(星野源)あと今回、手紙でいただいたんです。「『光の跡』感想係御中」って。すごいよね。ありがとうございます。お手紙いただきました。「前略、星野源様」という。この方は長野県の60歳の方。「『光の跡』、『SPY×FAMILY』の映画の曲として聞きました。『不思議』『喜劇』の時も思いましたが、亡き夫を思い出す優しい曲をありがとうございます。12年前、夫が亡くなりましたが、心の中にはいつも夫はいて、私を支えてくれます。時々、いないことを悔やんで悪態をつくこともありますが、『光の跡』はまさに15年前、秋田の日本海に沈む夕日のキラキラとした光の跡が何とも言えず美しくて。夫の隣でずっと見入ってました。長野の山の中。谷間に住まう私たちにはとても新鮮でした。その3年後に心臓の病気で、あっけなく。私は間に合わず、1人で逝かせてしまいました。申し訳なくて。人は1人で全く何も持たず、一瞬で逝ってしまうのです。言葉も残さずに。ずっと一緒だと信じていたのに。秋田の海の夕陽、夫も『きれいだね』と言っていた。
『光の跡』を聞いて、夫のあの時の声と顔が不意に思い出されました。忘れていたのに。忘れてはいけなかったのに。だから、ありがとうございました。27日にはブルーレイ付きを手に入れます。夫を思い出すことができました。春になったら、夫にこの頃よく似てきた28歳の息子と秋田の海の光の跡を見に行こうと企んでいます」。という手紙をいただきました。ありがとうございます。「本来ならばメールを使わなければならないのでしょうが、私の力が足りず、夜は息子に頼めず、お手紙を書いた次第です」ということで。嬉しいですね。もちろん、お手紙も全然受け付けてますからね。はい。ありがとうございます。「有楽町1丁目9-3 ニッポン放送内 星野源のオールナイトニッポン」と書けば届きますから。はい。ありがとうございます。
そうですね。なんかちょっとね、胸が詰まって、あれですけど。うん。歌詞にも書きましたけど。本当に……いやー、本当に、本当に今のうちだと思うんですよね。僕、くも膜下出血で倒れた時。その頃、NO MUSIC NO LIFEっていうね、タワーレコードの企画のポスターがあるじゃないですか。あれで写真を撮って。本当は、その倒れる翌日にポスター撮影する予定だったんですよ。倒れた翌日に。だからもう、全部できなくなっちゃって。で、手術をして1回目の復帰の時に「改めて撮りましょう」ってなって。で、その後にもう1回ね、再手術をするんですけど。その間に撮影して出たのが……その時に写真を撮って、僕が一言書くんですけど。それに「今のうち」っていうのは、書いたんですよ。「音楽はね、死ぬと聴けなくなるんですよ。今のうちだぜ。」って書いたんですけども。
「音楽はね、死ぬと聴けなくなるんですよ。今のうちだぜ。」
"NO MUSIC NO LIFE"
音楽はね、
死ぬと聴けなくなるんですよ。今のうちだぜ。
星野源
#タワレコ新宿 pic.twitter.com/CdFAHEAmWD
— なぎさ (@Present_0706) October 11, 2021
(星野源)なんか、その時はやっぱり病気っていうことで。それで一瞬にして終わるかもしれないっていうような、割と個人的なことではあったんですけど。なんか今回、「今のうち」っていうのはやっぱり今って「今のうち」っていうような世の中に生きてるなと思うんです。私たちは。本当はのんびりとしたいけど。でも、今のうちって思わないといけないような世界にどんどん、改めて……まあ、元からですけど。改めてなってきてると思うし。なんかその「今のうち」っていう言葉があの時、思っていたよりもっと大事な言葉になっているような気がするんですよね。
あと、鈴木大拙館に行ったのもあって、なんていうか、「人とは」とかあとは「自分とは」みたいな。あとは「世の中とは」とか「無為とは」とかね、「諸行無常とは」とか。いろんなことをすごい考えている中で書いたので。そういう思いをね、なんか受け取ってくださったのは非常に嬉しいなと思います。なので、リリースしまして。たくさん聞けますしね。ちょっと今回、あれなんですよ。ブックレットが前も言いましたけど、めちゃくちゃいい感じなので。CDもぜひ手に取っていただきたいですし。あと恒例のね、ライナーノーツもちょっとありますし。デザインも写真も非常に素晴らしいってことでぜひ手に取ってほしいと思います。
