星野源『おともだち』の歌詞を語る

鼻うがいのプロ・星野源 オードリー若林に指導する 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年12月19日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でオードリーのオールナイトニッポンin東京ドームの主題歌『おともだち』の制作についてトーク。リスナーの感想を紹介しながら、歌詞について話していました。

(星野源)『光の跡/生命体』の初回限定版のトレーラーの話を後でします。ちょっとここでは『おともだち』を……星野源の新曲でございます。先々週ぐらいからこの番組とオードリーのオールナイトニッポンでのみ解禁していますけれども。というのはオードリーのオールナイトニッポンin東京ドームの主題歌でございます。オードリーのオールナイトニッポンにね、ゲストとして呼ばれ、主題歌のオファーを生でされるというテイの放送を……「テイ」というか、春日さんは本当にその場で知っているはずなんだけど。若林さんからはもう事前に話をされていたという、ドッキリ放送というかなんというか。そんなことで受けさせていただきまして、作りました。

どのくらい時間かけたか、覚えてないや。1ヶ月ぐらいかな? なんかそのぐらい……1ヶ月、2ヶ月ぐらいで作ったような気がします。感想メールたくさん届いておりますので、ちょっと読んでいきたいと思います。東京都、32歳の方。「源さん、オードリーのオールナイトニッポンin東京ドームのために作ったテーマソング『おともだち』、聞きました。イントロからオードリーのポップさとアナーキーさが同居していて、涙腺の緩みとサブイボが止まらなくなりました。歌詞も若林さんと春日さんのこれまでと、絶妙な距離感を絶妙な言葉選びで表していて、この曲を東京ドームで聞ける日が今か今かと楽しみになり、心オードリー(踊り)ました。

源さん、『おともだち』が完成するまでにはどんな趣向のアプローチをし、どれくらいの時間をかけましたか?」という。ありがとうございます。もうちょっと感想を読もうかな? 東京都中野区、30歳の方。「僕は新曲『おともだち』の最初のメロディーを聞くだけで、心が躍るような気持ちになります。源さんに質問なのですが、歌詞とメロディーのどちらが先に思い浮かびましたか?」という。ありがとうございます。

ええとですね、そうなんすよね。この曲はですね、最初、オファーをもらってというか。ラジオに出させてもらった後に、正式なオファーをもらったので。若林さんに「ご飯、行きませんか?」っていう風にちょっとお誘いをして。東京ドーム全体の演出っていうか、「どんな感じを考えてらっしゃるんですか?」っていうのちょっと聞きたくて。そこでちょっとご飯をさせてもらって、お話を聞いたんです。それを主題歌、テーマソングのイメージに役立てさせてもらおうと思って。

で、その中で、春日さんとの関係っていうか。そこらへんの話になった時に、「昔から、学生時代からずっと一緒にいて。学生の頃の夜、まだ固定電話。携帯とかが全然普及してなかった時代に、それぞれの家の固定電話で夜、もう本当に深夜、ずっとバカみたいな話をしていた。くだらない話をしていた。ふと思ったんですけど、それが今も続いてるだけなんだなって思ったんですよね」っていう話を聞いて。「ああ、なんか曲、もうできたわ」っていう感じだったんですよね。

なので、そんなイメージから……だからその「東京ドームへ行くこと」とか、「東京ドームという晴れ舞台みたい」な、「でかいステージに行くぞ!」みたいな、テーマソングっていうよりは、2人の関係性だったり、2人が深夜、毎週、ずっと学生の頃と同じようにただしゃべり続けているっていうのをテーマにした方がいいなっていう。その東京ドームっていうでかいところでやるための応援歌みたいなことではなく、本質を歌おうという、そんな気持ちで作りました。

