ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』で、この日に最終回を迎えたMXテレビの5時に夢中!サタデーの思い出を語っていました。
(宇多丸)おそらく、日本でいちばんガスマスクが似合う男らしい私、ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル!
(オープニングテーマが流れる)
(宇多丸)はい、どうもこんばんは。東京赤坂TBS第六スタジオから生放送でお送りしております、ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル。パーソナリティーの宇多丸でございます。えー、ガスマスク。何の話かと申しますと、この土曜日。この放送はね、当然生放送なんですけど。この前にもう1個、私、別のね、他局というか他メディアで生放送、ずっとやっておりまして。MXテレビというね、東京ローカル局。もともとは東京都がやってたのかな?いまは経営がちょっと変わったのかな?MXテレビというところがございまして。で、まあそこでね、5時に夢中!というね、平日の夕方に5時からずーっとやっている番組。それの土曜版。
平日版の方はたとえばみなさんご存知のところでいうと、マツコ・デラックスさんとかね、輩出した番組として知られてますけども。そこの土曜日版。玉袋筋太郎さんと私、コンビで出させていただいたと。同じね、東京ローカルで。あんまり東京じゃない人は知らないかもしれないけどもっていう意味では、結構この番組とね。ぜひ続きで見て聞いていただきたいなって番組でもあったんですけども。その5時に夢中!サタデーが今日、最終回ということでね。ご覧になった方、いらっしゃいますかね?
で、まあガスマスクのくだりはなんでか?って言うと、いままでの名場面集みたいなのをやったわけですよ。146回?140何回やってたわけです。146回。で、名場面集。当然、初期の頃とかは忘れてて。なにが忘れてるって、今日、軽くMXテレビの中で打ち上げみたいなのやってたんですけども。玉さんと言ってたのは、いまでこそ僕、玉袋筋太郎さんとね、もう定期的に飲みに行って。ガッツリ腹の底まで割って飲み上げる仲になってますけど、あのね、最初の1年とは言わないけど、1年弱は生放送のその瞬間にしか会わないっていう。それであの丁々発止をやっていたんですよ。で、その関係が心地いいっていう時もあったんですね。ちょうど、ある種の緊張感があって、というような。で、その飲み上げ仲間になる前がちょっと思い出せないっていうかね。どういうつもりでやってたんですかね?っていう。
まあ、そういうところがあって。その名場面集の中で、初期にはね、いろんなコーナーやってたんですけど、初期。結構改めて見てみると私が体を張っていろんなことをやっている。完全にその、なんて言うんですかね?ベテランラッパーとしての領域を超えている仕事っていうのをやってて。たとえば、ゴルフの練習グッズなんつってね。こう、あるわけですよ。姿勢を矯正するような道具が。両手を揃えるようなやつとか。で、こうスイングを矯正するような。それを全部身につけさせられて、僕がスイングするんだけど。そのスイングしたあれが、クラブがひも状になっていて。それでフォームを・・・っていうひも状のやつがビヨーン!って俺のサングラスのところにダカーン!って直撃っていう。しかもそれ、2回繰り返すっていう。笑いの神が降りてくるってこういう瞬間なんだろうなっていうのがね、あったりとかって。総集編で見て。
これ、玉袋筋太郎さん褒めて頂いて曰くですね、『宇多ちゃんのはあれだよね、体張った時の体の動きとかがお笑い芸人のそれとは違う。お笑い芸人は体張るぞ!と、すでに最初から面白おかしい感じになってるんだけど、宇多ちゃんのそれは本当に体がギクシャクしてる人の動きなので、これが面白い』みたいなね。ことをおっしゃっていただいて、ありがとうございます!っていう感じなんだけど。で、バコーン!ってやってたんだけど、そん中で、なんの流れだか忘れたけど、ガスマスクっていうか、運動用の。わかります?酸素量をあんまり吸えないようにして、心肺機能を高めるみたいなさ。高地トレーニング的なやつですよ。用のマスクなんだけど、まあ見た目、完全にガスマスクなんですよ。いわゆる皆さんご存知のガスマスク。
