宇多丸さんがTBSラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』に出演。リスナーからの相談『SNSとの付き合い方をどうすればいいか?』について、回答をしていました。
「ジェーン・スー 相談は踊る」この後7時?9時までの生放送。代行MCは、ライムスター・宇多丸さん!宇多丸さん、心なしか顔が赤い…?! 2人への相談メールはsd@tbs.co.jp #sd954 #radiko pic.twitter.com/4MmVUcEr3h
— sodance954 (@sodance954) 2016, 2月 20
(ジェーン・スー)それでは、続いての相談です。お願いします。
(宇多丸)29才女性の方です。(相談メールを読む)『私の悩みはアカウントを持たない私のSNSとの付き合い方です。mixiから始まり、最近ではInstagramまでひとつもアカウントを持っています。それなのに、私のWeb履歴は著名人、友人、家族のSNSのURLで埋め尽くされています。他人のそれを見ることを我慢できないのです。きっかけは、なかなか返事のこない友人がTwitterでは盛んにやり取りをしているのを発見したことです。それまでは、たまに見てみる程度だったのですが、これを境にブックマーク登録をしてしまい、それからはチェックが習慣に。最近、特に気持ちがざわめくのは、自分発信的な意識高い投稿です。見ながら鼻で笑ったり、舌打ちしたりしています』(笑)。
(ジェーン・スー)わかるよ、わかるよ。
(宇多丸)(相談メールを読む)あとは、その投稿に対する周りの反応がかならずポジティブなのも気持ちが悪いです。何かを発信するのには責任が伴うと私は思います。特にインターネットは世界中、ほとんど全ての人に届く場ですので、その波及力も大きいです。ただ、SNSへの嫌悪感はそれをやりたいのにできない自分へのモヤモヤでもあるということもわかっています。責任だなんだと斜に構えるのもどうなんだ?自分。これから先、参加することはないと思いつつも、ずっと他人のSNSをブックマークし続け、観察しながらザワザワするなんて不健康。こんな私はどうやってSNS時代をサバイブしていけばいいのでしょうか?お知恵を拝借したく、よろしくお願いします』という。
(ジェーン・スー)なるほど!
(宇多丸)現代!ねえ!
(ジェーン・スー)現代!
(宇多丸)現代ですよね。ええ。
(ジェーン・スー)これ、宇多丸さんはTwitterとか、アカウントないですよね?
(宇多丸)ええと、私のSNSというか対Webスタンスを言っておくと、えっと、2005年ぐらいですかね?まあ、mixi浸透期。日本のSNS浸透初期と言ってもいいと思うんですが。その時に、もう本当にやり狂ってですね。
(ジェーン・スー)マイミクでした。
mixi狂いだった宇多丸
(宇多丸)マイミク。やったね。で、様子わかってたでしょ?僕の。とにかく、24時間ログインし続け。で、24時間、キャッキャキャッキャ。要は身内同士なんですけど、キャッキャキャッキャ。それこそあれですよ。この後、うちの『ウィークエンドシャッフル』にも登場するコンバットRECとかですね、キャッキャキャッキャやって。ずっと。まあ、いま思えば、結構青春だったな、ぐらいの感じなんですよ。
(ジェーン・スー)はい。
(宇多丸)で、そのmixiやり狂い期があり。ただmixi・・・当時はまだそんなに微妙な知られ具合だったのが、だんだん人が増えてくるに従って、まあ確かに、いまのSNSに通じるような、ちょっと若干の煩わしさを感じる時期になり・・・
(ジェーン・スー)ありましたね。来ましたね。
(宇多丸)で、その後、RHYMESTERはそれまで公式ブログっていうのがなかったんですけど、2006年から公式ブログというのが始まり。なんて言うか、双方向性がちょっと若干面倒くさくなったため、ブログから発信するみたいな感じをやり。それに、ブログ狂い期がさらに・・・
(ジェーン・スー)だって毎日かならずUPするっていう。
(宇多丸)しかも、誰がこれを読むんだ?っていう長文の。それこそ映画評とか、書評とか。まあ、いまで言う、当時まだ『ウィークエンドシャッフル』やってなかったんで。なんかそういう吐き出し場がなかったんでしょうね。それをWebにぶつける時期というのが、うーん・・・2年ぐらい続き。で、それにも飽き、そしてもうだから全てのWeb発信を遮断し、いまに至る。
(ジェーン・スー)ほう、そうか!ないんですもんね。
(宇多丸)ないです。えっ、いまやってんの?スーさん。
(ジェーン・スー)私はTwitterをやっています。Facebookも自分でファンページという、面映ゆいものを作っています。
(宇多丸)もともとはだってさ、Webにいろいろ文章を上げているっていうのもあったよね?
