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渡辺志保と宇多丸 Black Lives Matter運動を語る

渡辺志保と宇多丸 Black Lives Matter運動を語る アフター6ジャンクション
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渡辺志保さんが2020年6月16日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さんと世界中に広がるBlack Lives Matter運動について話していました。

(宇多丸)で、渡辺志保さん。今月の3日にDJ松永が出演している『ACTION』水曜日に出演されて、「人種差別とプロテストソング」ということで。まさに今回のBlack Lives Matterのこの流れところで選曲とかもされてるみたいですが。

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(宇多丸)本日は基本的な概要の説明に加えて今、そのBlack Lives Matter運動。あるいはそれを受けて日本人である我々が何を考え、どうすべきか。日本でもね、デモがあったりしましたね。そのあたりについてもお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

(渡辺志保)はい。ありがとうございます。

(宇多丸)というわけで、改めてですが。日本でもかなりね、報道はされておりますが。ジョージ・フロイドさん殺害事件について改めて解説をお願いします。

(渡辺志保)以前もこちらのアトロクでもシカゴ在住のSaku Yanagawaさんからもお話があったかと思うんですけども。今年の5月25日にアメリカのミネソタ州ミネアポリスという街で、アフリカ系アメリカ人の男性、ジョージ・フロイドさんがコンビニでタバコを買った際、20ドル札で買い物をしたそうなんですけど。その20ドル札がニセ札なんじゃないか?っていうことで店員の方が警察を呼んで。それで呼ばれた警察によって取り押さえられて、ジョージ・フロイドさんのことを警察が道に押さえつけるようにして。それで彼の首元に膝を押し付けて、その結果そのままジョージ・フロイドさんは窒息死されたという事件が起こってしまいました。

で、このジョージ・フロイドさんの殺害事件を受けまして、もう今では全米全ての都市で人種差別に対する抗議デモが広がっているという状況です。日本でもニュースで報じられていたと思うんですけれども。一方でこのデモに乗じた強盗であるとか略奪事件も多発してしまっていて。もはや最初のジョージ・フロイドさんの事件に端を発したデモではなくて、最初の意義を忘れてしまっているというような、そういった悲しい事件も起こってしまっているというところです。

ただ、そういったこともありつつ、これまでにも叫ばれてきた「Black Lives Matter」というスローガンがあるんですけれども。そのスローガンが今までよりもさらに大きく叫ばで、その運動が今、世界規模になっているという事実もあります。ドイツとかロンドン、そしてここ日本でも大阪、東京でデモ行進が行われておりまして。そもそも、このBlack Lives Matterっていうのも2012年頃から叫ばれ始めたスローガンなんですが。その発祥に関してはまた別の機会に説明していただくのがいいかなって思いますが。

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(渡辺志保)「黒人の命も大事だ」「黒人の命をないがしろにするな」という意味のスローガンです。

(宇多丸)これ、どういう風に訳したらいいのか?っていうのはなかなか難しいというか。訳し方が難しいなと思いながらやっていたりするんだけど。ジョージ・フロイドさんの弟さんが「平和的なデモにしてくれ」って呼びかけたりとか、いろいろありましたもんね。

(渡辺志保)そうですね。

(宇多丸)ということで、Black Lives Matter運動というか、今回の広がり方の特徴というか。たとえば、暴動的なとか、略奪みたいなのが起こってしまってというのは、前だったらたとえば例がちょっと古いですけど、ロドニー・キング事件に端を発する1992年のロス暴動とかさ。その時よりは略奪とかも起こっているけど、トータルではすごくみんなちゃんと世の中を変える運動にしていこうっていう風な広がりに見えるんですけど。

(渡辺志保)そうですね。私もやっぱり日本は離れているのでアメリカの様子っていうのはネットのニュースとかテレビのニュースで知るとか。あとは現地にいらっしゃる方の話を聞くことでしか知ることができないんですけども。やっぱり、そうですね。平和的な解決を望む。そしてみんながこう団結して解決していこうとか、そういったことに重きが置かれているのかなっていう風にも見えますし。

あと、今回非常に大きな運動になっていて。私がいつもとはちょっと違うなと感じたのが、日本でも今、盛んに議論されているのかなとも思うんですけれども。その人種差別……特にアメリカにおける黒人の方への人種差別の構造。システムそのものについて、もう一度学ぼう、見直そうとか、そういった動きがあるように見えます。こういったことを「システミック・レイシズム(Systemic Racism)」……「構造的人種差別」とも言うんですけども。そのシステミック・レイシズムというフレーズを非常によくニュース、あとはまたソーシャルメディア上でも見かけるなという風に感じてますね。

(宇多丸)その構造的人種差別、ちょっと分かりやすく説明すると、どういう問題ということですかね?