んで、かぶると・・・これ、みなさん映画ご存じですかね?『パシフィックリム』でお馴染み、ギレルモ・デル・トロのね、出世作のひとつ。『ヘルボーイ』というね。アメコミの映画化の中で、敵が元ナチのバケモノでさ。クロエネンっていうのがいるんですよ。クロエネンってのが。まあ、あの感じです(笑)。
って、わかってもらえるかな?とにかく、僕サングラスしてスキンヘッドで、そこにガスマスクなんかすると、なんか本当に怪人なんすよ。ただの。変態っていうか、怪人っていうか、みたいな感じで。で、まあその格好で最初は運動を普通にしてたんだけど。なにかとかぶらされるようになって。その格好で特に、ぶら下がり健康器に下がっている絵面。なんつーんですかね?わかんないけど、拷問を受けている変態みたいな。なんかわかんないけど、とにかく自分でもなんとも言えない絵面になっていて。これ、改めて見るとなかなかフレッシュなものでございました。
で、今日その打ち上げでもね、『いやー、玉さん、あれですね。やっぱり体張ると面白いですね』っていう(笑)。妙な開眼をしそうだっていうね。んなのもありました。あと、あれですね。5時に夢中!サタデーで言うと、名物は初期は5回で終わっちゃった料理のコーナー。後にね、美形料理研究家の寺田真二郎さんとかいて。しんちゃんが料理作るっていうコーナーになったんだけど、それまで僕らが手伝うっていうテイだったわけですよ。これ、マツコさんとかも料理のコーナー、あるもんね。そのテイで行こうと思ったのかわからないけど、俺がやっぱり料理の覚えがないわけですよ。で、これね、みなさん、僕の包丁の持ち方が本当に危ない感じで。視聴者から苦情が殺到してすぐ終わったコーナーなんだけど。
ただね、料理は、私はそういう意味で生活力に欠けるドグサレ野郎ですよ。それはもう、認めますけど。ただ本当ね、みなさんね、ご自分の身に置き換えて考えていただきたいんだけど。いわゆる食レポとかさ、テレビ番組で要はご飯を食べるようなシーンって、何気なくあるじゃないですか。5時に夢中!サタデーでも毎週、あるわけですよ。で、俺つくづく思ったのは、たとえばテレビでそういうところ出てくる人って、何気ない場面じゃない。俺らなんかそういうの見てさ、やれ面白くないのなんの、言うけどさ。そういうところ出てくる人で、たとえば箸の持ち方がちょっとでもおかしいとか、そういうレベルの人っていないじゃないですか。まず。
とか、音が、食べ方が汚い。たまにそういうの、問題になりますけど。そういうのがたまに問題になるぐらいで、要は僕らが何気なく見過ごしている食レポの人って、まず箸の持ち方、ちゃんとしてる。食べ方もキレイ。なおかつ、食べながら不快にさせる音をさせずに、でも食べてその感想を言ったりしなきゃいけないっていう。あれはかなり全方位的にちゃんとしてる人じゃないとできない仕事だなと思うわけなんですよ。あとはちょっとした歯並びとかさ。俺、歯はそんなホワイトニングとかしてないからさ。そういうのも含めて、テメーのを見ると、あー!と。要するに普通にテレビ出てる人はクオリティー高けーな、人としても!みたいな(笑)。改めて思ったり。そういうのが学べるだけでも、ああいうの出るね、価値があるななんて思う次第なんですよね。
ということでね、5時に夢中!サタデー、今週で終わっちゃって。んで・・・ん?これは後の話か。これ、なんでこんな反応が雑な感じか?っていうとね、先ほど打ち上げっていうので、みなさんなんとなく感づいてらっしゃると思いますけどね。あの、お酒を飲みました(笑)。で、当然この土曜日ね、番組準備前にいつも言っている通り、この後のムービーウォッチメン用に会議室を借りて1人ですよ。1人でポツーンと来てね。3時間かけてノートを作るわけですけど。まあ、前も1回、あったんですよね。前も1回、なんかのあれで、5時に夢中!サタデーの忘年会かな?なんかそういう、打ち上げチックなのがあって。それで『俺はもう、出ますよ!7時には絶対出ますからね!』みたいなことを言って、大声でわめいてるんだけど、まあだいたい7時15分になり、7時半になり・・・
