吉田豪 ゴッドプロデューサーKAZUKIを語る

吉田豪 ゴッドプロデューサーKAZUKIを語る TBSラジオ

(吉田豪)ねえ。入らないですよね。まあ、天の声で書いているんですよ。で、本も実は歴史の本を2冊ぐらい出している人なんですけども。それで、どうやって本を書くのか?って思うわけですよ。小室さんの本も出たわけで。「小室の単行本に追われて大変だったが俺のやり方は原稿は全て頭の中で作りそれをカセットテープに録音して着払いで郵送するそれを出版社が徹夜で社員を動員して俺が偉そうにペチャクチャしゃべっている1人しゃべりを必死で聞いてテープ解析して原稿に仕上げていくやり方で完成させていくそれがイマジネーション作家の俺の原稿提出のやり方だ」っていう。

(小西克哉)フフフ、まあ口述筆記っていうことですよね。端的に言うと(笑)。

(吉田豪)まあ、わかりやすく言うと。で、年内発売するために10日の期限で60分テープ3本に吹き込んで郵送したという。

(松本ともこ)着払いで(笑)。

(吉田豪)ゴッドなのにそのへんはシビアっていう(笑)。

(小西克哉)なかなかそのへんは小賢し……。

(吉田豪)「小賢しい」とか言っちゃダメですよ(笑)。さらには「このテープは近々オークションで販売してやる」っていう、さらに儲けようとしているという(笑)。

(松本ともこ)なにその商魂?(笑)。

(吉田豪)つまり、わずか3時間の語り起こしなんですよ。

(小西克哉)えっ、3時間で書いちゃったの? すげえな。やっぱり神の言葉だから早いね。

(吉田豪)すごいですよ。で、「これが終わったら『MARS BABY』の音楽制作とか史上初の猫の七福神にゃんたまセブンのアニメ企画に入っていくぞ」という。これはまだ企画段階なんですね。いろいろとぶち上げているんですけども。この小室哲哉の単行本『小室哲哉 50年の軌跡』。

(小西克哉)実際にどういうことが書いてあるんですか?

『小室哲哉 50年の軌跡』

(吉田豪)ちょっと待ってください。もう1個、本についてブログでこう書いているんですよ。これはね、12月25日発売だったんですよ。「つまり俺からのクリスマスプレゼントだ何かクリスマスプレゼントだと言ったなページ数200ページ以上でしかもハードカバーで税込み1000円なら立派なプレゼントだ通常は1500円から1800円はするぞ」って言っているんですけど、これソフトカバーなんですよ。

(小西克哉)ソフトカバーだよね?(笑)。そうですよね。ハードじゃない。

(吉田豪)まあ安いんですけどね。

(小西克哉)でもそれ、だいたい1100円ぐらいだよね?

(吉田豪)もっとしますよ。1200円か1300円ぐらいしてもいいっていうね。で、「さらには1月このミヤオビパブリッシングから『俺はゴッドだ』という最高に笑わせるトンデモ本も出す読んで損はなしだぜ幼少の頃の俺の神がかりな疑似体験も書いてあるからこれも読んでみな神に近づける」って……これ、前のブログでは「俺の神がかりな実体験」って書いてあったんですけど、それが「疑似体験」に変わっているんですよ(笑)。

(小西克哉)ああ、そうなんだ(笑)。

(吉田豪)不思議な人でね。それでは、本に入ります。帯にね、「小室哲哉の全てがわかるバイブル、ついに完成」って。まあゴッドなだけにバイブルっていうね。ここでまた「はじめに」で「ゴッドプロデューサーKAZUKIとは?」っていう説明があるんですよ。

(小西克哉)ああ、またご自身の。プロフィール芸だよね。

(吉田豪)こだわりがあるんですね。

(小西克哉)プロフィール芸、なかなかのもんだよ。

(吉田豪)引っ張れますからね。で、さらに聞いてくださいよ。このプロフィール。「俺はゴッドプロデューサーKAZUKI。そもそも『ゴッドプロデューサー』っていう名前は朝日放送のレギュラー番組『ゴッドプロデューサーKAZUKIの超時空立体ラジオ』という番組内でウオタニプロデューサーが『KAZUKIさんは外タレを格安で呼べる神がかり的なゴッドプロデューサーだよね』と言ったことがきっかけでゴッドプロデューサーという肩書きが誕生したんだ」っていう、全然違う話になってるんですよ。公式プロフィールと。

(小西克哉)そうだね。

(吉田豪)さらには番組内で名付けられたはずなのに、もう番組名になっているとか(笑)。

(小西克哉)フフフ、先に番組名があるじゃないかと(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ。不思議なんですよね。

