PUNPEEさんがJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』で楽曲製作で使われる人気エフェクト「オートチューン」を特集。METEORさんとTEAC寺井さんをゲストに迎え、オートチューンについてあれこれと話していたトークの後編です。
(PUNPEE)そんなわけでオートチューン、TEAC株式会社のTASCAM寺井さんをお呼びしてMETEORくんとオートチューンについていろいろとしゃべっていますので、どうぞ。
ありがとうございました! #sofaking pic.twitter.com/s3V8dOBTTE
— 森上染五 (@METEORFUNKARATT) 2018年7月20日
<音源スタート>
(METEOR)これ、暗くていいんじゃない? もう少し……。
(PUNPEE)ああ、そうっすね。光がもうちょっと暗くてもいいかもしれません。
(METEOR)自分、人見知りで。ちょっと寺井さんが来たら緊張しちゃって……(笑)。
(PUNPEE)フハハハハハッ! そんなの微塵も感じなかったっすよ?
(METEOR)いやいや、実は。逆にね。
(PUNPEE)寺井さんの下の名前はなんでしたっけ?
(METEOR)寺井さん、下の名前……ちょっと俺、思い出すわ。
(PUNPEE)フハハハハハッ!
(METEOR)寺井さんの下の名前……「カズオ」じゃないなー。「カツオ」でもないしな(笑)。
(TEAC寺井)フハハハハハッ!
(PUNPEE)だいぶ遠ざかりましたよ(笑)。
(METEOR)ええと、「ワカメ」? いや、違う……(笑)。うーん、なんだろうな? ええと……。
(TEAC寺井)「しょ」……。
(METEOR)あ、そうだ! 「翔太」だ。清水翔太と一緒! そう!
(TEAC寺井)ありがとうございます(笑)。
(PUNPEE)モテる名前。
(METEOR)モテる名前。(韻踏合組合「カンサイー↑」のフロウで)ショウターッ↑
(TEAC寺井)すいません(笑)。
(METEOR)あの、ライフルで撃つ人を「シューター」って言うんですよね。だからスナイパーでもあるという。
(PUNPEE)フハハハハハッ!
(TEAC寺井)スナイパーな感じで。今日はスナイパーな感じで来ていますので。
(METEOR)そう。寺井スナイパー。いいですねー。わかります、寺井さん?
(TEAC寺井)わかりますよ(笑)。
(METEOR)寺井さん、はじめてクラブに行ったのはいつですか?
(TEAC寺井)クラブに行ったの……たぶんハタチとかで行っていたと思いますけども……でも30代の方が行っている気がします。
(PUNPEE)ああ、本当ですか? 寺井さんはすごい音楽が好きな方で。FUJI ROCKとかも毎年行っているみたいで。
(TEAC寺井)毎年行ってます。
(METEOR)なるほど。FUJI ROCKもまあクラブっちゃあクラブ。
(PUNPEE)そうですね。
(METEOR)芝生のクラブ。
(PUNPEE・寺井)フハハハハハッ!
(METEOR)俺は行ったことないんですけどね(笑)。雑草とか生えているかもしれない(笑)。
(TEAC寺井)生えてます、生えてます(笑)。
(PUNPEE)芝生のクラブっすね。で、日本だとなんだろう? KREVA氏がキック・ザ・カン・クルーで『クリスマス・イブRap』っていうので使っていた気がして。2001年ぐらいですね。
(METEOR)うん。
(PUNPEE)で、自分の記憶は定かじゃないですけども。あとはSalyuさんとIlmari氏の『Valon』っていう曲でIlmariさんが同時期ぐらいに使っているんですよね。
(METEOR)ほうほう。
(PUNPEE)それが最初の方なんじゃないかなと。
(METEOR)すごい、KREVAさんは早いですよね。世界的に見ても早いと思います。すごい。
(PUNPEE)そう。で、そのあとにT・ペインとか、USのR&Bシーンの人が使ってヒップホップとかにも飛び火して。まあ、この頃から特にそんなにすごいメロディーのないラッパーでもたまに使うっていう。言ったらリル・ウェインとかが使い始めたりして広がった感じ。それが2006年とか2007年ぐらいですかね。
(METEOR)うん。
(PUNPEE)ちなみにこのTASCAM社さんのTA-1VPのこれ、ハード型です。物があるっていう。言ったらギターのディストーションとかフランジャーとかみたいに物があるエフェクター。最初はパソコンの中でしかなかったっていう。ソフトウェアとして。オートチューンは。言ったら、録音した声を補正するソフトっていう。だからその、ライブで使う時も録音ソフトを持っていってそのソフトでかけていた、みたいな感じなんですね。
(METEOR)PCを持っていかなきゃいけなかった。
(PUNPEE)PCとかDAW。録音の。で、そんな中でハードのものも作りたいっていう感じになったんですかね?