オードリーの2人の関係性をテーマにする

(星野源)で、曲を作り始めたらイントロが……あの「デデデデデデー……」っていうちょっと変なイントロから作ったんですけど。だから、何て言うんですかね? イントロから作り始めたのもあって。「変なイントロができちゃったな」みたいな感じだったんですよ。でも、なんかその変さが、僕は前も言いましたけども。オードリーって、ちょっとイカれているっていうか。ポップさと、あとアナーキーさが混ざってるっていう。あの立ち方で東京ドームっていう場所に立つっていうのは特殊だなとすごく思うので。その特殊さみたいなものっていうのと、あと2人が持つポップさ、楽しさみたいなことと、あと暗さみたいなもの。そういう、曲を順々に作っていったんですけど。作りながら、暗くなりすぎそうだったら明るくして。明るくなりすぎそうだったら、違う方に引っ張っていって……っていう風にして、グニグニグニグニ、引っ張りながら作っていったっていう、そんな感覚で作りました。

続いてのメール。「源さん、『おともだち』ではギターが使われていませんよね? 使用する楽器はどのように決められたんでしょうか?」。これはね、ギターは使ってますよ?(笑)。ギター、使ってますから聞いてください。長岡亮介のギターが入ってますから。しっかりね。そうそうね。で、なぜ僕が『おんがくこうろん』とか『おげんさん』とかをやるか?っていうと、いろんな音楽を聞けば聞くほど耳っていうか、聴感って筋肉だと思ってるんで。聞こえてない楽器がある日、突然聞こえてきたりするんですよ。何回も何回も聞いて。久しぶりにまた聞こうかなって聞いた時に「あれ? こんな楽器、入っていたっけ?」みたいな。それが楽曲の理解度だったり、楽しめる度合いの深さみたいなものに繋がっていったりするので。で、これは全然恥ずかしいことじゃないんで。どんどん聞いて「あっ、本当だ。ギター、入ってるわ」っていうところが次の音楽体験のステップになると思うんで。このメールくれて、ありがとうございます。

続いて。「今回の新曲『おともだち』はオードリーの2人に対する源さんの思いが歌詞によく表れていて素敵です。歌詞の中の『踊り出す』がオードリー……」。うん? これ、「踊り出す」ではないですね。「踊り続け」ですね。「が、オードリーのお二人にかかっていて遊び心があるのに、曲中によく出てくる『あなただから』という歌詞はオードリーとは何たるかを自信を持っていなければ書けない歌詞で、源さんのお二人に対する愛と信頼を感じました」。うん? 「あなただから」っていう歌詞はないな? どういうこと?(笑)。どういうこと?

えっ、なんか俺が知ってる『おともだち』じゃないの、流れてる?(笑)。さっきから……えっ、ちょっと待って? さっきもね、なんかね、「あれ?」っていうメールがあったんだよな。ええと……こちらのメール。茨城県の方。「『おともだち』を聞いて感じたのは歌詞の中で『踊りながら』や『春日』『わかってる』などのフレーズの部分を耳にするたびに『オードリー春日』『若』と聞こえてくるんですが」って……「春日」はないよね? それは、ええと『灯台』の方だよね? あと、「わかってる」っていう歌詞もあったっけ? 「踊りながら」は「踊り続けてきたんだ」だから。「踊りながら」っていう歌詞もないので。あれ? 違う曲、流れてる?(笑)。あれ? ちょっと待って? みんな、違う曲を聞いてる可能性があるよ?

えっ、ああ、そうか。「波の数が」が「春日」に聞こえるんだ。ああ、なるほどね! はいはいはい。まだ、歌詞を出していないですから。たしかに……実際に買って、何回も聞けてはいないですからね。そうですね。「わかっている」っていう歌詞はどこなんだろうね? なんか、『IQサプリ』みたいで楽しいです(笑)。なんか、間違い探しみたいな。何と空耳っていうか、したんだろうね? 面白いですね。そう。「波の数が合うだけ」っていう歌詞かな? でも、違うメールではその歌詞のことも書いてくれてるのがあったんだよな。ただ、それが見つからないっていう……ああ、あった。

岩手県の方。「質問ですが、『別に好きとかじゃない。波の数がたまたま合うだけ』の『波』とは、人と人との波長とか、ラジオの周波数とかけているんでしょうか? もしそうだとしたら、ラジオを愛する人間にはたまらない素敵な表現だなと思いました」。ありがとうございます。そうですね。最初、『周波数』っていうタイトルの曲にしようかなと思ったんですけど結構ね、そこらへんをテーマにしてる曲があって。ちょっとやめようと思ったんですけど。やっぱり、そういうことなんじゃないかなと思うんですよね。運命とか、好き同士とか、そういうことじゃなくて、何かがたまたま合ってしまうという。ただそれだけっていう。なんか、そういう感覚ですかね。

