PUNPEEとMETEOR オートチューン講座・前編

PUNPEEとMETEOR オートチューン講座・前編 SOFA KING FRIDAY

(PUNPEE)引き続きMETEORくんと寺井さんをお迎えしてお送りします。

(METEOR)気をつけろーっ!

(PUNPEE)Be Careful!

(METEOR)イエーッ!

(PUNPEE)「Be Careful」で踏めるね。

(METEOR)「Be Aware!」。

(PUNPEE)「Be Careful」でも踏めるんですね。

(METEOR)そう。「気をつけろ」で踏める。すごい!

(PUNPEE)ちょっと今度使ってください。

(METEOR)韻の天才児!

(PUNPEE)フハハハハハッ!

(METEOR)左手には寺井!(笑)。

(PUNPEE)アハハハハハッ!

(TEAC寺井)寺井氏(笑)。

(METEOR)フフフ、「寺井氏」と「天才児」で踏んでいる! でもいまの曲(『恋ことば』)、すごいね。高橋真梨子さん。

(PUNPEE)なんかこれ、ネットで調べたら「日本でたぶんはじめてオートチューンを使ったのがこの『恋ことば』という高橋真梨子さんの曲なのでは?」って言っている人がいて。

恋ことば
Posted at 2018.7.22
高橋真梨子
ビクターエンタテインメント

(METEOR)はいはい。

(PUNPEE)俺、これ自分も聞いたことがあって。なんか白鶴のCMで使われていたのね。

(METEOR)うん。酒のCMだね。

(PUNPEE)お酒のCMで。

(METEOR)へー! これも4つ打ちだね!

(PUNPEE)これも4つ打ちでしたね。

(METEOR)景気がいいね。

(PUNPEE)景気いいっすね。

(METEOR)まずね、名前がいい。高橋真梨子さんっていうね。キラキラネームじゃない! 高橋も普通の名前だし、真梨子も。一先奇をてらっていない名前ですよ。俺なんてMETEORっていう名前をつけちゃったからさ、うらやましい!

(PUNPEE)ああ、たしかに。名前のところで、まず。

(METEOR)うん。「山田アキラ」みたいなね、そういうぐらい手堅い名前にしていますよ、高橋真梨子さん。あの、本当にね、高橋真梨子さん。実力派です。

(PUNPEE)そうですね。ちゃんと実力で勝負しているっていう。そうでしょうね。うん、そう。これがたぶん最初に使われたという。

(METEOR)いや、いいですねー。

(PUNPEE)あとはなんかglobeだったりとか。

(METEOR)はいはい。マーク・パンサー氏。ラッパーの大先輩。我々の。

(PUNPEE)そう(笑)。ラッパーの大先輩。とか、松任谷由実さんの曲で使われたりだとか。

(METEOR)ねえ、ユーミン♪ってね。

(PUNPEE)それは違う(笑)。

(METEOR)フフフ、それ、ムーミンね(笑)。

(PUNPEE)アハハハハハッ!

(METEOR)ねえ、ムーミン♪っていう曲があるんだけど。ムーミン、ほっぺたが膨らんでいる動物で(笑)。

(TEAC寺井)それは知っています(笑)。

(PUNPEE)フフフ、で、結構わからない人は混同しやすいかもしれないですけど。ボコーダーとトークボックスとの違い。これ、いまかかっているのはオートチューン。♪♪♪♪って、これはオートチューンなんですけど。

(METEOR)てらーぁいぃぃー♪ (大相撲の呼び出しのように)ひがぁーしぃぃー♪ てらーぁいぃぃー♪ てらーぁおぉぉー♪ フハハハハハッ!

(PUNPEE)フハハハハハッ!

(TEAC寺井)寺尾が出てきましたね(笑)。

(PUNPEE)関係なくなっちゃった(笑)。

(METEOR)そうだね(笑)。相撲になってきちゃった。

ボコーダー、トークボックスとの違い

(PUNPEE)で、ボコーダーっていうのはマイクを使って楽器に振動をさせて。たとえばシンセサイザーとか。それで音を出すっていう。有名なところだと2パックとドクター・ドレーの『California Love』とか。

(METEOR)ああ、ヤバい! あの『マッドマックス』みたいなPVのね。

(PUNPEE)そうです。これですね。「California♪」って。

(METEOR)「California, knows how to party♪」って。

(PUNPEE)これはオートチューンじゃなくてボコーダー(※正しくはトークボックス)です。ちょっと違いますね。ちょっとロボットっぽい。これがボコーダーで、他にはグランドマスター・フラッシュの『Scorpio』っていう曲とか。まあ結構いろいろと使われたりしています。

