東野幸治さんが2022年5月13日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中で亡くなった上島竜兵さんを追悼。上島さんとの思い出を振り返っていました。
（東野幸治）ラジオを聞いてる方ね、毎週聞いてくれている方はもうわかってると思いますけれども。3週間ほど前、ゲストに来ていただいたダチョウ倶楽部の上島さんが突然お亡くなりになったんですけれども。いや、僕もなかなかちょっとびっくりというか。ちょうど僕がね、知ったのが水曜日の朝8時過ぎかな？ なんかネットニュースになったんすけど。僕、その日仕事で新潟に朝イチの6時過ぎぐらいの電車に乗って。新潟の燕三条の駅にだから8時過ぎに到着予定で。で、ウトウトしながらも「そろそろ着くんだな」と思って何気なしに自分のスマホでなんか、Yahooニュースとか、Twitterかな？ そこで「ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんがお亡くなりに……」っていうのを見て「ええっ？」ってなって。
で、ちょっとよくわからない状況のまま駅に着いて。スタッフと合流して。ほんで、着替えをするホテルみたいなのを用意していただいてたから、そこで着替えて。その30分後、1時間後に本番ですっていうので。そこの部屋で朝の情報番組を見ながらって「ええっ？」って。ちょっとなかなか……でも、そんなこの『ホンモノラジオ』に来てくれた時はもう機嫌よく、昔の話とか。「今度ABCで深夜ドラマをする」みたいな話とか。なんか楽しくしゃべった印象しかないから。それと、だからテレビでやってるニュース……お亡くなりになったっていうのがどうも、なんか自分の中で整理つかない感じでしたね。
だからその燕三条、新潟のロケなんですけれども。朝9時ぐらいから始まって、予定では夕方ぐらいまでがっつりロケする番組でしたけど。いや、なかなか気持ちが……本番中でもたまにフッと思い出すとか。なんとなく、始まる。で、なおかつスタッフも初めてのスタッフで。ちょっとディレクターにいろいろインタビューっていうか、オフの声で「こうしてください、ああしてください」みたいなことを言われながら始まるっていう感じになったんですよ。
ほんで、そこのやりとり。オープニング、やりとりの時に……「いや、それはちょっとできないですね」みたいなことを言うて。「あなたがやってくださいよ」「いやいや、やってくださいよ」みたいな掛け合いの時、なんかちょっと一瞬ダチョウさんのギャグを「はっ！」って思い出して。「ああっ……」ってなって、フェードアウトしたんですよ。なんか、「どうぞどうぞ……」みたいなのは、出来なかったですもん。なんか。
だからなかなか、ちょっとテンションを上げるのもつらかったですし。で、ちょいちょいロケしながら、移動中とかやっぱり、「見たらあかん」とか思いながらも気になるから。なんかTwitterとか、Yahooニュースとかで続報というか。ねえ。「リーダーとか、ジモンさんとか、なんかコメント出しはるのかな？」とか、そういうのも気になりながらロケしてました。
で、現在この段階でジモンさんとか肥後さんとか、あとゲスト来た時におっしゃっていたすごいダチョウ倶楽部の……「第4のダチョウ倶楽部」っていう負けず嫌いの女性マネージャー。もう20年ぐらいやってる方。とにかく出川さんがウケたらすごい腹立って熱々おでんの温度を上げるっていう方も。だから心配というか。上島さんの奥さんも心配ですし、肥後さん、ジモンさんも心配ですし。その負けず嫌いの20年以上ついてるマネージャーの方も……だから本当に皆さん、寝耳に水というか。たぶんそんなね、そういう兆しというか、兆候もなかったと思いますけど。
