星野源 心の中のマイ土井善晴が「ええんやで」と肯定してくれる話

星野源 土井善晴流の味噌汁で生き方が変わってきた話 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年5月2日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で料理をしている際、ちょっと雑なことをしても自分の心の中の土井善晴さんが「ええんやで」と肯定してくれるという話をしていました。

(星野源)で、先週はあれですよ。ゴールデンウィークになるからっつって。みんながね、おすすめスポットを送ってくれたんですよ。で、今、ゴールデンウィークなんでしょう? ゴールデンウィーク真っ只中らしいじゃないですか。もう全くわからないです。もう何の実感もない。だから結局、どこも行けてないんですよ。おすすめしてくれた場所。

なんだっけ? あのりんごジュースのところとかだけ、行きたいなと思ったけど、行けてないですね。行けなさそう。このままでは(笑)。で、何をしてたか?っていうと、基本的に仕事でね。で、外に出る仕事と、あとはもう家で作業をずっとしなきゃいけないっていうのがありまして。基本的にずっと家で、パソコンの前にまだいるんですよ(笑)。だからもう、ずっとそんな感じなんですけど。

だからとにかく一番遠出をしたんです。この間。あの、ローソンなんですけど(笑)。近所のね、ローソン……ハシゴしたんですよ。ローソンとセブンイレブンをね(笑)。だから、非常に楽しかったですけども。お菓子を買ったりして。それが結構ね、一番の遠出でしたね。

で、「最近、何してるかな?」って思った時に僕、すごい料理が楽しくって。今、ほぼ毎日料理を作ってるんですよ。スーパーとかでね……ああ、スーパーもあったわ! スーパーに行って、ちょっと野菜とかお肉とか、買ってきて。で、あんまり「これを作ろう」っていう感じじゃなくて、とにかく目についたものをとりあえず買って。そこから家に帰って、ご飯時になったら作るみたいな。

で、何回か作って。クックパッドがあるじゃないですか。あと、本とかのね、レシピ。そのレシピで「大さじ1杯」とか、いろいろ書いてあるよね。で、測るわけ。測ってやっていくんだけども、この間作ったやつで、たとえばお醤油とか、あとお酒ね。みりんとか、そういうの、あるじゃない? それを大さじ1、大さじ1ってやっていって。それで「マヨネーズ大さじ1」っていうのがあるわけ。それでやっていくんだけど、大さじ1、大さじ1……ってやっていった時に、マヨネーズもその大さじのスプーンに入れるのね。

そうするとさ、出てこないわけ。なんていうの? その大さじの中にさ、マヨが止まるわけさ。で、ガンガンガンガンッ!ってやると、やっと出るんだけど。でもやっぱりなんか100%、出切ってない感じがして。「うーん……」と思って。しかもその後に「砂糖大さじ1杯」とか来ると、もう……なんて言えばいいの? トッピングみたいになるわけ(笑)。大さじに対してマヨが生クリームみたいな感じで。その上にシュガーをトッピングするみたいな感じになって。それ自体が何かの食べ物みたいになっちゃうわけ(笑)。

で、これを聞いている料理を毎日作ってる方は「もっとこうしろ」みたいなのをたぶん一瞬でね。「それ、順番を変えりゃいいだけじゃないか」とか、いろいろあると思うんだけど。まあまあまあ……まあ、落ち着け。落ち着いてくれ(笑)。それで、それをなんか、ふと思ったんだけども。なんか考えるっていうよりかは「ああ……」ってなって。で、1回、洗うわけ。洗って、なんか拭いて。その大さじがね、ひとつしかないから。もう1個、買えばいいとは思うんだけど。だからそれを洗って。で、吹かないと砂糖がさ、またトッピングになっちゃうじゃない? 

