佐久間宣行 テレビ東京退社を語る

佐久間宣行 テレビ東京退社を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2021年3月3日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でテレビ東京を3月31日付けで退社することになった話をしていました。

(佐久間宣行)いやー、あれだね。本当ね、うん。ニュースになってたね。フハハハハハハハハッ! いや、びっくりしたよ。収録してたの。収録をちょっとだけしてて、それでパッと見たらヤフーのトップにいたから。俺の顔が。「佐久間、テレ東を3月で退社」っていうね。えっ、サラリーマンが会社を辞めるっていうニュース、ヤフーのトップになる? みんな、ちょっと変だと思わないダメよ。本当に。うん。あのね……うーん。あれなんですよ。「実際、どうなの? 本当なの?」っていう、そこもあるでしょう?

いろんなマネージャーからも電話がかかってきましたよ。今、ドラマを撮っていて、ドラマを撮っている事務所の人たちからも、後輩のプロデューサーのところにガンガン電話がかかってきましたよ。あの……本当です(笑)。本当なんですよー。本当だけど、うーん。こんなに早く出ると思わなかったっていうのが正直なところなんですよ。で、退社するのは……これ、ここからは一旦、真面目に話します。自分のことなので、ちゃんと話します。

報道の通り、3月31日でテレビ東京を退社いたします。以後もテレビ東京と契約をして、レギュラー番組……『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『考えすぎちゃん』などはすべて継続して、プロデューサーも演出もやります。で、たぶんですけど特番や新番組もやります。ただ、立場としてはフリーに近い立場なので、外でもお仕事させていただくと思います。それで、関わり方は変わらないです。会議も普通にやるし、たぶん担当する番組は全部カンペを出す。編集もする。っていう形になります。それでですね、なんでこういう風な形に至ったかっていうことを話しますと、実はこの番組でも何回も語っていたんですけども。

もう3年前か4年前ぐらいからすでに、自分で編集してカンペを出したりするディレクターとしては最年長なんですよ。僕と1個上の『モヤさま』の演出の先輩だけが40超えてからもカンペを出してる人だったのね。それでこれ、業界的にもあんまりいないんだけど。『アメトーーク!』の加地さんとかになっちゃうんだけども。

(佐久間宣行)それで、会社とは何回か話し合いをしていたの。このラジオが始まる前から。おかげさまでちょっと出世して。「管理業務もやらなきゃいけない。そうなると、現場に全部ベタ付きにはできなくなるよ」みたいな話で。「そりゃそうだよね」という話になって。

それで、ここでも話した僕の先輩の伊藤とかは部長職になって。番組のプロデューサーはやっているけど、現場職から離れていて。そういう風にならなきゃいけないと。で、もしかしたら他局だとそのままディレクターでずっとやっていらっしゃる方もいると思うんだけど、テレビ東京だとまだそうならなくて。管理職やらなきゃいけないっていう話になった時に、「正直、まだディレクターをやりたいな」という風に思いまして。それでちょっと話し合っていて。

「正直、まだディレクターをやりたい」

もちろん、家族と話したんですよ。奥さんと。「ちょっとやっぱりディレクターをやりたいなと思っていて。そうすると、会社を辞めることになるから」って。俺、サラリーマンでさ、家族を持ってるから。共働きとはいえ。そんな風になったら、奥さんに相談するじゃん。そうしたら奥さんが「いや、まあ私が会社で働くから。いざとなったら食わせるから。好きにやれば」って言われて(笑)。

そう言われて、そこで一応ひとつ話して決断したっていうのと。それともうひとつ、理由があって。俺、父親を55で亡くしてるんですよ。それは仕事先の中国で倒れて、亡くなっちゃったんだけど。その年齢、「55」っていうのがずっと自分の頭にあって。自分の人生、その先も生きたいけど、そこで一旦、一区切りっていう風に考える癖がついていて。それでずっと悩んでいて、去年の自分の誕生日を迎えた時に「うわっ、55まであと10年だな」と思って。

