NORIKIYO 受刑者たちの心に響いた漢 a.k.a GAMIコラムを語る

NORIKIYO 仮釈放後、最初に食べた料理を語る INSIDE OUT

NORIKIYOさんが2025年6月23日放送のblock.fm『INSIDE OUT』に出演。刑務所内で受刑者就業支援雑誌『Chance!!』に掲載された漢 a.k.a GAMIさんのコラムを読んだ受刑者たちの反応を話していました。

※この記事は許可をいただいて書き起こししております。

(渡辺志保)私も常々、考えていることでもあるんですけど。まあ、もちろんその被害者への償いであるとか、被害者の方に対する救済であるとか、賠償であるとか、そうしたことはもちろんなされなきゃいけないとは思うんです。それはもちろん大前提なんですけど。やっぱり、特に日本って一度、レッテル貼られたらそれがやっぱりなかなか剥がれないっていうか。シールを1回、貼ったら剥がすのが難しいのと一緒で、きれいに剥がそうとしても絶対に跡が残っちゃうみたいな。それがすごく、「これでいいのかな?」って思うこともあるし。

さっき、前半でNORIKIYOさんがおっしゃってたみたいにヒップホップってすごいまたちょっと特殊なコミュニティーっていうか。日本のヒップホップシーンだけを切り取っても、やっぱりいろんな方がいらっしゃるし。それこそ1回、しくじったけれどもまたリスタートしているとか。まあ今日、NORIKIYOさんとお話をしているのもそうですけど。「お帰りなさい!」って言えるような雰囲気がまあ、ある。

(NORIKIYO)まあ、俺自身もそうだから、なんて言うんだろう? ヒップホップってやっぱりすごい寛容だと思うんですよ。まず、最初から人の曲を使って、サンプリングしちゃって新しいアートとして構成しちゃうっていうその考え方もそうなんですけど。なんか、やっぱりそのマイナスになったことをフリップできるんですよね。今回、自分の体を通して……。

(渡辺志保)長期取材に行かれて(笑)。

(NORIKIYO)それで思ったけど。やっぱり、ヒップホップってマジですげえなって。俺、本当にラッパーじゃなかったらアラフォーのやつが今、出てきて。「手に職も何もないです。再就職したいんです。あの受刑者だったんですけど。今、仮釈放中なんですけど仕事、ありますか?」ってなったら……まあ、あるとは思うんですよ。あるとは思うんですけど、それで家族を養ったりとか、大事な人を養ったり。たとえばパートナーを得て、家庭を作ったり、できるかな?ってなったら、それは相当厳しいと思うんですよ。

(渡辺志保)そうですね。本当ですね。そうそう。だから私もその救済としてのヒップホップみたいなのは本当に、もうちょっと真剣に向き合うというか。みんなで一緒に考えるべきなのでは?って思うこともあって。

(NORIKIYO)ちなみに刑務所の中で受刑者の就職を支援する雑誌みたいなのがあるんですよ。『Chance!!』っていう。その『Chance!!』っていう雑誌を受刑者が持ってきて。「これ、NORIKIYOさんのご友人じゃないですか? なんかコラムが載ってるんですけど」って。それで「どれどれ?」ってバッと見たら、漢くんが……(笑)。

(渡辺志保)最高ですね(笑)。

(NORIKIYO)それで俺も「すげえ時代になったな!」って思って。

(渡辺志保)マジっすか!(笑)。

ヒップホップってすげえな

(NORIKIYO)ヒップホップってすげえなって思って。それをみんな、読んで。なんて言うんだろう? 受刑者のやつらがみんな、感銘を受けてるんですよ。そのコラムの言葉、1行1行に。みんな、「ヤベえ! MC漢、ヤベえ!」みたいになっていて。それがだから、なんかポジティブなヴァイブスなんですよね。だからなんか、それを刑務官の人とかって正直、我々受刑者が何をやって……罪は知ってますよ。何をやったのかはわかっているんですけど、なんでその罪を犯したのかとかまで、そのバックボーンまでは知らないんですよ。

だから、なんて言うんだろう? その、ベルトコンベヤーで「お前はこういう感じのやつだから、こういう感じ」みたいに乗せられて。それで満期まで運ばれていくみたいなシステムなんですよね。だから、誰も本気で受刑者のことを考えてないっていうか。だったんですけど、でもそういう漢くんの言葉とかは、受刑者に寄り添ってくれてるっていうか。同じような、そのストリートだったりとか。そういうストリートって言われているようなところで生きていた人たちの言葉だから、たぶん響いてると思うんですよ。

(渡辺志保)そういうことですよね。

(NORIKIYO)なんで結構、ヒップホップとかがもし自由に……たとえばCDを月に1枚だけ買えるとか。そういうので中で聞けるようになったら、みんな結構もっと前向きに自分の刑を考えられるし。いい影響があるんじゃないかなとはすごい思いますね。

(渡辺志保)うんうん。なんか慰問コンサートとかね、そういうこととかももしできれば。

(NORIKIYO)実際にケンタくん……ANARCHYとかも少年院でジブさん? キングギドラかな? そのライブを見て「俺もラッパーになる」みたいな。そういう歌詞がたしか、あったじゃないですか。だからなんか、やっぱりヒップホップってすげえんじゃないかな、みたいな。

(渡辺志保)ねえ。本当に福祉レベルとかで考えた方がいいのではって自分でも考えていたので。ちょっとNORIKIYOさんの体験も交えて、お話を伺いたいところなんですけども。

block.fm『INSIDE OUT』2025年6月23日放送回

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