星野源 土井善晴流の味噌汁で生き方が変わってきた話

星野源 土井善晴流の味噌汁で生き方が変わってきた話 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんと土井善晴さんが2022年12月20日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で味噌汁についてトーク。星野さんが土井善晴さん流の味噌汁を作るようになってから、自分自身の生き方まで変わってきたと話していました。

(星野源)あの、なぜ「来ていただきたいな」と思ったかと言いますと、僕は今年、新型コロナウイルスにかかって。夏ぐらいかかったんですけど。それが10日間ぐらいで治ったんですけど、そっから結構1、2ヶ月、抑うつ状態が続いていて。かなり厳しかったんです。

(土井善晴)そうですか……。

(星野源)その中で、でも仕事は毎日、何かしらあって。「元気出さなきゃ!」と思って。すごいデカい肉を食べてみたり。ショック療法でめちゃめちゃ辛いもの食べてみたり、いろいろ食べて。とにかく元気を出さなきゃと思って、やっていたんですけど。それで結構、体も……まあ、たぶん食が合ってなかったんだと思うんですよね。それでちょっとガタガタになっちゃって。「俺、間違ったな」と思って。

そんな中で、土井さんの『一汁一菜でよいという提案』の本を知って。「読んでみよう」と思って、買って読んで。その中に、お味噌汁の作り方が載ってたじゃないですか。で、その文章自体もものすごく面白いのと、それと作り方が書いてあって。でも、その作り方はレシピじゃなくて。その時にある、入れたいものをお碗に入れて……。

(土井善晴)お椀に具を入れてね。

(星野源)それを鍋に入れて。

(土井善晴)それでお椀に水を1杯、入れて。

(星野源)2人分作る時は、それぞれの水をちょっと少なくして。

(土井善晴)2人分やったら2杯、入れて……っていう。

(星野源)それで味噌を入れるだけ。

(土井善晴)沸騰したら、もう味噌を溶いて。それであとはいい加減に煮込んだらいいという。

(星野源)それで食べたらもう、なんていうんですかね? 「うわーっ!」って。「すごい美味しい!」って思って。染みわたる感じ、みたいな。

(土井善晴)いや、ほんまにね、美味しいんですよ。嘘やなしに、美味しいんですよ。でも、「何でも入れたらええねん」と言いながら、何でも入れて飲む人は、なかなか少ないんですよ。

(星野源)そうなんですよね。

なにを入れても美味しい味噌汁

(土井善晴)意外と、だから味噌汁って固定観念を持ってて。豆腐にワカメとかね。決まった、今まで子供の時からお決まりの……っていう。それ以外のものって、なんか抵抗感があって。ピーマンを入れたら「ピーマンって、入れていいんですか?」って。「えっ、なんで入れたらあかんの?」ってこっちが聞きたいわ、みたいな話ですよ。それはもう、種も一緒に入れて……みたいな話ですよ。

(星野源)僕、それを食べた時にもう美味しくて。それまで、僕は味噌汁ってなんとなく、いわゆる出汁を……粉の出汁からやったりとかしてた時代からの、「いや、こだわろう」と思って出汁パックでちゃんと出汁を出して。そういうのやらねば! みたいなのを思っていたんですよ。でも、それもこの本を読んだら「出汁もなくていい」みたいな。まあ、肉があったりとか、練り物とか、そういうものから……。

(土井善晴)あらゆるものからね、水溶液いうのが出るから。どんなものでも、出てくるんですよ。野菜からでも。

(星野源)そしたら「うわっ、こんなに美味しいんだ!」と思ってね(笑)。

(土井善晴)皆さん、想像を超えた美味しさがあるんですよ。だから、なんでもかんでも入れたら、めちゃめちゃ美味しいんですよ。箸が立つほど。

(星野源)それで僕、その前の日のフライドチキンがあったので。ちょっとそれを割いて、入れたんですよ。

(土井善晴)偉いな。割くだけ偉いですね。

(星野源)そしたら、めちゃくちゃ美味しかったんです。びっくりするぐらい美味しくて。胡椒が味噌と合って。それを、なんかその時の仕事でしゃべったら、Yahooニュースでものすごい取り上げられちゃって。でも、やっぱり皆さんの反応を……見てないけど。たぶんそれだけが反応があるってことは、それは拒否反応なんだろうなと思って。だから「なんでも入れていい」っていうのにやっぱり固定概念みたいなものが味噌汁にはあって。「味噌汁にフライドチキンを入れるなんて、変だ」っていうような思いがある人もいたんじゃないかなと思って。「いやいや、本当に美味しいんだけどな?」っていう。

(土井善晴)いやいや、まあ、いてたやろうけども。どっちかって言うたら、私もそうやったかもしれませんよね。 固定観念っていうのをずっと持って。みんな、「料理とはこういうもんだ」って。「インゲンはそのまま茹でて、後から切るんだ」とか「水にとるんだ」とかね、そういうようなセオリーいうのが、料理にはいっぱいあるんですよ。だから、インゲン豆みたいなものは沸騰したところに青いものは入れるとかね。それでないと、緑が残らないって。でも、味噌汁みたいに一杯分やったら、水からインゲン豆も入れてもええんですよ。すぐに沸騰するから。だから時間が、1人やったらあっという間にできるわけでしょう?