で、そこらへんのやっぱり絶妙の間柄みたいなことを歌いたいなと思って歌詞は書きましたね。じゃあ、ちょっと引き続き、『おともだち』の感想メールを読んでいきたいんですけれども。一旦、CMです。その後に感想を読ませてもらって、曲をかけたいと思います。

(中略)

(星野源)先ほどから新曲『おともだち』の感想メールをたくさんいただいております。ちょっとね、引き続き読んでいこうかしらね。東京都の方。「歌詞の大好きな部分、『しゃべり倒す』が『まさにそれ!』ってなりました。『しゃべり尽くす』でも『しゃべり続ける』でもなく『しゃべり倒す』がお二人のラジオを言い表していると思いました」。ありがとうございます。そうですね。なんかね、そんなイメージがありますよね。あとね、なんていうのかな? 歌詞って面白くてさ。これ今、僕は歌詞を見てるんですけど。で、CDね、あと1週間でリリースですからね。聞けますからね。配信でも聞けますからぜひ、皆さん聞いていただきたいんですけど。

「いつまで 続くかわからないほど 夜をしゃべり 倒してきたんだ」

(星野源)歌詞カード……今回、そのブックレットがいいんですよ。ぜひちょっとね、手にとっていただきたいんですけど。デザインもすごい良くて。そこに歌詞がね、書いてあるんですけど。「いつまで 続くかわからないほど 夜をしゃべり 倒してきたんだ」っていう。で、「しゃべり」と「倒し」の間にスペースを空けているんですよ。なんでか?っていうと、芸人さんとかってね、しゃべくりで「しゃべり倒す」みたいなのを言うじゃない? 「とにかくしゃべりまくる」みたいな意味合いだと思うんですけど。なんか、それは僕は勝手に思ってることですけど。2人がやってきたことっていうのは、退屈な日々だったり、何者でもない自分っていうものを意識する夜っていう孤独な時間というか、自意識っていうものが肥大する夜っていう時間。それを2人で話すことで夜そのものを……。

(すしらーめん《りく》・ばぁばの時報が流れる)

(ばぁば時報)ピポピポ。2時に、なりました……。

(星野源)そう。こういう深夜の夜そのものを倒したっていう。倒してきた歴史なんだっていう風になるんですよね。で、「しゃべり倒してきた」だと普通に「たくさんしゃべる」っていう意味なんですけど。1個、このスペースを空けることによって「夜をしゃべって倒してきた」っていう意味にも取れるので。そういう楽しみ方っていうのをですね、なんて言うのかな? 歌詞をね、聞く歌を聞くだけでもうそういう風に取ることもできるし。歌詞を読むとより、わかりやすく、意味をね、受け取れたりすると思うので。ぜひ。

続いて。東京都の方。「『おともだち』、歌詞カードでも早く見たいです。そしてカラオケで早く歌いたい」。ああ、そうですね。たしかに。リリースしてからさ、東京ドーム公演までしばらくあるから。ねえ。カラオケで歌ってから、東京ドームに行く人は行くとか、あるかもしれないですよね。ありがとうございます。

鹿児島県の22歳の方。「『おともだち』、聞きました。遠くの方から若林さんが歩いてきて、その後を春日さんがゆっくり歩いてくるようなイメージができ、まさにオードリーの漫才そのものを表した曲だなと思いました。今は相方でも、ラジオの時は親友に戻る2人のいびつな関係性をよく表されていて、とても盛り上がる曲だと思います」。ねえ。なんかそこらの、すごい微妙っていうか……なんて言うんだろうな? たぶん「親友」っていう感じともまた違うんだと思うんですよ。だからそれを、そういうのをね、歌詞で表したかったなっていう感じなんすよね。

