みうらじゅんさんが2023年12月29日放送のNHKラジオ第一『しごとをあそぼ〜高橋Pのラジオ』にゲスト出演。リスナーから届いた「ダメ出しをされると人格否定された気になり、感情的になってしまう」というお仕事の悩みについて回答していました。
(高橋弘樹)じゃあ、次に行きましょうか。44歳の方。「ダメ出しをされた時、人格を否定されたような気がしてしまいます。そうでないことはわかっているのに、どうしても感情的に受け取ってしまいます。どうすればよろしいでしょうか?」・どうしたらいいですかね。
(みうらじゅん)やっぱりその「ダメ出し」っていう言葉ですよね。「だしダメ」じゃダメですかね? はきだめみたいな。だしダメ……まあ、そのはきだめもマイナスですけども。まあ、ちょっと言葉に振り回されてるところがあると思うんすよ。
(高橋弘樹)ああ、そうか。されたことを「ダメ出しだ」っていう言葉で捉えるから傷つくわけで。
(みうらじゅん)たぶん、それもテレビ用語じゃないですか? ダメ出しって。
(高橋弘樹)ああ、そうっぽいっですね。
「ダメ出し」は元々、業界用語?
(みうらじゅん)業界の、なんか昔「C調」とかって言ってた時代の調子こいたディレクターなんかがよく言ってたような感じがするな。これ。「こんなの、ダメ出しだよ!」とか。
(高橋弘樹)たしかに、ありそうだな。
(みうらじゅん)大概、こういうマイナスな言葉は、業界用語ですよ。俺、そう思う。「ほぼほぼ」とかね。
(高橋弘樹)フハハハハハハハハッ! よくNHKでそんなこと、言えますね(笑)。
(みうらじゅん)ああ、そうですか? 「ほぼほぼ」とか苦手でさ。本当に1分間に5回ぐらい言うディレクター、いましたよ。「ああ、そこはほぼほぼですから」「いや、でもほぼほぼですから」とかって言ってるんだけど。「じゃあ、何なんだよ?」って思うじゃないですか。で、そういう言葉を言う自分に酔ってるんですよ。その人は。
(高橋弘樹)ああ、業界人は?
(みうらじゅん)最先端の言葉。でも、この「ダメ出し」っていう言葉はね、もう古いです。
(高橋弘樹)古いですか?
(みうらじゅん)古くないですか? 「ダメ出しされたんだ」とかっていうのは。
(高橋弘樹)古い。じゃあ、どういう言葉に置き換えると、これがかわいくなりますかね? 「悩み」を「なやみん」って言い換えたのはすごいよかったじゃないですか。
(みうらじゅん)でも、日本語ってね、特に俺、濁点をなくした方がいいんじゃないかって。僕、1回、濁点なくし運動をやろうかなと思ってたんだけど。大概、マイナスな言葉って濁点が入っているんですよ。
(高橋弘樹)「ダメ」とか「バカ」とか。
(みうらじゅん)そうでしょう? 「ゴキブリ」なんて1匹の中に2個、濁点が入っているんだから。それは嫌われますよね? でも「こきふり」だったらどうですか?
(高橋弘樹)かわいい!
(みうらじゅん)かわいいじゃないですか。「ああ、こきふりが出た」って……「飼おうかな?」っていう気すら出るじゃないですか。
(高橋弘樹)フハハハハハハハハッ! 濁点、廃止した方がいいんじゃないですか?(笑)。
(みうらじゅん)濁点廃止。僕はね、濁点は前から廃止した方がいいと思っていて。だから「ダメ出し」じゃなくて「ためたし」。
(高橋弘樹)ためたし。かわいい!
(みうらじゅん)だから「自分のために思ってくれたのかな?」みたいな。
(高橋弘樹)ああ、「ためを足して」くれたのか? ためになることを、足してくれたんだ。
(みうらじゅん)ためになることを足してくれる。ためたし。
(高橋弘樹)ためたしか!
(みうらじゅん)「ためたし、食らった」みたいな。
「ダメ出し」ではなく「ためたし」
(高橋弘樹)でも、それは同じことですよね。アドバイスとか、問題を指摘してくれるのを「ダメを出してきた」って捉えるのか、「ためになることを足してくれた」って思うのかで、全然違うわ! ためたしだ!
(みうらじゅん)ためたし。
(高橋弘樹)ためたし、ためたし。
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— らじる (@nhk_radiru) December 29, 2023
<書き起こしおわり>