そう思った時、「この10年、後悔しないように生きたいな」って思って。「そうなると、向いてない管理業務をやるよりは番組を作る仕事をある程度の年齢までやりたいな」っていう風に思って。それを正直に会社に言って。年末にちょっと先輩に相談した上で、年明けすぐに言って。これがですね……全然モメめなかった。フハハハハハハハハッ! うーん。あのね、うん。もっとね、執拗な引き止めがあると思った。全然ない(笑)。まず、その自分の上司とか、あと編成部長に言ったわけ。年始早々、出社して。

「そうか。まあでも、俺としては番組を続けてほしいからね。一応、会社に言うけど」「ああ、そうか。引き止められねえんだ」って思って(笑)。それで普通に話して。そして、いろんな人に話してたんだけど、みんながっかりはするのよ。一発目は。「うわっ、そうか。寂しくなるな。でも、番組はやってくれるんでしょう? じゃあ、変わらないよね」って言って、誰も引き止めないんだよ。もっと引き止めてほしかったですよ。フハハハハハハハハッ!

むしろ、応援に近い。うん。だからね、これは昔の人力舎。ある程度、売れると「マネジメントがわかんないから、独立してくれ」って言われるっていう。だから、テレビ東京は人力舎と一緒(笑)。誰も止めないっていう。でさ、まあまあ、いろんなことがあったんだけども。そこのいろんなことがあったことはフリートークで話すけど。まあ、辞めることになり。で、これね、本当は会社で承認されたのが今週の月曜なんですよ。それで会社の中で「佐久間が退社します」みたいな情報が出たのが夕方の5時とかそんなもんなのね。

なんだけど……だから俺としては、それも踏まえて広報の人と話した上で、来週とか。そういうところで話す。もしくはラジオで話すとかって思ってたんだけど。先週の金曜の時点で週刊大衆がすっぱ抜いたんだよね。「すっぱ抜く」ってなに? 俺みたいなただのサラリーマンの退社を(笑)。そしたら、なんかいろんなお仕事をさせていただいてるナタリーとか、番組の取材で関わってる媒体の皆さんが広報に問い合わせをして。それで広報も「本当だしな。嘘つくのもおかしいから……」っていうことで。

「社内で正式に認められたらこういう風に答えるっていう、その佐久間がディレクターを続けたいから辞めます。以後もテレビ東京と番組を続けますという情報を言うよ」ってなって。「いいですよ。まあまあ、全然言ってください」って言ったら、それがヤフーのトップにいて。それで娘から「父親の退職、ヤフートップで知りたくないんだけど?」って言われて。フハハハハハハハハッ! そりゃそうだよなっていう。そんなことを言われたっていう(笑)。

で、昨日。ちゃんとスーツを着て社長とか会長にご挨拶に行って。社長とか会長に「お世話になりました。3月31日付けで……昨日、ニュースにはなっちゃいましたけども。申し訳ありませんが……本当によくしてくれて。今後もお付き合いがあるから、本当に感謝をしています。テレビ東京ってめちゃくちゃいい会社だなと思いましたし、恩返しをしたいです」っていう話をしたら、社長も「寂しくなるな」みたいな感じだったんだけども。それで会長が……これ、言っていいのかな? 怒られそうだな。まあ、いいか。

「佐久間に俺が『ラジオ、やっていいよ。ニッポン放送で仕事していいよ』って言った時から、俺は分かっていた。そうやって、どんどんやりたいことが増えていって、いつかこの日を迎えるのを3年前。俺がラジオを許可した時に分かっていた」っていう風に会長が言ってくれたの。それはさすがに嘘だと思うんだよね。フハハハハハハハハッ! 「ありがとうございます!」って言ったけど(笑)。

いや、でも会長がバシバシいいことを言うのよ。「佐久間、前に飲んだ時にもさ、『テレビ東京の中でキャリアを築くっていったって、いろいろと難しいだろ。お前もやりたいことがあるし』って言ったけど。その時も、あれだったな」とか。いろいろとバシバシいいことを言うのよ。「大きくなって、たとえば映画とか、そういうのを撮るようになったら、そしたらドラマとか、こっちでやってくれ。大きなIPで返してくれよ。それが今の時代だろ?」みたいなことをバシバシ言ってくれるんだけど。

俺、心の中で思っていたの。「会長、シミュレーションしてきたな。『半沢直樹』、見てきたんじゃねえか? これは……頭取をやってんな!」って思って。フハハハハハハハハッ! かっこいいセリフをバンバン……いや、ありがたいのよ。で、しかも、こんなことってないと思うのよ。「テレビ局を辞めて、でもレギュラー番組を全部やっていい。自分で立ち上げた番組、全部やっていいし、今後も新企画をやろうぜ。でも、外でも仕事していいよ」なんて寛大なことは、たぶん今までのテレビ局のルール上、ないから。それぐらい今のテレビとかがいい会社で、しかも社長と会長が男気があるっていう。その上で……会長、ガンガン来るな?っていう。フハハハハハハハハッ!

