いとうせいこう 須永辰緒と宇多丸を語る

いとうせいこう 須永辰緒と宇多丸を語る SHOWROOM

いとうせいこうさんが2020年7月7日放送のSHOWROOM『豪の部屋』に出演。吉田豪さんと須永辰緒さんや宇多丸さんについて話していました。

(吉田豪)あと、そうだ。個人的に聞きたいのはせいこうさんは須永辰緒さんの怖い部分とか見たことあるんですか?

(いとうせいこう)ええとね、実際に殴ってるところは見たことないんですよね。だけど、まあ辰緒は……それこそ辰緒が10代の頃から知ってるんで。そのDJブースからスポーンと飛び出して一発で相手を倒すとかっていう話は……(笑)。どうやってロケットみたいに出るんだろう? みたいなのはありましたよ。

ただ、それこそ不良の通訳じゃないけど。辰緒がすごく慕ってくれていたから。僕がいるところでは辰緒は暴れないんですよ。失態を見せないっていうか。まあ残念なことなのか、助かってるのかは分かりませんけど。だから鳥取なんかに行って鬼太郎の銅像かなんかに蹴り入れて足を骨折した時も見てないし(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(いとうせいこう)結構高いところまで足が飛んだらしいからね。あいつのハイキックはいまだにすごいらしいですよ。自分の足を折ってしまうほどすごいっていう。でも、ああいう純な暴れん坊が僕はもう好きですね。かわいくてしょうがないですね。

(吉田豪)僕が1回、須永辰緒さんをインタビューやった時はそれこそスチャダラパー周辺でものすごい話題になって。それをみんなコピーしてばらまいてたっていうのを聞きましたけどね(笑)。主に暴力の話しか聞いていないっていう(笑)。

須永辰緒バイオレント伝説

(いとうせいこう)フフフ、そうなんだよね。あいつね。いや、でも随分大人しくなって。というかもうね、片目になっちゃいましたからね。

(吉田豪)そうですね。

(いとうせいこう)でも、あいつのその先輩に対する縦社会のね……。

(吉田豪)ちゃんとしていらっしゃいますよね。

(いとうせいこう)そう。そういうところはね、本当にかわいいんだよね。あいつは大好きな後輩ですね。

(吉田豪)宇多丸さんとかは大好きな後輩になるんですか?

(いとうせいこう)宇多丸はね、異常に……そうだね。僕に対して緊張してるんですよ。辰緒はもちろん、最初は緊張してたんじゃないかと思うんだけど。基本的には家にもよく呼んでいたりしたし。まあリラックスした不良ね。まあ、用心棒ぐらいの感じですよ。だけどね、宇多丸は家に来るといきなり正座したりするんだよね(笑)。でもそれはさ、こっちもやりづらいでしょう? だからまだ、宇多丸とは上手な距離感が取れないよね。

(吉田豪)宇多丸さんのあの過剰な腰の低さってありますからね(笑)。

(いとうせいこう)そうそう(笑)。あれ、いらないのにさ。

(吉田豪)「はい、もうすいません! ありがとうございます!」みたいな(笑)。

(いとうせいこう)そう(笑)。そんな風に守らなくて、もう心の中に俺を入れてよ!っていう気持ちになる。でも、宇多丸と辰緒は要するにこれこそ□□□の三浦康嗣とかレキシの池田とか、僕を軽々しく扱う連中を常に苦々しく思って。「いつか殴る」って言っているのはあの2人だからね。

(吉田豪)フフフ、そうなんすか(笑)。

(いとうせいこう)だからそういう2人がいるのはすごく面白いことで。フフフ(笑)。「かわいいな」と思うけども。そろそろ宇多丸も楽になってほしいね。あいつだっていい歳なんだから。

(吉田豪)いい歳ですよ。50を超えましたよ。

「そろそろ宇多丸も楽になってほしい」(いとう)

(いとうせいこう)うん。もう腹を割って話したいですよね。そんな緊張しないでいいから。

(吉田豪)どうしてもまだレジェンドな……なんか気後れがあるんですよね。

(いとうせいこう)なんか高校生の頃に見ていた僕っていうものを見てるから。つまり、僕じゃないのよ。

(吉田豪)80年代に華々しかった人たちに対する複雑な感情がずっとある人ですからね(笑)。

(いとうせいこう)そうなんだよ。いらないんだよ、もう。その頃のことはこっちも覚えてないわけだしさ。もっと新しいことやりたいと思ってずっとね、やってきたわけだから。でも僕はやっぱり今は宇多丸の『アトロク』と宇川直宏の『DOMMUNE』の2つが日本の文化の水準を支えているって思っていて。あのどちらがなくなっても、日本の文化はガクーン!って下がると思っているから。もう本当に続けてほしいですよね。しょっちゅう聞いているしね。まあ、あいつは信じないけど(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。「そんなわけがない」って(笑)。

<書き起こしおわり>

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