渡辺志保とDJ YANATAKE Black Lives Matterと2020年のプロテストソングを語る

渡辺志保とDJ YANATAKE Black Lives Matterと2020年のプロテストソングを語る INSIDE OUT

(DJ YANATAKE)そうですね。ちょっとエンディングに行く前にもう1曲、行っておきたいですね。

(渡辺志保)ぜひぜひ、ちょっとこれはかけたいなと思ってました。ミーク・ミルが声を上げましたね。『Otherside of America』という、またちょっといい意味で規模のデカいタイトルをつけていらっしゃいますけれども。ミーク・ミルと言えば、この番組でもちょいちょいちょいちょい話してきています。かつ、みやーんさんが丁寧に全部書き起こしてくれているから、それを見てくれっていう感じなんですけども。

渡辺志保 2018年スーパーボウルパフォーマンスと「#FreeMeekMill」を語る
渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2018年の第52回スーパーボウルについてトーク。ジャスティン・ティンバーレイクのパフォーマンスやイーグルスの「#FreeMeekMill」のアピール、そしてカイリー・ジェンナーの...

彼も不当に長い刑期を言い渡されて非常に苦労をした方ですから。で、この『Otherside of America』でも同じようなことをラップしていて。最後にちょっと胸熱なのがのCNNのニュース番組に彼がインタビューされた時の自分の音声を使ってこの曲を締めているんですよ。で、「僕はこうやってCNNとかにインタビューされて、声なき若者の声になることが自分の夢だったんです」みたいなことをしゃべっていて。それでこの曲が終わるんですけれども。

で、「1週間に7人もの人々が死んでいるのを目の当たりにしたら、あなただって銃を持ちたいと思いませんか? 思うでしょう?」っていう風に言っていて。その言葉とかも非常に考えさせられられるなと思います。一般市民は銃を持っちゃいけないのに、警官だという理由で銃を携帯して。それをまあ、誰彼構わず発砲しているというわけではないでしょうけど、それで無罪の人の命を奪ってしまうということが現実にずっと何十年、何百年とあるわけですから。このミーク・ミルの言葉は非常に重いなという風に思いました。というわけで、お届けしましょう。ミーク・ミルで『Otherside of America』。

Meek Mill『Otherside of America』

(渡辺志保)今、お届けしましたのはミーク・ミルで『Otherside of America』でした。ちなみに冒頭で誰かがしゃべっている声が聞こえましたが、あれはドナルド・トランプさんのちょっとトンデモ理論なスピーチがフィーチャーされています。最後のミーク・ミルの肉声とともにもう一度、皆さんで聞き直してほしいなとも思います。

というわけで……(ツイートを読む)「SNSの発達のおかげで世界中が同じタイミングで考え、声を大にして叫べるようになった今だからこそ、もう終わらせなければいけないですね。学んでできるだけ深い情報を周りに伝えたいな」という風にツイッターでご意見をいただきました。そして(ツイートを読む)「ここ数日、見聞きしたことが本当に人に対してなされてきたことなのだろうかと、信じがたいほどひどい事実ばかりだった。全く無力ではあるけれども、知れただけでもよかったと思います。渦中の方々が『どんどん声を上げてほしい』とおっしゃっている以上、微力ではあるけど、少しずつでも発信したいと思います」という。ありがとうございます。

(ツイートを読む)「アメリカだけではなく、ヨーロッパではまた考え方が違うんだろうな。北欧であったロッキーとG・イージーの件しかり」ということで。まあ、たしかにね。国の構造そのものが異なるので、いろんな立場の方がそれぞれにいらっしゃるし。いろんな被害を受けている人もいらっしゃるのかなという風にも思いますしね。それでInstagramの方でもメッセージをいくつかいただいていて。「block.fmはBlack Lives Matterを偏りなく客観的、かつ丁寧に伝えてくれており、本日も楽しみです」という。ありがとうございます。

あとは「Institutional racismや※※※(聞き取れず)にも触れてほしい」という風にメッセージをいただいたんですが。「Institutional racism」は私は「システマティックなレイシズム、システム化されたレイシズム」っていうのと同義で考えていまして。そのトピックであれば今日、文春オンラインに掲載されていた堂本かおりさんの記事が非常に素晴らしくて。堂本さんもずっとハーレムにお住まいですから。非常に素晴らしい記事でしたからぜひぜひ読んでいただきたいなって思いました。

