星野源 五大ドームツアー『POP VIRUS』全公演を振り返る

星野源 五大ドームツアー『POP VIRUS』全公演を振り返る 星野源のオールナイトニッポン

(中略)

(星野源)今日の『星野源のオールナイトニッポン』は僕のね五大ドームツアー、『POP VIRUS』ツアーが無事に終了したということで、みんなからのメールを中心に、ツアー終了スペシャルをお送りしております。メールがね、たくさん来てるんで読んでいこうかね。質問とかも来ていますね。そしたら……三鷹市の方。「ドームツアー完走、お疲れ様でした。東京ドームに参加させてもらいました。源さんライブ初参加でした。あの時のいろんな種類の感動が日に日に増していく、そんな感じです。素敵な時間をありがとうございました。ひとつ気になったことがありまして。一流ミュージシャンの方々のインタビューをしている方がサンタさんでも寺ちゃんでもない方がいらっしゃったように思うんですが、あの声はオークラさんでしょうか?」。これはいいですね。よくぞわかりましたね。

そうなんですよ。いつも僕のライブでですね、一流ミュージシャンの方からのメッセージっていうのをやってるんですよ。で、ライブビデオを見てくれた方ならだいたい分かると思うんですけど、だいたいほぼお笑い芸人の方やってくださっているという。いちばん最初の……武道館から始まってるのかな? なんで、武道館でやってくれた人にやってもらいたいなっていうところから今回の人選をスタートして。なんで、いちばん最初、バービーボーイズのお二人(笑)。椿鬼奴さんとRGさんという、このお二人にやってもらって。

あと、いつもバナナマンさんに出てもらうんですけど、「赤えんぴつ」という、バナナマンさんのお二人のコントのキャラクターがあって。フォークシンガーの二人組という。それをもう武道館の時に初めて、そのコメントコーナーをやった時にやってもらったので、「今回もお願いします」ということで改めてお願いしてやっていただきました。ねえ。今回はお二人とも見に来てくれて、すごい嬉しかったですね。なんか喜んでくださったようで本当に嬉しかったです。

で、今回はいろんな方……あとはあれですね。井上陽水さん(笑)。フフフ、もう本当に普通に語弊があるよね。ラジオで言っちゃうとね。映像なしで言葉だけで言っちゃうと普通に怒られるやつ。あの、神無月さんがやってくださいました。それと、あとはビヨンセ(笑)。フハハハハハハッ! ビヨンセがね、コメントくれたんですよ。嬉しかったですねー。渡辺直美さんが今回、やってくださいまして(笑)。それと、これは本物ですから。雅マモル。そしてウソノ晴臣。この2人がコメントをくれまして。

でね、本当に面白い映像なんですけど。いつも実際、今回もなんですけど。演出は山岸聖太っていう、僕もいつもお世話になっています。山岸聖太がやってくれているんですけど、今回は彼、ドラマを撮っていたんで。大変な時期っていうのもあって、いわゆる編集だけ、やってもらいました。で、雅くんとウソノさんのだけ撮影も聖太さんがやってくれたんですけど。今回、現場に行ける人がいないということで、作家さんに入ってもらおうということで、この間もね、このラジオに来てくださったバナナマンさんの作家さんをいつもやられてるオークラさんにお願いしまして。

バナナマン日村と星野源 オークラを語る
バナナマンの日村勇紀さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんがリスナーから募ったクソ真面目な質問「オークラさんはどのような存在ですか?」に対し、日村さんが答えていました。今夜の #星野源ANN は、星野さんの誕生...

