オードリー若林さんが2021年7月3日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で南原清隆さんと『風姿花伝』の話をする中で、能・狂言の稽古をするよう、南原さんに誘われている話をしていました。
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(若林正恭)『ヒルナンデス』でCM中に会話したりするじゃないですか。それであの……『ゴールデンカムイ』をね、南原さんにいただいてるっていう話をしていて。それを読んでるんだけど。
(若林正恭)この間の『ヒルナンデス』のCM中に「若林、『ゴールデンカムイ』は何巻まで行った?」って言われて。で、今が13巻とかなんだけど。「13なんですけど。今、ちょっと1個、読んでいる小説もあって。ちょっと進みが遅いんですよ」「ああ、じゃあ15以降はまた今度でいいか」とか。もう本当、南原さんが……(笑)。
(春日俊彰)くれる前提で。「いいか」じゃないよ。
(若林正恭)いやー、本当にそう考えると申し訳なさすぎるよな。
(春日俊彰)「いやいや、もう自分で買うんで!」っていう話だよね。
(若林正恭)何回も言う話じゃないけど。俺、南原さんと2人でラグビーを見に行ったからね(笑)。それで『ゴールデンカムイ』ももらっているって……。
(春日俊彰)いや、すごいよ。
(若林正恭)それで俺ね、南原さん、大先輩レジェンドだからこんな言い方は変だけど。いよいよ話が合うっていう……合わせてもらっているというか。南原さんとしゃべっていると、楽しいんだよね。わかるでしょう?
(春日俊彰)うんうん。わかる。私もたまに野球の話とかね。詳しい。いろんなことに詳しいしね。「ああ、そうっすか!」って。
(若林正恭)詳しいよね。それで1個、疑問を言ったらだいたいのことは知ってるし。それで「何の小説、読んでるの?」って。俺が『ゴールデンカムイ』と別に読んでいる小説。で、それが、これはたまたまなんだけど。元々、『風姿花伝』っていう世阿弥の本は南原さんに、そう。ラグビーに行った時に「今まで全員、先輩だった現場が多かったのに、気づいたら一番上っていう現場が増えていて。なんか若い人と張り合って前に出るのも違うし……」っていう悩みを蕎麦を食べながら、南原さんに相談したのよ。
「ああ、若林は40か。でも俺もそのぐらいの時に、そう思ったな」みたいな。それでその次に『ヒルナンデス』で会った時に「お前が悩んでること、これに似たようなことが書いてあるかもしれないと思って、持ってきたのよ」って。その世阿弥の『風姿花伝』を別の人が訳したのを2冊、持ってきてくださったんですよ。
(春日俊彰)すごいね。ありがたいね。
(若林正恭)で、それを読んだら、その自分の悩みとか云々とかよりも前に、その本が面白かったのよ。
(春日俊彰)もうお話として。本として。
『風姿花伝』自体が面白い
(若林正恭)で、なんか若手はずっとベテランで一線でやってきた人と同じ舞台に立って。それでね、能の世界にも大喜利的な、1対1でどっちが優れているかっていうがどうもあるらしいのよ。で、それで、若い時はフレッシュな追い風っていうのがあるから。そのベテランの人に力で劣っていたとしても、若い人が勝っちゃったりすることがある。その時の時勢とかで。でも、それを本当の実力だと思うと、3、4年経つと苦しくなったりするみたいなことが書いてあったり。で、あとは「50とかになったら自分の実力を磨くより、よい共演者を探すことを頑張った方がいい」的なこととか。なんか、とにかく面白いのよ。
(春日俊彰)はー、そう。なんか今でもわかるというか、参考になるようなことがたくさん書いてあるんだね。
(若林正恭)そうそうそうそう。たくさん、心当たりとか……「昼の舞台で客が盛り上がりすぎてる時は、ちょっと第一声を弱めに出ていった方がいい」みたいな。で、「夜、静かな時は逆に声を張っていった方がいい」とか。なんかそれで思い出したんだけど。海の家の営業でさ、めちゃくちゃヤンキーばっかりで。もう全然やる気がなくてね。「もう、やめようか」って言う時にめちゃめちゃボソボソと。「どうせ、ウケねえだろう」ってやったらめちゃくちゃウケた時、あったよな?(笑)。で、「ああ、弱くやったらウケるんだ」って。サトミツも一緒だったから覚えてると思うけど。それでその次の日に夜のライブでボソボソやってみたら、めちゃくちゃ滑ったことがあるのよ(笑)。
