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町山智浩 悪魔教寺院を語る

町山智浩 悪魔教寺院を語る たまむすび
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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でアメリカの悪魔教寺院を取材した際の模様を話していました。

(町山智浩)じゃあ、さっそくちょっと音楽を聞いていただけないかなと。

(町山智浩)はい、懐かしいですね。聖飢魔II。フハハハハハハッ! ですよ。まあ、僕はすごく聖飢魔IIのみなさんとは親しくしていただいて。

(赤江珠緒)ああ、そうなんですか?

(町山智浩)僕、デーモンさんとは同い年ですよ。

(山里亮太)いやいや、町山さん。そんなわけないですよ。向こうは10万……。

(町山智浩)ああ、そうだ。10万違い(笑)。大学が一緒だったりね。

(赤江珠緒)ええーっ!(笑)。

(町山智浩)あと、エース清水さんは僕の高校の先輩ですよ。

(山里亮太)へー! 高校、行くんだ(笑)。

(町山智浩)そう(笑)。で、ルーク篁さんの実家はうちの実家の近くでしたよ(笑)。

(山里亮太)いやいや、魔界のはずですよ(笑)。

(赤江珠緒)すごい絡んできてますね(笑)。

(町山智浩)全然魔界じゃない感じなんですけども(笑)。でね、実はこの聖飢魔IIを久しぶりにかけたのは、この間、悪魔教寺院というところに取材に行ってきたんですよ。

(山里亮太)おどろおどろしいですね。

(町山智浩)サタニック・テンプル(The Satanic Temple)っていうところなんですけども。まあ、悪魔を崇拝している人たちのところにBS朝日のテレビの取材で。で、その場所があるのはマサチューセッツ州のセイラムという場所なんですよ。

(赤江珠緒)ああ、先週教えていただいた?

町山智浩 マサチューセッツ州とアメリカ合衆国の成り立ちを語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でボストンなどマサチューセッツ州を取材した模様をトーク。アメリカ合衆国の成り立ちと銃を持つ権利の起源などについて話していました。

(町山智浩)そうです。昔、1600年代に魔女狩りがあって。19人の人が「魔女」という風に決めつけられて殺されてしまった。処刑をされたところなんですけども。そこに悪魔教寺院があるんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)で、行ったら、まず巨大な魔王のブロンズ像があるんですよ。そこに写真、ありません?

(赤江珠緒)ああ、これ? なんか羊のような頭に……ヤギか。

(町山智浩)それはね、ヤギなんですけどね。見たことないですか?

(赤江珠緒)あるある。体は人間、顔はヤギ。そして翼がある。

(町山智浩)そうそう。タロットとかそういうものに使われたりするような、いわゆる魔王、悪魔の像があるんですよ。巨大なのがドーン! と。中に入ったら。で、そこの横には悪魔教の教義が掲げられていて、それがどういう教義なのかちょっと読みますね。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)「人間を含む全ての生き物に対して良識と哀れみと共感をもって接するよう努力すべし」。

(赤江珠緒)ん? いいじゃない?

(町山智浩)ねえ。悪魔教寺院ですよ。そして「他者の自由を尊重しなければならない」「自分が信じるもののために科学的な事実をねじ曲げてはならない」「人の失敗を責めてはならない」。

(赤江珠緒)ものすごい真っ当じゃないですか!

(町山智浩)真っ当なんですよ。悪魔教寺院は。

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真っ当な悪魔教寺院の教義

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)でね、彼らのいままでにしたことのいろんなアルバムがあるんですね。いろんな運動をしているんですよ。高速道路沿いのゴミを拾うとかですね。

(赤江珠緒)フフフ、ええっ?

(町山智浩)海辺のゴミを拾うとか。そういうことをやっているんですよ。

(山里亮太)悪魔教が?

(赤江珠緒)邪悪じゃないの?

