三浦大知さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さんと自身のライブDVD『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館』について話していました。
(宇垣美里)ここからはカルチャー界の重要参考人をお迎えします。
(宇多丸)もう証人喚問ですね!
(宇垣美里)「重要参考人」ってっていう感じですけども(笑)。今夜お呼びしたのは日本最高峰のエンターテイナー、超売れっ子の三浦大知さんです。よろしくお願いします。
(宇多丸)いらっしゃいませー!
(三浦大知)よろしくお願いします(笑)。すごいなんか出づらい感じですね。こんなに……。
(宇多丸)「重要参考人」って言われるとなんか責められている感じがするぐらいですけども。
(三浦大知)全然そんなんじゃないですけども。
(宇多丸)いやー、大知くん! 大知くん!
(三浦大知)来ちゃいました(笑)。
(宇多丸)大知くん、大知くん!
(宇垣美里)いや、大好きなんでしょう? 伝わってきますよ!
(三浦・宇多丸)アハハハハハッ!
(三浦大知)いや、本当にうれしいです。
(宇多丸)元気? 元気?
(三浦大知)変わらずやってます。変わらず、歌って踊ってます。
(宇多丸)ゲームやってる?
(三浦大知)ちょこちょこ。
(宇多丸)ああ、そう(笑)。
(宇垣美里)なんて締まりのない笑顔!(笑)。
(宇多丸)いや、本当に親戚のおじさんなんですよ。ファンの方もみなさん、わかっていると思いますけどね。ただ、こんな親戚トークしててもしょうがないですから。
(三浦大知)いや、僕はうれしいですよ。
(宇多丸)来ていただいて。大知くん、本日はなにかご用件があるんじゃないですか?
(三浦大知)今日は僕のライブDVD『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館』。こちらを紹介できたらなと。
(宇多丸)よいしょー! これ、武道館ライブは私も出演したやつということでよろしいでしょうか?
(三浦大知)もちろんです。なのでご紹介したいなと。
(宇多丸)ありがとうございます。後ほど、どんなライブだったのか、そのあたりはしっかり説明させていただくとして、まずは三浦大知さんのご紹介を改めて、宇垣さんの方からお願いします。
(宇垣美里)はい。三浦大知さんは1987年生まれ沖縄県出身です。97年にダンスユニットFolderのメインボーカルとしてデビュー。そして2005年にシングル『Keep It Goin’ On』でソロデビュー。天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操る日本が誇るスーパーエンターテイナーです。
(宇多丸)本当に隙がないんですよ。しかもアーティストとして優れているだけじゃなくて、これだけ天才的な才能を持っていればそれは多少天狗になったって誰も怒りゃしないのに、衝撃的にいい人なんだよ!
(三浦大知)アハハハハハッ!
(宇垣美里)まずどういう人かをお話する時に「めちゃめちゃいい子なんだ」っておっしゃっていて。
(宇多丸)俺が知る限りいちばん性格がいいですよ。
知る限りいちばん性格がいい男・三浦大知
(三浦大知)そんな……(笑)。本当ですか? 宇多丸さんが知っている人の中で?
(宇多丸)ただ、俺が知っている連中が下の下の連中ばかりという可能性もこれは否めないけどね。
(三浦大知)そんなことないですけども(笑)。
(宇多丸)で、僕は本当に彼がFolderの頃から……あれはいくつでしたっけね?
(三浦大知)9才、10才とかですかね。
(宇多丸)そんぐらいの時から、「これはすごい歌手だ!」って才能を見込んでいて。その時もお会いしてインタビューをして。
(三浦大知)そうですね。対談に呼んでいただいて。
(宇多丸)もう全然ね、キャッキャ言っていたちっちゃい子だった時から。で、そこから成長を見守ってからの……。で、ずーっと応援はしていたんだけど、ようやく世間が追いついて大ブレイクというその流れがあるんで。それはもうね、それはもうですよ!