なのでインタビュアーも含めてやっていただいたんですよ。なので……そもそもオークラさんは僕のファンなので(笑)。楽曲も含め、ずっと昔から聞いてくださってるので、いろんなことをわかってくださってる方で。もちろんお笑いのプロ中のプロ。放送作家というか、作家さんの中でももうトップですからね。トップの方なんで、もうこれは信頼しかない。「お願いします」って言ったら快く引き受けてくださいまして、やっていただきました。もう声だけでオークラさんってわかるのは、さすがですね。ありがとうございます。

いやいや、本当にあの映像も早く見てほしい。本当に面白かった。佐賀県17歳男子。「僕は福岡ヤフオクドーム公演に参戦したのですが、ライブツアー『Continues』の時よりも何倍もレベルアップしていて、まず驚きが隠せませんでした。『プリン』の時の途中のフリートークがまさに星野源のオールナイトニッポンの公開録音をしてるかのような感じですごく面白かったです。まさに源さんが目指している、想像している音楽の世界があの3時間にぎゅっと凝縮された感じがして思いっきり楽しませてもらいました。本当に素敵な時間をありがとうございました」。ありがとうございます。

そうですね。今回はさっきも話しましたセカンドステージっていうお客さんの……もうね、いちばんステージから遠い場所に、お客さんのいちばん近いところにちっちゃいステージがありまして。そこでですね、小編成のバンドでやるコーナーがあったんですけど。それがね、僕は全体とっても楽しいんですけど。今回、ドームでやりたかったことのひとつというか、これをね、すごいやりたかったんですよ。で、円形になって。バンドメンバーが。みんなが内側を向いて、お客さん全員に背を向けてるという状態でですね。まあ、もちろん上から見る人もいっぱいいるんで、全然顔は普通に見えるんですけど。

そういう風にして、だいたいリハーサルってみんな円形になって、向かい合ってやるんですけど。たとえば、レコーディングリハーサルもそうだし、ライブリハも割と最初の方は向かい合ってやることが多いんですよね。なんかそういう、『おげんさんといっしょ』のときにも僕が常々言ってる「リハーサルのような本番」っていう。だからリハーサルの時にやる、なんか音楽のマジックみたいなのが起きる時があるんですよね。もう腹抱えながら笑ったりとか。「何、それ! 面白い!」みたいな。で、この展開が急にできちゃって、「なんかすごくそれ、面白いね!」みたいな。なんかそういうマジックが起こる瞬間がいっぱいあって。リハーサルって。

で、それは僕が思う音楽の魅力のいちばんいいところのひとつというか。たとえば、本当に作品を作り上げて、それを真面目にクールに届けるっていうのもちろん、その魅力のひとつでもあると思うんですけど。でも、それをやってる人しか基本的にいないので。でもそうじゃなくて、このリハーサルのこの空気。これを本番でやりたいんだ!っていうのをいつも思っていて。今回、東京ドームっていう場所でなおさら、その力が発揮されるんじゃないかなと思って、やりました。そしたらもう本当に楽しいコーナーになりましたね。

なんて言うのかな? スタッフのみんなの顔がいいんですよ。あのコーナー。スタッフのみんながニコニコしているとか笑ってるとか爆笑するっていう。で、スタッフのみんなが楽しみにしている感じがすごい伝わってくるんですよね。それっていちばんよくて。なんでかっていうと、スタッフのみなさんは毎日っていうか、毎公演かならず見なきゃいけないんですよ。当たり前ですけど。で、普通は飽きるはずなんです。でも、その中で楽しみにしているっていうことは、初めて来た人も絶対に楽しめるだろうっていう、なんかそういう感覚があったんで。

なんでそのセカンドステージっていうのは、メンバーがもちろん自由に話してくれ。どんな展開になってもいいから……っていう。だからいわゆる台本を見たりっていうのももちろんないし、話すことも全く決めてない。そんな中で、話の流れだけでどんどん面白い風に持っていく。しかも、音楽をちゃんと奏でる。楽しい音楽を奏でるっていうのは、いわゆるステージは全員それぞれの肝が据わってないとできない。プラス、技術がちゃんとしてないとできないんですよ。だから「リハーサルみたいだから」って手を抜いてるとかじゃなくて、あれはめちゃくちゃ一流じゃないとできないことをやってるんです。

