スチャダラパーと清水ミチコ 楽曲制作方法を語り合う

スチャダラパーと清水ミチコが語る ライブMC拡散の傾向と対策 サウンドクリエイターズ・ファイル

スチャダラパーがNHK FM『サウンドクリエイターズ・ファイル』に出演。ゲストに清水ミチコさんを迎え、お互いの楽曲制作スタイルなどについて話していました。

(BOSE)聞いていただいたのはスチャダラパーで『今夜はブギー・バック』でした。

(清水ミチコ)これ、不思議だよね。なんか古くならないのは。あの、ファッションでもさ、なんか5年くらい前に流行ったやつってすごくダサくなるし、60年、70年とダサいんだけど、50年代のさ、モガみたいな。あれって古くならなくない?

(BOSE)まあ、あそこまで古いと、ずーっと・・・

(清水ミチコ)なんかね、うん。

(BOSE)だから、いま、もう90年代のファッションがちょっと流行っているじゃないですか。

(清水ミチコ)ああ、逆に。そうだってね。

(BOSE)だから僕らは、割とずーっとおんなじような格好をしてるんですけど。あの、ファッションが・・・

(ANI)また追いついた(笑)。

(BOSE)1回遅れて、すげー追いつかれたっていう。あっ、また来た!っていう。

(清水ミチコ)(笑)

(BOSE)パーカーにジーパンとか、またいま普通になってきたみたいな。

(清水ミチコ)本当だ!偉いもんで、待てば海路の日和ありですね(笑)。

(BOSE)そうそうそう(笑)。そうなんですよ。そんなわけでね。

(清水ミチコ)そんなあなたたちも、いよいよ出したんですね。

(BOSE)ニューアルバム。これ、『1212』っていうタイトルで。12枚目なんでね。1212って。

(清水ミチコ)ああ、そうなんだ!

(BOSE)そう。ラップって結構『ワンツー、ワンツー、チェック、ワンツー』みたいなことを言うから。

(清水ミチコ)そっちかと思った。

(BOSE)それをね、12枚目に。

(ANI)絡めて。

(BOSE)絡めたんですけど、まあこれ、偶然っていうかね、ANIの結婚記念日が12月12日っていう(笑)。

(清水ミチコ)気持ち悪い!いいよ、それは。

(BOSE)いや、それも面白いから(笑)。

(清水ミチコ)『気持ち悪い』って言っちゃダメだね(笑)。なんで12月12日に?

(ANI)いや、『ワンツー、ワンツー』だからです(笑)。

(清水ミチコ)マジでか!?

(SHINCO)で、12周年だったんだよね。これが。

(ANI)覚えやすいように。忘れないようにと思って(笑)。

(BOSE)忘れられると、超怒られるから。

(ANI)超怒られるから。女の人って、なんであんな記念日大事にするんですか?

(清水ミチコ)そうだねー。女の人で、割とキレイな人はそうだね。

(BOSE・ANI・SHINCO)(笑)

(清水ミチコ)ガサツな人は怒らない(笑)。

(BOSE)で、まあ忘れると、怒るっていうのをね、切り札として持ってたりしてね。誕生日とかそういうものをね。

(清水ミチコ)そうですよー。

(BOSE)こら、お前!ってね。

(SHINCO)誕生日とかね。たしかに。

(清水ミチコ)あんんた、独身じゃん!

(SHINCO)いやいや・・・

(BOSE・ANI・清水)(笑)

(SHINCO)いやいや・・・

(清水ミチコ)大人ぶって。

(BOSE)大人ぶってね。そういうことでですね、これ、まあ清水さんと一緒に曲作ったりもしましたけど。

(清水ミチコ)そうですね。

(ANI)はじめての共同作業(笑)。

(清水ミチコ)結婚式じゃないんですけども(笑)。

(BOSE)っていうか、前々から僕らは清水さんに、なんかフィーチャリングするならね、清水さんに作ってもらって。したらほら、なんつーの?何人もフィーチャリングしたのと一緒になるじゃん!っていう(笑)。お得だよ!っていう(笑)。

(清水ミチコ)お得だよっておかしいでしょ(笑)。

(ANI)百恵ちゃんもいけるし。

(BOSE)いけるし。冗談みたいに、『これ、百恵ちゃんの新曲だって出しゃあいいじゃん』とか言って。言ってたんですよね。

(清水ミチコ)ありがとう。それでなんか、ピアノもちょっと使ってくれて。この時はユーミンさん・・・ユーミソさんと

(BOSE)(笑)。言っちゃってるじゃん!

