みうらじゅんさんが2023年12月29日放送のNHKラジオ第一『しごとをあそぼ〜高橋Pのラジオ』にゲスト出演。リスナーから届いた「ずっと同じ職種を続るべきか、将来が不安」というお仕事の悩みについて回答していました。
(高橋弘樹)じゃあ、「将来に不安」っていうお悩みカードがあるんですけど。読んでいいですか? 37歳の方。「社会人になってから、職場を変えつつ、同じ職種をずっと続けてきました。今となっては全く違う職種に転身する勇気もないのですが、このままで良いかわからず不安です。お二人は仕事の将来像に悩んだ時、何を基準に判断されてきましたか?」。
(みうらじゅん)昔、同じ病院に2回、入院したことあるんですよ。高校の時に。で、その時の看護師さんが……僕、1回目は盲腸だったもんで。手術後、早く歩かなきゃならないんですよ。「もう元気になったんだから、早く歩かなきゃならない」っていうところを僕、しびんでずっと済ませたもんで。それを取り上げられたんですよ。
(高橋弘樹)しびんを?
(みうらじゅん)しびんをね。で、取り上げられたんだけど、その時にまだ元気だったもんで。病院中、探し回って。「しびん置き場」っていうところを僕、発見したんです。地下にあって。それが棚にいっぱい並んでるのを見たもんで。それをまた持ち込んでいたところ、その看護師さんに「ダメじゃない! どこから持ってきたの!?」ってすごい怒られて。「あなたは今日からしびんちゃんよ!」って。あだ名、しびんちゃんになったんですよ。僕。しびんちゃんを入院中、やってたことがあって。次の入院した時にもう、ありかは知ってますから。しびんちゃんですか。
(高橋弘樹)フハハハハハハハハッ!
(みうらじゅん)で、その思いが後にしびんと結びつくことがあって。それはなぜかというと、ローリング・ストーンズのコンサートに行ったんですよね。何回も来日されて。毎回行っているんですけど。2回前ぐらいのローリング・ストーンズかな? 行った時にとても、やっぱり老いるショックで。
(高橋弘樹)「老いるショック」(笑)。
(みうらじゅん)はい。周りの皆さんもね、コンサート中に尿意をもよおしたらどうするんだ?っていう。自分も不安でしたから。そんな時に「グッズ売り場にローリング・ストーンズのベロのマークが入ったしびんを売れば、絶対に必要な人は買う!」と僕は踏んだんですよ。
(高橋弘樹)なるほど!
老いるショックなストーンズの観客にはしびんが売れる?
(みうらじゅん)で、それをある雑誌でイラストに書いて。「これは絶対にいける!」って。しびんの口がベロ出しマークになってるわけですよ。ということは、ポール・マッカートニーが来た時はリンゴの絵が書いた……アップルレコードですから。そんなしびんを出せば、これは爆発的だな!って踏んだ話です。それが将来に繋がった。
(高橋弘樹)なるほどなー!
(みうらじゅん)だから、今のことはやっぱりちゃんと蓄積しておかないと、将来はないんですよ。
(高橋弘樹)ああ、名言ですね。
(みうらじゅん)それを言いたかったがために、長い尺を使ったんですけど。
(高橋弘樹)それを言いたかったんですね?
(みうらじゅん)っていうか今、思いつきで言って、結び付けただけなんですけど。
(高橋弘樹)アハハハハハハハハッ! 将来、わかんないけど今の蓄積が将来、ふと?
(みうらじゅん)そうなんですよ。今の蓄積がないと、ベロ出しのローリング・ストーンズのしびんは思いつきませんからね。そうなんですよ。重要なのは、そこなんですよ。
(高橋弘樹)それが仕事にもならなかっただろうし。やっぱり普通、しびん置き場は見に行かないですからね。
(みうらじゅん)そうでしょう? そんなものが将来的に生きるとも思ってないわけですよ。
(高橋弘樹)高校生のみうらさん、思ってるわけないですもんね。
しびんが仕事になるとは思わなかった
(みうらじゅん)そんなしびんウォッチャーの俺がさ、「将来的にそれで仕事になる!」なんて思ってもいませんし。それは、仕事になってませんけどね。自分が連載で書いただけだから。
(高橋弘樹)まあ、1回の原稿料にはなったっていう。でも、その蓄積ですもんね。
仕事ってもっと面白くなりませんか?
映像ディレクター#高橋P こと #高橋弘樹 と#ゆるキャラ #マイブーム の生みの親#みうらじゅん が
仕事を面白くする方法を考えてみた!
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— らじる (@nhk_radiru) December 29, 2023
<書き起こしおわり>