ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『爆笑問題日曜サンデー』にゲスト出演。爆笑問題のお二人に、あまり試写会が好きではない理由としてこのように話していました。
(太田光)普段、映画館で見るんですか?
(宇多丸)映画館、行きますね。やっぱりね。
(太田光)試写会とかは?
(宇多丸)試写会は嫌なんですよ。
(太田光)あ、やっぱり。
(田中裕二)あの雰囲気?
(宇多丸)試写会って、独特の雰囲気。で、終わって、映画会社の人がススーっと。『どうでした?』って。
(太田光)困っちゃうよね。
(宇多丸)すぐそんなことさ。良くても悪くても、そんなすぐに言えないしさ。
(太田光)しかも、褒めなきゃいけない雰囲気だよね。あれはね。
(宇多丸)良くない時に、たとえば偉い感じの評論家のおじさんみたいなのが『どうでした?』『いやー、◯◯はイマイチだね』みたいなことを言ってるのをみると、それはそれで、『なにを!』って。自分も言ってるんだけど。『なにを、偉そうに!』。なんか、嫌なんです。
(太田光)タダで見ておいてね。
(宇多丸)そうなんですよ。
(江藤愛)お金、払ってね。
携帯の電話のベル鳴らしたりするのは試写会ぐらい
(宇多丸)なんかね、試写会の方があと、マナー悪いんですよ。いまどきは。携帯の電話のベル鳴らしたりするの、いま試写会ぐらいのもんですよ。本当に。
(太田光)ええっ!?
(宇多丸)ぜんぜん。
(田中裕二)あいつ(携帯OFFの表示)、出てこないんだね。試写会には。
(宇多丸)そう。出てこない。でも試写会に、盗撮のナントカみたいなの、俺出たことがあって。ビックリしましたよ!
(太田・田中)(笑)
(宇多丸)こんな人数少ない中でも!まだ疑われている!
(太田・田中・江藤)(爆笑)
(江藤愛)警戒してる(笑)。
(太田光)映画業界なのに、というね。
(宇多丸)でも、業界チックなのがちょっと苦手かもしれない。
(太田光)たとえば、隠れた名作とかある?いままで、こう・・・
(宇多丸)でも、ありますよ。そんなに評価されてないけど。たとえば、さっきの『メイン・テーマ』って、森田芳光さんのフィロモグラフィー上ではあんまり評価されているような映画じゃないし。むしろ失敗作っていう感じで。本人も、『沖縄でロケしたのに天気悪くて』って。あと、最後の風船飛ばすところも思いっきり失敗してるんですけど。
(太田光)そうなんだ。
(宇多丸)僕はその失敗してるところが、すごくこの映画のテーマとか諸々と合っていると思うっていうね。僕、メイン・テーマの話しだすと、1時間ぐらい、またね。あったりしますからね。だから、必ずしも良く出来ている映画が好き映画ってわけじゃない。
(田中裕二)結構不完全だったりするところが好きだったり?
(宇多丸)もちろん。もちろん。だって、映画って人間と同じで。よく出来た人はもちろんね、この人いい人だねって。すごい好きだけど。ダメだな、こいつ!と。口も臭いし、話は長いし。でもまあ、友達なんだよねっていう人、いるじゃないですか。だからその、好きだったり、ずっと何度も見ちゃったりするものと、いわゆるよく出来ているはまた別だったりするんだよね。
(太田光)これはだからやっぱり、そこまで見ないとね。なかなかやっぱり、すごい寛容な気持ちでは見れない。
(宇多丸)えっ、でもそういうの、あるんじゃないですか?映画じゃなくても、他の人はどうか知らないけど。
(田中裕二)まあ、たしかに人間だってね。仲いいやつ、完璧なやつ、あんまりいないもんね。ダメなやつだったり、欠陥だらけだったりするやつ。
(宇多丸)そうなんですよ。なんかさ、ちょっとだけ会った立派な人は、たしかにあの人は立派だ・・・ってなるけど。かと言ってさ、もう一回会って一緒にお酒飲みますか?ってやつはそうでもない。
(田中裕二)映画もそうかもしれないよね。
(太田光)映画を人のように愛する男、ウタマロっていう。
(田中裕二)宇多丸だよ!
(宇多丸)(笑)
<書き起こしおわり>