(ジェーン・スー)あの、でもいちばん最初はそれこそmixiの、誰が読むんじゃ?日記ですよ。アホみたいに長い日記を。
(宇多丸)そっから自分のサイトが始まって、みたいなこと?
(ジェーン・スー)うんうん。あの、ブタのテレビ(『10匹のコブタちゃん』)に出始めた時に、検索した時に何も引っかからないと嫌だなと思って。
(宇多丸)えっ?その前になんか書いてなかったっけ?
(ジェーン・スー)いや、ブログはやってないっすね。あ、なんかやってたかもしれないけど。それこそ2、3個上げて終わりみたいな感じでしたね。
(宇多丸)ふーん。でもさ、いまこの立場だと、双方向性があるものってやっぱり・・・もちろん本気でね、きっちりやればいいと思うけど。大変じゃない?
(ジェーン・スー)いや、だってもう完全にお知らせとちょっとつぶやきぐらいで。Twitterは、もうそれしかないですよね。
(宇多丸)なるほど。
(ジェーン・スー)だってなんか、もう少しフォロワーさんが少ない時期だったら、多少内輪の人だったらわかってくれる際どいこととか言えたけど。いまはね、それで人を傷つけたりする可能性が多分にあるんで。
(宇多丸)じゃあ、公感として使っていると?まさにこの放送と同じような気分で使っていると。なるほどね。
(ジェーン・スー)一般の人でSNSのアカウントを持たない人って、結構珍しいんじゃないですか?29才だと。
(宇多丸)SNSってどこまでを指すか?だよね。LINEとかってさ、もう本当に友達同士でさ、知り合い同士でサクッとやるっていうので。まあたぶんみんなLINEなんじゃないの?たぶん、いまいちばん使うの。
(ジェーン・スー)LINEをSNSって言われると、ちょっと違和感ないですか?
(宇多丸)そうだね。その、外に見せる用のもんじゃないからね。
(ジェーン・スー)やっぱり意識高い系の発言が気になるっていうのは・・・
(宇多丸)Twitterまでだろうね。やっぱりね。要は、みんな見てるけど、パーソナルなものでもあるっていう。このギャップがあるのは、Twitterがいちばん大きいかもしんないね。
(ジェーン・スー)と、Facebookはどうなんだろう?でも、Facebookは友達以外には見えない設定にしている人、多いですからね。
SNSウォッチャー 宇多丸
(宇多丸)そうだね。Twitterやっている人はね、ご存知ない人も多いっていうか。僕、ちなみにですね、すごいウォッチャーで。
(ジェーン・スー)あ、見てるんですか!?アカウントがなくても?
(宇多丸)はい。だからそういう意味では、相談者さんと非常にスタンスは近いです。自分ではやってないけど、チェックはしてるんですよ。
(ジェーン・スー)えっ?アカウントがなくて、どうやって見るんですか?
(宇多丸)いや、見えるっつーの。Twitterは、鍵かけない限りは全員、世界中に見れる。それをわかってないでやっている人が多いのよ。
(ジェーン・スー)あ、Twitterの人じゃなきゃ見れないと思ってる?
