星野源と石田ゆり子 ラジオへの向き合い方を語る

星野源と石田ゆり子 ラジオへの向き合い方を語る LILY'S TONE

星野源さんが2022年11月20日放送のJ-WAVE『LILY’S TONE』の中で石田ゆり子さんとラジオへの向き合い方について話していました。

(石田ゆり子)源ちゃんはJ-WAVEで以前、深夜の生放送を担当されていたということで。

(星野源)そうなんです。ちょうどこのスタジオで毎週、やってました。

(石田ゆり子)ああ、本当に?

(星野源)そうなんですよ。で、その時にこの番組の作家でもあるめがねさん。長沼さんにお世話になりました。で、今日、久しぶりに会いましたね。すごい久しぶりに会って。「わーっ!」って。それでさっき、会議室で打ち合わせの後に昔話に花を咲かせてたら、めがねさんが怒られてました。「ちょっと、早く来て!」って怒られていて(笑)。ごめんなさい。俺がちょっと話しすぎちゃって(笑)。

(石田ゆり子)へー! そうか! じゃあちょっと、懐かしいですね。

(星野源)久しぶりに来ました。だから夜、来るのがすごい久しぶりですよ。

(石田ゆり子)J-WAVEはもう場所がね、すごいですよね。昼来ても、夜来ても東京タワー……東京!っていう感じでね、すごいですよね。あの、私、このラジオを始めて。これ、すごい不定期番組なんですよね。

(星野源)不定期って、でも面白いですよね。

(石田ゆり子)そう。不定期。もう本当、不定期なんですよ。1ヶ月半ぐらい空いたりとか、何週間か。とりあえず、結構空くんですよ。そのたびに私は勘を忘れるわけ(笑)。

(星野源)ああ、なるほど(笑)。1回、リセットされちゃうんですね(笑)。

(石田ゆり子)そう(笑)。1回、なんとなく掴んだような気がしたものを全部忘れるわけです。だから毎回初心者。本当に毎回、慣れない感じで始まって、終わって。ゲストの方に迷惑かけたりしてるんです(笑)。

(星野源)時間が空くと、しょうがないっすよね。

(石田ゆり子)いやいや。だからちょっとラジオの先輩として伺いたいんですが……。生放送でね、毎週あるっていうのは、たぶんいろいろ……まあ「コンディションがあんまり」っていう時もあったりとか。なんか気分がね、なんだかっていう時もきっとあると思うんですけど。そういう時は、どうやって?

(星野源)僕は割と素直に出しちゃってます。「今、ちょっと具合が悪い」とか「疲れた」とか。そういう……まあ毎週やっていて、期間がもう長くなってるのもあるので。なんていうか、ラジオって聞く側にとっても、生活に根ざしてるものだと思うし。よりパーソナルな部分に近いメディアだと思うんで。聞く側にとっても、やる側にとっても。

だからなんかそういう風に「いやー、ちょっと疲れてるんだよね」って言う方がなんていうか、聞く側にとっても、やる側にとってもより距離が近くなっていいんじゃないかなとは思っていて。言わない方がいいぐらい、具合が悪い時は言わないですけど。なんか、「まあこれぐらいだったら大丈夫かな」みたいな時は言ったりとかしますね。

(石田ゆり子)そうか。もう、ありのままっていうか。自分の言葉でちゃんと話すっていうことですよね? まあ、でも本当にそういう感じですよね。源ちゃんを見てると。いつも、自分自身をちゃんと表現できる人。その時の自分をきちんと表せる人という感じなんです。私にとって。それがこの『日経エンタテインメント!』の2022年12月号。

(星野源)オールナイトニッポンの密着で、僕の番組にも密着してくれた雑誌ですね。はい。

(石田ゆり子)これをね、拝見しまして。すごく素晴らしいなと思ったんです。「ラジオの好きな点について聞くと『開かれた内輪を広げていけるところ』と返ってきた」という。へー、なるほど!って思って。たしかにラジオって、内輪受けって言ったら悪いけど。その内輪で盛り上がってる感は否めないじゃないですか。