そんな感じですかね。感想、いっぱいあるからもうちょっと読もうかな。京都府のラジオネーム「微々たる量のラブとラスク」、20歳。「実は僕も20年生きてきた中で今、一番底にいる感覚です。友達も彼女もおらず、コンプレックスだらけの自分をつい客観視してしまった時、本当に苦しくなってしまい。その上、僕には『課題、見せて』『授業の資料を見せて』しか連絡が来ず、裏では『パシリ』と呼ばれ。過去に容姿を悪く言われたこともあって、人間不信になった1年でした。でも僕にとってはこのラジオが支えのひとつですし、源さんの曲をたくさん聞いて力をもらっていました。いつもありがとうございます。年末に向けて大変だと思いますが、頑張ってください」。ありがとう。「ラジオディレクター志望」だって。いいね。
でも、そうなの? 微々たる量のラブとラスクって俺、なんて言えばいいんだろう? メール職人のおしゃれな人っていうイメージだったよ(笑)。なんかすごく。なんて言えばいいんだろう? なんか、うん。そうなんだっていうか……そうかー。えっ、「裏では『パシリ』と呼ばれ」って、マジでつらいね。そうかー。人間不信になるよね。うん。どう? 元気になった? 先週の俺のクリスマストークは(笑)。あれを聞いて……俺の惨々たるクリスマストークは。悲しい悲しい悲しいクリスマストークは。今日はそのね、傷をえぐる星野ブロードウェイがありますんで(笑)。
(星野源)ラジオディレクター、目指しなよ! まあちょっとね、いろいろ話を聞くに、そう簡単な道ではないそうですが。でもね、やる人はやるのよね。ねえ。でもさ、こんなにミスをしてる人(落合くん)がさ、ディレクターを……(笑)。ああ、すごいうなずいている! アハハハハハハハハッ! 「うんうん」じゃないのよ(笑)。でも、立派にディレクターをできていますからね。いや、できてますよ。そんなイケメンな顔で顔を横に振って(笑)。今度、あなたのタオルができるんですからね? オードリーのオールナイトニッポンのイベントで。まあいいや(笑)。
そう。だからこれ、めちゃくちゃ無責任な言葉だと思ってください。なれます。あの、すごい無責任だけど。うん。いろんな形がありますから。だってね、ミキサーの松岡さんだってさ、リスナーですからね。元々ね。ラジオリスナーから、僕のラジオも聞いてたみたいですから。だからそこから…‥だって、あれだよ? さっき聞いたよ? 大沢さんに。ラジオ・チャリティ・ミュージックソンのチーフだったんでしょう? すごくない? やばいよね。だから、こういう人がいるから。音速で現場に来ちゃう人いるから。でもね、自分のペースでいいと思いますし。うん。ありがとうございます。ねぶり棒をあげよう。
(中略)
(星野源)今日はですね、私星野源の久しぶりのニューシングル『光の跡/生命体』のリリース記念ということで『光の跡』、および『生命体』も含め、いろんな楽曲の感想・質問メールをたくさん募集しておりまして。いっぱい来てきております。ありがとうございます。もうね、リリースしましたから、ぜひたくさん聞いていただきたい。配信でも、ダウンロードもありますし、CDもあります。CDはね、特典映像もいっぱいありますし、ジャケもいい感じです。
で、明日というか明けて今日、夜8時半頃からYouTubeライブでトーク生配信をして。そのまま『光の跡』のミュージックビデオのプレミア公開。そこからねミュージックビデオ、公開しますから。ぜひ皆さん、無料で見れますから、一緒に見ましょう。
(星野源)そんな感じで感想をね、いっぱいいただいております。大阪16歳の方。「『光の跡』、ラジオ解禁で最初に聞きました。源さん、最高な曲をありがとう。『光の跡』の英題は『Why』でしたよね。発表当時はなんで『Why』なん? と思っていましたが、歌詞に『惹かれ合うのはなぜ』『消えていくのになぜ』『抱きしめるのはなぜ』などたくさんの『なぜ/Why』があって『こういうことか!』となりました。まだ映画は見れてないので、映画を見る前と見た後で歌詞の捉え方がどう変わるか、とても楽しみです」。ありがとうございます。