で、まあ途中で、7時の時点で、『でもビールが残ってますからね。これ、もったいないですからね。これ飲んだら、行きますよ!』とか(笑)。誰も聞いてねーのに、大声の言いながら飲んで。結局今日ね、7時40分ぐらいまでいちゃったんですよね。だから今日は大慌てですよ。今日の『ロボコップ』はもう、もう雑ですよ(笑)。ウィーン!とかね。ウィーン!ガチャン!とかね。そういうことしか言わないっていう(笑)。んなことはないんだけどさ。ちゃんとロボコップ、言うこと決まってるからいいんだけど。まあ、そういうことがありましてね。
で、そのMXテレビ。いつも5時に夢中!、ご覧になった方はわかると思いますが、表が外堀通りで。皇居の前でね、普通に人が通れる場所なの。いわゆるサテライトというのかな?人が通れる場所で。みなさん、見に来てくださる。観覧っていうのかな?外から見えたりなんかするスタジオなんだけど。ズームイン朝みたいなやつですよ。で、普段も何人かいらっしゃってるんだけど、今日、4月で休みっていうのもあるのと、最終回っていうんで結構人、いっぱい来てて。あと、お子さんなんかも来ていただいて。僕はあのね、みなさんこう見えてお子さんにはね。ある程度の年のお子さんには、結構人気あるんですよ。なんでか?っていうと、さっき言ったクロエネンですよ。だから、キャラクターっぽいんだろうね。なんかこう、架空の人物っぽく見えるんじゃないですか?着ぐるみっぽく見えるんだろうね。なんかね、だから結構僕、人気でしたよ。子どもと顔合戦、してましたよ。
みたいな感じで、集まっていただいてありがとうございます。ということで。で、ですね。非常に惜しまれながら終わった。惜しまれながらというか、世の中に最終回の番組っていっぱいあれど、ここまで往生際が悪い最終回ってなかなかなかったと思うんですけど。とにかくあの、ギリギリ。最後の5分になるまで最終回であることを絶対に認めようとしない。で、『今日は最終回です』っつったら、僕がやおら手前の机にガバッと抱きついて、『絶対に動かない!』っつって。『既得権益は手放さない!』っつって(笑)。大声でわめくっていう、見苦しいの一語に尽きる最終回だった。
ええと、なんとこのね、玉袋筋太郎さんと私のコンビネーションの良さが評価されたのでしょうか。同じMXテレビでですね、新番組の方にこのコンビで移動することになりました。ちょっとそちらをお知らせさせてください。東京MXテレビが3月31日からスタートさせる新番組『バラ色ダンディ』。ニッポン・ダンディという番組、名前変わってね。バラ色ダンディ。で、メインキャスターに長谷川豊アナというね。フジテレビ退社されていろんな問題発言で。非常に危なっかしい感じの方ですけど。いい意味で危なっかしい方ね。これ、メインキャスターで。私どもですね、水曜日のコメンテーターとして移行することになりました。水曜夜のビッグ・ウェンズデーを作っていこうじゃないかというようなことになっています。
ちなみにこのバラ色ダンディ。元のニッポン・ダンディ、金曜日は水道橋博士と高橋ヨシキさん。ヨシキさんの映画コーナー、むちゃくちゃ面白いですからね。ヨシキさんとはね、メールで。『せっかくダンディ仲間になったから、曜日どうしの乗り入れしようかな』なんて話もしてるんでね。ちょっとラジオでテレビの話をするのも何かなと。ただ、MXテレビだから。ね。5時に夢中!サタデーはこの番組に似ててね、スポンサーが延々つかないっていうね。学級放送でしたから。学級放送どうしね、宣伝させていただきたいということで。是非、4月からも水曜日、楽しみにしていただきたいところでございます。
<書き起こしおわり>