それで砂糖を計って入れるじゃん? で、それはまあ、普通に美味しくできたわけ。なんだけどまたそれっぽいメニューが……マヨネーズ大さじ1っていうメニューになったのよ。だから野菜とか肉がね、なんて言えばいいんだろう? 1回で使い切れなかったりするじゃん? で、なんとなく……僕、元々実家が八百屋さんなんですけど。だから、なんでかわかんないけど、野菜はデカいので買いたいわけよ。その、切られている方が便利だったりするんだけど。なんとなく、ゴソッと買って切って、それで使っていきたいんですけど。

で、やっぱり1回では使い切れないから、また次の日も同じ野菜と肉で違う料理を作るみたいなのが楽しくて。でもその流れをやっていた時にまた、マヨが来て。その時に、もうなんにも考えてないんだけど。やっていて気づいたんだけど。そんなもう、洗って……っていうのが面倒くさいっていうか。まあ、わざわざ洗うのも、水もちょっともったいないしっていうかさ。水も高いからさ。あと、拭くのもあれだし。で、やってふと気づいたのは大さじ……醤油とみりんを入れて。それでマヨを右手に持って、スプーンを左手に持つんだけど。そのスプーンの中にマヨを入れるんじゃなくて、スプーンの横に1杯分であろうマヨを想像しながら、ただただ下に落とすっていうのをやったの(笑)。

その、これ、意味わかる? スプーンの上にのせちゃうと、取れないから。マヨがスプーンの中に残っちゃうから。スプーンの右にもう1個、スプーンを想像するわけ。出現させて、その中にマヨを同じぐらい入れるっていうのをやるわけ。「これ、いいな」と(笑)。で、さらに数日後にまたマヨが……もう、どんだけマヨが好きなんだよ?っていう話なんだけども。またマヨおかずを作ったわけ。で、その時、もう自然とね。なんにも考えてないで自然と、もう今度は大さじも持たずに、もうエアさじで(笑)。でも、手で持っているんだよ? 手でエアさじは持って、その大さじにちょうど入るぐらいのマヨを入れるっていうのをやってたの。

でもなんか、やっぱりそこには明確にレシピが書いてあるわけでしょう? で、不安になるわけ。「これはレシピ通りじゃないのではないか?」って。で、「実際にこの握りしめてるマヨはちゃんと1杯分なのであろうか?」って思うんだけど。その度に、ふわーって俺の横に半透明の土井善晴が出てきて。「ええんやで」って言ってくれるの(笑)。「ええやないですか」って言ってくれるの。で、ふわっと消えるわけ。「そうですよね、土井さん!」って。

「ええんやで」「そうですよね、土井さん!」

(星野源)で、その料理を作るたびに……この番組にもねゲストに来てくれた土井善晴さんがいつも言ってることは「もうほぼ、計量なんてしなくてええんです。感覚で作って。それで失敗してもええんです」っていう。でも、ちょっとひとつ思うのは、やっぱりあれって基礎がバッチバチにできている土井さんだからこそ言える言葉でもあるじゃない?

で、自分は基礎ができてないから。その基礎を学ぶ……本当は学んでからの方がいいのかもしれないなと思いつつも、でもやっぱり面倒くさいなってなって、そういう行動に出てしまうわけ。雰囲気でちょっとやってみちゃったりとか。でもその度に、俺のスタンドっていうか、その土井さんがふわっと出てきて。「ええんやで」って言ってくれるんだよ。

そういう人、すごい大事だなと思って。なんか、なにかに縛られそうになるじゃな? なんでも。それで今さ、たとえばネットでもニュースでもさ、「○○しないための△△」みたいな。その、損をすることを異様に嫌う感じがやっぱりあるじゃない? 「失敗しないための○○」とかさ。なんか、もちろん失敗したくないんだけど。日々さ、たとえばネットとかで文字に晒されたりするとさ、やっぱり「失敗しちゃいけないんだ」っていう気持ちになってくるっていうか。どんどん洗脳されてくる感じがあるじゃん?

でもなんか、「失敗してもいいんだよ」っていうのと、「それでいいじゃん」って言ってくれる人が現実にそこにはいなくても、その土井さん……俺の中の土井さんが。マイ善晴がふわっと出てきてくれるっていうのはすごい大事だなと思って。それで今日、今までと何が違うか?っていうとね、この番組、ディレクターが変わったんですよ。今までは野上くんっていう、あの、なんて言えばいいんですかね? 変な人がディレクターをやってくれててね。

AD時代は全種類のミスをするっていう。それでもう、面白がられて、どんどん人気者になっていって。でもどんどん自分で力をつけていき。そうやって揉まれながらね。で、全力でね、いろんなことに挑み。で、偉いポジションにね、ちょっと昇進というか、して。それでこの番組を離れるわけですね。違う番組ね、ナイツさんの番組のチーフみたいなポジションに行くんですけど。

