佐久間宣行『東京 03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts』公演1日目を語る

オードリー若林『東京 03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館』を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2023年3月8日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で『東京 03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館』の公演1日目を振り返っていました。

(佐久間宣行)『FROLIC A HOLIC』、いろいろ細かく話していくと……ほんのちょっとネタバレもあるかもしれないから、お気をつけください。稽古は2月ぐらいから始まって。東京03とクリーピーは……特にR-指定はガッツリやってて。俺は4、5回参加しさせてもらったんだけど。それは、ここぐらいまでは言っていいと思うけど。俺の役割はラジオDJだったのね。ラジオDJで松永とお送りするとあるラジオがあって。それが、いろんなネタも……普通にラジオのブロックとしてネタを組むところもあるし。他のネタの縦軸みたいになるみたいなのもあって。

で、ある程度の自由さもあるんだけど、その代わり、要所要所で出てくるから、絶対間違えられないみたいな。結構長めの尺があった後、俺のところで落とさなきゃいけないとか。そういうのが結構あったから。「不安だな」って思いながらやってて。で、それまではずっと狭い、そこまで広くないリハ室でやっていて。リハ室に、1個はコントの演者。もう1個はバンド。で、そこをモニターで繋いでリハをずっとやっていたの。お互いカメラで見ながらやるっていう感じだったから。まあモニター上はばっちり合わせてはいたが、なんだけど、顔見てやるのが通し稽古が初めてで。

通し稽古の2日間だけ、武道館ほどの広さはないが、大きいホールを借りて。そこにバンドセットを全部置いて。で、「同じぐらいの大きさです」っていうことでそこで通し稽古を2日間やって。なんだけど、それも武道館と同じ広さは全然ないから。折り曲がってセットを置いて。コントセット、DJセット、バンドセットを折り曲げた形で置いて。「これ、マジでちゃんと合わせらるのは本番だけです」って。要は、武道館当日だけ。本番環境がね。だから「うわっ、怖っ!」って思っていて。

で、当日の朝。当日の朝、武道館に着いてまず、セットを見に行ったの。そしたらもう、すごかったよ。バンドセットがあって。そこから武道館のど真ん中に円形のコントセットがあって。そこから、さらにのびでDJセットがあって。縦位置で。だからバンドセットとDJセットがめちゃくちゃ遠いのよ。武道館の端と端だから。っていう、この状態で初めて「通しリハを今日、やります」って言われて。「うわっ、これが初の通しみたいなもんだな。そのまま本番か……これはチャレンジングだな」って思って。

なんでかっていうと、俺はまだいいんだけど。R-指定は音のきっかけで何回も動かなきゃいけないぐらい、ラップもコントもやんなきゃないから。それが今までの距離じゃないから。そのバンドメンバーと今まではちょっと目を合わせたりしながらできたのが、それが全然できないから。でも、それで本番でやっていくから。完全イヤモニもそこでやるから。それはすごいよなって思ったな。

で、まず現場に入ってセットだけ見たところで……俺、ちょっと早く入ったから。その後に「場所のツアーをやります。いろいろ場所、動線があるんで。そこを全部教えます。皆さん、絶対にステージ前に集合してください」って言われたんだけど。「ああ、それまでにちょっと時間あるな」と思って。で、制作スタッフ本部のところに行ったら、今回の稽古中ね、まずこんなこと言うことじゃないかもしれないけどね。常に東京03のケータリングが美味しいっていう。

東京03が常にパンとか、おにぎりとか、あとたこ焼きとか、銀だことか。そういうのを常に差し入れしてくれるのよ。座長だから。それがことごとく美味しい。だからもう、03のケータリングを食うっていうのが楽しみのひとつになっちゃっていて。で、そのケータリングの場所に行っのよ。で、俺はマジ歌とかワンデーのイベントしかやったことないから、そんな時でも普通はロケ弁なのよ。なのに、もうそのもケータリングにホットミールの人たちが全部いて。で、そのホットミールがもうさ、美味しくて。温かいやつを作ってくれててさ。それを全部、入れてくれて。「これ、美味いな!」っていう状態で、それを食べて。