それでこの問題というか、このムーブメント。いつまで続くのかな?っていう風にも思っていて。ちなみに『ワイド!スクランブル』ではトランプ大統領がみんなにちゃんと謝るというか、諌めるというか。もうちょっと平和的な解決をトランプ大統領が導かねばならないのではないか?っていうことを池上彰さんがおっしゃっていて。トランプさん、大統領選挙を控えているからいろんなことがあると思うんですが。「それな」とも思ったし。我々としてはこの「ムーブメント」って言ったら一過性のものとして捉えられてしまうかもしれませんが。

こうして報じられている間にもやっぱり、さっきの繰り返しになりますが。ちょっとでも学んでみたり、触れてみるとか。そういったことが広がればいいなと思いますし。私も本当に勉強することがいっぱいあると気付かされたし。たとえば今回の件においても、トランプ大統領がすごく……元から彼は人種を分断するような言動が非常に多かったですが。この機会においてもやはりなお、分断を促そうとしているような態度が本当に「すげえな……」という風にも思います。

ひるがえってみると、その自分たちのリーダーを自分たちが選ぶという、やはりその投票につながることだと思いますので。今回もいろんなアーティストの方が「とにかく投票に行こう」と呼びかけていると思いますけども。そういったことに当たり前ですけど、日本でもそうで。日本なんかもっと若者の投票率が低いわけですから。このエリアに限った話だと来月ね、東京都知事選挙なんかもありますし。たとえば東京に住んでいる若者。今まで選挙に行ったことがないという方もまず、じゃあこの東京都。自分の住んでいる東京都の代表を決めるというところから参加してみようとか、そんな感じでちょっとでもそうした動き、アクションにつながればいいなと思いましたし。

かつ、人種差別とかジェンダーによる差別、職業による差別って日本にももちろんたくさんありますから。そういったことがちょっとでも改善される。それは私たちがちょっとでも勉強すれば、それがなにかが動くチャンスにもなるかと思いますので。そのチャンスをムダにしないことが大事だなと思いました。はい。

(DJ YANATAKE)素晴らしい。ありがとうございます。

(中略)

(DJ YANATAKE)最後に一言。ジャスティン・ビーバーとかも今回のことですごいたくさんSNSにメッセージを残していて。「自分はブラックカルチャーから歌い方、ダンスの仕方からなにから、自分のやってきたことにものすごい影響を受けているからこそ、今回のことについて発言をするんだ」っていう風に、ジャスティン・ビーバーですら言っていたりする。で、もちろん日本のポップアーティストの方もそういう発言をしたりしている人もたくさんいて。「自分が好きな人が発信していることはなんなんだろう?」ってまず思うところが今回、きっかけになればいいんじゃないかなっていう風に思います。

星野源「Black Lives Matter」を語る
星野源さんが2020年6月9日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で全世界的に広がる「Black Lives Matter」ムーブメントについてトーク。さらに自身の『うちで踊ろう』についても話していました。 Kendric...

で、なんでその人がそんな発言をするんだろう?っていうと、それはその人のバックグラウンドとか影響を受けたものとかにリスペクトがあるからっていう風に思いますので。そのへんも自分で調べてみたりするといいんじゃないかと思います。ヤナタケでした。

(中略)

(渡辺志保)というわけで今週も『INSIDE OUT』をお届けしてまいりました。ちょっといろいろと拾いきれないところもあったんですが。ただ、こうした話題も都度取り上げていきたいと思いますし。我々の考えであるとかも皆さんとシェアしていきたいと思います。というわけで最後にお届けしたい曲はもうこれしかないっていう感じですけども。彼も動きが早いと思いましたが。YGが待望の新曲をリリースしました。タイトルは『FTP』。これはなんの略かといいますと「F*CK THE POLICE」ということで。まあ、彼といえば代表曲は『FDT (F*ck Donald Trump)』ということで。

その『FDT』ではなくて『FTP』なんですけども。まあ、もちろん言いたいことわかるわっていう感じですし、あとは単純にビートがすげえかっこいいなと。

(DJ YANATAKE)YGもデモに参加して。これを歌っていたのかな? すげえ盛り上がっているような映像を見たんだけども。

(渡辺志保)そうかも。「一足先に新曲を披露」みたいな記事も見たな。

(DJ YANATAKE)でもアーティストが直に動いているのを俺らもSNSで見たりして。だから「なんでこの人たちがここまで……」っていうことですよね。

(渡辺志保)だから今週日曜日、東京でも平和の行進が行われるっていう風に私もTwitterで拝見しましたので。ぜひぜひ足を運びたいと思っています。

ということで今日、最後にお届けするのはYGで『FTP』です。

YG『FTP』

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました