星野源さんが2020年4月14日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で社会現象化した『#うちで踊ろう』についてトーク。自身が『#うちで踊ろう』に込めた想いを話していました。
(星野源)さあ、あとはやっぱりね、何と言っても『うちで踊ろう』でございます。すごいですね、反響が。本当にありがとうございます。すごい(笑)。先週の時点で「これはもうちょっと自分の中では社会現象ですね」なんて言ってたんですけど。
もうその翌日ぐらいから「これは完全に社会現象だな」っていう。本当にいろんな方々が動画を上げていただいたりして。やっぱり一番、僕は実感したのはアスリートの方が上げてくださった時に「ああ、これはもう社会現象だな」と思いました。やっぱりそれは、こういう音楽。僕が作った歌というところから「どうぞ、重なり合いましょう。音楽でもいいし、歌でもいいし、ダンスでもいいし、イラストでもいいし、アニメーションでもいいし」っていう。そういう形で始まったこの企画というか歌がですね、アスリートの方がそこに映像を重ねてくれるというのはすごく嬉しかったです。
あと、たとえば吉田沙保里さんとかが動画をあげてくださっていましたけど。何て言えばいいんだろう? めちゃくちゃまっすぐでしたよね、動画。ご自身がずっとやってきたことっていうのを動画にぶつけていらっしゃる感じっていうんですかね? そこにすごく僕は……もちろん皆さんの反応と同じように「すごい面白い!」と思ったし、「楽しい!」ってなったと同時に、なんかちょっと泣きそうになるっていう。
ご自身がずっとやられてきたことをぶつけてくださったっていうか、そこに乗っけて、またそれを公開してくださったということに対してすごく感動したのと……あと、個人的に僕が面白かったのは吉田沙保里さんがね、すごく動いてる中で。シャドーレスリングでずっと動いてる中で、横にピアノが置いてあるっていうのが僕はすごい面白かったですね。あれは個人的には「ピアノを弾いている」っていう(笑)。あの動きでピアノというパートを弾いているように見えるという。なのですごく……ぜひ、まだ見てない方がいらっしゃるたら見ていただきたいと思います。
吉田沙保里『#うちで踊ろう(シャドーレスリング)』
なのでね、本当に改めて思いましたけど『うちで踊ろう』の動画が本当に毎日、面白い動画とかすごくいい動画とか……今日も高校のね、あの漢字が僕は全く読めなかった、ふりがなを振ってくれてありがとうっていう高校の音楽部のみんながですね、合唱をしてくれて。「22人」って書いてあったかな? 22人の部員の皆さんがですね、合唱してくれているんですけど。部屋で1人1人で録音したのを重ねて合唱なんですよ。すごくないですか、それって? それですごい感動して、自分のInstagramのストーリーズにピックアップしてるんで。
畝傍(うねび)高校音楽部『#うちで踊ろう(合唱)』
僕、毎日動画をチェックして、「これはいい!」とか「これ、すごく好き!」とか。「これは見てもらったら『自分にもこれができるんじゃないか?』って思ってもらえるような動画」っていうのをピックアップしています。
なので「#うちで踊ろう」というハッシュタグを見てくださっている方もそうですし、「#DancingOnTheInside」というタグを見てくださっている方。同じように、僕のInstagramをフォローしていただいてストーリーズを見ていただくと今、全部それのピックアップになってるので。それをハイライトっていういつでも見れるものにも……ストーリーズって24時間で消えちゃうんだけども、いつでも見れるところにも置いてありますので。それを見るとですね、めちゃくちゃ楽しいんで。ぜひ皆さん、それを見てください。アップしましたので。
本当にね、そういう動画を見ると元気になるんですよね。やっぱり先週から1週間、全く外に1歩も出てなくて。窓を開けて深呼吸をするぐらいでしたけれども。やっぱりちょっと苦しくなってきたりとかね、ちょっと体を動かしたり散歩をしたりしたいなと。なんかそういう風に自分は思いだしてきているけれども。でもやっぱりその中で、ああいう動画を見た時にもうね、元気になるんだよね。だから先週もちょっと終わり際に言いましたけど。僕はしんどいこととか苦しいことに対して、どう対処するか? 僕がいつもやってきたのは面白いものを見たりとか、面白いことをするということです。それをすることで僕はいろんな時期を乗り越えてきました。
なので僕は今回も皆さんの動画によって本っ当に励まされています。めっちゃくちゃ励まされてます。なので、僕が始めたことで……いわゆるメッセージでね、「本当に元気が出ました」とか。「今、病院に勤務している看護師です。これから勤務に行ってきますけど、勤務が終わった時や休憩時間の時に『#うちで踊ろう』のタグを見るのが楽しみです。それが1日の憩いの時間です」って言ってもらったのが本当に嬉しくて。なのでぜひ皆さん、動画を見てください。
それでちょっと、改めましてなぜ、これを始めたかという話を。ちょっとまあ何度もしてるんですけど今一度、したいなと思いまして。初めてね、今日のラジオ聞く方もいらっしゃると思いますので。ちょっとしたいなと思います。4月2日の深夜に僕は自分がやってるInstagramである1曲の歌。