で、その楽屋のツアーの前に……普通はお昼に出るんだけど、その午前中の段階からもう全部、準備してくれていて。ツアー行く前にもう、お腹いっぱいなって。ちょっと眠くなっちゃって(笑)。ちょっとテンションが落ちた状態で、みんながステージに集められて。で、ステージに集められて何をやるか?っていうと、演者の皆さんが全部、出口が全然違うのよ。バンドセットから出る人もいるし、センターステージから出る人もいるし。で、「センターステージから出る人は、バンドセットの裏のトロッコに乗って登場します」とかって。全部細かくやってくれるの。

で、その全部細かくやってるの全部聞いてたんだけど。途中で進行の人が「すいません、佐久間さん。佐久間さんの出口は端っこの1ヶ所だけなんで、この説明全然意味なかったです」って言われて(笑)。「佐久間さん、いなくて大丈夫です。佐久間さんの出口はラジオDJブースの反対側の5番出口っていうところから1回だけ出てきて、そこに戻るだけです。佐久間さんの動線はそれだけです」って言われて。「ああ、わかりました」っつって。

で、その後に「皆さんのイヤモニと音声のチェックします」って言われて。イヤモニつけながら「音声、聞こえますか?」っていうのをやっていたのよ。で、R-指定が細かくさ、「あそこを出してください」とかでやってるのよ。ミュージシャンだからね。東京03とかも音楽と乗るコントがあるから。その時には、イヤモニつけてやるからっていう風に全部、やっていて。俺も最後の最後にチェックしたんだけど。音声さんから「佐久間さんはバンドセットが乗ってる時にしゃべることがなかったんで、イヤモニも必要ありませんでした」って言われて(笑)。

だから本当、ツアーとイヤモニが全部……みんな、そのために1時間半ぐらい集まってるのに。俺は何の意味もないってことが途中で発覚して(笑)。「わかりました。でも一応、記念なんでイヤホンつけてもいいですか?」って言って(笑)。で、諸々の準備が終わり、楽屋のAに戻り。さっき言った、年の功ということで一番いい楽屋に入れてもらったんだけど。で、そこから3時間半の通しリハ。改めてR-指定が……今までもすげえなと思ってたけど。武道館のセットで見るR-指定のすごさ。

武道館のセットで見るR-指定のすごさ

(佐久間宣行)バンドセットを全部従えて、そこで歌もやるけど。さらに、見た人はわかるかもしれないけども。30分ぐらいにも渡る、ラップとセリフが掛け合うミュージカルみたいな。ラップミュージカルみたいなのがあるんだよ。ブロードウェイのラップミュージカル『ハミルトン』を彷彿とさせるようなものがあって。コントの中で、普通にお芝居もするんだけど、心の中で思ってることはラップするみたいな。で、それが徐々にどんどんどんどん盛り上がってくる。

で、それが生バンド、ビッグバンドと合わせるの。絶対ずれるんだよ。絶対にずれるのをアイコンタクトでなんとかしていくんだよ。誰かがセリフを早く言ったりとかっていうのでやっていくから。それを俺、バチバチにDJブースで見てて。「とんでもねえな!」と思って。で、俺と松永が見てて。俺と松永はピンポイントの出番しかないから。通しリハでもちょっとR-指定のラップのやつとかと絡んだら、そのまま普通に5番出口というか、逆側の出口から出て。で、逆側の出口だからゆっくり反対側の楽屋まで戻っていかなきゃいけないから。松永と2人でしゃべる機会が何回もあるのね。

で、何回もそのRを見た後、楽屋に戻る時に松永が「R、エグいっすね!」って言い始めて。「あいつは今、全然知らない筋肉を誰かに無理やり成長させられてる気がする。R,は今、超サイヤ人にさせられてる途中なんじゃないか?」って言って。で、2人で「いや、本当にエグいよな」って言ってたりして。あと、また別で終わった時も「R、エグいっすね。あれは今、日本であいつしかできないんじゃねえかな?」って。毎回終わるたびに俺と松永で「R-指定がすごすぎる」って言って帰るっていうのをやってて。