それで今までADとして頑張ってくれていた落合くんがね、今日からディレクターなんですよ。それで落合くんが今日、その打ち合わせの会議室に入ってきた瞬間からめちゃめちゃ緊張してるわけ。で、なんかもう、口数がすごい多いの。いつも、割と落合くんって静かなんだけど。結構しゃべりかけてくれたりして。なんて言うのかな? 早速、フォームを崩してるわけ(笑)。落合くんが。

でも、それがすごいかわいいし。そういうのって、すごいいいじゃん? なんていうか、緊張して「うわーっ!」ってなっているのとか、大事だし。そういう時期があるから、その後の緊張しない時期があるわけであって。緊張しちゃいけないとかは、ないわけですよ。だからなんかすごい微笑ましいんだけど。ただひとつ覚えておいてほしいのは「あなたの前にやっていたディレクターは野上ですよ」と。全ミスをしてきて、乗り越えてきた人だから。もし、なんかあった時はマイ野上を出現させればいいんですよ。そう。「いいんだよ、オチちゃん」って(笑)。

「いいんだよ、オチちゃん」(マイ野上)

(星野源)「いいんだよ、オチちゃん。俺もそれ、やったよ! 俺もそれ、やったけど、偉いポジションに行ってるから!」っていう。それは、だから聞いてるあなたも自分を許してくれる……でさ、自分で自分にそれをやるって、結構難しいのよ。なんか、よく言うじゃん? 「自分を愛しなさい」とかさ、言うじゃん? でも、すごい難しいじゃん? 自分を……まあ、元々ポジティブな人だったらいいんだけど。「自分を愛しなさい」って言われても「いやー……?」みたいな。だから人のことを褒めたりとかはできるけど、自分のことはなかなか褒められないみたいな。

だから、誰か仮定でそういうのを作っちゃうっていうのはすごいいいなと思ったんですよ。だから一応、野上くんは今日、監修でまだいるんだけども。SE、録っておいてもらっていいですか? 「いいんだよ、オチちゃん!」っていうSEを(笑)。なにか、落合くんがやった時に、落合くんが自分でそれをポン出しして出現させられるように(笑)。ぜひ、後でちょっと録音してみてください(笑)。なんで今日はね、ある意味リニューアルではありますけども。特に何も変わらない、いつもの星野源のオールナイトニッポンを今日も3時までよろしくお願いします。星野源のオールナイトニッポン!

(中略)

(星野源)先ほど料理をね、よくしてるっていう話の中で、なにかちょっと怠けたりとか、ちょっといい加減なことをしちゃった時に、俺の中の土井善晴がふわっと出てきて。スタンドとしてね、土井さんが出てきて「ええんやで」って言ってくれるっていう話をしたんですけど。ちょっと、メール来ましたね。

岡山県の方。「僕はこの前、前日に野菜を一度切っただけのまな板をそのまま使おうとした時、半透明の土井さんが『それはさすがに洗わなあかん』とささやいてくれたおかげで、思いとどまることができました」(笑)。ちょっと待って? いるんだね。いろんな人の中に土井さんがいるんですね。もうだから、すごい料理研究家ですよね。「まずくったっていい」っていうことを言ってくれる、数少ない料理研究家の方ですよね。

福岡県の方。「僕のそばにいる土井善晴さん……」。アハハハハハハハハッ! ちょっと、これはもう日本全国にいるな? 「僕のそばにいる土井善晴さんはオムライスを作っている時に現れてくれます。チキンライスを作る時にケチャップの量が微妙で『ああ、ちょっと多かったかな?』とか、『ちょっとバランスをミスったな』という時、土井さんが僕の耳元で『ええんやで』とささやいてくれるので、いつも美味しく食べられます。特に卵が半熟トロトロにならなくて落ち込んでいる時は『次、頑張ったらええやん』と応援してくれます」。

なるほど! これは、いいね。いや、たしかにさ、ケチャップの量が微妙って別にさ、本当にその人の裁量だし。間違いなんてないのに「ああっ!」と思っちゃったりするよね? 自分で食べるだけだったとしても、「ああっ!」みたいな。へー。なんか、いいね、トロトロを頑張るって。まださ、オムライスに挑戦をしたことがないの。しかもトロトロのね。大変そうだね、やりたいとは思っています。

<書き起こしおわり>

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