(ANI)ヨウミズ(陽水)さんとユーミソさん(笑)。

(清水ミチコ)ヨウミズさん(笑)。

(BOSE)自分でもよくわかんなくなってる(笑)。ユーミソさんね。

(清水ミチコ)そうそう。『Off The Wall』っていうのを作ったんだよね。でも、私この時、感動したのは、あんたたちのアジトといいますか。目黒にある、3人が共同・・・

(BOSE)作業部屋ね。

(清水ミチコ)そう。あれにすごい感動しちゃった。

(BOSE)あ、そうですか。ああいうのでもないとね、物置というかね。

(清水ミチコ)物置というか。

(BOSE)清水さんだって、家で練習するね、スペースというか。自分のその、ネタ場所・・・

(清水ミチコ)ネタ場所。ある。あっ、っていうかあの、ピアノの防音室っていうのがあって。そこでまあ、大きい声で歌ったりはしてますね。

(BOSE)まあ、僕らもあそこで要するにネタ考えてね。

(清水ミチコ)3人揃って。1人ずつじゃないんだ?まず。

(BOSE)なんかね、まあ、ネタですかね?(笑)。

(清水ミチコ)ネタじゃない。曲じゃない?ネタって言っちゃった(笑)。

(BOSE)たぶんね、そっちの方が・・・普通ね、曲作りとか言うと、みんな合宿行ったりとかして。なんか、山中湖のスタジオで・・・みたいな。なんか、ジャーン♪ってやりながら作るみたいに言うんだけど。僕ら、基本的に雑談から・・・(笑)。雑談から始めるみたいな。

(清水ミチコ)そうだよね。それがすごい音楽に出ていて、素晴らしいなと思った。あれは。

(BOSE)そうですか。でもね、今回びっくりしたのがね、清水さんに『曲、やりましょう。お願いします』っつったら、すぐに『いいですよ』って来て。で、清水さんから来たのが、コント台本だったの。

(ANI・SHINCO・清水)(笑)

(BOSE)普通、だいたいミュージシャン同士がやる時、なんか曲のスケッチみたいなのと、アイデアのト書きみたいなのが来るんだけど。コントのカッチリした台本が送られてきて(笑)。

(清水ミチコ)そうだった、そうだった。

(BOSE)さすがやっぱ、芸人さんなんだなって思いました。

(清水ミチコ)そうそうそう。私、昔からコント作家志望だったので。それで書いたんだけど、行ってみたら、こっちの状況も変わっていてさ。こういう音楽に合わせてほしいんだってことになって、これは間に合わん!ってことで、また書きなおしたり、その場でしたんだよね。

(BOSE)そうなんだよね。そうなんですよ。まあでもね、よかったですよ。僕らとしては。でも、他のミュージシャンに、たとえばラップの人とコラボしたことはないじゃないですか。

(清水ミチコ)ないよ!

(BOSE)で、他にたとえば、あれか?でも、矢野(顕子)さんと一緒にとかは、よくありますよね。

(清水ミチコ)そうなんですよ。もう、私本当、高校時代から矢野顕子さんの精神的な追っかけをしてたので(笑)。

(BOSE)どういう意味?(笑)。

(清水ミチコ)精神的な追っかけって、あの人がなんの雑誌でインタビューしたか?とかを切り取るのはもちろんこと、CD、ラジオもちろんこと。もう、なりきりながら聞くっていう(笑)。