映画、僕も見たんですけど。いわゆるその『光の跡』っていう歌詞を書く前からもちろんほぼ、アニメは出来上がっていて。でも、それはまだもらってなくて。絵コンテっていうか、脚本はもらっていたんですけど、もちろん楽曲も聞いてない状況から絵コンテってのはもう完全に完成してましたし。それを見て、楽曲を作るっていうスケジュールだったんですけど。なんかね『光の跡』っていう感じのシーンがいっぱいあるんですよ。びっくりしちゃったんです。たまたまなんだと思うんですけど。なんかね、本当に「楽曲が合うな!」っていう作品になってるし。個人的に『SPY×FAMILY』の好きポイント。ええとね、アニメってやっぱりどうしても特に子供にわかってもらいたいっていうか。その子供向けっていうのとも違うとは思うんですけど。子供が好んで見るようなアニメとかは特に、割と心の中を説明することが多いんですよ。
『SPY×FAMILY』の好きなポイント
(星野源)で、それは実写も多いんですけども。セリフで全部、思っていることを説明するのって、やっぱりなんか見ていてちょっと疲れてしまったりするんですよね。でも『SPY×FAMILY』ってアーニャが心の中を読むとか、そういうのがあるんで心の声っていっぱいあるんですけど。なんか俺、すごい好きなのは『SPY×FAMILY』で「言わない」っていうのがすごい多いですよ。「こう思ってるんだけど、言わない」とか。言わないことでこう思ってるんだなとか。たとえばアーニャがロイドの心を読んで。それで笑顔になるんだけど、ロイドの心でなんて言っていたのかはお客さんには聞こえないっていうシーンが俺はめちゃくちゃ好きなんですよ。で、それってやっぱり物語の一番いいところっていうか。言葉で説明をしないっていう表現をアニメでするっていうのは、改めて大変だと思うんですけど。それを……アーニャは心を読んでるから。だからいっぱい心のナレーションってあるから、そういう心を、思っていること言っている作品だなって思うかもしれないけど。実は大事なことは、言ってないんですよ。
で、今回のこの映画でもそういうシーンがいくつかあって。しかもそれがね、すげえなと思うポイントなのは、たとえば、特に実写ドラマなんですけど。なにかに気づくとかっていうシーン。それでなにかハッとするとか。で、それが目の前の人にハッとしたことがバレてはいけないんだけど、お客さんだけにはわかってもらいたいみたいな時のシーンって、だいたいが「これ、目の前で見たらめちゃめちゃ『こいつ、ハッとしてるな』って思うよね」っていう芝居をしている人がめちゃくちゃ多いんですよ。そういう演出が多くて。でも、目の前にいる人のことはとりあえずなかったことにして、お客さんに伝えるっていうことを選択してる演出が多いんですけど。『SPY×FAMILY』、今回とある描写があるんですけど。それは、本当にわかんない人にはわかんないんだけど。でも、この中のやり取りで誰かがとあることをして。そのとあることをしたことにもう1人が気づくんだけど……気づくんだけど「気づいた」っていう顔しちゃうとその関係性が破綻するから、気づいてる顔をしないっていう芝居なんですよ。
で、「たぶんこの表情だったら目の前の人は気づかないんだけど、私たちには伝わる」っていう芝居をつけていて。それは、すげえことだと思います。それを……まあ、ありえないっていうか、すごいことがいっぱい起こるんですけど。その中でそういう演出をつけているっていうか。「演出をつけてる」っていっても、もう全部人が書いてますからね。だからそれをやるって、とんでもないことだと思うし。そういう作品に関われてるってことを誇りに思うし。すごいいい作品なんで、ぜひ見てほしいなと思いました。はい。ちょっと語りすぎるところがありますんで。私は。うざかったら、すいません(笑)。