というのは、あった(笑)。で、だから僕は今後、個人事務所というか。とりあえずそういうものを作りまして。映像制作と諸々、番組制作。もしかしたらイベントとかもひっくるめて、今までと、それよりちょっと広い仕事もやっていきたいなという風に思っています。だから、どうしようかなと思ってるんだよね。ザ・森東(さらば青春の光の事務所)に入れてもらおうかどうかも悩んだんだけど。フハハハハハハハハッ!

ザ・森東に入ろうか、悩んだ

あそこの事務所が一番面白いから。ザ・森東に入ろうかなっていう(笑)。ザ・森東のドアを叩こうかなっていう風に思った時もあったんだけど(笑)。それでさ、今日さっき、『あちこちオードリー』の収録をしてて。会社の後輩とかもいてさ。「佐久間さん、今日は部会、出ました?」「いやいや、出てないよ」って。まあ毎週、それぞれの部の部会があるんだよね。で、今日、ある部会でその部長がね、会社の資料って回ってくるじゃん。「佐久間の退社」っていうのが。

で、退職のところに書いてある。3月31日付けでって感じで。リモートの部会で「佐久間が退社します。みんな、『なんでだろう?』とか思うだろう。いろんなこともあると思う。でも、リモートだし。俺は最近、佐久間に会ってないから、ちょっと分からない。だからみんなに一言言うことがあるとすれば、今日、みんなでラジオを聞こう」って。そう言ったんだって。フハハハハハハハハッ!

部長が部会で(笑)。「部会の結論、『佐久間さんのラジオをみんなで聞こう』っていうことでした」って言っていて。「どういう部会だよ?」っていう(笑)。「みんなで聞こう、ラジオ。ラジオ、聞いたらわかるから。たぶん話すだろう。今日。ニュースになっちゃったんだから」って言ってたらしいよ。部会で(笑)。俺のいる部でも。だからたぶん今日、部員が聞いてるっていう。だからね、ちょうどそのオリラジとか西野とかが吉本退社のニュースを触れた時、今までの俺だったら「いやー、俺がテレビ東京を辞めたらこうなるな」とかって言ったじゃない? 触れなかったでしょう? そういうことですよ(笑)。

佐久間宣行 キングコング西野の吉本興業退社を語る
佐久間宣行さんが2月3日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でキングコング西野さんの吉本興業退社について話していました。

(佐久間宣行)真っ只中だったから……モメてはいないけど、会社と話をしている真っ只中だったんですよ(笑)。それで今、台本を見たら……台本なんてそんな書き込んでいねえのに台本に「佐久間さん、ようこそ個人事業主の世界へ。改変期近辺、お前も震えて眠れ! ひとつの番組が終わることの本当の重みを全身で感じろ!」って書いてあるのよ。えっ、これ誰目線の台本なの? フハハハハハハハハッ!

これ、福田とかスタッフのやつらがさ、「お前もフリーになったから、俺たちと同じ気分を味わえ」っていうのが書いてあるんだけど。これ、俺が読むの意味わかんないでしょう、だって。ただの作家からのメッセージじゃん(笑)。厳しい時代だからね。個人事業主の世界は大変だぞっていうことでしょう? 何で台本で俺が言わなきゃいけないんだよ(笑)。いや、そうなんだよ。そうなるとさ、オールナイトニッポンに関しては、「サラリーマンなのにラジオやってる」っていう付加価値が……サラリーマンラジオだったわけ。

これが失われるっていうのはね、悲しい。っていうか不安なのはひとつ、ありますよ。言い訳できないストロングスタイルになってくるからね。これね。そうなってくると。そうすると横並びがみんな強すぎるっていう(笑)。横並びが強すぎるんだよ、本当。うん。三四郎が二部に落ちてきたってだけだよ(笑)。それだけだよ、本当に。いや、これヤバいよ。本当に。今まで冗談交じりに言ってたけど、テリー伊藤ルートが始まっちゃったからな。本当に。