(星野源)ありますね。

(石田ゆり子)でも、そこがまたラジオのいいところで。それをまた広げていくっていう。そこがなんかやっぱり星野源さんの素晴らしいところだなと私は思います。内輪だけでは終わらない。ちゃんと社会に問いかけるというか、働きかけるっていう。

(星野源)なんか内輪でちょっとこう、「新しい人、入ってくんな」みたいなラジオもあって。僕はそれがあんまり好きじゃないですよ。で、僕が好きだったコサキンさんのラジオ。僕が中学の時にずっと聞いていたのは、なんか内輪ネタばっかりなんですよ。で、初めて聞いたら全くわかんないんですけど、でも、「いつでもみんな、入ってきなよ」っていう空気があって。だから、その内輪を知りたくなるんですよ。で、その内輪を知ってしまうと、もう楽しくてしょうがなくなる。だからその、内輪を広げていくっていうことが大事なのかなとは思っていて。

(石田ゆり子)内輪を広げていく。仲間を増やしていくということですか?

内輪を広げていく

(星野源)そうですね。どうしてもラジオってパーソナリティーがいて、聞く人がいて。聞く人も何人かで一緒に聞くっていう機会はあんまりないと思うんで。どちらかというと、1人で聞くってことが多いと思っていて。特に深夜ラジオは多いと思うんで。なので、基本が一対一のメディアだと思うので。そういう「一対一」の数をもっと増やしていくっていう。

それがラジオのすごい面白いところだし、やれることかなと思うと、なんか聞いてる人を嫌な気分にはさせたくないから。もちろん、スイッチみたいのがあるから、いわゆる完全な日常では全くないんですけど。でも、そのラジオの中の日常っていうものの範囲の中で、弱い部分が見えてしまったりとかっていうのは別に悪いことじゃないかなと思ってます。

(石田ゆり子)たしかにラジオって、その人がものすごくよく見えますよね?

(星野源)そうですよね。

(石田ゆり子)本当に、人間らしさっていうか。ラジオだからしゃべっちゃう。なんだろう? あのラジオの魔力っていうか。不思議ですよ。ラジオって。姿が見えない。声だけの。ねえ。

(星野源)面白いっすよね。今となっては。

(石田ゆり子)面白い。話すことっていうのは、どうやって決めてるんでしょうか? 今の話を聞くと、きっとその時に本当に思ってることをちゃんとお話するっていうことなんだろうとは思ったけど。

(星野源)僕はあんまり考えないですね。決めないタイプです。しゃべることを用意していくと、どうしても硬くなっちゃうので。一時期やっていたのは、本当に考えるのをゼロで。マイク前に立って生放送が始まるまで考えなくて。「どうも、こんばんは。星野源です」の間で何が出てくるかを試すみたいなことをずっと……だからその間に脳がギューン!って回って。「あれを話そう」ってなるみたいな。そういうのをやってた時期が数年、あったので。だからあんまり考えなくても、勝手に言葉が出てくるようにはなりました。

(石田ゆり子)いや、すごい。それってセンスと才能ですよ。

事前に話すことを準備しない

(星野源)いや、あれなんですよ。結構芸人さんのラジオとか、多いじゃないですか。で、「エピソードトーク」って言われるもの。あれは結構皆さん、作家さんと事前に話して。「こういう風に話そう」っていうのを決める方が多いんですね。で、そういう方ってやっぱり話術として完成されていた方がいいっていうことだと思うんですけど。でも僕はそういう仕事じゃないし。面白い話をする仕事の人ではないから。

だから「面白い話をしよう」って構築しても、意味がないなと思って。そこに敵うものじゃないので。だからもっと、その場で出てきた素直な言葉とか、そういう、本当に人と話してるみたいなコミュニケーションの仕方をラジオでやるのが自分の強みになるんじゃないかなっていうのは思ったりしてました。

(石田ゆり子)なるほど。私もそうありたいですけれども。

(星野源)いや、ゆり子さんは本当に人間が素敵だし、面白いので。それがそのまま出てる感じがありますよね。

(石田ゆり子)そんなことないんですよ(笑)。

(星野源)そう言うじゃないですか。でも、ゆり子さんほど面白い人はなかなかいないですよ(笑)。めちゃくちゃ面白いですよ。

<書き起こしおわり>

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