そんな感じで、いろんなメールが来てるんだよね。東京都の方。「『光の跡』、ついにリリース、おめでとうございます。長い間、楽しみにしていました。タイトル未定から始まり、長い間……」。ありがとうございます。そうだよね(笑)。「『光の跡』というタイトルですが、曲を何回も聞いてみて『生きた証』のようなニュアンスなのかなと考えました。そこにもう光がなくても、光を見ていた人にはぼんやりと残っている『光の跡』。亡くなった後も誰かの記憶の中で生き続けることと似ているのかなと思いました」。
ああ、そうね。そうそう。光跡ってたとえばさ、なんかすごい明るいものを見た後にさ、目をつぶるとまだその光が残ってたりするじゃん? そういうのも光跡っていうし。あと、カメラでさ、露出を……すごい明るいところを映して、ちょっとぶれさせるとさ、なんか、たとえば夜の中でライトを、シャッタースピードを遅くして、ぐるぐる動かすと、写真には線ができてたりするみたいなのも光跡っていうみたいなんですけど。すごい、いいなって思います。そのイメージですね。うん。すごくわかる。そうなんだよね。だから本当に、そうなんですよ。いいよね。
長野県の方。「明日、映画『SPY×FAMILY』を娘との2人時間に見に行きます。『光の跡』も今日、フラゲしました。『喜劇』もですが『光の跡』の歌詞、特に大好きです。娘は発達障害があり、人とのコミュニケーションが苦手です。毎日ストレスを感じ、全身で伝えてくれる娘。娘の苦悩と向き合う中で、日々生きることの大変さと尊さを感じながら生活しています。『光の跡』を聞き、うまくいかない日も意味があって、つらさから逃れたい。忘れたい記憶とゆっくりだけど、娘の成長を感じ、いつか別れる時が来ると思うと、一緒にいられる瞬間の喜びと寂しさを感じ、胸がぐっと来ました。なぜか歌詞に自分の思いを重ねてしまい、聞いています。うまく言えませんが、自信のない日々も『これでいいんだ』と背中を押してもらえた気がして、気持ちが軽くなるのを感じました。これからもずっと私の中の応援ソングになりそうな予感。素敵な楽曲をありがとうございます」。ありがとうございます。
ああ、もう、ありがたいですね。この曲を「応援ソング」って言ってくれるって、めちゃくちゃ嬉しいですね。ありがたい。うん。なんかその、「自分の思いを重ねる」って書いてありましたけど。さっきのね、Instagramのコメントもそうですけど。そういう人がたくさんいて。本当に歌は不思議だなと思いますね。自分の思いっていうのをものすごくグーッと、ぎゅうぎゅうに詰めたような楽曲なんで。サウンドにしても、歌詞にしても、自分の心の中にあるものを詰めた感じなんで。でもそれを自分ごととして聞いてくれたりするっていうのは本当に面白いし。歌はね、いいなと思いますね。
続いて。「僕で爽やかで日差し差すような曲調と『海にゆれる光の跡』という歌詞から、ふと夏にフェリーのデッキで見た朝日眩しい海の景色を思い出しました。この世のものとは思えないほどのキラキラしたあの輝きを1人っきりで見たのは忘れられない、忘れたくない思い出です」。年齢17歳ということで、ありがとうございます。「源さんはなにか、印象に残ってる光はあるんでしょうか?」という。これはね、さっき話しましたよね。金沢のもそうだし。で、ミュージックビデオを撮ったのが鎌倉だったんですよ。で、そこのね、海が本当にもう超、まさにばっちり夕日が沈んでいく海で。まさに自分がイメージしている『光の跡』っていう映像がばっちり見れて。で、人がめちゃくちゃいたの。
今ね、鎌倉は『SLAM DUNK』の聖地だっていうのもあるとは思うんですけど。そうじゃなくて、みんな太陽を見に来てたんだよね。その時間帯はね。で、もうみんなさ、「わあ!」ってなっているわけ。その太陽が沈んでいく様に。きれいすぎて。なんかさ、面白いよね。こんなに文明が発達してさ、いろんなアミューズメントがあって。エンタメがあるのにさ、それは太陽が沈むことに敵わないんだよね。すごいよ。俺、「敵わねえ」って思ったもん。すごすぎて。だって、意味もないしさ。なんていうか、ただ太陽が沈んでるだけじゃん? で、空気が赤く見えているだけなのにさ、こんなにみんな感動してさ。「わあ!」ってなって、なんか満たされたりしてるじゃん?
