吉田豪 ゴッドプロデューサーKAZUKIを語る

吉田豪 ゴッドプロデューサーKAZUKIを語る TBSラジオ

(小西克哉)さて、本年最初のネタでございますが。

(吉田豪)前回、年末に2008年のタレント本ベスト10をやって。その3位に入れた人の本の話題が評判が良かったんで。ちょっとこれをクローズアップというかね、大々的にやってみようということで。今回はゴッドプロデューサーKAZUKI特集ですね。

(松本ともこ)来た!

(小西克哉)「ゴッドプロデューサーKAZUKIって、ああ、あの人ね!」って分かる人は相当な人ですよ。

(吉田豪)『小室哲哉 50年の軌跡』というね、ミヤオビパブリッシングっていうところが出てる本がありまして。それで小室さんの騒動でちょっと東スポの一面に出たりとか、ワイドショーに出たりとかした謎のゴッドプロデューサーKAZUKIさん。まあ誰もが「何者か?」って思うと思うんですよ。「ゴッドプロデューサーってなに?」とかね。

(小西克哉)まあ、そうですよね。でも神を演出する人だから、宗教関係の人なのかな?って思っちゃうんだけども。

(吉田豪)ネットの公式サイトの公式プロフィールによると、肩書は「歴史小説作家、キャラクター作家、音楽家、妖怪ウォッチャー、昭和評論家」っていう。それでこの本の肩書きによると「超感覚イマジネーター」っていうのも入っていますね。

(小西克哉)超感覚のイマジネーター?

(吉田豪)さらには……「ミュージックの語源となった音楽と芸能の神ミューズ。そのミューズのメッセージを自動書記することで楽曲や映画、アニメ、CMのストーリーを短時間に完成させる力を持つ、不可能を可能に変える神がかりなプロデューサー。それがゴッドプロデューサー」ということなんですよ。

(松本ともこ)ちょっと……。

(小西克哉)俺、言いかけたけど、今のを通訳しろって言われたら、申し訳ない。俺はペンを投げるよ。

音楽と芸能の神ミューズにアクセス

(吉田豪)だから音楽と芸能の神ミューズにアクセスしているんですよ。それでメッセージを自動書記して、ゴーストライターを活動してきた人という(笑)。神の力をムダに使ってますよ(笑)。

(小西克哉)フフフ、神の力が使えるのに、そこでゴーストライターになった?

(吉田豪)ゴーストなんですよ。裏方でやってきた人なんですよ。実はね、今までも歌だけじゃなくてアニメや映画のストーリーからゲームキャラクターまで、ハリウッドコンテンツも含めて数多くのヒット作を世に出してきた影のゴーストライターなんですよ。

(小西克哉)おおっ! たとえばどんなヒット作を?

(松本ともこ)「影のゴーストライター」ってちょっとかぶっている(笑)。

(吉田豪)ですよね。結構この人、かぶる表現をするんですよ。あんまり突っ込みだすとキリがないんでね。

(小西克哉)「馬に乗馬する」みたいなね。

(吉田豪)「表のゴーストライター」だっていないですよ(笑)。「隠れろ」っていう話ですよ(笑)。

(小西克哉)「表のゴーストライター」はいいね(笑)。たとえば、どういうヒット作を?

(吉田豪)そのへんは一切出てないですね。何をやったかはわかんないです。ただ、長いゴーストライター生活に別れを告げて、2001年からゴッドプロデューサーKAZUKI自身が考えだしたキャラクターで火星生まれの赤ちゃん、いじけむしをメインに関西で活動という。

(小西克哉)ちょっと待ってください? 火星生まれの赤ちゃん……?

(松本ともこ)関西ではこの人、有名ですか?

(小西克哉)いや、ごめん……(笑)。

(吉田豪)お笑い番組のスポンサーとかやっていたらしいですよ。

(小西克哉)じゃあちょっと関西の人に……これ、おそらくポッドキャストで聞いてる関西の人も多いと思うから。「いじけむしってこんなもんだ!」っていうようなのを送ってほしいよね。これ、どこに出ているの? いじけむしって。

(吉田豪)なんかね、いろいろとやっているんですよ。公式サイトとか。

(小西克哉)公式サイト(笑)。

(吉田豪)あと絵本も出ていますね。なんかハート型の二頭身キャラみたいなやつでね。いじけむしっていう。これが今、「MARS BABY」っていう名称になって。海外進出も……。

『いじけむし』

(小西克哉)ちょっとみうらじゅんさんに聞いておいてくださいよ。いじけむし。

(吉田豪)「USバージョンのMARS BABYは、アメリカのDVDアニメ制作で『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』を制作したハリウッドの映像チームと組んでビジネスを企画中」って書いてあって。企画中なんですよ(笑)。わからないんですよ。表立った活動にはまだなっていない感じがするんですけど。

(小西克哉)なに、この人の一番の才能ってプロフィールを面白く書くこと?