で、そこで……3時間半の通しリハをやった時に、松永もそうなんだけど、俺もそこで初めて。それまではブロックでやっていて、通しといえど、同じ会場じゃなくて、照明とかも入ってなかったから、演出がわかんなかったの。で、演出を全部入れて初めて見たのがその当日の通しリハだったのね。で、そこで気づいたのよ。「えっ、これ、ここにあったのがこの伏線で、ここにあったのがこの伏線。で、この伏線はここで回収されて、時系列はこうなってて……ああ、こういう物語なんだ!」っていうのが全部すんなり、今ここで入ってきて。

「となると……これ、とんでもねえライブなんじゃねえか?」って、急に(笑)。たぶんR-指定もそこで気付いたっぽいんだよね。今までは自分のやつに必死で。で、お互いにみんな、自分のブロックに必死だったのが最初の最後の本番通しリハが終わった後に、みんなでしゃべっていて。「これ、すごいライブじゃないですか?」って……それぞれの部署、「R-指定のラップミュージカルがすごい」とか、そういうのはあったけど。「あれ? これ、すごくないすか? あとオークラさん、すごくないっすか?」って。今更(笑)。「あれ? これ、やばいっすね。ミスりたくないっすね」っていうのが通しリハが終わった時に全員気づいて。急に全員緊張するっていう。

通しリハが終わったら、普通はほっとするじゃん? それがなんか緊張し始めたのと、R-指定がその3時間半のリハを……まあ、リハは3時間ぐらいだけど。それが終わって。飯塚さんも……R-指定と飯塚さんが一番大変だから。それが終わった後、セット裏でとんでもなく疲れた顔で俺たちに向かって「えっ、これ、今から本番やんすか? マジっすか? えっ、今本番、終わりましたよね? 終わってないっすか? 今からやるんすか?」って言っていて(笑)。

よく考えたら3時間半の通しリハ、ゲネでR-指定のラップ歌劇……ねえ。何曲も歌うから。それを全部ひっくるめてもう1回やるっていう。普通、ミュージシャンって2ステはなかなかないじゃん? ミュージシャンってライブ2ステって、ないからね。だからもう、「そりゃ大変だよな」っていう。そんなのがあって、3時間のリハが終わった後、最後に若林くんのブロックのリハだけ始まって。

それは、基本はアドリブだから。本当にきっかけぐらいしかやらないんだけども。俺はね、1個気づいていたことがあって。若林が、すごい丁寧だったの。「ああ、わかりました。ここはやります。ここ、確認します」って。あの、「後でひどいことしてやろう」と思ってるやつって、リハが丁寧なんだよ(笑)。芸人って。後でぶち壊してやろうというか、後でなんかもっとすごいことやってやろうと思ってるやつはリハが丁寧で、猫かぶってるんだよ。完全にそれだったから。「このライブ、長くなるぞー」と思って(笑)。「こいつ、倍ぐらいやるぞー」と思いながら。丁寧に段取りを確認していく若林を見て。

で、しかも若林が「あれって使えるんですか?」とか、「えっ、バンドさんって急に音を鳴らそうとしたら、できるんですか?」とか、そのぐらいの確認だけしていくのよ。「こいつ、全部使うつもりだな」っていうのだけわかって。で、俺は関係なかったから、外でモニターで見てただけなんだけど。

で、本番が始まる前に、冒頭にも話したけど、俺の楽屋が広くて空いているのもあって。まず福田がやってきて。居場所がなくなって。いろんな人のどこの居場所にもいられない福田がやってきて。その後、他の人には緊張を見せられないオークラさんがやってきて。で、マネージャー陣とか、いろんなのの仕切りに疲れた石井プロデューサーもやってきて。おじさん4人で、オークラさんが「緊張する」っていうのを「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」って言いながらなだめつつ、その本番が始まったの。