でも皆さん方、まだコメントを出していないから。なんか僕の中では僕が別にSNSでコメントを出さなくても……そっと、そのコメントをされるのを待つのが一番いいのかなと思って。まあ、僕は僕の考えであんまり言わなかったんですけど。ただ、でも『ワイドナショー』とか、こういう『ホンモノラジオ』でなにかしゃべらなきゃいけないなとは思ったんですけど。
3週間前にラジオで楽しく話したばかり
（東野幸治）ただ、僕が上島さんに思う感想みたいなんは、その3週間前の『ホンモノラジオ』のゲストで「いやー、あの番組のあれ、おもろかったですね」とか。『お笑いウルトラクイズ』、面白かったですね。あれ、どうなんですか？」とか。「『ガキの使い』の『笑ってはいけない』。年末のあの戦い、面白いですね」とか、いろいろ聞いたり。あと『ものまね紅白歌合戦』で昔の怖いプロデューサーにめちゃくちゃ言われり、みたいなことをゲラゲラ笑ってしゃべったから。なんか、僕からすると思い出みたいなんも今日、しゃべろうかなと思いながらここに来たんですけど。
僕、25年ぐらい前に、大阪から東京に来て。それでダウンタウンさんが『ダウンタウンのごっつええ感じ』とか、そういう番組に選ばれたりとか、東京で仕事をしだすから。最初は大阪から通ってたんですけれども。それが当時、赤坂のホテルに泊まっていて。それが週1で泊まっていたのが週2になり、週3になり、週4ぐらいになって。「じゃあ……」っていうことで家族で東京に引っ越す。東京なんて右も左もわからない。当時なんて、あれですよ。品川駅がまだない時代ですから。
（佐藤）えっ？
（東野幸治）ないです。まだ全然ない時代です。東京駅から電車で行く。タクシーに乗っていくっていう時代ですし。だって東京駅の下に駐車場があって、まだその東京に住みだして、品川駅ができる前に、東京駅に行くのに自分の車で行って。地下に車を止めて上がって、東京駅から大阪に行ったり、名古屋に行ったりしていました。で、終わりは東京駅に帰ってきて地下に降りて。そこから駐車場を出てすぐ、高速に合流するんですよ。すぐ合流するっていう難しいところなんですけどね。そういうのをやってましたから。
で、わからないからということで結局、当時フジテレビが今はお台場。レインボーブリッジからお台場っていうところにあるんですよ。で、品川駅からとかね、家から……近いところに住んでるんで。渋谷に住んでるから、すぐ高速に乗って空いていたら20分、25ぐらいで着くんですけど。当時はフジテレビが新宿の河田町っていうところにあって。昔、27時間テレビの一番最初にさんまさんがレンジローバーっていう高級外車に免許取りたてで乗っていて。で、27時間の生放送をするっていうので、24時間テレビのパロディーで。
それで仕事に行っ帰ってくる。たけしさんがいきなりね、鍵を奪ってめちゃくちゃにするみたいな、あの河田町っていうところにだから『ごっつええ感じ』のレギュラーだったから。新宿じゃないですか。で、なおかつ、『笑っていいとも！』のアルタも新宿にあったから。他の局とかでは仕事、別にないから中野区……中野区から青梅街道っていう大きい道があって。それをずっと車で走ったら10分、15分ぐらいでスタジオアルタ。新宿があって。で、さらにまたずっと青梅街道をまっすぐまっすぐずっと行ったら、昔のフジテレビがあるっていうところ。
で、中野区に初めて……方南町いうところに住んだんすよ。当時、今田さんもそう。ほんこんさんもそう。板尾さんもそうなんかな？ 木村祐一もそう。みんな、メンバーは中野区に。大阪の芸人は中野区に住むっていうのがなんか当時のトレンド。今はなんか五反田とか、そういうの、聞くじゃないですか。当時はそれ、中野やったんですよ。で、その中野にダウンタウンファミリーというか、我々が住んでて。一方で、たけし軍団さんも中野に住んでたんですよ。ダンカンさんとか……ダンカンさんも1回、だから中野の駅の地下鉄ですごい怖い顔で大学ノートにメモってるっていう。たぶん作家さんやってるから、今から会議かなにかに行きはるのかもわかりませんけども。ダンカンを見たりとか。
