星野源さんが2022年2月1日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で新たな冠番組、NHK Eテレ『星野源のおんがくこうろん』について話していました。
(星野源)さあ、昨日新情報が発表されまして、そのお話をしたいと思います。なんと私、星野源の新しい冠番組、NHK Eテレ『星野源のおんがくこうろん』の放送が決定しました! ありがとうございます。「サブスク堂ではないのか?」という声が全国から聞こえてきます! 「あんなにお前、『松重さんとのサブスク堂をやりたい』と言っていたじゃないか?」って。はい。ありがとうございます。聞こえております。届いております。念が届いております。それはまた別で、企画書を書いております(笑)。
あのですね、『おげんさんといっしょ』はまた今年もやりたいと思っているんですけども。『おげんさんといっしょ』の中からサブスク堂っていうのは生まれたじゃない? で、松重さん扮する豊豊さんがレコード屋、CD屋さんで。お互いにおすすめの曲とか好きな曲をかけて、ただ語るっていうコーナーだったんですよ。『おげんさん』の中の。それがちょっとあまりにもよかった。評判もよかったっていうことで、そこだけ抜き出せないか?っていう。あと、やっぱり松重さんの音楽の方面の番組がNHKであったらいいよねとは個人的に勝手に思っていて。だからそれをちょっとやりたいぞ、なんて言っていたんですけども。
「サブスク堂」とは別企画
(星野源)だから、あれなんですよ。それがやれるとしたら、それは『おげんさん』チームでやるわけです。サブスク堂に関しては。なんですけど、今回の『おんがくこうろん』はまたちょっと別チームなんですよ。どちらかというとソングスチームっていうか、NHKのソングスの人がいたり。ソングスの、なんていえばいいんですかね? 好き者の方の人たち?(笑)。マニアックな人たち(笑)。その人たちと前から、「なんか音楽教養番組みたいなのをやりませんか?」みたいにお声がけいただいていて。「いいですね」なんて言っていて。「じゃあ、なんか考えましょうね」なんて言っていて、僕も考えて。
で、最終的にいろいろと話し合いながら、こういう形になりました。音楽、そして音楽家を毎回、1人取り上げさせていただきまして。その音楽家について30分、ああだこうだと語り合うっていう番組なんですけども。割と、どちらかというとテレビで音楽の人が取り上げられる時は歌手の方だったり、どちらかというとパフォーマンスするアーティスト。ソロアーティストだったり、あとはバンドとか、グループとかがどうしても多いんですけども。
サウンド、音楽そのものの要を握っているのは作曲をした人であり、あとは編曲をした人、サウンドプロデューサーだったりするので。その作曲家、編曲家、サウンドプロデューサーっていうのを中心に音楽家を1人、取り上げさせてもらって。特に僕の好きな人を取り上げさせてもらって、それをああだこうだと語り合うという番組でございます。
『おんがくこうろん』っていう名前をNHKでやると、どうしても『時論公論』っていう番組が出てくるんですけども。それはたぶん、すごい偶然だと思います(笑)。なんかちょっとニュースっぽい写真が出ていましたけども、すごい偶然だと思います。ねえ。なので……奇遇ですね。そうなんです。だからすごい堅いというか、音楽のことをしっかり真面目に語る番組なのかな?って思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはなくてですね。かなりゆるく、かつ無防備にああだこうだと話せればいいなと。「好きぃー!」とか。「これ、好きぃー!」とか「ここ、すげー!」とか、そういう話をできたらいいなと思っています。
で、かつ僕は音楽の話をしたいっていうのはあるんですけども。もっと勉強したいなっていう気持ちがありまして、専門家の方、解説員の方に2人、来ていただきまして。詳しいお話を、質問をしたりとか、おもしろエピソードを聞かせてもらったりするっていう。それもちょっと『時論公論』と似ているんですけども。すごい奇遇だと思いました。ありがとうございます。
2人のパペット解説員