(星野源)すごい早いですよね。

(土井善晴)だけどもそれがね、まあ量が多いと、沸騰する時間がその分長くかかるんやったら、その場合は熱湯の中に入れなあかんとか。だから、そういう約束事って、人数が1人分とか2人分とか。まあ子供が1人いてるぐらいだったら、あっという間にできるんですよ。だから、時間的なことっていうのが全然セオリーとは反してても大丈夫。だから、お弁当なんか、言うたらめっちゃ簡単に、あっという間にできるんですよ。それはね、私、自分でね、そういうような料理はしてなかったけども。お母さんが子供のためにお料理するじゃないですか? うちの妻が料理をする。めちゃめちゃ早いんですよ。信じられへんって。そこから、習うんですよ。

(星野源)なるほど。そうですか。

(土井善晴)それはね、まあ言うたら夏の枝豆とか。言うたらハサミで切って、そして洗って塩もみして。すり鉢に入れてザラザラしてうぶ毛を取って。それでその塩ごと茹でんねん、みたいなの、あるじゃないですか。それがね、ほんまに人間は忙しかったら、そんなプロセスはいらないんですよ。枝豆いうのはなんで枝豆っていうか? 枝ごと売ってるからですよ。根から売ってない。根はその時はついてなかったけども。沸騰したところに枝ごと入れて。

(星野源)ボンと入れていいんですね。

(土井善晴)私でさえ、ええと思ってなかったことを、それをやられて、その時に私は「彼女は天才や!」って思ったのよね。だからそれぐらいに自分たちが固定観念いうようなものに……でも、それは生活にあるもんやからね。本当にね、自由に考えたらよろしいねんっていう話ですね。そうしたらみんな、答えがわかっている。私なんかなにも、どこかに書いてあったのではなくて、自分で考えたことばっかりやってるわけでしょう? 本当に考えたら、料理ってできるんですよ。「どうしようかな?」って思うことやね。「ジャガイモ、ご機嫌かな?」って思ったり。そんな感じですよね。

(星野源)その食材とか、そういったもののことをすごい考えたりとか。それで、味噌汁をすごい作るようになって。そこから……この話をすごい聞きたかったんですけど。その「和食の初期化」っていう言葉がすごい好きで。「なるほど!」って思ったんですけど。でも、「味噌汁を作って食べる」っていうのが自分の一番のなんていうか、スタート地点みたいになったんですね。で、そこからいろんなところに……僕は人前にガンと出る仕事でもあるんで。いろんなものにさらされるんですけど。

そこに味噌汁があるんだって……家に帰って味噌汁を作ったり、作ってもらったりして食べるっていう。なんかそこが自分の帰ってくるところみたいな。その初期地点みたいなところを作ってもらえてから、自分のその生き方みたいなところまで、ものすごく変わってきたんですよね。

「味噌汁」という帰る場所ができた

(土井善晴)いや、それはほんまなんですよ。だから、世の中って喧騒の中でね、いろんなもん、ごちゃごちゃした、ややこしいというか。いくらご機嫌にしてても、出かけてなんかイライラしてみたり。そういうような自分のストレス、負担がかかるようなものでいっぱいなんですよ。で、そのことを、自分で味噌汁を作って。お膳にご飯と味噌汁、漬物とかね、一汁一菜っていうような……それは何か?っていうたら、「秩序」なんですよ。だから「元に戻す」ということ。だから、家の中を掃除するとか。汚れたら掃除する。机の上が散らかってたら、なんかイライラするじゃないですか。

(星野源)そうですね。

(土井善晴)でも、綺麗にするということは、秩序を取り戻すいうことですね。それが、味噌汁みたいなものがあると、自分の生活をいつも、きちっと元に戻すという作業が入ってるから、自分を取り戻せるんですよ。

(星野源)その感じが本当にあって。それをすごく、わかりやすい言葉でこの本は書かれているじゃないですか。で、今回聞きたかったのは、土井さんってお父さんが料理のものすごい有名な方で。そこからフランス料理を修行されに行ったり。日本に戻ってきて、味吉兆で修行をされて。で、その後、自分のこのスタイルというものにたどり着くわけじゃないですか。で、ちっちゃい頃から料理っていうものをお仕事にされてるお父さんがいて。それをまた、その「料理を仕事にしよう」と思ったところからの和食の初期化っていうところにたどり着くまでって、どんな道だったのかな?っていうのをすごく聞きたいんですよ。

<書き起こしおわり>

土井善晴「和食の初期化」に至るまでの道のりを語る
土井善晴さんが2022年12月20日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で「和食の初期化」という考えに至るまでの道のりについて、星野源さんと話していました。
星野源 土井善晴の本の影響でフライドチキン味噌汁を作った話
星野源さんが2022年9月20日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でUCCの新CM発表会に出演したことを紹介。その中でした味噌汁の具の話から、土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』を読んでフライドチキン味噌汁を作ってみた話をしていました。
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