(小西克哉)『ゴッドプロデューサーKAZUKIの超時空立体ラジオ』という番組名ね。

(吉田豪)ミューズの声が聞けるはずだったのに……っていう(笑)。ゴッドは関係なくなっているという。神がかりなだけの人っていう。

(小西克哉)まあ、ミューズ……そうだね。ミューズなんだけどゴッドなんだね。

マッドマックスのインタビュー

(吉田豪)それで、前も言いましたけどマッドマックスっていうアウトロー雑誌で著者のインタビューが出ていたんですけども。それによると、やっぱりそのミューズ。神を経由して小室の本当の子に聞こうと試してみたんだけどダメだった。神は言った。『この本はお前の視点で書け』とね。これを読んだ全部俺の好きな空想だけど『面白いじゃないか』と思ってくればいいんじゃない?」って。ねえ。神の声も降りなかったことも判明して(笑)。

(小西克哉)これは降りなかったよね。これは年末に聞きましたね。

(吉田豪)それで、これも年末に言いましたけど、なんで書いたのか?っていうと、「俺は一丁前の歴史小説家だから本来はこんな畑違いの本は書かないが、出版社の親会社が京都という同じ関西のよしみでやることにした」っていう(笑)。すごい何か軽い理由っていうか(笑)。

(小西克哉)フフフ、人のいい方ですよね。よしみがね。強いよしみを感じたわけだよ。

(吉田豪)もうひとつ、「今回の出版社の宮下社長っていうのが俺が所属していたイーミュージックという会社の株主になったということを聞いて……」みたいなのもあったんですけども。それでこれも言いましたけど、そのプロローグ。「小室哲哉の半生をたどる」。「まずは小室の生い立ちからだいたい絶頂期あたりまでの人生をイーミュージック専属アーティストSIZUKUに紹介してもらおう。頼んだぜ」っていう(笑)。いきなり人任せにするんですよ(笑)。

(松本ともこ)これはインパクトありましたね(笑)。

(小西克哉)それでさ、イーミュージック専属アーティストのSIZUKUさんっていうのはどういう?

(吉田豪)KAZUKIさんがプロデュースしている歌手なんですけど。肩書きは「猫のコラムニスト、料理のレシピスト、キャラクターデザイナー、プリクラの声優も」っていう人なんですよね。歌手なんですけども。で、その人がぼんやりと小室哲哉さんのことを語っているんですけども。「後々の小室さんのセンスを作ったんでしょうね」とか「本当にいい耳を持っていたみたいですね」とか、「みたい」を連発しながらぼんやりと経歴を語っているんですね。

(小西克哉)フフフ、「みたい」(笑)。

(吉田豪)それで11ページから41ページまで30ページ、SIZUKUさんが小室さんの経歴をぼんやりと語った後で、「ここからはSIZUKUに代わってゴッドプロデューサーの俺が話すぞ!」って言って。まあスキャンダル以降はゴッドの担当になるんですよ。

(小西克哉)ああ、本当?

(吉田豪)で、そのプロローグの締めが「全く波乱万丈の人生だが神は常に平等だから苦労して成り上がり、頂点に行けばまた落とされる。それが人生だ。俺はゴースト時代に頂点に立った男だから腐った事件に巻き込まれ天罰を食らったが、努力すれば神はいつもそばにいる。済んでしまったことは仕方がない。ゴッドはそう願ってこのコーナーの締めとする」とか書いてあるんですけども。この「腐った事件」っていうのは何の説明もなくて。

(小西克哉)うん。なに?

「腐った事件」とは?

(吉田豪)調べると2004年2月25日に竹内義和さんっていう出版プロデューサーで作家でもある方がいるんですけど。「彼に脅迫電話をかけたとしてタレント『KAZUKI』こと岡村博行容疑者が逮捕された」っていうのがあるんですよ。

(小西克哉)ええっ、そうなの? よく調べたね。

(吉田豪)竹内さんに「詐欺師か。お前なんか一握りやぞ、嘘つき」とかね、「お前の家にいつでも行ってやるぞ」などなど電話をかけ続けた疑いという。そういう腐った事件についてはこれには書いてないんですけどね。で、小室本にまた戻ると……「第1章 小室哲哉逮捕の日」。任意同行をされたことについて「俺もこのニュースは数日前から聞いていてびっくりしていた。俺の頭の中で90パーセント、いや、99パーセント逮捕されるという確信があったが、やはり逮捕されてみないと100パーセントにならないのが俺の頭の中。やはりゴッドのみぞ知るということでとりあえず情報は合っていた」という(笑)。