で、不安だった冒頭のテンションみたいなのを、Creepy Nutsがポンとモニターに映った瞬間、歓声がブワーッて湧いて。その瞬間、俺もなんかほっとして。普通は楽屋で見てなきゃいけなかったんだけど。そこのシーンだけは生で見たいなと思って、ちょっと会場から覗いていて。それで見てたら俺の場所から演出のオークラさんの顔も見えるから。俺が見ていた関係者の他場所からね。それを見ていてオークラさんもほっとした顔をし始めたから「よし、これで始まった!」と思って。楽屋に戻って準備しながら。そこからもうね、1日目、雪崩のようにもう、ウケる、ウケるなんだよ。だから東京03のデカい箱も関係ないコントというか。ずっと培ってきたコントが大箱でも全然、笑いどころでしっかりウケていくし。

あととにかく、あのメンバーはやっぱり声が強いから。で、それをちゃんとスイッチングしていく映像チームと、R-指定の……これは本当見てもらわないとわかんないと思うからぜひ見てほしいんだけど。R-指定の……俺たちは「ラップ歌劇」って言っていたんだけども。R-指定のラップのミュージカルのブロックと、あとは松永のDJと、初日の佐倉綾音さんのトップ声優としてのすごみみたいのも全部。もうオークラさんが当て書きでバチバチに合わせていったものがガンガンウケていって。

で、みんなが言うであろう吉住の憑依芸。声ひとつで武道館を爆笑に持っていく……もう今回、憑依芸の演技力の女性の芸人さんとしては、日本トップなんじゃないかな?っていうぐらいのやつで。それでここでさ、オークラさんとかが来た時にみんな、「吉住、すごすぎませんか?」って言ったんだけど。「これ以上、言ったらハードル上がるかな」と思ったんだけど。稽古を見に行くたびに「いや、大丈夫だ。たぶん。もっと爆笑取るから」って思って。そんなことを言ってたんだけども、それがみんなにわかってもらえるぐらい、震えるぐらいの爆笑をガンガンに取ってくっていうのがあって。

吉住とR-指定が面白すぎる

(佐久間宣行)で、もう吉住とR-指定が面白すぎて。後半、俺がいるDJブースに吉住とR-指定が2人でやってきて掛け合いをするシーンがあるのよ。それがね、ほぼアドリブなの。全部アドリブなの。そのアドリブが稽古の時からもう面白かったんだけど。俺が見てない稽古の間に、それがもっと完成してたんだよ。それを俺がちょっとわかんなくて。俺、そこで合わせてないから。

で、本番でダントツ面白い掛け合いして。本当はもう絶対に笑っちゃいけないんだけど俺、爆笑しちゃって(笑)。役上はDJとして困ってなきゃいけないんだけど。まあ、ラジオの中だから笑っていても成立するんだけど、あまりにも面白くて。で、パッと松永を見たら、松永も爆笑してて(笑)。で、そこに飯塚さんとか佐倉綾音さんとか、いろんなキャラの登場人物も来て、面白くてエモい完結を迎えて。

まあ、その後も何展開かあるんだけど。それはぜひ見てほしいなと思うんだけど。それで1日目終わりました。で、俺は「なんか、すごい体験をしたんじゃないか? あれ? 俺の気のせいかな? 俺はすごい現場にいたんじゃないかとか?」と思ってたら、本番終わって。Creepy Nutsがエンディングテーマを歌ってる時に、俺は外でカーテンコールに回ってたら、外から回ってきた飯塚さんが俺の肩をガッと掴んで。バッと来て。「全部、うまくいきましたね。これ、すごいライブじゃないですか?」って。

そんなこと、言う人じゃないから。自分で自分のことを褒めるっていうか、たぶんこの全体のライブもそうなんだけど。っていうのを俺の背中で言ってくれた時に、「うーわ! 本当に東京03、やったな! よくやったな!」と思って。でも、初日で泣いたら意味わかんねえから、やめようと思って。で、飯塚さんに背中を見せたまま、そのカーテンコールが終わって。で、「今日、飲みに行っちゃうとたぶん同じテンションになっちゃう」と思って。誰とも飲みに行かずに、もうそのまま1人で家に帰って。それで、その2日目。ここまで、1日目の話ね。

で、2日目なんだよ。問題は。問題のあったのは2日目なんです。1日目はもう、最高でした。若林くんのに巻き込まれたりもしたけど、本当面白かった。で、完璧な1日目が終わりました。2日目です。

<書き起こしおわり>

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