岡室美奈子『初恋の悪魔』を語る

岡室美奈子『初恋の悪魔』を語る アフター6ジャンクション

早稲田大学・演劇博物館館長の岡室美奈子さんが2022年12月14日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で2022年の日本ドラマベストを紹介。『初恋の悪魔』について話していました。

(高橋芳朗)では、3作目をお願いします。

(岡室美奈子)はい。『初恋の悪魔』です。

(日比麻音子)はい。聞こえて参りましたね。こちらはRHYMESTERさんが手がけた1曲。このドラマに合わせて作った1曲ということです。『初恋の悪魔 –Dance With The Devil-』。

(日比麻音子)では、あらすじを簡単にご紹介します。子供の頃から凶悪犯罪に惹かれ、シリアルキラーを捕まえるために刑事になった主人公が、警察署には勤めているものの捜査権はない同僚と出会い、刑事とは違った感性と推理で難事件を解決していく物語です。こちら7月から9月まで、日本テレビ系列にて放送されていました。Huluで配信中です。

(高橋芳朗)はい。こちらもおすすめポイントをよろしくお願いします。

坂元裕二脚本

(岡室美奈子)はい。これね、とにかく私、本当にもう愛してやまない坂元裕二さん脚本なんですよね。で、なんていうかね、初回がちょっと入っていきにくいところがあって。でも、そこでもし脱落した人がいたら本当にもったいなかったと思いますよ。めちゃくちゃ面白かったです。これね、RHYMESTERさんも参加されているので、たぶん日比さんもご覧になっていると思うんですけど。

その、警察にいるけど、本来捜査権を持たない人たちが最初はほとんど趣味のような感じで「自宅捜査会議」っていうのを始めるんですよね。だけど、だんだんなんか本物の事件に巻き込まれていくっていう話なんですけど。なかなかやっぱり人物造形がすごくて。林遣都演じる鹿浜鈴之介っていう人はずっと「気持ち悪い」って言われながら育ってきた人なんですよね。犯罪マニアで。

で、松岡茉優さん演じる摘木星砂っていう人は二重人格だし。仲野太賀さん演じる馬淵悠日っていうのはずっと殉職したお兄さんにコンプレックスを抱えて生きてきた人みたいな感じで。これもやっぱりなんか、そういう痛みを抱えた人たちが犯罪を推理して、その謎解きをしていくんだけど。これもね、だから一方的に安全地帯から、上から目線で解いていくんじゃなくて。その自宅捜査会議の中で、模型の仮想空間の中に入っていくんですよね。

で、すごいフラットな視線で犯人も自分たちと同一平面上に感じながら、謎を解いていくみたいな感じなのがすごくいいんですよね。で、全体的になにか上から目線で一方的に正義を振りかざす人みたいなのとどうやって戦っていくか? みたいなドラマになっていて。で、その筋立ても面白いんだけど、もう本当にその9話から10話にかけて、ものすごく緊迫するシーンがあって。それをもう、息を止めて見ちゃうんですよね。あと、その二重人格の星砂さんを巡って鈴之介と悠日のなんか奇妙な三角関係も生じていくんです。

その二重人格の片方ずつとなんか、うまくいっちゃうみたいな。だけど、普通二重人格者ってどっちが正でどっちが誤みたいなことになってくるんだけど。なんか、どっちも肯定されていくんですよね。そういうところもすごく坂元裕二さんらしい。で、なかなかね、坂元裕二さんのドラマってまとめたりしにくいんですけど。一応、ちょっとネット上に文章も書いてるので、よかったら読んでください。

ドラマ『初恋の悪魔』で、「監視カメラ」が果たしていた“重要な役割”

ドラマ『初恋の悪魔』で、「監視カメラ」が果たしていた“重要な役割”(岡室 美奈子) @gendai_biz
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(日比麻音子)ありがとうございます。RHYMESTERさんのミュージックビデオでも、模型というか、お家をかたどった、間取りが書かれているところでやってるってのもドラマのモチーフというか。それを継承してるんだっていう風におっしゃってましたもんね。あの、岡室さん。ごめんなさい。素直に言うと私、実は離脱しちゃってるんです。まだ。

(岡室美奈子)あら! もったいない!

(日比麻音子)取ってあるんです。ごめんなさい。素直に白状します。ごめんなさい。見ます!

(岡室美奈子)これはめちゃくちゃもったいないですよね。すごいですよ、これ!

(日比麻音子)見たい、見たい! 2022年、終わってしまう。

(岡室美奈子)もう本当にね、9話から10話にかけてのところはもう呼吸困難で死にそうになりました(笑)。

(日比麻音子)なんと! でも、本当にRHYMESTERさんの歌も呼吸困難になるぐらい、ライブ感というものをスリリングに……っていうところがまさに、そのドラマの展開と同じようにというところで。宇多丸さん、たぶん今、言いたいことがいっぱいあるんだろうな。

(岡室美奈子)そうですよね(笑)。

(日比麻音子)あ、病欠中の宇多丸さんが今、速報が届きました。「『初恋の悪魔』、キター! うれぴー!」(笑)。宇多丸さん、帰ってきたらまたいろいろと教えてさいね。

<書き起こしおわり>

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早稲田大学・演劇博物館館長の岡室美奈子さんが2022年12月14日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で2022年の日本ドラマを総括。2022年は恋愛ドラマの転換点だったと話していました。

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