僕、この今回のイベントとオードリーのことを知らない人がこの曲を聞いた時に、なんか友達の歌っていうか、「そういう存在の2人っているよね」っていうことの歌にしたいなと思ったんですよね。で、僕はこれね、今はいないんすけど。学生の頃、いたなって思うんですよね。なんか、とにかくなんだか知らないけど、なんとなくずっと一緒にいて。なんとなくずっとバカな話をして。で、そのバカな話をしていることっていうのが、なんか生きれている秘密のような関係っていうか。でも別に「好き」とかじゃないんですけどっていう。で、「親友」とかっていう感じでも全然ないんだけどねっていう。たまたま、こうなってるだけなんですけどっていう。なんかだから別に本人的には嬉しくないっていう。嬉しいとかじゃないんだけど。でも周りから見てると「あの2人、なんかいいな」って思うっていうような、そこの感じっていうんですかね? そういう関係の人たちって、いると思うんですよね。

そこらへんを歌にしたいななんて思って作ったりしました。はい。ありがとうございます。そんな感じですかね。なので、たぶん東京ドームの中でこの曲がかかると思いますから。ぜひ、楽しんで。ライブビューイングみたいなのもね決定して。映画館でやるんでしょう? すごいね。だからいろんな人たちが見れるのでしょう。ぜひ、僕もね、非常に楽しみにしておりますので。じゃあこの曲と一緒にね、ぜひ、応援したり。そしてぜひ、CDを買ったりとか、配信に聞いたりとか、たくさんしていただきたいと思います。それでは聞いてください。星野源で『おともだち』。

星野源『おともだち』

(星野源)お送りしたのは星野源で『おともだち』でした。大阪府の16歳の方。「『知ってること 知らぬことも たぶん世界一なんだ やだわ』という歌詞が愛にあふれていて大好きです。『やだわ』がオードリーのお二人の関係性を表しているようで最高です」。フフフ(笑)。そうね。俺も自分で書いていてそう思う。「ああ、オードリーだな」って思いながら書きました。

あとね、そうそう。この曲をオードリーのお二人のラジオの方で初解禁した日があったじゃない? その日のオープニングトークで北野映画の話をしていたのに俺は勝手に1人で鳥肌が立ったの! たまたまだもんね? だってあの2人はさ、まだ歌詞も読んでいないし、曲も聞かない状態でオープニングトークをしていたわけなので。その日、その後でかかってから知るっていう形だったので。だからね、たまたま若林さんが『首』を見に行って。それであの例の映画(『キッズ・リターン』)の話もちょっと入ってきて……みたいなのを「おおーっ!」って思いながら。僕はそれをLAで聞いていました(笑)。そう。面白かったですね。そんなわけで、たくさんぜひ聞いていただきたいなと思います。

「例の映画」の話を偶然していたオードリー

オードリー 2人で『キッズ・リターン』を見に行った思い出を語る
オードリーのお二人が2023年12月2日放送のTBSラジオ『オードリーのオールナイトニッポン』の中で昔、2人で北野武監督作品『キッズ・リターン』を見に行った際の思い出を話していました。

<書き起こしおわり>

オードリー若林 星野源『おともだち』の歌詞「別に好きとかじゃない」を語る
オードリー若林さんが2023年12月23日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で東京ドーム公演の主題歌、星野源さんの『おともだち』についてトーク。「別に好きとかじゃない。波の数がたまたま合うだけ」という歌詞について話していました。
星野源『おともだち』というタイトルを付けた理由を語る
星野源さんが2023年12月12日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でオードリーの東京ドーム公演主題歌『おともだち』についてトーク。『おともだち』というタイトルをつけた理由を話していました。
星野源『おともだち』に込めたオードリーへの思いを語る
星野源さんが2023年12月5日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でオードリーのオールナイトニッポン in 東京ドームの主題歌『おともだち』をオンエアー。曲に込めたオードリーへの思いを話していました。
オードリー 東京ドーム公演主題歌・星野源『おともだち』を語る
オードリーのお二人が2023年12月2日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で星野源さんがオードリーの東京ドーム公演のために書き下ろした主題歌『おともだち』をはじめて聞き、その感想を話していました。
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