それを自分の部屋、まさにこの(ラジオを放送している)部屋ですね。この部屋でiPhoneで撮影してですね(笑)。いわゆるクリックも使わず、ちゃんとしたマイクも使わず。ただのiPhone1個でですね、動画を撮影して。それをそのまま……これ、自分でももうちょっとなんとかしておけばよかったと思うけど。いわゆる映像の処理とかさ、全くしないでそのまま載っけたんだよね(笑)。
なんか「今すぐ出したいな」という気持ちになっちゃって。で、載っけました。その中でですね、僕は『うちで踊ろう』という歌を演奏しています。それを「これを見てくれた方。ぜひ歌を重ねたり、音を重ねたり、ダンスを重ねたり。イラストやアニメーションを重ねて、ご自身でアップしてもらって構いません。もしよかったら重ねてくれないかな?」という言葉と共にアップしました。
それはなんでか?っていうと、3月の後半ぐらいからですね、土日だけ外出自粛要請が出た時があったじゃないですか。その時に「海外の様子を見に、今は土日だけだけれども、きっと毎日ということになってくるんじゃないかな?」という風に思ったんですね。それで家にいなきゃいけない時間だったり、それから「家にいなきゃいけない」とみんなは言っているのに、どうしても外に出なきゃいけない人も出てくるだろう。それはやっぱり苦しいことだし、しんどいことだろうなと思ったので。
それが「毎日」になる前に家の中でも面白いと思えること。見ているだけでも面白いし、自分も参加できるんじゃないか。何かそれに自分のやり方で参加できるんじゃないかと思えるようなこと。そして、外に出なければいけない人も、その広がりによって1日、「今度は何が上がってるんだろ? 今、どんなコラボレーションが行われてるんだろう?」って1日、楽しみにできるようなもの。そういうものが作れないかなと思って、少しずつ考え始めて。4月1日から僕、お休みになったんですけど。その日からちょこちょこ考え始めてですね、4月2日から曲づくりを始めて。そして深夜にそのままアップしました。
その歌詞は「たまに重なり合うよな 僕ら」というところから始まるんですけども。「僕らそれぞれの場所で重なり合うよ」っていう歌詞が入ってるんですけども。この歌詞と、その歌の持っている仕組み。「この動画をどうぞ重ねて自分のところでアップしてください」っていうのってつながっている曲を作ったんですよね。なので、たとえばこれ、歌をコーラスしたりとか、踊ったりとかしてる時にですね、「僕らそれぞれの場所で重なり合うよ」っていうところに来た時に、歌っていただければ、それで実際動画を撮っていただければ分かると思うんですけど。「あ、なんか本当に重なっている!」って感覚になるんですよ。
「重なっている」という感覚
で、離れていても、そういった重なりとか。やっぱり生放送とか生配信とかもそうですけども、「一緒の時間を過ごしている」というような感覚だったりとか。「自分と誰かが今、つながっているような気がする」という感覚って、それだけで生きれるんですよね。なので、そういう仕組みを動画をアップする際にも感じられるし、それを見た人も感じられるし。それを「次はなにをしよう? 次どういうことでこの動画に重ねよう?」って考えてる時間。今の現実……「家にいなきゃいけない」という現実のの中から集中する時間。「次、なにをしようかな?」みたいな。「うーん……」って考えるみたいな。そういう時間を作り出したいなと思ってこの曲を作りました。
なので「#うちで踊ろう」「#DancingOnTheInside」。それからイラストを描いてくれる方だったら「#うちで踊ろうを描こう」とかね。調べてもらえばいろいろと出てくると思うので。ぜひ皆さん、検索をしていただきたいのですが。その中はぜひ、面白いものとか楽しいもので埋めたいんですよね。なので、これを聞いている方。「まだ上げていないよ」っていう方がいたら……まあ、それでもいいんですよ。全然。「私、やることないわ」っていう方。いいんです。だって、大泉洋さんなんかただ「自分の髪型が面白い」っていうだけなんだから(笑)。
フフフ、あれ、本当に面白いよね。いや、本当に。大泉さんと電話していたの。それで電話してて「大丈夫ですか?」「いや、大丈夫だよ。源ちゃん、どう?」「大丈夫です。今、元気に。家の中にずっといますよ」みたいな話をしていて。「今、こんなのやってるんです。やりますか?」「ああ、やるよ」みたいになって。「あ、でも僕、SNSはやっていないから……」「じゃあ僕のところで上げますね」ってなって。それで「でも、やり方がわからないんだ」ってなって送られてきたのがあれだったんですよ(笑)。本当にただ、「やり方がわからない」って言っている瞬間の動画っていう(笑)。
大泉洋『#うちで踊ろう(面白い髪型&ぼやき)』
いや、でもそれを自分のところで上げたのは「これでもいいんだ」ってやっぱり思ってもらいたいからなんですよね。だからと言って、なんて言えばいいんだろう? なんか人をバカにしたりとか、人を嫌な気持ちにさせてやろうとか、全く無視したことをやろうとか。そういう動画は僕は全く好きじゃないし、自分のとこでピックアップしようという気持ちにはもちろんならないので。
なぜかというと、やっぱりこのハッシュタグを見ている間はやっぱり楽しくなってほしいなっていう。やっぱり日々は、当たり前ですけどこれからたぶんもっと、ちょっとずつしんどくなってくるはずなんですね。なので、これを見てる間は「面白いな」っていう気持ちになってほしいし。「次、これに何を上げようかな?」とか。あと「星野源、ピックアップしてくれねえかな?」とか。僕、今1日中見ているんで。マジで。本当に(笑)。本当に背中バキバキで……(笑)。まあ、ヨガをしながら見ておりますけれども。