だから、それを一流じゃないかのように見えるくらい馬鹿馬鹿しいことをしゃべったりとか。でもそれはわざと馬鹿馬鹿しいことをしゃべっているんじゃなくて、普段からこういうことを僕らはしているんだっていう。なんかそれは音楽のひとつなので。それを5万人の前でやるっていうのをずっとやりたかったんですよ。で、それがすごくいい形でできて。非常に楽しかったです。あのコーナーだけのライブっていうのもいつかはやってみたいなっていうのは思っています。うん。

続いて。山形県17歳の方。今日、17歳が多いね(笑)。「STUTSさんのソロパフォーマンス、最高に最高だったんですが、源さんの曲だけではなく、源さんの曲をサンプリングしたバージョンのSTUTSさんとPUNPEEさんの『夜を使いはたして』も『POP VIRUS』バージョンでやっていらっしゃいましたよね。めちゃめちゃ興奮しました。あれは源さんがリクエストされたものなんでしょうか? ぜひぜひ聞きたいです」。ええとですね、あれね、僕がリクエストしたんじゃなくて。

STUTS『夜を使いはたして』

僕、あれなんです。これも話してなかったね。今回は僕、客席の中で歌う曲を1曲、作ったんですよ。いわゆるステージがあって、セカンドステージがあって、センターステージがあって。それとは全く別に、客席のマジで中。たとえばスタンドの中。その会場によって消防法によって可能だった場所が全然違うんですけど。客席の中に忍び込んで、急に1曲やるっていうのをやったんですよ。なんで、カメラマンさんのふりをして、カツラを被って1回、映像コーナーの間にスタンバっておいて。映像が終わったら照明がパンッてこっちに当たって。「どうも、星野です」っていうのをやったんですよ。

で、その時になんかみんな本当に嬉しい、「ギャーッ!」みたいな反応をしてくれて非常に楽しかったんですけど。で、そこからセカンドステージに移動するみたいな時に、本当に移動にめちゃくちゃ時間がかかるんですよ。ドームってすごい広いから。ほぼ全ての会場で車に乗って外に1回出て移動しないともう移動できないぐらいの、それぐらい遠い場所なんですけど。なのでその間に1曲やってもらおうと思ってSTUTSくんに「1曲、やってくれない?」って言ってお願いしたら「やります!」って言ってくれて。で、僕の曲。いわゆる発売されている僕の音源のみを使って、サンプリングして1曲作ってくれたんですね。

それがまあ、ものすごくかっこいいんですけど。「普段、STUTSくんが作った曲のラップ部分とかを使うのももちろん大丈夫だよ」みたいなことを言っていたら、STUTSくんの作品の中で『夜を使いはたして』っていう曲があって。それはラップをPUNPEEくんがやっていて。で、その曲をセレクトしてて。僕の『ミスユー』っていう曲とか、いろんな曲の音源をサンプリングしてトラックを作って。それに彼の曲のラップ部分だけを乗せて作ってくれたんですね。それがもうめちゃくちゃかっこよくて。

「これは最高だね!」なんて言ってたら、PUNPEEくんが……僕ね、会ったことがなかったんですけど。PUNPEEくんが「せっかく流れるんだったら」っていうことで、ラップを1から全部録り直してくれたんですよ。で、僕のドームライブ用にリリックも変えてラップをし直してくれて。レコーディングし直してくれたんですよ。「なんて粋な人だ!」っていう。すごい嬉しくって。それもめちゃくちゃかっこよくて。だから、あの場でしか聞けないバージョンの『夜を使いはたして』だったんですよ。

で、ライブを見に来てくれたんだけど、時間が合わなくて挨拶に行けなくて。彼がもう出なきゃいけなくて。で、「会いたかったな」と思ってたんですけど、この間のスペシャの授賞式の時、乾杯の時に会えて。やっと挨拶ができてすごく嬉しかったです。で、その話でちょっと嬉しかったのが、STUTSくんの楽曲でPUNPEEくんがラップをしている『夜を使いはたして』っていう曲は音源が先に出ていて。その後にミュージックビデオの撮影をしていたんですって。で、その撮影中に僕がラジオでこの曲をかけたんですって。