(METEOR)はいはい。

(PUNPEE)で、もうひとつトークボックスっていうのがあって。これは有名なのはジブさんの『Perfect Queen』で使われたロジャーの『I Want To Be Your Man』。


(METEOR)うんうん。

(PUNPEE)「I wanna be your man♪」みたいな。これは楽器から出ている音……口にチューブを入れて。あれは口に……。

(TEAC寺井)ホースからその音が出て、口の中で言葉の形に加工されて。で、それが口から出るじゃないですか。それを別のマイクで拾うんですよ。だから音をマイクで拾って出ているんですよ。

(METEOR)ああ、なるほどね。

(PUNPEE)じゃあトークボックスはラインじゃなくてマイクなんですね。

(TEAC寺井)そう。マイクで音を拾うんです。あのチューブは本当はスピーカーが入っていて、あそこから音が出てそのホースの中を通って音が出ていて。で、それを要は声帯みたいな形で口の中に入れて、口からしゃべった言葉とか口の形に……。

(METEOR)「マジいない君以外にはもう♪」。

(PUNPEE)これはジブさん(笑)。

(TEAC寺井)で、いましゃべっているようにマイクでその音を拾うというところからですね。

(METEOR)トークボックス、健康に悪そうじゃないですか。じゃあ、もしかしたら?

(PUNPEE)まあ歯にはあんまりよくないかもしれない。歯が結構響いて、歯にあんまりよくないっていう人が。

(METEOR)ああ、そうなんだ。やっぱり。

(PUNPEE)でもやっぱり健康を害してやるのが……。

(METEOR)ミュージシャン。ロックンローラーは。

(PUNPEE)ロックンローラーはね。で、オートチューンっていうのは言ったら声自体に補正をかけるっていう。声で何かを加工するんじゃなくて、声をメロディーというかコードに合わせてくれるっていう機械。

(METEOR)ふんふん。なるほどね。

(PUNPEE)どんなにズレていても基本的にはどこかに合うんですか?

(TEAC寺井)基本的には合いますね。たとえば曲のキーに合わせればそのキーごとに補正されるようにはなりますので。

(PUNPEE)みたいですよ。

(METEOR)っていうことは、つまりオペレーターみたいな人が常駐して隣で操作とかしていなくて、その機械があれば。差し込んでいれば。マイクとミキサーの間にこれがあればなんとかなるっていうことですね?

(PUNPEE)そう。ただ、キーをあれに合わせなきゃいけないんで。その設定は必要っていう。METEORくんもこの機械を……。

(METEOR)いや、ぜひ買いたいです。これ、ちなみにいくらぐらいするんですか?

(TEAC寺井)ちょっと記憶していないですけど、たしか3万円ぐらいだったと思いますね。

(METEOR)ああ、全然。プレイステーションよりも安い!

(PUNPEE)アハハハハハッ!

(METEOR)スーパーファミコンよりは高い。

(TEAC寺井)まあ3万円から4万円台の間でいまは売っているという感じですかね。

(METEOR)なるほど。3万円と4万円のお店の差っていうのはあるんですか? なんで3万円で売れるところと4万円で売れるところがあるんですかね? アメ横とかだったら3万みたいな?

(PUNPEE)フハハハハハッ!

(TEAC寺井)もうそこは利益の配分のあれだと思いますけども……。

(METEOR)魚を入れた発泡スチロールの下からザッ!って出てくるみたいな?(笑)。

(PUNPEE)で、そもそもオートチューンの成り立ち。いつごろ、どのようにできたのか?っていうのは寺井さん、お話できる感じですか?

(TEAC寺井)アンディさんという方が開発者でいらっしゃって。もともと石油を発掘するためのソフトウェアとかを作っていたエンジニアさんだったみたいなんですね。

(PUNPEE)それは1990年代ぐらいですか?

(TEAC寺井)いや、もっと前です。80年代とかだと思うんですけど。どこに油田があるのか?っていうのを音響工学的に解析していたんですって。

(PUNPEE)言ったら地面に振動をさせて、どこにあるのかって。

(TEAC寺井)地質とか地図とかを全部解析して。で、ダイナマイトで爆発した時の音がどのように土の中を響いているのか?っていうのを解析するソフトウェアを作っていて。それが最初にあって。その後、1回それをやめられるんですって。すごく大きな利益が得られたからもうやめようってなったみたいなんですけど。

(PUNPEE)その装置を作るのを?