(星野源)それで、その解説員の方が2人いまして。1人は高橋芳朗さんという、僕がお世話になっている……ラジオ番組に出させてもらった時に話し相手になってもらったりとか、あとは『YELLOW MAGAZINE』とかでも文章を書いてもらったりしていて。日本の音楽ジャーナリストで、ラジオパーソナリティーもやられていますね。いつもお世話になっています。高橋芳朗さんが解説員の1人としてやってくれて。あともう1人、大和田俊之さんという方。ポピュラー音楽研究者の方で『文化系のためのヒップホップ入門』という名著を書かれていたりとか、あとは『アメリカ音楽史』という本を出されていたりとか。非常に詳しい方たちをお招きして。
(星野源)それで僕は基本的に学ぶ人という感じです。なんか、ホストっぽい感じで、解説者っぽい感じの服装でいるんですけど、基本的に僕は学んでいきたい人という立場でございます。で、その解説員のお二人なんですけど、本当はもともとJ・ディラの回は前にラジオにゲストで出させていただいたりとか、普段ヒップホップ関連の情報をちょっと教えてもらったりとか。「僕、こういうのが好きなんですけど」みたいな話をやり取りさせてもらっている渡辺志保さんという方に解説員をお願いしていて。
block.fm『INSIDE OUT』というヒップホップ番組なんかをやられていて、ヒップホップ関連のライターとか、解説とかをされている方で。僕が『Nomad』という曲で参加した映画『シャン・チー』のCDの解説とかも書かれているんですけども。
(星野源)その渡辺さんにお願いをしていたんですけど、撮影の前日にちょっと体調不良で。具合を悪くされて、急遽来れなくなってしまって。なんですけど……パペットも作ってあって「どうしよう?」ってなった時に2本目……今回、発表されているのはJ・ディラ。第1回目なんですけども、2回目、また別の音楽家を取り上げる時に来ていただく予定だった大和田俊之さんに急遽、お願いをして。他の人に頼める時間も全然なかったので急遽お願いしたんですけども、本当に素敵な語りをしてくださって、ありがたかったです。
で、また渡辺志保さんとも「やっと仕事ができますね」って僕、すごく嬉しかったのですが。また3回目、4回目とかにお願いをできたらなと思っているので、ぜひお楽しみに。それで、しかも解説員がパペットなんです。めちゃかわなんですけどね。一応、裏設定としては解説が大好きすぎてずっとNHKに住み込んでいる解説おばけという設定でございます(笑)。まあ、設定だけなんですけどね。
?放送決定?#星野源 がホストをつとめる新音楽教養番組?
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???#星野源のおんがくこうろん???
\星野源が「かいせついん」たちと共に
「歴史を変えた」音楽家にスポットを当て
音楽を学んでいく✏️初回は?2/11(金) 22:30~ Eテレ
以降、2/18・2/25・3/11に放送予定✨https://t.co/WYQz9omvAs pic.twitter.com/k8DuwsceZ4— NHK MUSIC (@nhk_musicjp) January 31, 2022
(星野源)そんな中でその2人の解説員にいろいろとお話を聞きながら、主に進行をしてくださるのは林田理沙アナウンサーでございます。で、本当にね、東京芸大で音楽をずっと学んで、かつ研究もされてらっしゃった方で。なので、これ以上の適任の方はいないだろうということで、ご一緒をさせていただきました。で、先日初回放送と第2回放送を収録してきたんですけども……1回30分の番組なんですけどもね、75分撮りました(笑)。全然入らねえと思います。
だから、だいたいこういうのってね、なんて言えばいいの? 一番最初の発想の元は音楽版『知ってるつもり?!』みたいな……『知ってるつもり?!』を知っている人がもうほとんどいない気がするんですけども。僕の世代でたぶんギリギリだと思うんですけど。僕が小学校ぐらいの時に偉人とかを毎週、取り上げて。その歴史だったり、人生を振り返るみたいな番組があったんですよ。『知ってるつもり?!』っていうのがあったんですけど、それみたいな雰囲気が発想の元にはあったので。
