星野源『おんがくこうろん』ミッシー・エリオット回を振り返る

渡辺志保『星野源のおんがくこうろん』ミッシー・エリオット回を振り返る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年12月13日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でNHK Eテレ『星野源のおんがくこうろん』シーズン2、ミッシー・エリオット回を振り返っていました。

(星野源)そんなわけでですね、この間、土曜日。音楽教養番組『星野源のおんがくこうろん』第6回がオンエアーされました! 第6回はミッシー・エリオットを特集しましたが、メールが来てます。長崎県の方。「『おんがくこうろん』ミッシー・エリオット、超かっこよかったです。音楽はもちろん、MVも生き方も全てがかっこよくて、早くも尊敬と憧れを抱きました。意思に強さを感じ、意思は前のめりなのにプロデューサーとしては縁の下の力持ち的存在で、すごく力加減が理想的だなと思いました。音楽に詳しくないので、今更かと思われるかもしれませんが、本当に音楽って表現なんですね。ミッシー・エリオットを学ばせていただき感じました」。

ああ、なるほど。そうですね。音楽って表現だと思います。音楽……たとえば歌詞とかを除いた時に、言葉がないので……って思うと、なんていうんだろう? 受け取れるメッセージってね、なんかすごく限定されるように感じるかもしれないですけど。でもさ、よく考えたらさ、あんなにさ、言葉じゃないのに心を動かされるってすごいよね。たとえばさ、サウンドトラックとかさ、僕も映画のサウンドトラックとかをやらせてもらったことがあるけども。あれ、めちゃめちゃ予算が少ないんですよ。めちゃめちゃ予算が少なくて、みんなもう切り詰めたりとか、すごい頑張って作って。もう、いわゆる映画の一部分だからしょうがないんだけど。やっぱり音楽って本当にその場面のムードを決めるっていうかさ。

なんか、やっぱりすごい重要なことだし。こんなにその感情に訴えかけてくるもの。しかも、一瞬で。その音がポーンって鳴っただけでその感情に人を染められるって、やっぱりすごい表現だと思うんですよね。さらにそこに歌詞だったりとか、言葉が乗っかることによって相乗効果がすごいので。音楽って本当に面白いですし、奥が深いなと思います。

続いて。「先週に引き続き『おんがくこうろん』ミッシー、見ました。ミッシーは昔から大好きでアルバムを全部持っていたのですが、最近は聞いていなかったので、放送を機にミッシーのCDを全部取り出して、ファーストアルバムから聞き直してる最中です。やっぱりミッシー、最高です」。いや、いいよね。こういう風に知っていた方もですね、「もう1回、聞こう」みたいな気持ちになってくれるのは非常に嬉しいです。

東京都の方。「曲をいくつか聞いているので、ミッシー・エリオットのことを知ってると思っていたのに、何も知らなかったな。アメリカ社会と日本の社会は違うけど、苦しい生活から這い上がっているパワーの源をもっと知りたいなと思う衝撃回でした。とりあえずサブスクにある曲を全曲聞いて、歌詞も深堀りしてみようと思い、『そうか、これが田おこしされるということなのか』と改めて源さんの思いを知ることになったような気分です」という。

そうですね。ああ、これもうめちゃくちゃ嬉しいですね。やっぱり「聞きたくなる」とか、「知ってたけど知らなかった」とか、そういう風にまた改めてそのアーティストを見つめ直すような動機になれるって、非常に嬉しいですよね。なにが一番嬉しいか。そして目的かっていうと、これを見た人が能動的にその人の曲を調べて、自分で聞こうと思うっていうことですよね。で、それの入口。沼の入り口までとりあえずご案内するっていうようなことが番組の意図ですし。あと、結構自分がさらに大事だと思ってるのは、たとえばちっちゃい子供とか、たとえば音楽に興味がなかったとしても、あのパペットの動き、すごいじゃないですか? 本当に、本当に感情を込めてしゃべってるんですよ。

で、映ってないんかったんですけど。リゾのミッシー・エリオットについてのスピーチが出てくるところがあるんですよ。で、そこで僕はパペットの横で映像を見ながら、パペットをちょっとチラチラ見たりとか、映像を見たりとかしながら話を聞いてるわけですよ。映像をね、見ているわけなんですけど。そのパペットの動きが、泣く仕草をしてたんですよ。で、「ああ、泣いている」って思って。で、すごい感動的なVで、僕もグッと来たんですよ。胸がグッと詰まるっていうか。

そしたら、その収録終わった後に、僕には……もちろん、あれは生でしゃべっているんですよね。そのかいせついんの方々、中の人は。でも、僕からは見えないんです。ちょっとだけ遠くでしゃべっている。で、そのしゃべってる人の映像を見ないで、パペットの操演の方は動かしているんです。なんだけど、「私、あのシーンでちょっと泣いてしまいました」ってかいせついんの方が言っていて。でも、その泣いてしまっているところを操演の方は見ていないんですよ。でも、それがシンクロしてるんです。

かいせついんとパペットのシンクロ

(星野源)で、一応台本はあるんですけど、僕がしゃべることって書いてないんですよ。決まってないんで、僕はその場でしゃべってるし。かいせついんの方も、最低限の情報だけは進行には書いてあるんだけれども、僕もランダムで質問するので。あれは台本通りじゃ全然ないんですよ。だから突発的に答えることとか、あるんですけど。ボディーランゲージの動きがその時に初めて聞いて、初めて話すのにかいせついんとパペットの動きが一緒なんですよ。「すげえな!」って思うし。そういうのを見てもらうのもいいですし。

なんで、やっぱりものすごく目を引くじゃないですか。で、なんかよくわかんないし、音楽が流れてるのもわかんないけど、動きがかわいいから見るっていう子供も絶対にいると思うんですよ。で、その子がその後、たとえばミッシー・エリオットを言葉として認識しなかったとしても、その曲をその番組を見ていた時に聞いたっていうだけで、その後のヒップホップだったり、ミッシーがたとえば作った曲とか、プロデュースをした曲とか。その音楽を……音楽の中に遺伝子がかならず入っていて。で、その遺伝子って、聞いた人の中に残るんですよ。僕は『Pop Virus』っていう歌も作ってますけれども。

聞いた人の中に残る音楽の遺伝子

(星野源)それって、意外と消えなくて。なんか、「なんとなく今、この曲が好きだ」って思った時に、そのすごい元をたどると、「ああ、実はあの時に聞いてたんだ」とか、「関連するアーティストを聞いてたんだ」とか。「この人の影響を受けた日本のアーティストを聞いてたんだ」とかっていうことが絶対にあるんですよね。あと、なんか知らないけど「ミッシー・エリオット」っていう言葉の字面だけ覚えてるとか。あとは、なんだろう? 次回、特集するジョン・ケージの、「ジョン・ケージってなんか、音がない曲を作ったことがある人だよな」みたいなこととかを、それだけ覚えていて。

で、その後にもう1回、触れた時にさらに深堀りすることができるみたいな。そういうきっかけ作りっていうのもあるんですよね。それもひとつの田おこしなので。種が手に入った時にもうすぐ生まれるような環境を作るっていうのもこの番組の目的のひとつでもありますね。

<書き起こしおわり>

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渡辺志保さんが2022年12月12日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で『星野源のおんがくこうろん』ミッシー・エリオット回を振り返っていました。
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