしなきゃいけないから。いわゆるポップスの作詞よりもちょっと説明っぽくなっちゃう時もあるんですよ。で、僕もそれ、わかっていて。とりあえず、まず1回書こうと思って書いて。で、聞かせるじゃないですか。会議室とかで。
(赤江珠緒)うん。
(西寺郷太)そしたら錦織さんが、『あそこの歌詞、逆にして』とかってパパパッて言うんですよ。ほいで、僕もでも、『俺、こういうつもりで作ったから・・・』って1回言うんですけど。『でも、錦織さんが言うなら、そうします』って作りかえて戻ってくるじゃないですか。で、『これいいね』ってなって。『本当に良くなったな、さすがだな』とかって思って、2ヶ月ぐらいたって2人で飲んでいたら、『あのさ、郷太。あの時さ、この歌詞をこういう風にひっくり返して、こうしただろ?でも、お前がすぐやって来てくれて嬉しかったよ』って言ってくれたんですけど。
(赤江珠緒)うん。
(西寺郷太)よく、1回聞いた歌詞の、その元の歌詞を頭の中に入っていて覚えてるなって。
(ピエール瀧)よく覚えてるなって。ああ。
(西寺郷太)1回しか聞かせてない、その1回目のデモの・・・僕は書いたから覚えてるんですけど。『この人、ただの変なおじさんじゃないな!』って(笑)。
(赤江珠緒)そうですね。
(ピエール瀧)なるほど。相当変なおじさんだなと(笑)。
(西寺郷太)(爆笑)。ハイパーに変な・・・(笑)。だからもう、バババババッて演出の舞台の時も、いろんな指示を出すんで。みんな、思いつきって言ったら変ですけど。そん時のカンで言ってるのかな?って思っちゃうんですけど、全部彼の中で、空中から見えているっていうか、頭上からこう、見えてて言ってるっていうのが。だからその歌詞のこととかも・・・
(赤江珠緒)だからいろんな演出を手がけてらして。いや、ちょっと私もね、ニッキさんの凄さを見失いかけてたんですよ。一緒に共演したことで(笑)。
(西寺郷太)(爆笑)
(赤江珠緒)よかった。今日。
(ピエール瀧)まあ、たしかにそうなるよね。
(赤江珠緒)そうそうそう。
(西寺郷太)そうでしょ?僕もたまに、本当に見失うんですよ。
(ピエール瀧)だからたまにここに来て、話していて。やっぱり『演出する舞台が・・・』『本当に!?』って俺も思っちゃうもんね。
(赤江珠緒)ね(笑)。
(西寺郷太)もう、基本的に帰る時、いつも首をかしげてるんですけど。
(赤江・瀧)(笑)
(西寺郷太)そういうやっぱり、演出家としても、10代の頃から散々舞台をやられてきたっていうのと、やっぱり歌って踊って演出する人っていう人って、日本であまりいないので。
(赤江珠緒)そうかそうか。ご本人も出役の方の気持ちもわかるしね。
(西寺郷太)そう。もう大スターだったわけですから。出るという意味でもね。だから最近はそういうCDとかを出したりされてないですけど。僕は出してほしいんですよね。
(赤江珠緒)あー、そうですね。そうかー。
(ピエール瀧)でも昔のね、その80’sの頃のいろんな曲とか、アイドルのこととか知ってますけど。それこそ、向こうの海外のポップスの話とかしてるけど、よく忙しい時期にそこを掘っている時間があったなって思うよね。
(西寺郷太)あー。本当、踊りもね、説明するから。踊り方の。ああいう時の研究熱心・・・夜とかやっぱり踊りに行って、その現場で吸収してたみたいで。ダンスを。だからすごい、ただの変な人じゃなくて、めっちゃ変な人っていう。
(ピエール瀧)めっちゃ変な人っていうことになって(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(西寺郷太)スーパーアイドルつかまえて、申し訳ないですよ。
(ピエール瀧)ニッキさんが聞いてませんように。
(赤江珠緒)(笑)
(西寺郷太)でも、『明日、出る』って俺、散々言ったんで。『なんでも言っていい』って(笑)。
(赤江珠緒)いやー、今日ね、ちょっと何曲か郷太さん、用意してくださったんですけどね。
(西寺郷太)ああ、大丈夫です、大丈夫です。錦織さんで。
(赤江珠緒)錦織さんのお話で盛り上がりましたんで。お時間が来てしまいましたけども。
<書き起こしおわり>