(渡辺志保)社会の構造とか歴史の背景とか、そういったところにまで差別意識そのもの。あとは差別があったという事実そのものが入り込んでしまっているということなんですね。で、アメリカって建国した直後から、労働力としてアフリカから人々を奴隷として無理やり船に乗せて。黒人の方々を無理くりアメリカ大陸に連れてきたという背景があるんですね。で、それ以降ずっと抑圧され、分離されてきたというのがアメリカの黒人の方たちの後バックグランドであるとかいうことですよね。

なので、その積み上がってきた差別の意識とか……おじいちゃん、ひいおじいちゃんの代まで遡っても、ずっとずっと差別が当たり前に存在してきた。だからそれをすぐに変えることは難しいんですけども、そのシステミック・レイシズムという構造自体をちょっとでもよくして行こうという、そんな動きが見られるかなと思っていて。で、このへんはぜひ、私もうまく説明をしきれないところがあるので、おすすめしたいドキュメンタリー映像がありまして。

『13th 憲法修正第13条』というドキュメンタリー作品がありまして。今、ネットフリックス、そしてYouTubeでも無料で字幕付きのものが見れますので。ぜひぜひそちらを皆さんにも見ていただきたいなという風に思っています。

『13th 憲法修正第13条』

(宇多丸)だから表面的には「差別が解消された」みたいなシステムに見えるんだけど、実はまさに構造的に、そういう差別的なところに押し込められるように、いまだにそれが続いているという。なぜ、刑務所に人々がどんどんどんどん入れられてしまうのかとか、そのあたり。僕も今、志保さんが紹介してくださったこの『13th』というドキュメンタリーを見て「なるほど!」という。で、それの外側だけを見てると、あたかも「差別される側にも問題がある」っていう風に見えちゃうんだろうけど、実際にはそういうことじゃないんだ、みたいな。

(渡辺志保)そうなんですよね。もう企業とか政治とか、そういったことも一緒くたになって「差別するのが当たり前、区別するのが当たり前」っていう、そういった社会が作られてきてしまったっていうことを実感できる作品になっているかなと思いますね。

(宇多丸)形を変え、隠ぺいされた分離政策っていうか。そういうものが実はあるんだっていう感じがすごくして。これも非常に勉強になりました。『13th 憲法修正第13条』、ぜひ皆さんも見ていただきたいと思います。あと、日本でもそのBlack Lives Matter運動を受けてのデモみたいなところで。日曜日にありましたよね?

(渡辺志保)そうですね。先日、6月8日の日曜日に渋谷で代々木公園発着のコースでマーチ、行進が行われまして。私も参加してまいりました。本当にいろんな方がいて。肌の色、髪の色、瞳の色。あとはしゃべっている言語も違う。もう本当に老若男女、国籍も問わずいろんな方が集合して。で、公式の発表では3500人ぐらいの方が集まったっていう風に発表されているですけれども。

なんていうか、何パートにも分かれて行進を続けていて。私は第1パートにいたんですけれども。皆さん、それぞれにボードを持ったり。あとは「No Justice No Peace(正義なくして平和なし)」とか、そういうスローガンをみんなでチャントして。口に出しながら歩いたりとか。あとは「Black Lives Matter」っていうスローガンそのものを口に出しながら歩いたりという。まあ、そういう本当に平和的なデモ行進でした。

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(宇多丸)うんうん。でも、なんていうか対岸の火事的に見えるというか、そういう風に思っていらっしゃる方もいるかもしれないけど、そうじゃないっていう問題意識ですよね。

(渡辺志保)そうですね。で、私も本当にまだまだこうした問題に関しては勉強していかねばならないなと気づかされることも多いですし。そのデモ行進の現場も本当に見た目も中身もいろんな方がいるっていうことがいいでショッキングで。それでずっとコロナの影響もあって、あんまり大勢の人が集まるところにはもう数ヶ月ぐらい、足を運んでいなかったんですけども。

だから当たり前にいろんな人がいて、それを認める社会というのがやっぱりまだまだ日本では浸透していないというか。意識としてまだ弱いというか、薄いところがあるのかなということにも改めて気づかされましたし。で、アジア人として日本からこのBlack Lives Matterの運動を支持ことには一体、どんな意義があるだろう?っていうのを私も何度も何度も考えながら行進をしていました。

(宇多丸)うん。もちろん、だからそのいわゆるアフリカ系の皆さんに対する差別っていうのも、日本にもそういう差別意識がないかというと、絶対にそういうのは密かにはあったりするし。あと、たとえばその他の人種や民族に対する差別構造みたいなものも、はっきり言って恥ずかしいことですけど、日本社会には全然あると思うんですよね。

(渡辺志保)そうなんですよね。

(宇多丸)だからそういうところに関して、僕はやっぱり他人事ではないというか。こういう機会にやっぱり僕達自身ももちろん勉強というのをね、志保さんも言っていますけども。勉強をしつつ、意識を変えていくっていうことで。ひとつ、その日本でもデモがあったっていうのは素晴らしいことだなという風に思ったりしましたね。あとはやっぱりそのジョージ・フロイドさんの件にしても、映像ですごくはっきり……過去にもフルートベール駅の事件とかいろいろありますけど。映像で撮られて、それがかつてだったら闇に葬られていたような事件が割と隠せなくなってきたっていうところも大きいですよね。

SNS時代の抗議運動

(渡辺志保)そうですね。で、私もやっぱりその6月14日のデモに関してはSNSで……InstagramとかTwitterでその存在を知りまして。あとはやっぱりもう本当にリアルタイムで。じゃあ今、ロンドンではこんなデモが行われている。ドイツでは同じことでこんなデモが今、行なわれてるっていう風に、やっぱりリアルタイムで瞬時にソーシャルメディア上で知ることができる世の中ですし。

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で、元々の発端となったジョージ・フロイドさんの殺害現場の映像に関しても、Twitter上とかInstagram上でブワーッと広まったっていう事実があるわけで。で、本当にSNS以降のデモ、SNS以降の抗議運動だなっていうことも非常に強く感じたところでもあります。

(宇多丸)といったあたりでこういう流れを反映した曲をぜひ志保さんにひとつ、選曲していただきたいんですけど?

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