沈みゆく太陽の美しさには敵わない
(星野源)それはもう、何千年も前から行われてきたことなわけじゃん? 変わってないっていうか。だからそれがすごく……それを見てる人たちがね、なんかキラキラしてる水面の光と、それを見てる人たちの命みたいのがすごく重なって見えたんですよね。だからなんか、すごくそういうイメージがありますね。埼玉県ラジオネーム「タク・ヨシムラ」。「源さん、私は今年もニッポン放送のAM電波を飛ばす施設・千葉県の木更津送信所付近でこのラジオを聞いています。私もこのラジオで『光の跡』を聞きたくて我慢していました。木更津のしぼりたての電波で聞く……」。なによ? 「しぼりたての電波」って?(笑)。やめて? 牛乳とか豆乳みたいに言うのはやめてよ(笑)。そんな言い方、あるの?
「木更津のしぼりたての電波で聞く『光の跡』は心に沁みわたり、氷点下マイナス1度でも全身ポカポカです。『光の跡』、一生聞く」だって。ありがとう一生、聞いてくれ。よ面白いな。ねぶり棒です(笑)。いやー、おもしれえなー。なんだよ? しぼりたての電波って?(笑)。新鮮なのかな? でも、距離で変わるもんね。単純に、音質って。電波の音質ってさ。遠くだったらノイズ混じりになっちゃうしね。だから、しぼりたてはめっちゃきれいなんだろうね。音質が(笑)。キモい(笑)。いいよー、いいよー。いいキモさだよー(笑)。ねえ。
木更津の電波、とってもジューシーでした✌️光の跡、帰り道にヘビロテします✌️✌️✌️
源さん、スタッフの皆さん、リスナーの皆さん、今年も楽しいラジオをありがとうございました! #星野源ANN pic.twitter.com/zoFbElX9xE
— タク・ヨシムラ (@TackYoshimura) December 26, 2023
(星野源)岡山県の方。「歌詞を書きに行った金沢旅行ですが、たしか源さん、天気予報を見ずに前日に行くことを決めたんですよね? そのおかげで雨が生み出した光景に出会えたし、鈴木大拙館から美術館に向かう途中、たまたま美しい緑道に出会えたりなど、そういったいろんな運命の巡り合わせで『光の跡』が生まれたと思うと、より一層この楽曲にはかなさや繊細さを感じます」。ああ、いいメールだね! いや、本当にそうだよね。だから、うん。マジで行ってよかったし。そう。すごいいいのよ。あそこの緑道ね。わかんない人はSpotifyの過去回をね、ぜひ聞いてください。いや本当に……だからさ、本当に面白いよね。歌の歌詞ってやっぱりさ、本当に歌詞が入るだけで全く景色が変わるんですよ。だからなんか、より一層大事に書いていきたいなと思います。
岡山県の22歳の方。「今回、『SPY×FAMILY』の公開初日に映画を見に行き、『光の跡』を事前情報を入れずに聞きました。その中で『無為が踊る』という歌詞にとても惹かれました。『人はいずれ消えゆくから今を大切にして生きていこう』という源さんのメッセージが伝わってきたように思います。今、卒論やバイトやらでバタバタしている自分にとってすごく心の支えになる歌詞です。源さん、ありがとうございます」。すごいね! その中で「無為が踊る」に引っかかるって、すごいね。僕もここは非常に好きな歌詞ですね。自分で書いていて。
「無為が踊る」