(BOSE)不思議なファンですね。そんな、あんまりいないですよね?いちばん怖さあるっていうか(笑)。

(清水ミチコ)いちばん怖い(笑)。いちばん重いっていう。

(ANI)あれっすよね。好きすぎて、行きすぎると、憎くなっていくみたいな。

(清水ミチコ)憎くはないですけど。あの、好きになると、普通は親しくなろうとするのよ。でも、私は親しくなるんじゃなくて、もうなりたいんですよ。

(ANI)なりたい(笑)。

(清水ミチコ)親しくなればなるほど、自分は他人なんだってことがわかっちゃうから。

(BOSE)ああ、そうか。親しくなりたくない(笑)。怖いって!だから(笑)。

(清水ミチコ)それが怖いっていうの。それが変人なの(笑)。

(BOSE)いるところ、なるべく行かないようにしようって(笑)。

(清水ミチコ)そうそう(笑)。

(ANI)会ってしまうと・・・みたいな。

(清水ミチコ)私じゃないってことがバレちゃうから。

(BOSE)でもあれはね、ガッツリと、本当にコラボというか、ライブでもガッツリやってきて。矢野さんと。ねえ。

(ANI)それは、ピアノ向かい合わせて?

(清水ミチコ)そうそう。楽しかったねー。

(BOSE)あれはだから、やっている時に、僕は想像だけど、本人は一緒に入れ替わっている気分(笑)。

(ANI)ドッペルゲンガー的な(笑)。

(清水ミチコ)もちろんですよ(笑)。

(ANI)弾いている自分が見える的な(笑)。

(清水ミチコ)『あれ、私だから・あれ、鏡なんだ』っつって(笑)。

(BOSE)怖いわ(笑)。

(清水ミチコ)怖い(笑)。

(BOSE)でも、だからね、そのフィーチャリングっていうのをあまりね、やってるのは見たことがなかったので。これはちょっと僕ら、お得だなと思って。清水さんと。

(清水ミチコ)そうそう。私の方もお得でしたよ、これね。

(BOSE)そうですか。でも本当、何人ものね、方をね、ネタとしてというか。

(清水ミチコ)しかも、ネタの中で注意してるからね。『歌心が足らない』って(笑)。歌心ってなんなんだろう?(笑)。

(BOSE)歌心をいま責められるミュージシャン、いるのかな?っていう(笑)。

(ANI)ミュージシャンなのに(笑)。

(清水ミチコ)ミュージシャンなのに(笑)。いいセリフだったね、あれ(笑)。

(BOSE)そんな感じでちょっと、じゃあ曲紹介をお願いします。ここで。

(清水ミチコ)それでは、スチャダラパー feat.清水ミチコで『Off The Wall』。

スチャダラパー feat.清水ミチコ『Off The Wall』

(清水ミチコ)聞いていただいたのはスチャダラパー feat.清水ミチコで『Off The Wall』でした。

(BOSE)はい。これもね、タイトルもね、マイケルのアルバムに・・・(笑)。

(清水ミチコ)(笑)。パクリパクリで。

(SHINCO)そんなの、あったかしら?

(清水ミチコ)『そんなの、あったかしら?偶然ですよ』じゃねーよ!(笑)。

(BOSE)あんなに売れたアルバムを(笑)。知らないっていう。

(清水ミチコ)『たまたま知らなかったんですよー』って。

(BOSE)清水さんってでも、レコーディングやっている風景を、まあ僕ら、一緒に今回やったから、なんかちょっと垣間見れたんですけど。レコーディング、こんな感じでやってんのかって。

(清水ミチコ)うん。そうそうそう。

(BOSE)でも、他はぜんぜん謎っていうかさ。どういう風にやっているのか、まったく見えないとこもあって。

(清水ミチコ)そうそう。今回は私はね、10枚目のアルバムを出したばっかりなんですけど。ええと、私の知り合いであり、世界的なイラストレーターで、和田誠さんという方が『ウサギとカメ』っていう、みんなが知っている昔話、あるじゃない?あれを太宰治が書いたら・・・とか、作家シリーズでいろいろやっていたりとか。あるいは、映画監督でね、山田洋次だったらとか、昔のそれこそ溝口さんとかがやったらどういう風になるか?っていうのを本にしてる名著があるわけ。パロディーの。

(BOSE)へー!あ、そうなんだ。

(清水ミチコ)そう。それをいただいて、私もあの、『ウサギとカメ』っていう話をユーミソさんが歌ったら、陽水さんが歌ったら、みゆきさんが歌ったら、どう違うか?っていうのをやってみました。

(BOSE)内容が変わってみたりとか。

(清水ミチコ)そうそうそう。

(ANI)言葉が変わったり。

(BOSE)それって、しかもなんて言うの?完全に一人の作業じゃないですか。誰に向かうわけでもないっていうか。なんて言うの?プロデューサーがいたりするんですか?ディレクターとか、そういう。

(清水ミチコ)あ、うちの旦那さんがそうことを一緒にやってくれますね。

(BOSE)なるほど。『ちょっと似てないよ』とか?

