稲垣吾郎さんが2023年4月3日放送のTOKYO FM『THE TRAD』の中で亡くなった坂本龍一さんを追悼していました。
(吉田明世)そして今日は早速なんですが、音楽界から悲しい、そして大きなニュースがありました。かねてより闘病されていた坂本龍一さんが3月28日、71歳で亡くなりました。TOKYO FMでは朝の『ONE MORNING』から坂本龍一さんの名曲を、それぞれの番組でお届けしています。
(稲垣吾郎)はい。坂本龍一さん。僕はですね、1994年頃にはじめてお会いしてから、本当にかわいがってくださって。親しく交流させていただいてですね。雑誌の対談とか、あとは番組の共演、コンサートも誘っていただいたり。僕の舞台にね、来てくださったこともあったんですけれども。
当時まだね、20代前半だった僕はグループとして活動はしていたんですけど。個人的にはまだ、そんなに自信もなくて。いろんなことに迷っていた時期でもあったんですけれども。そんな時に坂本さんから僕は1通の手紙をいただいたんですね。その中で「稲垣くん、君は何かに迷っている感じ……地面からなんか数センチ、体が浮いていて。ちょっとふわふわして浮遊してる感じもまた、それも君の魅力なんだよ」って言ってくださったことが本当に僕の励みになって。自信につながったんですね。
坂本龍一さんの手紙が自信につながった
(稲垣吾郎)その手紙というのを今でも、大切にしてるんですけれども。うん。まあ、その当時の教授と今、自分がね同じぐらいの年齢になったわけなんですけれども。そして今、こうやってね、『TRAD』という音楽番組も担当させていただいていて。改めて振り返ってみると、僕の好きな音楽……クラシックとかジャズとか、あとは電子音楽、ワールドミュージックなど、僕の音楽ルーツっていうのの原点はやっぱり、坂本龍一さんに全て繋がっていたのかもしれませんね。本当に、元気になられたらぜひ『TRAD』にお迎えしたかったのでね、残念でなりません。
あのね、こうやって話していてもまだ、気持ちに整理はつかないんですけれども。坂本龍一さんの所属事務所が発表したコメントにある、ご本人が大好きだったという「Art is long, Life is short.(人生は短いけれど、芸術は長く残る)」という。この言葉の通りにね、いつまでも教授が僕らに届けてくれた作品を大事に聞き続けて、そして多くの方に届けていきたいと思います。それではここで、坂本龍一さんを偲んで、僕の大好きなこの曲をお届けします。『parolibre』ピアノソロバージョン。
<書き起こしおわり>