渡辺志保 NexXthursday『FK’N Right』を語る

渡辺志保 NexXthursday『FK’N Right』を語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でニューヨークの新鋭ラッパー、ネックス・サーズデーの『FK’N Right』を紹介していました。

(渡辺志保)では、私からもう1曲紹介させていただきたいんですけども。以前もヤナタケさんがこの『INSIDE OUT』で『Sway』っていう曲をかけていましたけど、ネックス・サーズデーくん(NexXthursday)っていう子が。注目の……。

NexXthursday『Sway』

DJ YANATAKE NEXXTHURSDAY『Sway ft. Quavo&Lil Yachty』を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でNEXXTHURSDAY『Sway ft. Quavo & Lil Yachty』を紹介していました。 SWAY feat. @quavohuncho & @lily...

(DJ YANATAKE)うん! 気になる……。

(渡辺志保)そう。「謎の新人」っていう風にヤナさんもラジオで言っていましたけども。最近、徐々に彼がどんなやつか?っていうのがリビール、明らかになってくるようになりまして。で、このネックス・サーズデー。「NEXX」って、口に出して言ってみればピンと来るかもしれないですけど、「NEXT THURSDAY(次の木曜日)」ってことなんですけど。で、なんでこういう名前にしたのか?っていうのをインタビューでも答えていて。ネックス・サーズデーくんがお兄ちゃんと新しい会社を作ろうとして。そこに「投資してやるよ」っていう方が現れたらしいんですよ。

で、彼はすごく忙しくて。「月・金も仕事で忙しい。週末もパーティーで忙しいから、お前らに会ってやれるのが木曜日しかない」って言われていたらしいんですね。ね、車を運転して遠いところまで、その投資家の人に会いに行くんだけど、絶対にドライブして半分ぐらいまで来たところで「ごめん。やっぱり会えないから次の木曜日にしてくれ」って毎回言われていたそうなんですよ。で、なかなか会えないのに「次の木曜日、次の木曜日」って言われて、その悔しい気持ちを自分の芸名にしたそうです。

ちなみに、結構意外だったんだけど彼、ニューヨークの出身なんですね。『Sway』とかを聞いていると、リル・ヨッティとクウェイボと一緒にやっているぐらいだから全然ニューヨークっぽいサウンドに聞こえないんですけど、彼はニューヨークの出身ということで。で、ソングライターをやりながら、シンガー、ラッパーもやってエンジニアもやってっていう、本当にマルチタレントなんですけども。で、いくつかインタビューに答えているんだけど、私もニューヨークやアトランタ出身のアーティストにこういう質問を投げがちなんですけども。「ニューヨークに生まれたことがあなたの才能やセンスにどういう風に影響をしていると思いますか?」っていう質問を……まあ、私もしちゃうんですけど。

で、そういう質問を雑誌の記者がしていて。そしたら、「いや、なにも関係ない。生まれた環境と俺の音楽は全く関係ないです」って。たとえば、アトランタの若い子とかにインタビューして「もうアトランタじゃないと俺たち、ラップできないっすよ!」とか。「グッチ・メインとフューチャーがいないと俺、ラップやってないっすよ!」みたいな子とかが実際にいるんですけど。ネックス・サーズデーくんは違って、「ニューヨークに生まれたけど、全然それは俺のサウンドとは関係ないっす」っていうのを言っていて。しかも自分でもね、「俺のサウンドはニューヨークっぽくないでしょ」って言っているので。またそれも彼の魅力のひとつなんじゃないかなと思っています。

で、この間の金曜日にそのネックス・サーズデーくんがEPを出しまして。タイトルが『Natasha』っていう風にいうんですけど。この『Natasha』っていうのも今年の4月にネックスくんのお母様が亡くなったそうなんですね。で、その時に付き合っていた女の子がいたんだけど、すごい嫌な別れ方をしてしまった。その時の経験を落とし込んだのがこの『Natasha』っていうEPらしいんですよ。それを聞くと結構カニエの『808s & Heartbreak』なんかを思い出しちゃうエピソードなんですけど。でもすごいこのEPは……やっぱりネックス・サーズデーくんはメロディーラインも素敵だし、歌詞のトピックとかもすごいいいなと思っていて。

で、いまからかける曲は彼のそのEPの中からの曲なんですけども。すごくいいことを言っていて。『FK’N Right』っていう曲なんですけども。彼女とケンカして、いくら彼女が悪くても「はいはい、お前が正しいよ」っていう曲なんですよ。「何をしたってお前が正しい、はいはい」っていう曲なんですけど。私がEPの中で思ったのが、『Mrsissues』っていう曲が最後に入っていて。結構バラードチックな曲で、ネックスくんが最初に歌ってその後に女の子のボーカルが入るんだけど。それも、「お前には問題がたくさんあるんだ」っていうのをネックスくんが言っていて。「Twitterで俺のこと、あることないこと言いふらしたり、自分の女友達に俺のあることないことを言いふらして。お前、それで自分が正しいと思ってるのかよ?」っていうのをちょっと切なそうに歌う曲なんですけど。

NexXthursday『Mrsissues』

だから本当にね、『Sway』が結構ヒットしていますけど、あれ以外にもすごいポテンシャルをめちゃめちゃ感じるアーティストなので、ぜひぜひチェックしていただきたいなと思っております。というわけで聞いてください。ネックス・サーズデーで『FK’N Right』。

NexXthursday『FK’N Right』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのはネックス・サーズデーの新しいEP『Natasha』から『FK’N Right』でした。

(DJ YANATAKE)ネックス・サーズデー、本当にいいよね。聞きやすい。

(渡辺志保)本当にいい! 本当にいい! 本当にいい! 3回言っちゃった(笑)。そう。この曲も「俺がイラッとするたびに、お前はジミーチュウをゲットするんだぜ(Every time I fuck up she get Jimmy Choos)」みたいなことを言っていて。たぶんケンカして彼氏がジミーチュウを買わされているんですね(笑)。

(DJ YANATAKE)俺なー、「大物が変名でやっている」っていうのを予想していたんだけど。違いそうだね。

(渡辺志保)そうだね。まあ普通にニューヨークのアップカマーみたいですね。

(DJ YANATAKE)そういう感じなんだね。

<書き起こしおわり>

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