「地検に到着した彼は大勢の報道陣を前に落ち着かない様子だった。まあ俺が彼を見た時に「おや、キョドってるな? 挙動不審か。頑張れ、小室』と思わずエールを送ってしまった。しかし、残念ながらその後、詐欺容疑で逮捕されたという情報を聞いた俺は『やはりそうか。かつての栄光もこれで完全に消えた』と思ったが、またさらに3分後、また気が変わって『でも小室だから俺と組んで復活するか、俺と組まなくて復活するかは知らないけど、彼は復活する力を持つ男だから頑張れ!』とまた新たな二度目のエールを送った」っていう。なんかテレビを見てエールを送っているだけなんですよ(笑)。よくわからないんですよね。

(小西克哉)フフフ(笑)。でも「キョドっているな」って印象的な言葉だよね(笑)。「ゴッドのみぞ知る」ってもうルー語になっているじゃないかよ(笑)。

(吉田豪)で、まあそんな経緯を語った後に「第2章 プロデュースしたアーティストたち」っていう。ここが僕、大好きなんですよ。「次はガラッと項目が変わってこのタイトルで紹介していこう。彼女たちの当時の活躍を見れば彼女たちの人気を支えていた小室の活躍も見えてくると思うぞ」って。それで1人目がまあプロデュースというか、楽曲提供の人もどんどん紹介していくんですけども。1人目は荻野目洋子さん。「当時、歌のうまさに定評があった鬼の目洋子……違った、失礼。荻野目洋子だ!」(笑)。

(小西克哉)フハハハハハハハハッ!

(吉田豪)まずひとボケ入れるんですよね(笑)。でもまだね、ちゃんとしているんですよ。「アルバム『ノン・ストッパー』に収録されている楽曲『NONSTOP DANCER』。そして『ジャングル・ダンス』はNHKみんなのうたで何度も流れていた楽曲であり、ご存知、荻野目慶子の妹である。どこに行ったのか、ヘルプミープリーズ」って……最初はまだ曲の紹介もしてるんですよ。でも2人目から脱線がどんどんひどいことになってきて。

2人目、福永恵規。「元おニャン子クラブの福永恵規だがおニャンは会員ナンバーが付いていたから、俺の時代は会員ナンバーで女を呼ぶのはキャバクラだから、俺だったらキャバクラ+猫でキャバ猫クラブというユニットを作るぞ。もちろん彼女たちのデビュー曲は『セーラー服を絶対に脱がせてね』で、映像監督は俺の友人で『セーラー服刑事』シリーズの山前五十洋……」。まあ山前五十洋さんって倉木麻衣さんのパパなんですけども。「……山前五十洋(倉木パパイヤ)を起用するぞ!」っていう(笑)。

(松本ともこ)アハハハハハハハハッ! ちょっと!

(吉田豪)ここにボケを入れたらわかりづらいですよ(笑)。

(松本ともこ)倉木麻衣さんのお父さんのことを「パパイヤ」に?

(吉田豪)「倉木パパ」でも説明不足なんですけどもね。まあ、次は原田知世さんなんですけども。「話が脱線したぜ」ってまず前の反省から入って(笑)。「それから原田知世はSIZUKUが大好きな『愛情物語』や『天国にいちばん近い島』を歌って大ヒットしたが……おっと、これは小室は作ってないってか? そんなこと言わなくても知ってとるわ!」。

(小西克哉)フハハハハハハハハッ! もうなんか、炸裂してますね。

炸裂するKAZUKIボケ

(吉田豪)で、さらに暴走が続いて。「セシルチョコが大好きな松田聖子。あ、違った。ミルクチョコが好きなのは俺だ。ちなみに俺はガーナミルク派だ」っていう(笑)。

(松本ともこ)本当に書いてあるの?(笑)。

(吉田豪)書いてありますよ。「他にもゴミ拾い……違った。郷ひろみにも楽曲を提供していたし、その他『なんてったってプードル』の……違った。『なんてったってアイドル』の小泉今日子やいつも観月ありさと間違った牧瀬里穂や、中森明菜通称アッキーナではないがビッグネーム揃いだ」っていう。なぜか知らないけどもボケを入れざるをえないというか。どんどんと入れてくるんですよ。

(小西克哉)やっぱりこれは一人芸、ピン芸のなんというか……。

(吉田豪)まあ、関西の人だからでしょうね。

(小西克哉)そうだ。これはやっぱりね、関西っぽい。本来ならここで、やっぱり漫才でもってツッコミが入って成立するところを1人でやっているから。

(吉田豪)まあSIZUKUさんが突っ込めばいいんですけどね。で、聞いてくださいよ。第4章。

(小西克哉)まだやるの?