(宇垣美里)もうみんなに自慢して回りたいですよね(笑)。
(三浦大知)僕にはバシバシ伝わっていますよ、愛が(笑)。本当にありがとうございます。
(宇多丸)「そりゃあもう」ってなんだ?っていう。ファンの方からも熱いメッセージが来ていて。「宇多丸さん、宇垣さん、大知くん、こんにちは。今日は『BEST HIT TOUR』のフラゲの日ですね。私は朝イチでゲットしてさっそく鑑賞しました。武道館で生で見ましたが、お二人の『No Limit』がかっこよくて何回見ても興奮します。そしてKREVAさん、千晴さんとの『全速力』、最高にテンションが上ります」。これはKREVAと大知くんが本当はやっている『全速力』という曲に……KREVAは割と僕の後輩にあたるラッパーなんだけど、すごい尊敬している後輩というか。
(宇垣美里)はい。
(宇多丸)で、彼が武道館をやった時。
(三浦大知)2デイズですね。
(宇多丸)そう。特に『1人武道館』っていうすさまじい公演をやって。「お前、本当にすごすぎる。お前みたいなこんなすごいパフォーマンスをするやつはもはや後輩でもなんでもないので。おごるのはこれが最後だからお前を称える会をやる」と。そこで「見どころのある若手を1人ずつ連れてこよう」っていうことで。で、KREVAは千晴というラッパーを。後にね、大知くんの親友となる千晴を呼んできて、僕は大知くんをそこに連れて行ってそこで4人で食事して。そしたら、俺抜きでどんどんこの3人が仲良くなって。
(三浦大知)アハハハハハッ! いや、そういうつもりはないんですけど(笑)。なんか千晴さんと曲をやり始め、KREVAさんともそこで宇多丸さんが「KREVAと大知くんは絶対にやった方がいい」みたいなことを言ってくださって。そこからつながって……っていうのがあったんで。
(宇垣美里)ちょっと寂しい?(笑)。
(宇多丸)寂しいなと思っていたら、この間のDVDになった武道館でKREVAの『全速力』に僕と千晴が参加してそれぞれラップを重ねるという特別バージョンでしたね。
(三浦大知)その4人で食事会をした時から、いつか4人でステージに立ちたい。そしてそれが自分のライブでできたらなんて幸せなことだろうって夢に思っていたので。今回、ちょっと無理やりお願いしてなんとかその4人で出てくれないかっていうことで。
(宇多丸)自慢じゃないけどあの日の武道館の中でも結構見せ場……。
(三浦大知)いや、あれ相当すごかったですよ。めちゃくちゃ盛り上がっていました。
(宇多丸)盛り上がった部分と言わねばならぬのが現状(笑)。
(三浦大知)そう思います。間違いないと思います(笑)。
(宇多丸)フフフ、すいませんね。普段、飲んでいる時のバカ話風になっております。
(三浦大知)そういう感じで(笑)。
(宇多丸)あのね、メールの続きがあって。「……生のライブは楽しかったのですが、こうして自宅でじっくり見る映像はまた違った興奮があります。ところで、大知くんのあのスーツ。スイカっぽい柄は自分で選んだんですか? 大好きです」。
(三浦大知)アハハハハハッ!
(宇垣美里)そんな柄だったんですか?
(三浦大知)今回、中盤で着る衣装でスーツのセットアップがいいなっていうので。いろいろと柄を選んだんです。選んだ中で、あんまり着ないんですけど原色っていうか結構パキッとした、遠くから見ても一目瞭然で目立つような色はどれか? 「赤はどうか?」「でも赤はちょっとやったことありますね」とか。いろいろと色を選んでいく中で選ばれたのが緑だったんです。で、「真緑はどうかな?」っていう話になって「ちょっと柄を入れてみよう」「ストライプとかいいんじゃないですか?」って、結果仕上がってみたらスイカっぽくなってしまったという(笑)。
(宇多丸)アハハハハハッ!
(三浦大知)あ、それです。
(宇多丸)いま、画像をちょっと見ていただいて。ああ、これはスイカといえばスイカ。
(三浦大知)もうスイカと言われるとスイカにしか見えなくなってくるという(笑)。
(宇多丸)アハハハハハッ! まあね、かっこいいですよ! 動きとか込みで。これ、いまおっしゃってましたけども大知くんのすごいのはコレオグラフもそうですし、舞台演出を自分でめちゃめちゃ考えてやるんですよ。
(三浦大知)好きですね。
(宇多丸)しかもあの武道館の時の演出がすごかったんですよ。途中の着替えのくだりがあって。とにかくド頭から何曲ノンストップだった? あれ。
(三浦大知)今回はMCが基本的にはなかったので。
(宇垣美里)歌いっぱなし、踊りっぱなし?
(宇多丸)歌いっぱなし、踊りっぱなしでずーっと、しかもアッパーな曲ばっかりボンボンボンってやって。で、そこから着替えに入るんです。スクリーンみたいなところに大知くんがポーンって入るとそのスクリーンの中に映像が映って。またそれも面白いのね。サイレント映画風のね。
(三浦大知)そうですね。ダンサーと込みで。
着替え中も歌い続ける
(宇多丸)チャップリン風の『モダンタイムス』風のがあってさ。で、着替えているんですけど、驚くべきことに彼はそこでスクリーンの後ろで着替えているんだけど、着替えている間も影マイクで生で歌っているんですよ。
(宇垣美里)すんごい!