たまたま。で、僕はこの曲が好きだったんで普通にかけただけなんですけど、それが本当にたまたま撮影中だったんですって。それで、Twitterとかで教えてくれた人がいたらしくて。「いま、かかってますよ」みたいな。なんかその運命みたいなものを感じて。それをまた僕のライブの中でやってくれたっていうのが、なんからすごく運命を感じたなっていうか。縁をすごく感じたなと思って。そこでご挨拶をやっとできたので、「本当にありがとうございます」とお伝えすることができました。PUNPEEくん、本当に改めてありがとうございます。これね、また円盤化というか映像化された時には聞けますからね。ぜひみなさん、楽しみにしてください。

PUNPEE 星野源ドームツアーSTUTS『夜を使いはたして』特別バージョンを語る
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もうちょっと読めるかな? 大阪府17歳……17歳?(笑)。今日、17歳多いね。すごいね、17歳(笑)。「京セラドーム2日目、参戦しました。個人的にとても面白かったのが『アイデア』の途中の弾き語りが終わった後にサブステージからメインステージまで源さんがセグウェイで移動するところです。少しシュールな感じがしてめっちゃ笑いました」。そうですね。あの、セグウェイが好きなんですね。僕はだから(笑)。なんか知らないけど。僕、『ツービート』っていうイベントで1日目が弾き語りで2日目がバンドセットっていう横浜アリーナでライブしたことがあって。その時にセグウェイで移動したりしていて。

で、その時からセグウェイに乗るのが好きなんですけど。『アイデア』のミュージックビデオでも乗っているし。で、「今回もセグウェイを使いたいな」なんて思って。花道もビーッて長いんで、セグウェイで走ったら楽しいだろうなって思って。で、「セグウェイを用意しておいてください。どっかで使います」って。他にもっと使えたらよかったんですけど、もう結局そこしかなくて(笑)。

なんで、弾き語り部分が『アイデア』という曲であるんですけど。そこでセンターステージまで歩いて行って、そこから戻る時にセグウェイで戻るという。それをやりました。なんかね、本当に真面目な曲ではあるんですけど、ミュージックビデオの中でセグウェイを使ったっていうのもあるし。でもなんか、なんだろう。めっちゃくちゃ真面目な曲だし、自分の陽な部分も陰の部分も込めるんだっていう。あと、いま日本に僕は住んでいて、東京で生活を営んでいて。そこから生まれる音楽で世界中のどこで聞いても恥ずかしくないような音楽を作るぞ!っていう気合で作ったものなんですけど。

でもその中にやっぱり、自分が普段ライブでやっている面白さだったり……まあ、力を抜いていこうよっていうようなスタンスだったりっていうのを曲に込められるんじゃないかな?っていうのもあって「セグウェイ、いいな」と思って使わせていただきました。でもね、セグウェイって本当に面白い乗り物だなって思うんだよね。みんなもっと使えばいいのに!って思うんだけど、誰も使わないんだよね(笑)。うーん……面白いですよね。

あ、次のメッセージのその前に『アイデア』をかけるタイミングですね。『アイデア』を聞きましょう。それじゃあ、改めて聞いていただきましょうか。本当にこれ、大事な曲なんですよね。本当にこの曲を作って、いろんな思い、いろんな挑戦、本当に全部を詰め込んだ曲です。いままでにこのバランスのこういう音楽はなかったので。で、ないものを作ろうとがんばって作ったんで、どんな反応が来るかものすごいドキドキしていたんですけど、すごくいい反応がいっぱい返ってきて。それで勇気を持って『POP VIRUS』というアルバムを作ることができました。なので、とても大事な曲。ぜひ聞いてください。星野源で『アイデア』。

星野源『アイデア』

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