だから、そういう感じにはしたいんですけど、30分なんでやっぱり深堀りするまではなかなかいけないなと思うので。知らない人も……知っている人もちょっと楽しくて。知らない人はなんだかよくわからないけど、なんとなく頭の中にそのサウンドとその名前がへばりついて。その後、その音楽家に影響をされたアーティストとかね、その音楽家に影響をされた音楽とかを聞いた時に、自然とその音楽が受け入れられるような、そういう番組にできたらと思っております。
で、2月11日に初回放送なんですけども。その回ではヒップホップ界の伝説的なプロデューサーでありビートメイカーのJ・ディラでございます。先週、ファーサイドの『Drop』という曲をかけましたけども、あの曲は実はJ・ディラが作った曲です。なのでちょっとね、フライング気味に皆さんに一旦、「知っておいて」っていう感じで選曲をさせていただきました。
The Pharcyde『Drop』
(星野源)ものすごい楽しかったですよ。僕も質問があったりするんで。「これって、こうなんですか」みたいなことを聞いていくと、予定よりどんどんと長くなっていってしまうんですが。なんかね、音楽を話をするっていうのを前々から言っていますけど、もっと増やしたいなって。それはラジオでやってもいいんですけども。ラジオは僕、毎週していて。やっているからテレビという場所で、なんかテクニックとかそういうことではなくて。
演奏者とか、あとはアーティストの破天荒な人生とか、そういうテレビ的に映える的なことではなくて。音楽の僕が思う好きな部分……「こういうところ、いいよね! なんか、いいよね!」みたいな。その「なんか、いい」みたいなところを中心にお話できたらと思っていて。なので、それが存分にできる番組だということがわかりましたので、ぜひ皆さん、見てください。よろしくお願いします。
2月11日(金)、午後10時半から11時までです。で、まずは4回だけ放送をさせていただきます。2月18日、25日、3月11日と続きます。なのでこの4回で一旦、シーズン1は終了なので。ぜひ、死ぬほどメールを送っていただければシーズン2があるかもしれませんので。放送前に言うのもなんですが。ぜひ皆さん、見てください。よろしくお願いします。
さあ、そんな感じでここで1曲、お送りしましょうかね。そのJ・ディラの回でとあるアーティストの人が出てくるんですけども。そのアーティストに僕は影響を受けてこの曲を作ったんですけども。そのアーティストに影響を受けているっていうことは、僕はJ・ディラにも影響をめちゃめちゃ受けているっていうことですね。なので、なんかね、こういう人がいっぱいいるんですよ。本当にいろんな人に影響を与えているけど、テレビでは名前があんまり出てこなかったりとか。詳しい人とか音楽好きの人しか知らないみたいな人がいっぱいいて。
たとえばタイムマシーンでその人が生きている頃に戻って……たとえばその人を無理やり違う仕事に就かせたとするじゃないですか。そうすると、現代の僕らの中での楽曲……ある楽曲がほとんど消えるみたいな。なんか、そういう音楽家をどんどんと取り上げていきたいなと思っているわけです。そのポップウィルスと言いますか、音楽の連なる遺伝子みたいな、そういうのを感じながらぜひ、聞いていただければと思います。それで、ここでかける曲は『Pop Virus』ではなくて、星野源で『Snow Men』。
星野源『Snow Men』
<書き起こしおわり>
高橋芳朗 星野源『YELLOW DANCER』と現行ブラックミュージックを語る https://t.co/0z68DyKcc9
(高橋芳朗)星野源さんの『Snow Men』。『YELLOW DANCER』にも収録されている曲。これ、おそらく星野さんがディアンジェロの影響をご自身のスタイルに落とし込んだ曲なんじゃないかと。— みやーんZZ (@miyearnzz) February 2, 2022
星野源と宇多丸『POP VIRUS』解体新書書き起こし https://t.co/QfyA9nSh2k
(星野源)自分の中で「日本人でJ・ディラがいたらどうだろう?」みたいな。なんか「もうちょっと音がきれいになるんじゃないか?」とか「意外と隙間があるんじゃないか?」とか。そういうのを考えていた時期があって。— みやーんZZ (@miyearnzz) January 31, 2022