そうなってくると俺も奇抜な格好をし始めなきゃいけなくて。だから下手すると、本当にあるよ。たまにサラリーマンを早めた途端、金髪にする人、いるでしょう? 石井もさ、ミックスゾーンを辞めてニッポン放送入社するまでの間、金髪だったよね? 俺、あれ超ダセえと思ってたからな(笑)。でも、ヤベえな。近いうち、本当にヤバいよ。『サンジャポ』とか出てたらヤバいよね(笑)。つまり、脱サラジオね。脱サラジオよ、これ。みんな、ダサいと思っているでしょう? 俺、めちゃめちゃいいと思っているから。脱サラジオ(笑)。

人生のターニングポイントを共有

でもさ、みんな、びっくりしてほしいんだけども。人生のターニングポイントをこんな風に共有していって、全部しゃべるラジオ、ないですからね。なにせ俺は今、会社の登記とかもひっくるめて、なににも分からない状態で。「えっ、どうすんの? 俺、税金とかどうするの?」とかも全部調べてる。今、ググって調べてる最中だからね(笑)。こんなのね、『トゥルーマン・ショー』ですよ、マジで(笑)。で、やっぱり気を付けなきゃいけないのは、脱サラして夢を詰め込みすぎて、ダメなラーメン屋とか喫茶店ってあるじゃん? 「やりたいこと、全部集めたな! かけたい音楽もこれなんだ」っていう。

それで結果さ、塩に特化して、音楽はデスメタルばっかりかかっているラーメン屋とか、あるじゃん? そうなっているラーメン屋とか喫茶店は失敗するじゃん? だから、変にかからないようにね、今までどおりのラジオをやっていきたいと思いますよ。ラジオに関してはね。ただね、夢はもちろんあるし。いろいろあるけど……今の現状で言うと「不安」です。フハハハハハハハハッ! 自分で決めたことだけど。それを共有して頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは今週も始めていきましょう。佐久間宣行のオールナイトニッポン0!

(中略)

(佐久間宣行)続きまして。「佐久間さんがザ・森東に入ったら、佐久間家のディスポーザを金色に塗られるドッキリをかけられると思うので、奥さんに怒られる覚悟だけしておいてください」。ああ、そうか! 森東に入ったら東ブクロの車と同じ目にあうってこと? なんだっけ? 原チャがあって、車があって……だよね。あと、あれでしょう? 合コンとかに行ったのも全部GPSで追いかけられるんでしょう? 嫌だよ(笑)。やだなー。

(中略)

(佐久間宣行)メールです。「佐久間さんの個人事務所は求人募集をしないのですか? カーテンの取替えからレッドウィング磨きまでなんでもやるので、僕を雇ってください」。うーん……こんなことを書いているやつ、すぐに辞めるに決まっているよ。こんなのメールで送ってくるやつ(笑)。

でもね、ニュースが出てから「どうなんですか、佐久間さん?」みたいに言ってくる他局のそんなに知り合いでもない若手とかがメールを送ったりしてきた。誰とは言わないけども(笑)。でもみんなね、「ああ、そういう道もあるんだ」って思ってくれたっていうことだよね。それはいいことか悪いことかはわからないけども。

俺さ、なんかあった時に見返すキアヌの映画があってさ。『サムサッカー』っていう映画なんだけども。それでめちゃくちゃいいことを最後にキアヌが言っているんだよ。悩んでいる男の子が「私の生きる意味はなんですか?」っていうのに対して「違うだろう? 大切なのは答えのない人生を生きる力だ」っていう風にキアヌが言うのよ。俺、その映画を見返して退職を決めたんだよね(笑)。だから、一番ダサいのは、俺(笑)。野郎ども、港に別れを告げろ、ヨーソロー! テレビ東京の佐久間宣行でした!

<書き起こしおわり>

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佐久間宣行 退職願提出までの長い道のりを語る
佐久間宣行さんが2021年3月3日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でテレビ東京退職のために退職願を提出しに行った際のエピソードを紹介していました。
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