(吉田豪)第4章で「小室をめぐる女性たち」っていうので、大谷香奈子さん。最初の夫人が出てくるんですけども。「キララとウララ。なんと俺が好きだったキキとララと同じような名前じゃねえかと思いながら筆を進めよう。大谷香奈子、1966年8月24日、東京生まれ。この2人はアイドルデュオ。1984年8月1日、『センチ・メタル・ボーイ』という曲でデビューした」とかずっとね、要するにウィキペディアに出ている情報を日付込みで全部書くんですよ(笑)。

(松本ともこ)ええーっ!(笑)。

(吉田豪)で、そこに一言ギャグを添えていくっていう(笑)。

(小西克哉)ああ、じゃあウィキペディアを1人で読んでいて突っ込んでるっていう感じだね。

(吉田豪)そうなんですよ。で、さらには華原朋美さんのところで。「今度はオリコン第1位に輝いた華原朋美のアルバム『LOVE BRACE』。これについて俺の見解を言おう。なかなか詳しいファンサイトがあったから、そちらも一部参考にさせてもらったぜ。サンキュー」って……それは「俺の見解」じゃなくて「ファンサイトの見解」なんですよ(笑)。

(小西克哉)フハハハハハハハハッ! そうだよね(笑)。

(吉田豪)調べてみたら「歌謡曲の砦」っていうサイトの文章そのままで。比較してみると、まず歌謡曲の砦では「まず聞いて「残酷なアルバムだなぁ」と思った。完成度と引き換えに一人の人間の人生を潰してしまう残酷なアルバムだ、と思った。そしてそれからしばらく時がたち、やっぱり私の予測の通りの残酷な結果があり、そして今だこのアルバムは輝いている。昔日の黄金の日々のように。今回は、華原朋美『LOVE BRACE』の話である。このアルバムはアイドルのシンデレラ・ストーリーを1枚のアルバムにしたような作品といえる」という。

歌謡曲の砦 華原朋美 『LOVE BRACE』

そして続いてKAZUKIさん。「このアルバムはアイドルのシンデレラ・ストーリーを1枚のアルバムに、つまり映画にしたような感じがする。完成度も素晴らしいし、音も素晴らしい。朋ちゃんの声も素晴らしいがこの完成度と引き換えに一人の人間の人生を潰してしまう残酷なアルバムに思えた。やっぱり想像していた通り、このアルバムには残酷な結末があった。それでは『LOVE BRACE』の話をしよう」っていう……前後を入れ替えているだけなんですよ、基本(笑)。

(小西克哉)なるほどね。

(吉田豪)不思議な人で。さらにはこの本の締めっていうのがそのSIZUKUさんとの対談なんですよね。なんでこういうコーナーを設けているのかというと「現在、小室哲哉も契約しているイーミュージックと俺もSIZUKUも専属アーティスト契約、および専属プロデューサー契約を結んでいる。同じイーミュージックの人間なんで頑張れと言いたいんだ」という。でも、さっきの火星人の赤ちゃん……「『MARS BABY』は今までに全くないサウンド。今言ったようにクラシック、ミュージカル、ポップス。この3つを融合したクラシカルポップスという全く新しいジャンルを作る。それでレイ・パーカー・ジュニアとSIZUKUが歌って新ジャンルを発表する。そこに小室哲哉のアレンジがあれば彼の復活計画になるが、俺だけ思っていても仕方ないぜ」みたいな感じで、そういう復活計画を立ててるんですけれども。

(小西克哉)うん。クラシカルポップス。

(吉田豪)そういう全く新たなジャンルを作るっていうことなんですけども。ネットで検索したところ、クラシックをポップスアレンジした曲を聞かせるクラシカルポップスのサイトが大量に引っ掛かったんですよ(笑)。もうあるんですよね(笑)。

(小西克哉)フフフ、そりゃあ、昔からあるよ。山ほどあるよ、そういうのは。

(吉田豪)もうどんどんと気になることが出てくるんですけども。でもたぶん、その気になることは1月発売の『俺がゴッドだ』。これを読めばたぶんいろいろ明らかになると思うんで。

(小西克哉)なるほど。これはちょっと今年、注目の新人と言っては怒られるのかな?

(吉田豪)長年やってますからね。

(小西克哉)だから注目のベテランということで。

(吉田豪)僕は過去の本も全部、アマゾンで注文したんで。たぶん『俺がゴッドだ』が出たらまたやると思いますけども(笑)。

(小西克哉)ついに吉田豪が注目してしまったゴッドプロデューサーのご紹介をいただきました。

(次の回の放送で……)

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