(星野源)「無為」はちょっとね、辞書で調べてみてください。なんか、そのかけがえのない時間というか。それこそ、太陽が沈んで、それに圧倒されてる瞬間とか。「うわっ、なんでこの人の笑顔、こんなに輝いてるんだろう?」とかって思って「ハッ」ってなってる時ってなんか、その無為が踊ってる感じがするんですよね。それはもう「無為が踊る」としか言いようがないんですけど。この言葉が出てきたのも、すごい嬉しかったです。そんな感じでたくさん感想、ありがとうございます。まだちょっとね、読めるだけ読んでいきたいとは思いますが。ぜひ皆さん、もう発売中でございます。『光の跡/生命体』、CDもブルーレイ付き、DVD付きがあります。あと配信、ダウンロードストリーミングもあります。ストリーミング、2億6000万回聞いてください(笑)。ぜひCDもね、6兆枚売れますように。よろしくお願いします(笑)。
(中略)
(星野源)感想メール、ギリギリまで読みましょう。東京都の方。「源さんのおっしゃられていたアニソンのくだり、めちゃくちゃうなずきながら聞きました。私は30代半ばなのでちょっと年下ですが、小学生の頃に見ていたアニメの特にエンディングが異様に色っぽかったり、シリアスな曲だったりしたのを子供心になにか、いけないものを聞いている気がするとそわそわ、ワクワクしていた記憶があります。それは確実に今の音楽の好みにもつながっています」という。これ、すっごいわかる! わかるわー! そう。それをね、やりたかった。だから子供向けみたいなものは作っちゃいけないなっていうのは、本当に思いますね。そこはね、同じ目線で作りたいと思います。
続いて、静岡県の方。「『光の跡』、本日フラゲできました。17日に父が亡くなり、通夜のあった22日に歌詞が発表されたので歌詞をじっくり拝見できる時間がありませんでした。ラジオを聞きながらブックレットを読み込んでいます。読みながら病室で最後に会った時に私の手を握った父の手の強さを思い出しました。その手はほどかれてしまいましたが、強さとあたたかさはまだ私の心に残っています。これからも楽曲を聞くたびにいつも、父のことを思い出すと思います。ちなみに父の戒名に偶然、きらきら光る海という意味の漢字2文字が入っており、なんだかご縁を感じました。素敵な楽曲を本当にありがとうございました」。ありがとうございます! 嬉しいですね。
続いて。「10月、主人に狭心症が見つかり、11月にバイパス手術。さらに11月には娘の受験と精神的にも肉体的にもつらい時期でした。1週間、面会で毎日1時間半、往復3時間の移動。受験も準備があり、Spotifyで源さんの音楽を聞き、励まされていました。無事、高校受験も受かり、心臓の手術も成功し、落ち着いた時に源さんのCDが発表。発売日が誕生日ということを知り、『ああ、神様って頑張ったらご褒美をくれるんだな』と涙しました。今日は『光の跡』を聞きながら夕飯を用意し、特典ブルーレイを視聴しながら家族で夕飯を食べました」。ちょっと待って? 泣きそうなんだけど。
「今年のつらい時期を乗り越えたご褒美のCDをしっかりと味わいたいと思います」。ありがとうございます! いや、嬉しい。ありがとうございます。感無量。いやー、皆さん、今年頑張りましたね。俺も頑張った。うん。その中で、素敵なシングルを作れたなと思いますのでぜひ皆さん、手に入れていただいたり、ダウンロード、ストリーミングでたくさん聞いていただきたいと思います。いや、本当にありがとうございました。それでは皆さん、星野源でした。よいお年を! また来週。
<書き起こしおわり>