DJ YANATAKEさんがblock.fm/InterFMの『TCY Radio feat. TOKYO SCENE』に出演。ご自身がヒップホップにハマるきっかけとなった曲、いとうせいこう & TINNIE PUNX『東京ブロンクス』について話していました。
(TJO)じゃあですね、続いてのお題、行ってみましょうか。いまの10代に聞いてほしい、この日本語ラップの名曲です。
いとうせいこう & TINNIE PUNX『東京ブロンクス』
(DJ YANATAKE)この曲はいとうせいこうさんで『東京ブロンクス』。これ、いま使ってもらっているところがブリッジでね、あんまりいいところじゃなかったんですけど。
(☆Taku Takahashi)ごめんごめん(笑)。
(DJ YANATAKE)これね、僕がヒップホップを聞くきっかけになった曲です。
(☆Taku Takahashi)さっき、「日本語のラップがきっかけだった」って言っていたよね。
(DJ YANATAKE)そうです。これを中学校2年生の時に聞いて。うちの兄貴がそういうヒップホップにハマッて、「お前、聞けよ!」って。最初はそういうさ、ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)とかLL・クール・J(LL Cool J)を聞かされたんだけど。ランDMC(Run-D.M.C.)とか。洋楽自体、そんなに聞けなかったんだよね。
(☆Taku Takahashi)なにを聞いていたの?
(DJ YANATAKE)普通に歌謡曲を聞いてたよ。
(☆Taku Takahashi)それこそ、キョンキョンとか?
(DJ YANATAKE)キョンキョンとかも聞くし、バービーボーイズとかさ。チェッカーズとか、そういうのを聞いていたんだけど。まあ、日本語だからパッと入ってくるじゃん。言葉が。その時に、やっぱり歌謡曲って愛だの恋だのしかなかったの。テーマとしてさ。聞くと。でも、恋愛じゃなくても音楽って成立するんだ!ってびっくりしちゃったの。で、そっからやっぱり歌詞の面白さみたいなのに惹かれていって。で、これはいまでも本当に日本語ラップの最高峰だと思うんだけど。
(☆Taku Takahashi)うん。
(DJ YANATAKE)本当にね、画が浮かぶのよ。せいこうさんの描写力っていうの? これは結果的に1人だけ生き残っちゃったけど……まあ、核戦争反対のメッセージがある歌なんだけど。それがさ、怖いぐらい浮かんじゃったのよ。この曲を聞いた時に。
(☆Taku Takahashi)うんうんうん。
(DJ YANATAKE)そんな体験、ないなみたいな感じが。音楽を聞いていて、怖くもあったし。よりこの曲を知ってみようと思ったし。なんか、いま聞いてもすごい。名曲です。
(TJO)たしかに、そうですよね。それに、いとうせいこうさんが昔、ラップをやっていたっていうことを知っている人も……若い子なんかは知らないんじゃないかな?って思うし。
(DJ YANATAKE)ねえ。でも『フリースタイルダンジョン』の司会をやってらっしゃるから。
(☆Taku Takahashi)「なんで出ているのか?」って思ってる人もいるかもしれないね。
(TJO)たしかにね(笑)。でも、ヤナタケさんは10代の時にそういう体験をして、そういうヒップホップに目覚めたりとかしましたけど。いまの10代を見ていてなんか感じることとか、こんな風に音楽を聞いたらいいんじゃないかな? みたいに思うことってあります?
(DJ YANATAKE)なんだろうな? ヒップホップが商業的に成功してからの世代だと思うんですよね。いまって、まあバッドボーイ以降っていうかさ。それってイコール、もう金、女、ドラッグがヒップホップの歌詞の内容みたいな感じだったりするんだけど。でも、やっぱりその前ってさ、なんかメッセージ性があったりするものとかがすごくあったでしょ? さっきのパブリック・エナミー(Public Enemy)じゃないけど。
(☆Taku Takahashi)うん。
(DJ YANATAKE)で、日本語ラップでもそういうものとかがあったりとか。でも、それがなんか、ねえ。音楽って15年周期とか20年周期とか言いますけど、そういうのの反動でケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)みたいなのが出てきてさ。それが、いろんな社会問題と結びついて音楽が評価されたりするるの、あるじゃないですか。なんで、ヒップホップってもともとそういういろんな教えてくれるものっていうか、勉強させてくれる音楽っていうか。そこから知ったものって本当にたくさんあって。
(☆Taku Takahashi)ああー。
(DJ YANATAKE)なんか、そういう面白さとか、そういうヒップホップもあるんだよっていう意味でこの曲を選んだっていうことかな?
(TJO)なるほど。わかりました。
<書き起こしおわり>