(春日俊彰)すげえな。『風姿花伝』。まさに。
(若林正恭)で、舞台の客席の熱気が陽だったら陰に行ってみた方がよかったりとか。「でも、そんなに簡単なものでもないよ」って書いてあったり。で、「この人はすごい辛辣だし、見抜く人なんだな」って思って読んでいったら、あとがきにその訳した作者の人が「晩年、世阿弥は佐渡に流刑になって。流されて、結構寂しい晩年で。その頃の文献はあまり残っていない。世阿弥をもってしても、最後まで幸せだったのか、
そうではなかったのか。そんなことを考えている:みたいなことが書いてあったのよ。で、俺、すごいそれにずっと興味があったの。こんなことを考えてる人の最後が、次の世代を育てて。「自分の人生は思う存分やった」っていうことじゃなかったりするのかって。でも、ネットとか調べても、そういうことが書いてあるのが全然ないの。そしたら、俺が大好きな藤沢周さんっていう小説家がいるんだけど。その先生がその世阿弥の最後の晩年を書いた小説を書いたっていうので、出版社が送ってきてくれたのよ! すごいタイミングだなって思って。そういう話を南原さんにしたのよ。
(春日俊彰)はいはいはいはい。
(若林正恭)そしたら「そう。最後はそうなんだよ。佐渡にあれしてね」って。南原さんも知っているじゃん。で、「その本のタイトル、なんていうの?」「○○っていうやつで」「ああ、俺も絶対に読むわ」ってなって。それでCMが明けてVにいったのよ。で、またVが終わって、CMに行くじゃん? そしたら「若林さ、さっきのさ……」って話になって。で、お前も俺と南原さんの間に入っていたから。それ、お前、ほら……地獄耳じゃない?
(春日俊彰)地獄耳というか、まあ、別に……まあ、聞こえちゃうだけだけどね。いろんな話が。
(若林正恭)じゃあ、聞いてないね? 俺と南原さんのその会話は。
(春日俊彰)だから今までのことは全部知った上で「へえ、へえ」って言っていたよ(笑)。
(若林正恭)それで、その世阿弥っていうのは人生の後半は……みたいな話になっていて。それは小説だから。その藤沢先生がね、実際に舞いとかを習って。それで書いているんだって。だから舞いの描写とかがほら、純文学を書いたりする人だったりするから。「自分が手を出すという意思よりは、手を引っ張られて出している」的なこととか。「地面の念を足の裏から吸い上げて」みたいなことが書かれてるんだよ。
(春日俊彰)なるへそ。
(若林正恭)それで俺、「これは上手な人と下手な人、両方を見てみたいな」っていう風に読んでいて思ったの。
(春日俊彰)上手な人?
(若林正恭)落語とかもさ、春日さん、ほら。20代の時に落語に通ってたから。
(春日俊彰)そうね。朝から行ってね。ずっと見られるからね。
(若林正恭)同じ話でも、上手な人と……っていうのは行ってみないとわからなかったりするじゃない?
(春日俊彰)まあ、台本的には同じだったりするからね。
(若林正恭)それで、実際に見に行ってみたいなって。小説が、あんまり読んでいても俺が理解不足でわかんないから。そうと思っていて。「そう思っているんです」っていう話をしたら、「うーん。上手い……なんて言えばいいんだろうな? 俺も聞いた話なんだけど……」とか、南原さんが教えてくれていて。「へーっ!」って。「じゃあ、若い時は筋肉がありすぎても……」みたいな話になっていってったの。そしたら「えっ、お前さ……俺、紹介できるから。やってみる?」っていう話になって。で、これは本当、すごく誤解を招くような言い方をしたくないんだけど……やってみる気はないのよ。
(春日俊彰)まあね。「まあね」っていうのもあれだけども(笑)。
(若林正恭)「まあね」っていうのはおかしいけども。
(春日俊彰)まあ、今の話からすると、小説を読んで興味を持って。それで「見たい」っていうことだからね。「やってみる」っていうのはそこからもう1個、飛んでいるというか。
(若林正恭)そう。で、俺もびっくりしたの。それでCMが明けてスタジオ来て、Vになって。コーナーとかもあってVに行ったの。で、Vを見ている時に「これはちょっとよくない流れだな」って(笑)。
(春日俊彰)「よくない」ってなによ?
