星野源『おんがくこうろん』ジョン・ケージ回の楽しみ方を語る

星野源『おんがくこうろん』ジョン・ケージ回の楽しみ方を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年12月13日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でNHK Eテレ『星野源のおんがくこうろん』シーズン2、ジョン・ケージ回についてトーク。『4分33秒』の楽しみ方について、話していました。

(星野源)で、次回がジョン・ケージということで。『4分33秒』。無音の曲ですね。その映像もね、それは実際にスタジオでやってもらったんですよ。で、最高に面白かったんですけど。すごい素晴らしかったんですよ。

で、その曲の目的としては、いわゆる楽器があって。それで奏でられる音っていうものだけが音楽ではなく、音ではない。無音の曲を奏でることによって、今、たとえばこの場にある本当の音とか。あと、なんて言えばいいんですかね? スタジオって、ここもそうだけど。ここは割と音が跳ね返るような仕組みになってるんですけど。レコーディングスタジオの歌を録るところとか、もう音がわりと吸い込まれる。「デッド」っていう言い方をするんですけど。

反響しないようなスタジオの時とか。もう自分の、なんて言えばいいんだろうね? 心臓の音とか、コンプレッションみたいなのを耳が勝手にかけていて。大きい音が聞こえると、耳が勝手になんていうか、ボリュームをガッと下げるっていうか。そういうのがあると思うんですけど。

でも、音がないから、耳がものすごいボリュームを上げるんですよ。いろんなものを収音する。かすかな音を聞こうとして。そうすると、もう空気の音とかが「シャーッ!」とか。あと、もう耳鳴りなんじゃないかってぐらい音とかすごい聞こえてくるんですよね。だから無音の瞬間というのはなくて。でも、無音の曲をかけることによって今、自分が着ている服の衣擦れとか、誰かの息づかいとか。

で、僕が収録したスタジオはもう、音を全くなくしてるんですけど。とにかく上に吊ってある照明の「パキッ、パキッ!」っていう音がすごいうるさくて。で、なんか知らないけど低音が「ヴェーッ、ヴーッ……」って鳴っていて。いい感じのリズムで鳴っているみたいな。

『4分33秒』の楽しみ方

(星野源)で、そこに音楽を発見したりするんですけど。その様子も映るんですけど。おそらく、見ている方のよい楽しみ方としては、このスタジオに鳴っている音も面白いんですよ。それもすごく集音して、テレビから流れてくるんで面白いんですけど。でも、あなたがいる場所の音ですね。冷蔵庫の音とか、ちょっと窓を開けてるんだったら風が入ってくる音とか。そういうのを楽しむのが目的の楽曲だと思うので。なので、テレビの音プラス、あなたがいる場所の音。それはたとえばNHKプラスでね、配信でスマホとかで見ている場合は外の音とか、風の音とか。電車で見ているなら電車の音とか。そういうものが『4分33秒』の曲になるので。そういう風に楽しんでいただければと思います。

で、この後に曲をかけようかと思うんですけど。『4分33秒』をかけるとラジオだと放送仕組みなってしまうので、それはかけませんということで、ミッシー・エリオットのちょっと有名曲なので、もう大好きな曲ですね。『Lady Marmalade』とどっちをかけようかと思ったんですけど、こっちにします。ミッシー・エリオットで『Work It』。

Missy Elliott『Work It』

<書き起こしおわり>

星野源『おんがくこうろん』ミッシー・エリオット回を振り返る
星野源さんが2022年12月13日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でNHK Eテレ『星野源のおんがくこうろん』シーズン2、ミッシー・エリオット回を振り返っていました。
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