星野源『喜劇』MV・パペットたちとの共演を語る

星野源『喜劇』MV・パペットたちとの共演を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年5月10日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『喜劇』のミュージックビデオについてトーク。パペットたちとの共演について話していました。

(星野源)さあそんな感じで私、星野源の最新曲MVが公開されまして。それのお話をちょっとしていこうと思いますよ。そういえばこの話をしていなかったっていう。徳島県の方。「『喜劇』ミュージックビデオを見ました。不思議な生き物たちが本当に生きてるようでとても愛おしいです。最後のクレジットではブタ野郎くんの操演をされた山田はるかさんの名前も見つけました。今回、家族としてパペットを選んだ理由、l経緯があればぜひ聞かせていただきたいです」。

ああ、そうですね。山田はるかさんね。「プロフェッショナル」こと(笑)。もうね、会うたびに「あっ、プロフェッショナルだ!」って言っていて(笑)。NHKの『プロフェッショナル』でも特集された、その人形操演のプロですけども。あの回、本当にすごい面白かったんですけど。僕は『おげんさん』でもお世話になっていて。『おげんさん』ではがこさくさんという方にもお世話なってるんすけど。『おげんさん』だったり、それこそ『おんがくこうろん』でもお世話になって。

この間は『パペトーーク!』までやらせてもらって。もう、いわゆる日本中の有名なパペットと操演の方が大集合みたいな感じで。レジェンド大集合みたいな感じだったんですけど。自分は単純にちっちゃい頃からすごい好きで。NHKのパペットたちが。もちろん海外のも好きなんですけど、日本のもすごい好きで。それで自分がなにか番組をNHKで作れるってなった時に「なんかパペットと一緒にやりたいな」と思ってやらせてもらっていたら、やはり歴史的な、そのずっと連なってきたNHKのパペットの音楽番組がこの間、ちょっとついえてしまったんですよ。

今後、どうなるかはちょっとわかんないんすけど、なくなっちゃって。なんだけど、だから他にもね、違う番組とかで……『がんこちゃん』もまだやってるよね? やってないっけ? 『がんこちゃん』、まだやってる気がするんだけど、まあ、いろいろあるんです。だからそういうのもあって。サーヤさんも前に来た時、言ってましたけど。いろいろあるけども、特に音楽っていうものと絡まった番組では僕の番組ぐらいなのかな? 今。わかんないんですけど。

でも、その子供のための番組とかいろいろあるか。あ、『がんこちゃん』はやっている? ああ、よかった。そうそう。だからただ、自分が好きでっていう感じだったんですけど。また今回も、やっぱりなんかいつもね、もうお願いしてることもあってアイデアを思いついた時に「またお願いしよう」っていう感じで。「いつもありがとうございます」っていう感じだったんですけど。

そうですね。「家族」っていうのをテーマにしてるんだけど、1回もその歌詞の中に「家族」って僕は出してないんですよ。で、家族っていうものを言葉にしちゃうと、その言葉に縛られているイメージみたいなもの。リンクされているイメージみたいなものがやっぱりどうしてもあると思うんで。そうじゃない中で、テーマには家族っていうのものをするけれども、もっと大きい歌っていうような。だから、いわばラブソングではあるとは思うんですけどね。いろんな形のラブソングが想像できればいいなと思いながら作ったもので。

それで今回、MESSくんっていう非常に若い監督がね、やってくれて。そこで「こういうアイデアはどうでしょう?」っていう話をしてる中で、「家族っていうものを出すってなった時に、やっぱり人だとなんか違うよね」っていう感じもあったし。動物とか犬だと『不思議』っていう作品で、前にもやったりはしてたので。「そうじゃないよね」ってなった時に、「ああ、パペットがいいな」と思って。「パペットでやりたいです」っていう話を僕が提案させてもらいました。

そこでなんかこう、盛り上がってね。それでこういう作品になったんですけど。なんて言えばいいんだろうな? 明るい、作品にしたかったんですよね。なんか、いろんな僕のその楽曲を制作する上でのバックグラウンドみたいなものはシリアスな部分もいっぱいあるし。自分の生きてきた中でのね、感じた悲しみとか苦しみとか、そういうものもこの曲の中にはものすごく入ってるんだけど。なんていうんだろう? 今、このたとえばストーリーというか、こういうコンセプトで作るミュージックビデオ。で、この曲に対してミュージックビデオはこういうものを作る。

この中には、基本的には明るいものしか入っていないっていう。温かいものとか、明るいものを想起するような要素しか入っていないということがメッセージになるんじゃないかな?って思って作りました。この中に、たとえばダークな要素とか入れようと思えばいくらでも入れるんだけど。「今、明るいものを俺は届けたいんだ!」っていう話です(笑)。届けたいんだ。でも、その中に見る人によっては……僕だったらその明るさの裏側っていうものが自然と見えてくるので。それを、なんだろう? そういう風に思う人っていうのが今、自然と増えているような気がするので。それを信じて……。

「今、明るいものを俺は届けたいんだ!」

(星野源)なんかね、こういうのをたとえば「薄っぺらい」みたいな風に思う人がもしいたら、それはたぶんちょっとその人が、なんだろうな? うーん。いい意味で敏感じゃない人なのかもしれないとも思うし。だからそういうところをちょっと信じて、このMVを作らせていただきました。はい。そんな感じですね。なんで、このミュージックビデオをぜひ、たくさん見ていただきたいです。YouTubeで公開中でございます。で、ちょっと数日前の朝の番組とかでメイキングが流れて。本当にね、山田さんも他のスタッフの方々もすごい暑い中で……その日は暑かったんですけど。暑い中で、タイツ着てすごい頑張ってくれて。だから本当にやっぱり生きている感じがしますよね。

僕、本当に大好きなのがその操演の方々がずっとね、ずっと生きてるんだよ。その、なんていうか本番が止まった時にヘニャッてなっちゃうじゃなくて。もう本番止まったら、本番止まってた感じなのよ。「ああ、本番止まったな」っていう顔をするの。その、なんていうかこれ、言ってることわかるかな?(笑)。なんていうのかな? 操演している人が全部をやめちゃうんじゃなくて。そのキャラクターが「本番、終わったー。ほっとした」っていうリアクションとかをするんですよ。

だから本番じゃない時とか、本当に移動中とかも手を振ったりすると手を振り返すんですよ。ずっと生きてるの。それって、めちゃめちゃすごいよね。うん。命を作って与えてるというか、生み出してるなって思います。はい。そんなわけで、そういういろんなものの結晶で出来上がったミュージックビデオ『喜劇』、ぜひ何回も見ていただきたいと思います。YouTubeなどなどで公開中でございます。よろしくお願いします。

星野源『喜劇』

<書き起こしおわり>

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