(TEAC寺井)会社をやめて。で、次に自分の趣味が音楽だったということで、音楽に携わるということをやり始めたというのがまず最初で。そこでサンプラーを作り始めたらしいんですね。

(PUNPEE)サンプラーっていうのは音を入れてパッドとかで鳴らしたり加工をするっていう。

(TEAC寺井)で、95年に友人から「音痴の私がきれいに歌えるような装置を作ってくれ」って言われて。で、最初は「いや、そんなふざけたもの、作んないよ」みたいな話だったようなんですけど、結構いろんな人にそう言われるようになって。で、自分の石油を掘るためのソフトウェアを作った音響工学みたいなものを生かせばできるんじゃないか?っていうことでやってみたら、できたという。で、97年にはじめてオートチューンをリリースしたという風に言われていますね。

(PUNPEE)じゃあそういう友達の悩みから?

(TEAC寺井)っていうことみたいですね。

(PUNPEE)最初はソフトウェアで出たんですよね?

(TEAC寺井)そうなんですよ。ソフトウェアで出て。

(PUNPEE)言ったらパソコンの中で録音したものを処理できる……。

(METEOR)アプリみたいなもんだね。

(PUNPEE)アプリというかプラグインというか。それがアンタレス社のオートチューンだったんですね。

(METEOR)なるほど。

(PUNPEE)それが90……。

(TEAC寺井)97年にバージョン1がリリースされたという風に聞いていますね。で、そのソフトウェアで最初に作って売ったら結構バカ売れしたっていう風に聞いていて。それこそ98年にシェールさんの『Believe』っていう曲がすごく流行ったっていうので。

(METEOR)えっ、それは誰ですか?

(PUNPEE)シェールっていう女性の方がいて。その人が最初に使ったとされていて。

(METEOR)その人はちなみに?

(PUNPEE)シェールさんはアメリカの方です。シンガーの方で。

(METEOR)へー。その人がはじめて導入したっていうことは、その人はすごい先見の明がありすぎでしょ!

(PUNPEE)なんかそれを使った時、「この声、面白いじゃん」って言って決断して使ったのがきっかけみたいです。

(METEOR)ああ、いまかかっているやつだね。めちゃくちゃ上がりますね、これは。

(TEAC寺井)オートチューンの使い方が面白かったっていうのが世界的に流行ったっていう。要はピッチを補正するためなので、ここまであからさまにわかるような補正のかけ方は本来は意図していなかった使い方なんですよね。

(PUNPEE)言ったら設定が結構あって。ここまでかかるのは設定をいちばんマックスにした状態で。音が完全にハマる状態。で、もうちょっとソフトにすることもできるんですよ。ソフトに音を合わせることもできて。

(TEAC寺井)ゆるやかに変わるか、劇的に変わるかの違い。

(PUNPEE)その「ケロり」って言うらしいですけどね。

(METEOR)なるほどね。

(PUNPEE)「ケオリ」じゃないですよ(笑)。

(METEOR)フハハハハハッ! それ、言おうと思ってないよ!(笑)。

(PUNPEE)フハハハハハッ!

(METEOR)ディスク百合おんくん、ビガップ!(笑)。

(PUNPEE)で、異常にやったそのエフェクトを楽しむというか。それが面白いってなって使うってなった感じですかね。

(TEAC寺井)で、そこから……だから2000年代になってからはどんどんいっぱいいろんなジャンルに使われるようになっていったんですよね。

(PUNPEE)それがじゃあ、最初。

(TEAC寺井)そうですね。

(PUNPEE)でも自分はこの曲はあとで知ったんですけども。それが使われているって。

(METEOR)シェールさん。

(PUNPEE)ただ、たぶんその後にみんなが知ったとされる1曲があって。自分もそれで知ったんで。その曲をかけてみようと思います。というわけで退屈しのぎの退屈な30分間、あなたの親愛なる隣人の凡人のPUNPEEがお送りしました『SOFA KING FRIDAY』。今日はこのあたりで終わろうと思います。サヨナラ……。

(METEOR)サヨナラ!

(TEAC寺井)サヨナラ!

(PUNPEE)はい。ダフト・パンクで『One More Time』です。

Daft Punk『One more time』

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/51594

タイトルとURLをコピーしました