立川志らくさんが2022年12月22日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』に出演。M-1グランプリ 2022を振り返りながら、最終決戦でさや香ではなくウエストランドを選んだ理由を話していました。
(塙宣之)やっぱりファーストラウンドは好みでつけて、最終決戦はもうウケた人をって、おっしゃってましたね?
(立川志らく)それが基本で。私の中ではその好みの中でも一応、80点をベースにして。5点満点で。「技術」……技術って、漫才の技術はわかんないけど、心地いいメロディーで流れてるかどうか。それから「笑い」。面白さ。あとは「衝撃」。それで最後は「魅力」。私がどれだけ、この人に惹かれたか?っていう。そうすると、その4項目で各5点が満点だと、80+20で100点になるんですよ。
(土屋伸之)なるほど。
(立川志らく)それでバーッと点数をつけて。「88点」だとか「90何点」だとかって出すっていう。
(土屋伸之)そうですね。項目を分けて。
(立川志らく)自分の中で聞きながら。一応、それで。で、最終決戦の時はもうとにかく、一番会場を沸かしていた人。「この人たちはきっとスターになるだろう」っていうのに。
最終決戦は、スターになりそうな人を押す
(塙宣之)その「スターになるだろう」ってよくおっしゃいますもんね。「あなたたち、絶対スターになるよ」ってね。その「スター」というのは、どういう感じなんですか? テレビにいっぱい出るとか?
(立川志らく)いや、だから輝いて見えるかどうか。だから5年連続、全部私、スターを外してないんですよね。
(塙宣之)結局入れた人、全部なっているっていう。
(立川志らく)全員、スターになっているんですよね。だからそこで、漫才のテクニック云々ではなくて。一番スター性があるだろうなって思う人にいつも入れるんですよ。
(土屋伸之)それがまたね、大会の格式でもありますからね。いや、すごいですね。
(塙宣之)それはすごいな。たしかにな。僕もやっぱりヨネダ2000が一番の高得点で……。
(立川志らく)そうなんだ(笑)。よく考えるとね……だから、さや香よりヨネダ2000の方が上っていうのは、おかしいんだよね(笑)。
(塙宣之)横にいて、全く同じことを思っていたから。志らく師匠が先にそのコメントを言ってくれて。「いや、同じだ!」と思って。自分でも「おかしいな? あれ? さや香よりも上になってる!」と思って。
(立川志らく)おかしいですよね(笑)。でも、やっぱりそれだけ魅力と衝撃があったっていう。私の点々の中でも魅力は5点満点。衝撃も5点満点。そうなっちゃうんですよね。そうすると、点数が上になっちゃうんですよ。
(土屋伸之)そうか。そうやって付ける人もいれば、「さっきはこのコンビが○点だったから、これぐらいかな」っていう風に比べながらつける人もいるっていう。
(立川志らく)松本さんみたいにね、1点刻みぐらいして。基準から上か下かでこうやるかっていう。すごく正確にね、それは点数が出るんですよね。
(塙宣之)さや香もでも、すごい面白かったじゃないですか。
(立川志らく)めちゃくちゃ面白かったですね。うん。
(塙宣之)やっぱりあれ、すごいですよね。技術も。
(立川志らく)技術もすごいし。ただ、私がさや香の点を少し引いたのは、結局そこで私の頭の中にダイマル・ラケットだとか、いとし・こいしだとか、やすきよだとか。そういった人たちが流れてきていて。「これを5点満点にしちゃうと、自分の否定になってしまう。あの人たちが満点ならば、もっともっと頑張らなきゃ……」っていうことで、3点ぐらいになっちゃうんですよ。
(土屋伸之)ああ、なるほど。すごい! そんなところと戦ってたわけですね。さや香は。
(立川志らく)そう。だから自分では5点にはできないんですよ。だから本当に申し訳ないなと思うんだけども。でも、現時点であれがトップだっていう風に他のレジェンドの漫才師たちが選んでくれれば、それで点はバランスが取れるだろうなって。
(塙宣之)でも、そこをちらつかせたさや香がすごいっていうことですね。そんなレジェンドたちを。
(立川志らく)そうそう。
(塙宣之)じゃあ、ウエストランドもやっぱツービートとか、そこらへんが……。
(立川志らく)爆笑問題とかね。私は人生幸朗の顔まで浮かんできました(笑)。
(塙宣之)ああ、ぼやき漫才の!
ツービート、爆笑問題などとの比較
(立川志らく)そう。そこと比較してどうなんだろうな?って思いながら。でも、ウエストランドは新しいやり方じゃないですか。普通、たけしさんだったらなんか毒ガスを吐くと「よしなさい!」ってなって止まるじゃないですか。でも、ウエストランドはそれを何回も同じことを言うじゃないですか。で、最後にまた戻っちゃったりするみたいな。「ああ、これは見たことがないな。これはたけしさんとか爆笑とかでは見たことがないやり方だ」って思って。
(塙宣之)一応、あるなしクイズにして。
(立川志らく)それで何回も「皆目見当違い!」って言ったりするでしょう? あれがリズムとしてもすごい心地よいんですよね。
(塙宣之)たしかに、たしかに。
<書き起こしおわり>