「これはよくない流れだな」
(若林正恭)いや、ちょっと言葉が難しいんだけども。いや、興味はめちゃくちゃあるんだけど。まだまだ俺にはそこに……見様見真似でちょっと本読んだからって、そんな簡単には俺は手を出せないっていうことよ。今の俺が理解もできないだろうし。
(春日俊彰)まあね。ちゃんとわかった上で……っていうね。その気持もわかるな。
(若林正恭)Vがを見ながら「いや、マズいことになったな」って思って。
(春日俊彰)「マズい」ってなによ? それはいいタイミングよ。そういうタイミングっていうのは急に来るから。それはやった方がいいんだよ(笑)。
(若林正恭)いや、お前が今、言っていることの本当、真逆。「いや、春日……なんとかしろや!」って思って(笑)。
(春日俊彰)いやいや、無理だろ! どうするんだよ? そこで急に入っていって? 今まで、間に挟まれて黙っていたやつが「いや、南原さん。若林はね、やらないですよ」って?
(若林正恭)違う、違う。お前はそういう時、間に入って。「南原さん、こいつ、やる気ないっすよ?」っていうことで「いや、なくねえよ! おい!」って言うことで、流れが変わるじゃん? でも俺、それでV中に「マズいことになったな」って思って(笑)。
(春日俊彰)それもどうなのよ?(笑)。
(若林正恭)いや、俺はまず、めちゃくちゃ興味がある。能と狂言。なんか、俺は落語も見に行って……それも青銅さんと25ぐらいで出会っていて。青銅さんがプロデュースした落語のライブに行った時に上手な人……ほら、春日とさ、20代の時に行ってたのって若手の人が出る500円寄席っていうやつだったじゃん?
(春日俊彰)はいはい。2つ目とかのね。
(若林正恭)で、お金がないから500円で行ってたんだよね。キサラの後に。11時とかから始まるんだよな。あれな。行ってたんだよね。落語を聞きに。で、あの時は若手の人しか……お金を持ってないからさ。そしたら「上手い人ってこんなにすごいんだな」って思って。同じ噺だったから。そう思うのってあるじゃん? それを感じてみたいのよ。どういうことなのか、本を読んでいてわからないから。ということ言っていて。
でも俺、その小説に書いてあったことを受け売りで言うから。「操り人形みたいに動く人と、その自分と空気の境目がない……」っていう描写をするのよ。藤沢先生は。「これ、どういうことなのかな? 感動できるのかな? 見てみたいな」ってワクワクして。でも、俺もV中に「えらいことになってきたぞ?」って思って考えたんだけども。たとえばアメフト、お互いに好きじゃん? それで、「あれって遠くに投げるにはスナップ。ああいう楕円形のボールで手首をどうやって効かせてるんですか?」って聞かれたら、「えっ、ちょっと公園でキャッチボールしてみる?」っていう風になるなって思って。
(春日俊彰)その方が、早いからね。やってみて。言葉で説明する……たしかに、そうだね。
(若林正恭)それで「あっ、失敗した!」と思って(笑)。
(春日俊彰)なにが「失敗した」だよ? やんなさいよ!
(若林正恭)「いやー、俺、これ話しにくいっすわ、青銅さん」って前室でずっと言っていたのよ(笑)。で、Vがまず、全然入ってこないの。『ヒルナンデス』の(笑)。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! 「この後、どうしよう?」って?(笑)。
(若林正恭)その後のCMの時、春日、お前は間に入って「こいつ、口ばっかでね。いっつもなんかその気にさせてね、逃げるんすよ!」って。「おい! お前、春日! お前に俺のなにがわかるんだよ!」って言えば流れ、変わってたぞ、あれは。
(春日俊彰)そんな言い方したら、南原さんに気づかれるだろう? 「なんだ、それ? 若林から言わせたんだろう?」みたいな(笑)。
(若林正恭)で、春日がなんか地獄耳でさ、耳をこんなでっかく、両方の耳をデカくして。俺、心の中のお前の声が聞こえるんだよ。「ふんふんふん」って(笑)。
(春日俊彰)ああ、たしかに。「ふんふんふん……これは、もしかしたら始める流れだな?」ってマジで思っていたよ。「こういうので人は始めるんだな」って(笑)。
(若林正恭)いや、お前、入ってこいよ。入ってこいや、お前! で、先に言うけども。来週は入ってこいよ?
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! 嫌だよ!
(若林正恭)お前が……それで、俺はVを見ながら考えたの。「次、CM明け。もし南原さんが……」って。で、南原さんってダンスやってたからさ。「俺、ダンスとか全くやったことないんで。そっちはたぶんできないと思うんですよね」っていう。これで行こうと思ったのよ。
(春日俊彰)なるへそ。