あとグレート義太夫さん。たけしさんが「ひっぱれー、ひっぱれー。ちーんぽをひっぱれー♪」って歌ってる時に後ろでギターを弾いてる人なんですけど。あの方がだから粗大ゴミのタンスとかをずっと凝視してるのを見たりとか（笑）。当時、中野区はたけし軍団がめちゃめちゃ住んでたし。で、たけし軍団がいてて。そこに松村くんとか、出川さんもずっと中野区に住んでて。
当時、『電波少年』とかでチーマーとかに……なんか「チーマー、喧嘩するな。人を殴りたかったら俺を殴れ！」って言って。そう松村くんが生放送で渋谷で言ったら1万人、2万人ぐらい来るっていう時代があって（笑）。それで松村くんと出川さんはもう怖くて渋谷を歩けなくなったんですよ。ほんで、場所もわかってるから家の前でいたずらされたりとか、そんなことをされてるんですよ。
（東野幸治）で、出川さんも有名な話ですけど。ある時、中野に住んでて。部屋も汚いですけど、要はもう壊されてんですよ。いろいろ、鍵とかも。当時の……今の出川さんじゃないですよ。昔の出川さん。変身前の出川さん。今のビフォーアフターのアフターの出川さんは人気者ですけども。ビフォーの時は日本中から嫌われたから。出川さんとよく仕事してたから「一緒に渋谷にご飯、行きましょう」って言ったら、「いや、渋谷はやめようよ。本当にヤバいから」っていう時代があって。それもみんな、中野区に住んでて。
ある日ね、なんか「ドンドンドンドンッ！」って夜中、ドアを叩かれて。「誰やろう？」と思って覗く。覗くっていうても、なんかあるじゃないですか？ 『さんまのまんま』のオープニングみたいな。ああいうんじゃなくて、鍵を壊されて。そこを見るところ、あるんですよね。そこから「ドンドンドンドンッ！」って叩かれて「なんやろう？」って思って。その壊れたちょっと大きめの鍵穴から覗き込んだら、向こう側。ドンドンサイドの人が吸っていたタバコを入れられるっていう。そのぐらいの……（笑）。だからそういう感じで、出川さんも住んでいて。
で、松村くんは今でも住んでるんですよ。だから要は売れない時からそこに住んでて。ゲン担ぎで中野に2軒ぐらい、アパートかマンションを借りてて。今、松村くん。バウバウの松ちゃん。松村くんは朝6時に公園に行って。おじいちゃんおばあちゃんとラジオ体操をして。ほんで一緒にそのメンバー、おじいちゃん、おばあちゃんたちとファミレスに行ってご飯を食べるっていう朝のルーティーンですよ。いや、俺と同級生ですけど。やめてほしい（笑）。もっと夢を持って……お金はたぶんあるんでしょうけど。そういう生活をだから松村くん、中野でやっていて。
で、ダチョウ倶楽部さんも肥後さんと上島さんはもうずっと中野。今もだから、中野に住んでいるんですよ。だから結局ね、ちゃんと上島さんとか肥後さんと遊んだことはないんですけど。なんかたまにちらっと「居酒屋で飲んでるらしい」とか。出てきたところを目撃して挨拶するとかっていう。だから、あの25年前にその中野区にいろんな人が……若貴ブームもそうですし。あれ、相撲部屋が中野区にあったんですよ。
で、松本明子さんも当時、中野区に住んでたし。ロンブーの淳は僕と同じマンションに住んでいて。先に住んでて。で、向こうがその中野のマンションに引っ越してきて。で、なんか当時付き合ってた女の子を淳の後輩たちがね、気を遣って。だからずっと写真週刊誌に狙われてるからっていうことで、小さめの冷蔵庫、業者が持ってくるぐらいのダンボール、あるじゃないですか。そこに当時、付き合った女の子を入れて、台車に乗せて俺のマンションにやってきたりとか（笑）。