(宇多丸)そう。だから『なんで知ってるんですか?』って。見れるっつーの!みたいな。だから、『別アカ持ってるんじゃないですか?』って。いや、なくても見れるんだって。
(ジェーン・スー)Twitterのページに行って、誰か名前を入れて。だからホームを見るっていうことですよね?やり取りを見るっていうよりも。
(宇多丸)いや、ホームっていうかだから宇多丸だったら宇多丸について書いてることがズラーッとくるから。だから結構、それこそ僕なんかバリバリ見るから。悪口も含めて。結構見てると思うよ。みんな。
(ジェーン・スー)ああー。
(宇多丸)あなたのそれ、結構本人にダイレクトに・・・まあそれを『やった!』って思う人もいるだろうけど。『うわっ、なら・・・』って思う人もいるだろうし。そうそう。だからね、相談者さんのこのスタンスは僕は大変わかります。
(ジェーン・スー)『嫌悪感はそれをやりたいのにできない自分へのモヤモヤ。これから参加することはない。でもずっと他人のSNSをブックマークし続け、観察しながらザワザワする』。
(宇多丸)俺、それの何がいけないのかな?って思うんだけど。
(ジェーン・スー)もう『イライラエンターテイメント』って私はよく呼んでるんですけど。イライラする人のやつを見て、『またこんなこと言ってるよ!』とか、楽しいですよね(笑)。
(宇多丸)だから、僕は用途がはっきりしてるからね。テメーにガソリンを注ぐために。
(ジェーン・スー)そうなの!
(宇多丸)火に油を。自分の中の炎がね、ちょっと最近小さくなって来たなと。
(ジェーン・スー)わかる!すっごいわかりますわ。
(宇多丸)だから、ガソリンを注いでやる!って思って。『イエイイエーイ!フォーッ!テメー、なに言ってんだ、ゴラァーッ!』って。じゃあ、こうやってやろう。じゃあ、こういうことをしてやろうとか。まあ、モチベーションになるから。だから相談者さんも、なぜ人のアカウントを見るのか?っていうところの動機を、もうちょっと、自分がひがんでいるからだとかそんなことじゃなくて。『やりたくないけど、見る』は別にぜんぜんいいと思うよ。
(ジェーン・スー)公開されているもんなんですからね。
(宇多丸)公開されている。だし、一方的に見る優位とかもあるわけだから。だから、なんて言うのかな?もっと割り切ってっていうのかな?
(ジェーン・スー)割り切り。SNSを割り切った付き合い方。
(宇多丸)割り切ってSNS監視みたいなスタンスにすればいいんじゃないの?なにがいけないのか、わかんないな。
(ジェーン・スー)参加したいんじゃないですか?もしかしたら。
(宇多丸)もうひとつは、『1回、やってみ?』っていうのはある。僕の場合はmixiをやり倒したから。故に、『俺はもういいよ』って自信を持って言えるところはあると思うから。
(ジェーン・スー)じゃあSNS。まず、何から始めましょうかね?
(宇多丸)いま、シーンは何なの?
(ジェーン・スー)シーンは、何だろう?Twitterっていう感じじゃないしね。
(宇多丸)Twitter、24時間どんなやつからのレスでも返す!みたいな。で、揉めに揉めて嫌になり尽くした後に・・・みたいな。
(ジェーン・スー)そうそうそう。なんだろう?Facebookは実名だしな。やっぱTwitterで、他人のふりっていうのがいちばんいい?
(宇多丸)行け!
(ジェーン・スー)知らない人のふりをするっていう。
(宇多丸)GO!
<書き起こしおわり>
mixi廃人時代の宇多丸さんやコンバットRECを深夜0時ぐらいに自宅に招いたら、2人ともひたすら何が起きているのかmixiで実況を続け、掟ポルシェはコンビニで買ったカップラーメンを1人で食べて即寝落ちして、そのまま朝方解散するまで寝続けていた思い出。
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2016, 2月 20