(TEAC寺井)そうですね。アンタレス社さんが作ったのがオートチューン搭載のラックマウントのエフェクターですね。
(PUNPEE)tofubeats氏とかも使っているような。だいたいライブではみんなこれをオートチューンで。使う人は使っているっていう。
(TEAC寺井)で、TASCAMとして出したこのTA-1VPが2011年の2月に発売開始したんですね。
(PUNPEE)2011年。
(TEAC寺井)11年です。それまではアンタレス社さんがハードウェアを出していたんですけど、ちょっとハードウェアを作ることが難しくなってきたということで。で、ソフトウェアに全部以降をしていったんですね。逆にソフトウェアに戻っていったというか。
(PUNPEE)まあ全部ソフトの中だけでやるという。
(METEOR)でも、ハードウェアはやっぱり残したいよねという思いもあった中で、弊社TEACにお声がかかって。で、弊社はもちろんTASCAMの製品開発もしていますし、工場も持って生産もしているので。さらには、デジタルミキサーとかもすごい作っていて。まあ、いまは作っていないんですけど当時は作っていて、録音現場とかライブ現場で使われているようなミキサーを作っていて。いいマイクプリを積んでいたので。で、市場のニーズとしてはアンタレス社時代のオートチューンのラックではマイクプリが乗っかっていないんですよ。ライン入力しかなかったので。
(PUNPEE)言ったらマイクを増幅させてくれるマイクプリっていうのがあるんですけど。それが入っていなかったと。
(TEAC寺井)入ってなくて。で、それを入れたものを作ってほしいっていうのがあって私たちが作ることになったんですね。
(PUNPEE)で、そのアンタレス社さんとTEACさんが共同で開発したのが……。
(TEAC寺井)このTA-1VPというものになります。
(PUNPEE)なるほど。
(METEOR)すごい、最初にハードができそうなものですけど、最初にソフトウェアからできて、ハードができるっていう、その順番が面白いですね。
(PUNPEE)たしかに。うんうん。
最初はソフトウェア
(TEAC寺井)たぶん技術的には両方ともできたと思うんですけど、やはり90年代にパソコンでPro Toolsとかも誕生していた中でソフトウェアの時代だという先見性もあったんでしょうね。というので作っていたっていうのと、あとはアンディさんがそもそもソフトウェアを作るエンジニアだったっていうのもスタートかなというところですね。
(METEOR)なるほど、なるほど。
(PUNPEE)だからそのソフトウェアから始まって。
(TEAC寺井)で、たぶんハードの需要が高いということでハードを作って。で、アンタレス社さんがそのハードウェアを作れなくなったというのと、あとは時代がさらにソフトウェア化が進んでいったっていうのもあって。その「ハードウェアはTASCAMさん、お願いしますよ」っていう形で。
(METEOR)なるほど。TASCAM、助かる!
(PUNPEE)フハハハハハッ! 「ハッスルハッスル」みたいじゃない(笑)。
(METEOR)フフフ(笑)。
(PUNPEE)いいっすね。いま、ずっとその韻を?
(METEOR)そう。考えてた(笑)。
(TEAC寺井)フフフ、ありがとうございます。なのでこのTA-1VPはもう発売して7年ぐらいたつんですけど、結構海外でも日本の中でもすごく使っていただいていて。累計でもたぶん1万台ぐらい世界では売れているんですよね。
(METEOR)へー。すごい。でも逆に1万人しか持っていないっていうことですよね? 持っているべきですよ!
