宇多丸 femme fatale『安眠swimming』を語る

宇多丸 femme fatale『安眠swimming』を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2020年12月29日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でfemme fatale『安眠swimming』を紹介していました。

安眠swimming
femme fatale

(宇多丸)続きましてちょっと、今のこの寺嶋由芙さんのなんというか、クラシカルな良さの最先端というのの逆で。これはもう2020年型というか。2020年代アイドルの本当にすごいやつっていう感じで。femme fataleというね、2人組なんですけども。これは要するに戦慄かなのさんと頓知気さきなさんの……戦慄かなのさんは「少年院アイドル」なんていうことでいろんなテレビにも出てますけど。その実姉妹によるセルフプロデュースユニット。ここですよね。まず。「戦慄かなのと頓知気さきなの実姉妹によるセルフプロデュースユニット」っていう。

(宇垣美里)全部が強い(笑)。

(宇多丸)つまりこれが……要するにまずセルフプロデュースっていう時点ですごく昔ながらのアイドルのイズムとは完全に変わってきてるっていうかさ。

(森田秀一)アイドルは本来、プロデュースされるものでしたからね。

(宇多丸)昔ね、Perfumeのあーちゃんが「アイドルとは何じゃろう? 人に言われたことをそのままやるもんじゃろう。やる人たちじゃろう」なんて言っていましたけども。そういう意味では俺ね、実は今年のアイドルソングの少なくとも俺的な裏テーマは「セルフコントロール」とか「セルフプロデュース」っていうか。

(森田秀一)増えましたね。

宇多丸的2020年アイドルソング裏テーマ

(宇多丸)で、実際にそのクオリティーが高いみたいな。だから、戦慄かなのさんとかも要するにこのネーミングだってさ、「戦慄かなのと頓知気さきな」っていう……(笑)。

(宇垣美里)絶対に忘れませんよね(笑)。

(宇多丸)で、セルフプロデュース。全体の方向性みたいなのもご自身たちがやっていて……という。で、このfemme fataleがシングルとミニアルバムを同時リリースして。すごいペースでやってるんだけど。その中でも僕はやっぱり特にピンと来たのはですね、これ作詞・作曲・プロデュース、佐々木喫茶さん。以前、その佐々木喫茶さん名義でフィーチャリングで戦慄かなのさんで。『フォーリンラブ』っていう曲とかを紹介しましたけども。

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(宇多丸)この佐々木喫茶さんとの相性がいいんだよね。で、特に今回の曲は前に『うれしいたのしいさみしいガール』っていう佐々木喫茶さんとの曲があったけど。あの時に「ライミングがすさまじい」なんて言っていたけども。今回は特にたたみかけるような歌詞の韻踏みが、それがまたグイグイと基本的にループ構造のループミュージック、グルーヴミュージックであるこの曲を盛り上げていて。これはまさに2020年型キャッチーというかね。アイドルソングはここまで進んでいますよということを示すような1曲でもあると思います。femme fataleで『安眠swimming』。

femme fatale『安眠swimming』

(宇多丸)かっけーな! femme fataleで『安眠swimming』を聞いていただきました。ちょっと戦慄かなのさんとか佐々木喫茶さんの一連の流れみたいなのは毎回、めちゃめちゃかっこよくて。

(森田秀一)相性もいいし。だからどんどんと進化していますよね。

(宇多丸)そうね。割と僕は今年、ちょっと突き刺さったラインですね、これね。戦慄さんがやっぱり切れるんだろうなって思って。すごく感心させられる。あとは佐々木喫茶さんも本当に、なんていうか中田ヤスタカさんが最初に出てきて「この才能は本物だ!」ってなって来た時の勢いを感じる。

(森田秀一)感じますよね。

(宇多丸)この人、すごいと思う。という感じでございます。femme fataleをご紹介しました。

<書き起こしおわり>

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