星野源 赤えんぴつ発掘音源『色えんぴつ』制作裏話を語る

星野源 バナナマン日村52歳誕生日に赤えんぴつ発掘音源『色えんぴつ』を贈る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2024年5月14日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でTBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』で日村さんのお誕生日に自身の倉庫から発掘された赤えんぴつの未発表曲『色えんぴつ』をオンエアーしたことについてトーク。お誕生日お祝いソングとして「赤えんぴつのデモ音源が倉庫から発掘された」というテイで楽曲制作をした経緯を話していました。

(星野源)そんなわけでちょっとね、メールが来ております。埼玉県の方。「金曜日のバナナムーンを聞きました。今年も……いや、今年は特に最高でした。先週のラジオで『忙しくて曲は作れなかった』とおっしゃっていましたが、『いやいや、本当はあるんでしょう?』なんて思っていました。ところがいつもより本気の『本当にない』を繰り返すので源さんの忙しかった日々を思い返し、これはリアルにないパターンなのかも……と信じかけたところに赤えんぴつ時代に作った曲が偶然、倉庫から出てきたという今世紀No.1の男前すぎる演出。思わずラジオを抱え上げて日村さんと同じぐらい『男前かよ!』と連呼しました。とても素敵な今年の特別ソング、何万人もの前でこの曲を歌う赤えんぴつを想像しながら、その日を待ちたいと思います。質問です。おーちゃんパートで聞こえるコーラスと源さんパートで聞こえるコーラスはそれぞれが担当したんでしょうか? それとも源さんの声でしょうか?」。

はい。じゃあ、ここからリアルな星野源で行きますか(笑)。ねえ。ちょっとCM前までの僕は、そういう世界線の僕として受けとめてもらって。ちょっと、いわゆるバックステージの話をしましょうかね。ビハインド・ザ・シーンズですかね。いや、そうなんですよ。今年、本当にでもオファーをいただいたのも……でもやっぱりさ、毎年やれるかどうかもわかんないっていうか。実際、オファーがないと作れないので、オファー待ちっていうか。だから実際、「今年はどうなるんだろうな?」なんて思ってる中でオファーをいただいたタイミングがもう、ライブのリハーサルだったり、そういうので結構、放送までみっちりっていう感じなんですよね。

だからライブから本番まで、1週間はないっていうような。5日間ぐらいしかないみたいなところで。ちょっとさすがに、その期間だと厳しいかもなと思って。「今年はたぶん作れないだろうな」と思ったんですよ。なんで、申し訳ないけど……「曲を作り続けたいけど。できない年があってもいいよね」なんて思って。「ちょっと今年は難しいかもしれないです」っていう話をして。それで、なんだろう? 「歌わなくてもいい企画みたいなのもありかもしれませんね」なんて話をしてて。その時に「あれ?」と思って。「なんかやりたいアイディア、思いついちゃった」って思って。それが今年、赤えんぴつが武道館でやって。僕がメンバーだったってことをフィクションではあるけど。そういう設定、テイで話すビデオを撮って。それがライブの中で流れて……っていうのもあって。

僕は当日、行けなかった。出れなかったっていうのもあって。「たとえば僕が昔、在籍してた時に作っていたというテイの曲を作って、それがなんか倉庫の中から出てきたっていうテイにして出したら、面白いな」と思って。で、なんで5日間だと難しいかっていうと、やっぱりもう15年もやってるんで。誕生日ソングって、なんだかんだ毎回、バリエーションを変えて。やっぱりこういうふざけることには一生懸命ならないといけないので。まあまあ日に日に時間はかかるんですよね。だからちょっと今回、厳しいかもなと思っていたんだけど。赤えんぴつの曲を作るってことで言うと、もうスイッチが全然違うなと思って。しかも設楽さんが中心となって歌って、僕も歌うパートがあるんだけど。その2人で歌うってことになると全くスイッチがさらに違うので。「これ、もしかしてすぐ作れるんじゃないの?」って。で、今までの経験から言うと、ずっと同じことを繰り返してるのって、時間がかかるんですよ。「次はどうしようか?」みたいな。

赤えんぴつの曲だったら、すぐにできるかも?

(星野源)だけど、全く新しいことをやると、すぐできるっていうのが僕の創作だったり、もの作りの経験上、そういうことが僕はすごく多いので。「これは、できるかも?」と思って。「これ、ちょっとやってみたいんですけど、いいですか?」って提案して。「それはぜひぜひ!」なんて言っていただいて。で、「設楽さん、スケジュールとか大丈夫ですか?」「この日、大丈夫です」って言って。だから前の日の木曜日が空いてますってことで。収録がね、たしかあったっぽいんです。「テレビ収録の後が空いてるので。この時間から全然大丈夫です」なんて言っていただいて。「ああ、わかりました」なんつって作ったら、すごいすぐできたんですよ(笑)。

