星野源さんが2021年3月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で第44回日本アカデミー賞授賞式を振り返り。岡田健史さんの新人賞受賞スピーチなどについて話していました。
(星野源)さあ、そしてアカデミー賞の話をしますよ。私、星野源、第44回日本アカデミー賞にて優秀助演男優賞をいただきました! ありがとうございます。昨年、話題賞でですね、俳優部門で。僕、『引っ越し大名』のお芝居で話題賞をいただきまして。なんですけど、いわゆる俳優の賞っていうのかな? そういうものだと新人賞を7年前に僕、いただきまして。『箱入り息子の恋』とあと、『地獄でなぜ悪い』という映画で。
で、その俳優賞として舞台に上がるのが7年ぶりで。僕、助演男優賞をいただきまして、本当にありがとうございます。『罪の声』という映画で。もうすぐBlu-rayが出ますけれども。で、あとは話題賞のプレゼンターも務めさせていただきまして。その放送もあったということで。メールが来ております。東京都の方。
「先日の日本アカデミー賞授賞式、テレビで拝見しました。改めまして優秀助演男優賞、おめでとうございます。『罪の声』、何度も見させていただきました。本当に素晴らしい映画でした。選ばれし者だけが立てる晴れやかな授賞式に登壇された源さんを見て、こちらまで誇らしい気持ちになりました。同じ作品で宇野祥平さんとご一緒の受賞も『罪の声』ファンとしては本当に嬉しく、感動しました」と。ありがとうございます。
そうですね。宇野さん。共演者の方は本当に素晴らしいお芝居をいつもされていてですね。『罪の声』でももうたくさんの賞を受賞されておりまして。で、同じ作品の中で助演男優賞が2人、登壇するっていうのもなかなかないと思うので。それも、なんというかチームとして、同じチームでこんなにたくさんの賞をいただいているというのも本当に嬉しいですよね。
だから、なんだろうな? 仲間とまた会えたみたいな感じがしましたね。いや、本当に楽しかったです。で、続いて。東京都の21歳の方。「先日のアカデミー賞授賞式、テレビで拝見しました。各賞に『罪の声』の方たちが選出されていて、いろんな面で輝く人たちがいる映画なんだなと改めて思い、2回も映画館で見ることができたことが嬉しく思えました。また、岡田健史くんがコメントしてる時に、源さんがニヤニヤしながら見ているのが映り、私も思わずニヤニヤしました。健史くんといろんな話をしたとのことでしたが、どんなお話をしたのでしょうか?」という(笑)。
いや、僕は『MIU404』というドラマで健史と一緒になりまして。健史は九重という役で出ていましたけども。それ以来だったのかな? だからすごく久しぶりに会ったんですよ。で、授賞式が始まる前に「おお、久しぶり! 元気?」なんつって。もう、大活躍ですから。「いつも見ているよ」なんて話をして。で、授賞式が始まって。それで彼は新人賞だったんです。で、新人賞ってね、当たり前ですけども緊張する場なんですよ。
で、新人賞って何人もいて。で、コメントが1人30秒なんですよ。決まっているの。で、「長くしゃべらないでくださいね」っていうのを新人賞だけじゃなくて各賞のスピーチ
をする方も予め、式が始まる前に説明されるんです。で、「お礼とかをすごく言いたい気持ちもすごくわかるのですが、どうしても長くなってしまうので、申し訳ないんですけども、省いていただいてスピーチをしていただけると幸いです」みたいに言われていて。
だからやっぱり、どうしても基本的には感謝の言葉しかないわけじゃん。受賞して嬉しいっていうことの中でさ。だけどそれ以外ってなると、何を話そうかと。しかも30秒だけってなるとさ、考えるんだけど。考えても仕方ないから、僕はあんまり考えないで行ったんですけども。で、いろんなスピーチがあって、基本的にはみんな、真面目でさ。当たり前だけども、「すごく嬉しい」とか「誇らしい」っていうような顔で皆さん、メッセージを言うんだけども。