お笑い芸人がみんな、中野区に住んでいた時代
（東野幸治）あの時、だからお笑い芸人がみんな、中野に住んでる時期があって。だからその上島さんの今回のニュースの時にいろいろ巡っていくと、なんかそれを思い出しましたよね。25年前の若い頃にそういう人たちがみんな中野に住んでて。で、なんかわからんけど。ちょっとクソ生意気かもわかりませんけど。中野に住んでて。で、ちょっと稼ぐようになったら車を買うて。車を買うて、それで気付いたら中野を1人去り、2人去り……今田さんが去り、俺が去り。ポツポツと、ロンブーの淳も去っていく中で。出川さんも結婚して去り。それで松村くんと上島さんと……肥後さんもそうなのかな？ 肥後さんと、そしてなぜか松本明子さんも今も住んでいるっていうので。
「ああ、そうか。みんな、中野にずっとあれから25年間、住んでるのかな」とか思ったりもするし。ああ、あとウドちゃんも若手の頃、中野に住んでて。だからたぶん「中野猛虎会」って言うて。ダンカンさんと松村くんと上島さんとか。みんな阪神ファンやから。それで飲む居酒屋があって。そこから、上島さんの「千原ジュニアが東京に進出してくる。ジャックナイフ持ってるらしいで」って……それは本人、否定してましたけど。竜兵会っていうのはその流れで、またそこの中野のとある店でみんなで集まったりとか。
みんながそれぞれ、テリトリーというか。行く中野の店ってあったんですよ。それを思い出したなっていうのもありますし。だから、ねえ。理由はわかりませんけれども。そういう25年前のことと、25年間、中野にずっといらっしゃったんだなということと。あと、その『ホンモノラジオ』でもおっしゃってましたけども。コロナになって、なんかそういう風に若手と飲む機会もなくなってきたりとか。当時はだから、よくネットニュースにもなってましたけど。有吉が猿岩石でブレイクして。その後、ちょっと一発屋芸人みたいになって仕事ない時に、肥後さんか上島さんがいつ呼んでも来てて。
で、肥後さんもえらい気に入って。有吉とご飯を食べたりお酒を飲むのが楽しいみたいなことで。ある日、有吉が海外ロケに行くっていう時に「行くなよ。俺がそのギャラを払うから」みたいな（笑）。まあ、むちゃくちゃなことなんですけど。そういう、なんかそれぞれみんなの青春の詰まった中野区。で、上島さんは最後まで中野区に住み続けて……っていうことですから。これからね、もう少し時間が経てばそれぞれの方がまたメッセージを出すと思いますけれども。
なんかこう、できれば悲しい思い出じゃなくて、なんか楽しい、面白かった思い出みたいなのに最後はね、終わりはきれいに、それで終わってほしいなとは思うんで。だから前回、上島さんが来た時に言うてた、あの『リアクションの殿堂』。鼻をザリガニに挟まれるとか、なぜか運動会やけど浣腸して。とにかく浣腸の量を増やして、出川さんよりもとにかくうんこを出そうとする話とか。そういうのも思い出しながら、『リアクションの殿堂』とか見ていただいて大いに笑っていただいたりとか。
あと『お笑いウルトラクイズ』。たぶんあれ、DVDもあると思うんで。ぜひぜひ皆さん、ちょっと上島さんの活躍みたいなのを最後は脳裏に楽しく焼き付けて、お別れしたらいいんじゃないのかなとは思うんです。いつもですね、洋楽をかけるんですけれども。よくテレビでこの曲が流れておりました。ケツメイシさんの『友よ』という曲なんですけれども。ダチョウ倶楽部さんが仕事をしている男の芸人の仕事ぶり。プロモーションビデオにね、主役として出演されているケツメイシの『友よ』という曲を今日は特別にかけたいと思います。上島さん、どうもありがとうございました！
ケツメイシ『友よ』
＜書き起こしおわり＞