(吉田豪)プロフィールは面白いですよ。相当。何をしているのかはわからないけど、なんかすごそうだっていうのがわかるんですけども。それでブログもやっているんです。公式サイトがすごいんですよ。公式サイトがまた有料のもなって。

(小西克哉)ええっ!

(吉田豪)その有料のに入らないとブログにコメントが出来ないとか、いろいろと気になって。それで有料に入るとKAZUKIの携帯の待ち受け画面とかがもらえるんですよ。すっごいほしくて。僕、いますっごい気になっているんですけども。

(小西克哉)まだ取っていないの?

(吉田豪)取っていないんですよ。さすがに僕の名前とか住所とかアドレスとか、向こうに伝えたくないじゃないですか(笑)。

(小西克哉)そういう時ってどうするの?

(吉田豪)有料だとね、そのへんをやらなきゃいけないから。引き落としの口座まで教えなきゃいけないし。怖いですよ。それはできない。

(小西克哉)フハハハハハハハハッ! なにを怖がっているの? 神じゃない。やらなきゃ。

(吉田豪)フフフ、まあね。まあ、ちょっと待ってくださいよ。それでブログがヤバいんですよ。このブログがプロのゴーストライターとは思えないぐらいのプリミティブな感じで。

(小西克哉)プリミティブ(笑)。

プリミティブなブログ

(吉田豪)まあ、表現をちょっと気を使いましたけども。あの、句読点も打たないし、改行も適当なんですよ。

(小西克哉)ああ、やっぱり神だから。細かいことを神は考えちゃいけないんだよ。

(吉田豪)あの、ゴーストライターっていうのはそのへんは重要だと思うんですけど(笑)。まあ、代わりに書かなきゃいけないから。

(小西克哉)吉田豪さんもね、数々のね、いろんなのを……。

(吉田豪)僕、ゴーストはほとんどやってないですね。二作ぐらいしかやっていないですけども。

(小西克哉)やってるじゃん(笑)。それで句読点がどうしたって?

(吉田豪)句読点を打たないんですよ。「。」とか「、」とか「?」とかがないんですよ。

(小西克哉)ああ、源氏物語も句読点、あんまりないよ?

(吉田豪)そのへんと比較してもあんまりしょうがないですよ(笑)。

(小西克哉)まあ、日本語の伝統みたいなものじゃないの?

(吉田豪)それで思いついたところで改行しちゃうんですよ。たとえば「小室の復活計画に(改行)よりかならずこの俺が小室を復活させるから楽しみに同行を見ときな(丸なし、改行)ただし小室自身が俺の復活計画に乗らなければ当面の復活はないぞ」とか。こんな感じでいつも書いているんですよ。

(小西克哉)もう一気にしゃべってる感じ。

(吉田豪)一気にしゃべってるんですよ。どうしてかって言うと、これもまたブログで書いてたんですけど。「俺は極度な面倒くさがり屋だからメールや文章に『、』や『?』は打たないし気が向かないと改行もしないだからめちゃ見にくいぞ俺は作家だが漢字は嫌いだ本を作る時は編集と構成の人間に任している俺は天とタイアップした時に音楽やストーリーがおりるそれが天の声という俺の武器だそれを文章化するとKAZUKI説が完成する俺の表でのデビュー作ハードカバー単行本『信長は生きていた』をネットで買ってみてみな紀伊国屋のネットでも作家紹介されているから読めば納得するぜ」という。以上、ブレスなしで読み切りました。

(小西克哉)いや、素晴らしい! よく噛まないで読めたよね?

(吉田豪)という感じなんですよ。面倒くさがりだからしょうがないんですけども(笑)。

(小西克哉)すごい。それで今、何を言ってたからあんまりちょっとよく分からなかったんですけど。

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