(三浦大知)ですね(笑)。
(宇垣美里)服をかぶる時は?
(三浦大知)その時はシャツだったんで(笑)。
(宇多丸)つまりね、影に隠れているんだから。で、映像を出しているわけじゃない。そんなの録音をしたのを出していたって誰も怒りゃあしないくだりなんですよ。なのにこの男は生で歌い続けている。
(三浦大知)面白いかなと思って(笑)。
(宇多丸)で、実際にやっぱり生で歌い続けているならではのグルーヴがちゃんと見ていてあって。俺はだから見ながら「まさかとは思うけど、歌ってるんじゃないのか? あいつ……頭おかしいぞ」って。
(三浦大知)アハハハハハッ!
(宇多丸)で、ラップの出番になってこうやって行ったら、舞台装置スタッフっていうか裏方スタッフがRHYMESTERのスタッフとかぶっている人が多くて。で、フクちゃんという男がこんなゴツい男なんですけど「いやー、大知くんすごいっすわ。さっきの着替え中ずっと歌ってるんすわ」みたいな感じで。「やっぱりそうか。あいつ、頭おかしいぞ」みたいな感じで。なんだけど、やっぱりそのフクちゃんとかはしみじみ、「そういう大知くんのパフォーマーとしての、そこでも手を抜かないというところにみんな惚れ込んでいるんですわ。だからこっちも全力でやらんといかんのですわ!」って。
(三浦大知)熱い方なんですよね(笑)。
(宇垣美里)すごくフクちゃんのキャラが伝わってきました(笑)。
(三浦大知)本当にそんな感じで。
裏方スタッフが惚れ込む男
(宇多丸)で、「いかんのですわ!」って言われながら「ごめんね! RHYMESTER、ごめんね! 俺ら、すいませんね!」みたいな(笑)。っていうことをやりながらみたいなのもありました。
(三浦大知)そうなんですよ。
(宇多丸)あともう1個メッセージ。「先日、『球体』の大阪公演に行ったのですが、非常に素晴らしい独演でした。後半、マイクスタンド1本で極上のバラードを歌う大知さんに会場は大拍手に包まれたのですが、あれはいつも大知さんが言う『お客さんと共に作るライブ』を証明しているかのようだ。観客は知らぬ間に『球体』の世界の一員になっているなと鳥肌が止まりませんでした。何度もリプレイしたくなるライブでした。明日の最終公演が残っていますが……」。すいませんね!
(三浦大知)いえいえ。そんな、全然ですよ。
(宇多丸)いますぐ帰っていただきたい(笑)。
(三浦大知)いやいや、宇多丸さんに呼んでいただいたらいつでも来ますよ。
(宇多丸)ちょっとね、最終公演が残っているところであれですけども。「制作の裏話などを……」と。
(三浦大知)そうですね。今回は『球体』っていうタイトルなんですけども。
(宇垣美里)丸の球体ですか?
(三浦大知)丸の球体です。Nao’ymtさんというトラックメイカー、プロデューサーの方がいて。僕、いままでも曲をずーっと書いていただいているんですけど、その方とアルバムを2人で1枚作りたいと。基本、アルバムっていろんなトラックメイカーの方とやってそれを1枚にしてっていうのが多いんですけど。じゃなくて、Nao’ymtさんが作った曲だけでアルバムを作って、その世界観を1人でライブで表現するっていう。で、同じ曲順、同じ分数。
(宇多丸)ああ、なるほど。完全再現をやるという。
(三浦大知)約76分間、バンドもダンサーもなしの1人で独演するっていうのをいまやっていて。
(宇多丸)すごいんだよ。だからやっぱり歌上手い、パフォーマンスがすごいだけじゃなくて、こういう全体のトータルプロデュースができるっていうか。ねえ。
(三浦大知)それはすごいやってみたくて。これからたぶん、明日が最終公演なんですけど、たぶんまた再演みたいなこともできたらいいなと思っていますし、ライフワークにしていけたらいいなと思っているんですけども。
(宇多丸)すごい男ですね。あの、ちょっぴりネタバレっぽいことを私がしてしまいましたが。
(三浦大知)フフフ、それはもうしょうがない。過ぎ去ったことです(笑)。