(清水ミチコ)そう!『お前、似せろよ!』っていう(笑)。

(一同)(笑)

(清水ミチコ)夫婦ゲンカにも時々なる(笑)。『お前、やってみろよ!』っていう(笑)。

(ANI)『やってみろよ!』(笑)。

(BOSE)いや、答え教えてる(笑)。

(清水ミチコ)またおんなじで夫婦ゲンカになっている(笑)。

(BOSE)なに、その夫婦ゲンカ(笑)。

(清水ミチコ)これ、20数年やってんだけど(笑)。

(BOSE)おもしれー。あ、一応ちょっと判断してくれる人が近くにいて。

(清水ミチコ)そうですね。やっぱりレコードマニアなんで、すごいそういうことはね。『もうひとネタ!』とか、なんかそういう風にね、言われたりしますね。

(BOSE)なるほど。なんかね、そういうのね。僕らはだいたい3人だから、ANIがラップしてるのを僕がディレクションしたりとか、逆になったりとか、お互いにこう、プロデュースとかディレクションしながら作るっていうんですけど。

(清水ミチコ)そうなんだー。

(BOSE)そう。そういうことなんですよ。

(清水ミチコ)最近ビートルズでもさ、なぜ解散したか?っていうなんか、おっかない本が出たらしいんですけど。あんたたち、そんなことないんですね。

(BOSE)解散?いや、あんなにね、売れている人と比べてもしょうがない(笑)。あのね、すごい売れている人とね、なにを言ってるんですか(笑)。

(清水ミチコ)そっかー(笑)。ごめんごめん。

(ANI)僕たちね、やっぱ身を寄せ合ってがんばらないと、この・・・(笑)。

(清水ミチコ)身を寄せ合ってがんばらないと(笑)。

(BOSE)才能がある人が集まりすぎてるの。あれは。要するに、単純にね。解散するバンドってだいたいそうですよ。優秀なの。

(清水ミチコ)そう!

(SHINCO)個性がね。

(清水ミチコ)優秀じゃないのか?おい(笑)。仲いいなー(笑)。いっつも仲いいよな。そうそう。で、さっき言おうと思ったんだ。音楽でもね、そのミュージシャンとお笑いの人たちの、時々架け橋になったりしてるんだけど。ラップと一般の人との架け橋とかにもなってるし。最近、やっぱ大人になってきてさ、フェスとかでおっかない人たちがいっぱいいても、あんたたちがなんとなく、『まあまあまあ・・・』って(笑)。

(一同)(笑)

(清水ミチコ)いろんな架け橋に・・・

(BOSE)まあまあ、そうですね。通訳というかね。ハブ?

(清水ミチコ)世界のハブ空港。安っぽいな(笑)。

(BOSE)いや、でも本当にね、僕を経由していろんな人にオファーとかね。よくありますよ(笑)。

(清水ミチコ)そうね。本当だー。

(BOSE)『ちょっとハナレグミさん、なんとかならないっすか?』みたいなね(笑)。

(ANI)そうだね。特にボーちゃんは、人の良さもあって。

(BOSE)『小沢さんとちょっと話がしたいんですけど・・・』みたいな(笑)。本当、多いですね。

(清水ミチコ)右腕、左腕とか言うけど、やっぱり口役っていう感じだもんね。

(BOSE)本当。若手からね、先輩までね。

(清水ミチコ)大先輩にもね。

(BOSE)そういう役になってますけども。

(清水ミチコ)この2人の兄弟がね、シャイだから。

(ANI・SHINCO)(笑)

(BOSE)基本的に無口ですから。

(清水ミチコ)無口だから(笑)。

(BOSE)まあ、そんな感じでちょっとアルバム、新しいのから聞いていただきましょう。スチャダラパーで、『Boo-Wee Dance』。

<書き起こしおわり>

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