(PUNPEE)そうですよね。
(METEOR)だっていま世界に70億人ぐらい住んでいるとしたら、1万人っていうのはすごい少ないですよね?
(PUNPEE)少ないです。
(METEOR)隣のやつを出し抜くには、これ! うん。僕も買います、これ。3万円であれば。
(PUNPEE)おっ、METEORくん買いますか? ヤバい。
(METEOR)買います、買います。今日、買いますよ!
(TEAC寺井)今日買いますか(笑)。
(METEOR)分割にしてください。
(PUNPEE)フハハハハハッ!
(METEOR)78回払いとかで(笑)。
(TEAC寺井)アハハハハハッ!
(PUNPEE)フフフ、1回いくらぐらい? 50円ぐらいじゃないですか?
(METEOR)そんぐらいかもしれないけどね。ぜひお願いしたい。これ、持っていたら強いな。友達に自慢したい! いいですねー。
(PUNPEE)というわけでそんなTA-1VP、「タイチVP」とか?(笑)。
(METEOR)タイチマスターさんっていう方がいますね。
(PUNPEE)いますね。
(TEAC寺井)フフフ、「TA-1VP」でお願いします。
(PUNPEE)で、その後にまあカニエ・ウェストが使ったりとか、いろんな人が使って飛び火して。T・ペインマイクみたいなのも出て。
(METEOR)飛び火! 飛び葉、飛び火(笑)
(PUNPEE)アハハハハハッ! 「飛ぶ葉、飛ぶ火」。
(METEOR)ああ、そう。それだ(笑)。とびひができちゃうんですよ。結構自分は肌が弱くて(笑)。
(PUNPEE)フハハハハハッ!
(METEOR)とびひがちょっとかゆいんですよ……。
(PUNPEE)とびひって、それでしたっけ?
(METEOR)そうそう。
(PUNPEE)「飛び火して」って言いません?
(METEOR)「火が飛ぶ」っていうことも言うんだけど、「皮膚が荒れる」っていうのも。
(PUNPEE)それも「とびひ」。
(TEAC寺井)フフフ(笑)。
(METEOR)なんでも話したくなっちゃうな。寺井さん、優しいから(笑)。
(PUNPEE)なんでも話しちゃう。
(TEAC寺井)いや、全然来てくださいよ(笑)。
アンチ・オートチューン運動
(PUNPEE)そしたら、まあ2000年代後期ぐらいから「オートチューンもういいよ」運動みたいなのが。言ったら、「みんなもっとナチュラルに歌おう!」みたいな。いままでたよってきたくせにですね、そんなことを言い出したりして。ジェイ・Zが『D.O.A.(Death of Autotune)』っていう曲を出したりだとか。まあ、そういう時代の流行りというか。般若さんが「オートチューン聞きすぎて嘔吐中」なんて言ったりとかして。
(METEOR)フフフ(笑)。
(PUNPEE)でも、そんなこともありましたが、その時代に影響を受けたヘッズとかはやっぱりその手法を使い続けて。いまは常套手段として。フューチャーっていう人がもう大々的に使ったりとか。
(METEOR)そうなんですよ。これね、ラッパーっていうのは「逆張り」っていう、逆を張るんですよ。いま流行っているものの反対側をしたら、いまバズっているものの2番目になれるんですよ。いま流行っているものが1位だとしたら、それに反逆したら2位にはなれるっていう。これ、ラッパーの手法なんですよ。たとえばみんなが「これは黒いぞ」って言っていたら、1人が「これは白だ!」って言えば、それはそれでバズるんですよ。だからこれ、逆張りって言うんですけども。ジェイ・Zさんの『D.O.A.』も逆張りなんですよ。みんなが使っていたらあえてそうやってハレーションを起こすようなことを言えば、いま流行っているものに対してディスれば、それはそれでハレーションが起きるんで、それはそれで売れるんですよね。
(PUNPEE)なるほど。うんうん。
(METEOR)これね、だからやった方がいいですよ。……ここでいったんコマーシャル!