(星野源)で、そういう曲を作ったことがあったんだけど、もうずっと忘れていて。で、僕はその後、やっぱり音楽性の不一致というか。そういうので僕はやめて、脱退をするんですけども。でもその後も僕のライブのVTRとかに赤えんぴつの2人、出てくれて。当時の話とかもちょっとしてくれたりとかして。だから、なんかその後も何度もその都度、仲良くさせてもらってるんですけど。それで今回、赤えんぴつの武道館があった後にたまたま、家の倉庫をちょっと掃除しなきゃいけなくて。というのは、昔の機材とかをたまに使いたくなる時があるんですよ。だけど、ちょっといろんなものを入れ込み過ぎちゃっていて、ちょっとぐちゃぐちゃなっちゃっていたんで、それを整理して。
たとえば昔はさ、それこそカセットテープとかMDとか、そういうのに自分のデモを入れたりとかね。DATとかね、そういうテープに入れたりとかしてたんで、そういうのを全部、整理しようと思ってかき集めていたの。いろんな、なんかギターのシールドとかさ、コード類の中にカセットが1個だけ入ってるとか、そういうのを全部、まとめて片付けていたら「赤えんぴつ」って書いてるカセットを見つけたんですよ。「うわーっ!」って思って。もう、それを見た瞬間に記憶がありありと思い浮かんできて。
倉庫から「赤えんぴつ」と書いたテープが見つかる
(星野源)僕が1曲、作った曲があって。それを2人に歌ってもらいたいっていうか、3人で一緒にやりたいと思って。それをプレゼンしようと思って作っていった日があったんだけど。その時、たまたまひーとんさんが風邪かなんかを引いていて、来れなくて。で、その来れない日におーちゃんさんと2人で、ちょっとリハーサルっていうか。あれは、どこだったっけな? 代田の市民会館みたいなのの会議室みたいなところで練習してたんですけど。
そこで聞かせたらおーちゃんさんが「すげえいいじゃん。ちょっと2人で1回、やってみようよ」って言ってくれて。それで録音したテープがあったの。でもその後、ちょっと僕は、なんだろう? まあ簡単に言うとひーとんさんの嫉妬で俺はやめることになるんですけど。ちょっとギターがうますぎたっていう(笑)。そう。そうらしいんです。僕はちょっとよくわかんないんですけど。なんかそれで、みんなで曲をやるっていうのは実現しなかったんだけども。その時のテープが20何年ぶりに出てきて。今年はもう実際、誕生日の歌は作れないんだけど。赤えんぴつとバナナマンとの関係もあるし。実際、曲は作れなかったから。僕はもう、フェスの準備だったりとかでちょっと忙しかったりして。全然、曲は作れなかったんで。そこでその代わりにというか。「このテープを、よかったらかけてください」っていう風にスタッフの方に言って。それで、かけさせてもらったという。
で、その曲をですね、今からちょっとかけようと思います。なんで僕が20代の前半なんで、22年前とかそのぐらいの昔の音源ですね。僕はその頃、「おげん」って呼ばれてたんですけど。おげんが作曲・作詞して、おーちゃんさんとおげんで歌っている楽曲でございます。赤えんぴつで『色えんぴつ』。
赤えんぴつ『色えんぴつ』
(星野源)はい。お送りしたのは赤えんぴつ(おーちゃん&おげん)で『色えんぴつ』でした。メール、来ています。豊島区の方。「僕も昔、大宮にラーメンを食べに行った時、赤えんぴつの路上ライブを見かけたことがあります。ちょうど喧嘩をした直後だったのかなということで、かなりピリピリしていましたが握手を求めたところ、とても親切に対応してくれました。ライブが終わり、帰り際にひーとんの赤いシャツをチラ見したところ、縫った跡が幾重にも残っていました。それぐらい何回も喧嘩しているのに、ずっと2人でいるのは絆の深いからなんだなと思い、その時に彼らを応援しようと決めたのを覚えています。それから長い年月が経ち、今回、バナナムーンで当時の楽曲を聞いた時は初めて彼らを見た時の思い出が蘇ってきて、深夜3時に1人で涙を流しました。おげんさん、素晴らしい楽曲、本当にありがとうございました」。ありがとうございます。
そうそう。あの赤いシャツね。ランニングというか、タンクトップ。いつもね、ビリビリになって。それを縫っていたの、俺なんですよ。で、これは本当にそうなんだけど。武道館の映像で、その縫っていた時の全部のタンクトップの切れ端が残ってたんで。「これ、実は当時、縫っていたんですよ」っていうのもあったんだけど。撮ったの、それも。でも、なんか映像的にめちゃくちゃ気持ち悪かったらしくて、カットになりました(笑)。本当に撮ったんだけどね。うん。
続いて。「源さん、こんなに詳細な赤えんぴつ2人とのエピソードが聞けてとても嬉しいです。ひーとんさんからの嫉妬のお話など、まざまざと画が浮かびます。20年も前のことなので、きっとお二人にこれらの記憶はないかもしれないので丁寧にお話してくださってありがとうございました」。ありがとうございます。そうですね。だからこの『色えんぴつ』っていう曲を作った時の夢みたいなものをこの曲に込めたので。
やっぱり、道は違えどというか。僕はもう脱退しましたけど。その後に自分1人で武道館に立てた時にも思いましたけど。やっぱり今年、赤えんぴつが武道館でね、堂々としたパフォーマンスを見せてたっていうのも非常にグッと来たっていう。そんな中でね、久しぶりに倉庫から出てきたカセットを流させていただいたということで。タイムフリーとか、あと『バナナムーンGold』のポッドキャストとかね。僕、そのまま出て解説じゃないけど、そういう話もしてますし。なので、それも聞いていただいたり。
あとこのね、たぶん商品化とかはしないと思うんで(笑)。この音源はもうたぶんここでしかっていう感じだと思うので、ぜひ何回も聞いていただければと思います。あれだよね。たぶん前と一緒で、Spotifyの方にも期間限定で入るので。Spotifyの星野源のオールナイトニッポンのポッドキャストにも入りますから、ぜひ何回も聞いていただきたいと思っております。
星野源が #bananamoon に生出演しました!
少し早いですが日村さんのお誕生日をお祝い?今回はお誕生日の歌ではなく…なんと、“赤えんぴつ”の過去のカセットテープを発掘!
おーちゃんとおげんが歌う楽曲「色えんぴつ」(作詞・作曲:星野源)がOAされました!https://t.co/ez06HavuMx#星野源ANN pic.twitter.com/9r5wxpQTqe— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) May 10, 2024
<書き起こしおわり>