曲自体は45分ぐらいでできたので。で、歌詞がね、やっぱりじっくり書きたい部分が……「赤えんぴつのニュアンスに当時のおげんが憧れていて。で、赤えんぴつっぽい曲を作ろうとしてるんだけど、今に繋がる星野源っぽい感じが漏れ出てる」みたいな塩梅の歌詞にしたら面白いなと思っていたので。それは、ちょっとじっくり書こうかな、なんて思って。で、設楽さんに曲だけまず送って。「このキーで大丈夫ですか?」なんつって。「歌詞出来次第、送ります」なんつって。で、次の日かなんかに「歌詞が出来ました」って送って。その次の日かなんかに録音をしてっていう感じでしたね。非常に録音も楽しかったですね。

で、コーラスはね、僕が両方やってて。本当は元々、僕が歌ってる時はおーちゃんがやるみたいなのもいいなと思ったんだけど、やっぱりちょっと、それはそれで大変なので。そこはカセットMTRみたいなテイで。4トラックの、カセットで多重録音ができる機械があるんですけど。そういうカセットで録ったというテイで僕が全部、コーラスを入れたという形にしました。

感想メール、千葉県の方。「バナナムーン、聞きました。単刀直入に言います。源さん、あまりにも粋すぎます。ライブが忙しくて曲が作れなかったと先週の放送でおっしゃっていたので、3人のトークを楽しみにしながらタイムリーを聞いていたら、不意打ちの『色えんぴつ』。仕事が立て込み、土日出勤の7連勤が確定し、疲れきっていた帰り道の僕の心に深く刺さり、気がついたら駅のホームでボロボロに泣いていました。おーちゃんとおげんの優しい歌声のおかげで前を向き、大変な仕事を乗り越える気力がわきました。最高の曲を倉庫から見つけてくれて、本当にありがとうございました」。ああ、嬉しいですね。いやー、嬉しい。なんか、そう。すごい激烈な反応といいますか。まずね、日村さんが爆発的に喜んでくれたのが、すごい嬉しかったですね。

あんな……たぶん過去イチぐらいに喜んでくれてたんじゃないかな? なんか、興奮っていうか。なんだろう? 日村さんって、朝ドラが好きじゃん? ドラマが好きだからさ。なんか、そのドラマの中に入り込んだみたいな喜びが加味されてる感じが……「おいっ! 粋すぎるだろー!」みたいな。「うひょー!」みたいな感じで喜んでくださって、非常に嬉しかったですね。

愛知県、25歳の方。「先週、聞きました。例年通り、『曲をよこせ』という酔っ払っているような日村さん」(笑)。なんかちょっとね、酔ってるっぽかったんだよなー。「曲を聞いた後、とにかく興奮して喜んでいる様子がとても印象的。聞いていてコントの世界と現実の世界が混ざり合った中に自分がいるような不思議な感覚になったとともに、放送を通して物語があり、20年という歳月が凝縮された、ひとつの壮大なラジオコントを聞いたような楽しさがありました。日村さんはもちろん、リスナーを巻き込み、楽しませてくれる源さんは月並みな言葉ではありますが、やっぱり天才だと思いました。日村さん、誕生日おめでとうございます」と。おめでとうございます。改めてね、今日誕生日だから。そんな感じですね。

おーちゃん(設楽統)とのレコーディング

(星野源)そうそう。だから僕、おーちゃんの歌を録音する時は僕がディレクターとして。「こういう感じでいきましょう」みたいな感じで仕切るんですけど。なんとなく、やっぱり設楽さんって喉がめちゃくちゃ強いんですよ。で、パンッて声が出る。もうずっとね、やっぱり芸人さんとしてでかい声っていうか、通る声を出し続けている人だからなおさらなんですけど。歌声もそうで。あと、おーちゃんの歌い方みたいなのを何となくイメージしながら歌い出しを作ったので。録音で「じゃあちょっと、1回やってみましょうか」っつって歌った時の「あの日♪」っていうところが「ああ、おーちゃん、来た! よしよし!」みたいな。あの感じは非常にグッと来たし。

で、設楽さんもこういうちゃんとしたレコーディングみたいな……ちゃんとレコーディングで昔のカセットみたいなので録音したっていうなところを、ノイズが入りすぎない程度に。実際のカセットでやると、もっとガッサガサの音になるんで。もうちょっと、いい塩梅にしたようなところをちょっと目標にしながら作ったんですけど。設楽さんもそういうちゃんとしたレコーディングっていうのは初めてだったらしくて、非常に楽しんでくださっているようで、嬉しかったですね。はい。ぜひたくさん聞いていただきたいと思っております。いやいやいや、そんな感じですかね。これ、曲はもう間に合わないね? ああ、行ける? じゃあ、ちょっとこの曲を。なんか昔とかを思い出していたら、自分の昔の曲をちょっとかけたくなってきちゃったということで。聞いてください。星野源で『フィルム』。

星野源『フィルム』

<書き起こしおわり>

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