健史がね……第一声が、正確にはあんまり覚えてないんだけども。「かの落合博満は言いました」というところから始まって。その……(笑)。俺、いた会場は別だったのよ。授賞式の舞台がある会場にはお客さんが入っていたので。僕ら受賞者のテーブルはいつもはお客さんと同じ会場なんだけども、今回は隣の会場だったんです。だから、登壇している人たちは基本的にはでっかい画面で見ていたんですよ。スクリーンで。
だから、自分の声は基本的には抜かれないけども。隣としゃべったりしながらその画面を見るっていうような感じ。人の邪魔にあんまりならないから。で、その健史がしゃべりだした瞬間に「おい、健史、どうした? どうした、どうした? 健史、大丈夫か? 大丈夫か、健史?」って(笑)。もうずっと……「おい、やってんな! やってんな、大丈夫か? おい、健史、大丈夫か?」って(笑)。いやー、面白かった(笑)。
「おい、健史! やってんな、大丈夫か?」(星野源)
初めての日本アカデミー賞新人俳優賞受賞でしっかり考えてきたスピーチを一生懸命話す岡田健史とそれを親のような表情で優しく見守る星野源の関係性、控えめに言って愛してる pic.twitter.com/59q4TFQk8B
— 蓮子 (@renko__chan) March 19, 2021
(星野源)で、その……俺は健史を知っているじゃない? 基本的に、そのプライベートな健史を知っているからさ。でも、会場の人はみんな、めちゃくちゃ真面目に受け取るじゃない? 当たり前だけどさ。真面目に受け取るし、「すごい真剣に考えてきて。それであの感じなんだ」って思うと思うんだよ。テレビを見ている人も。「若い子がすごい一生懸命に考えてきて、すごい一生懸命にしゃべっている」って思うじゃん?(笑)。
で、案の定、みんなピキーッとなっていて(笑)。それで、放送も見たんだけども俺、めちゃくちゃニヤニヤしていて(笑)。だからあのショットは俺が一通り、「おい、健史! 健史!」って言い終わった後のニコニコで。で、それが全部終わった後に健史がいたから。「健史……すごかったな、あのスピーチ」って言ったら「源さーん! めちゃくちゃ滑りました!」って言っていて(笑)。「やっぱりウケ狙いだったのね!」って思って。いや、そうなんですよ(笑)。面白かったー。
だから……もしかしたら僕、ニコニコしていたから、ファンの方は「真面目に話しているのになんかニコニコしやがって」って思われるのかなとも思いつつ。でもあれ、本人がユーモアも含めて考えたことなんです(笑)。「もう、誰も笑ってくれませんでした!」って言っていて。「そりゃそうだよ、あのタイミングで!」っていう。でも、すげえ面白かったのがあれって30秒じゃん? なのに「あれ、元々は5分あったんですよ」って言っていて(笑)。「5分!? すごいね! 30秒でまとめるの、大変だったでしょう?」なんて。そういうのも含めて、非常に嬉しい再会でしたね。いやー、面白いよ。あいつは。いつかこの番組に来てほしいですね。
(寺坂直毅)完全版、やってほしいですね(笑)。
(星野源)フハハハハハハハハッ! えっ、じゃあスペシャルウィーク、それにする? 「岡田健史、スピーチ完全版」って(笑)。たしかにちょっと聞きたいんだよね。だって4分30秒、削ったんだよ? 相当削ったよね? いやー、でも、そうですね。
4分30秒、削ったスピーチ
「(受賞は)大変光栄なことではありますが、私自身、数年前の出来事であり、一喜一憂することなく、明日をどう生きるのか、今取り組んでいる作品の中での役割をどう果たすのか、目の前の刹那と向き合えるような役者でありたいです。」#日本アカデミー44 #日本アカデミー賞
— 日本アカデミー賞協会 (@japanacademy) March 19, 2021
(星野源)あと、菅田将暉くんとも久しぶりに会いまして。菅田くんも会った瞬間に「おお、菅田……」っつって(笑)。「ありがとう。ラジオで反応してくれて」っていう話をまずして。「いやー、源さん、すいません」みたいな。
(星野源)でも菅田くんが言った言葉を僕はちゃんと記憶していますから。「源さん、俺、『くだらないの中に』、諦めてはいないですからね」って一言を。じゃあ、いつかね。近いうちにスペシャルウィークで『くだらないの中に』選手権をちょっとやりたいと思いますが……。
<書き起こしおわり>