(町山智浩)それでね、どういうことなのか、聞いてみたんですよ。ちょうどアメリカで彼ら悪魔教寺院、サタニック・テンプルの活動を描いたドキュメンタリー映画『Hail Satan?』というのが公開された時なんでね、取材に応じてくれたんですけども。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)で、リーダーのルシアン・グリーブス(Lucien Greaves)という人に話を聞いたんですね。で、「あなたはリーダーなんですよね?」って聞いたら、「いや、僕はリーダーじゃないんだ。ここ、悪魔教はものすごく民主的だから、リーダーとか教祖とかそういうのはいないんだよ」って言われたんですよ。

(赤江珠緒)そうなの? ええっ?

(町山智浩)すごくみんなが思っているものと違うでしょう?(笑)。

(山里亮太)そうですね。かけ離れていますね。

(町山智浩)かけ離れているでしょう? で、彼らはいったいなんでこういうことを始めたのか?っていうと、まずそのきっかけは2013年にフロリダ州で学校のクラスで神様に対する祈りを授業のホームルームで捧げるということが法制化されたんですね。州法で。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)これ、アメリカの学校でやっているところとやっていないところとがあるんですけども。「私はアメリカに忠誠を尽くし、神の名の下でひとつの国を保ちます」っていうような誓いをすることをアメリカの学校では昔、やっていたんですよ。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)でも、いまはやっていないんですね。あんまり。うちの子なんかもやっていなかったんですけど、フロリダでそういうことをすることになったので、そこにこの悪魔教寺院の人たちが行きまして「神様に対して祈るのがいいんだったら、悪魔に対して祈ってもいいですよね?」って言ったんですよ。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)で、裁判に持ち込んでいったんですよ。つまり「悪魔を信じている人の信教の自由を侵害している」ということです。憲法では「政教分離」。政治とか国のすることと宗教が分離されることが決められているんですよね。だから学校で子供に神に対する誓いとか祈りをさせると、もしその学校に悪魔教じゃなくても、たとえば仏教やユダヤ教とかを信じている人がいる場合、その(祈りを捧げる)神ではないから、その子の信教の自由を侵すことになるでしょう?

(赤江珠緒)ああ、なるほど。

(町山智浩)だからこれは憲法違反であるということで、裁判に持ち込んでいったんですよ。だからこの悪魔教寺院というのは信教の自由、宗教の自由を侵す公共機関や政府に対して抵抗をするための団体なんですよ。

(赤江珠緒)えっ、じゃあ最近できたんですか? 昔から?

(町山智浩)最近できたんですよ。というのは、悪魔教会というのは結構昔からあって。特に有名なのは1960年代にあったんですよ。で、それは『ローズマリーの赤ちゃん』とかにも出てきて、それは本当に悪魔とかを信じていたりする人たちだったんですよ。で、悪魔の儀式をやったりしていたんですけども。この新しいサタニック・テンプルというのはそのルシアン・グリーブスさん自身は一応悪魔を信じて入るんですけども、彼が信じている悪魔というのはミルトンという人が書いた『失楽園』という詩があるんですよね。その中に出てくるサタンを崇拝して始めたと言っているんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、その『失楽園』に出てくるサタンっていうのは昔は天使だったんですよ。ルシファーという天使。

(赤江珠緒)はい。ルシファーね。天界で大喧嘩になっちゃって。

(町山智浩)フフフ、はいはい(笑)。神様に反抗したんで、神様から地獄に突き落とされて。で、神に対する反抗として、神様の計画を邪魔しようとする人たちなんですよ。で、「その生き方を尊敬して始めたんです」ってこのルシアンさんは言っていました。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)つまり、神の独裁に対して反対をする運動なんですよ。悪魔を悪魔として尊敬しているんじゃなくて、叛逆者として尊敬しているんですよ。

(山里亮太)その姿勢を尊敬しているんだ。

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神の独裁に対して反対する象徴としての悪魔

(町山智浩)そうそうそう。神に対する叛逆を尊敬して、悪魔教を始めたっていう人なんですよ。だから、この団体はやっていることは半分冗談なのか本気なのかわからないところがある団体なんですよね。で、いちばんアメリカで注目をされて、今回映画にもなったというのはオクラホマ州で州政府の建物の真ん前にユダヤ教の旧約聖書に書いてある十戒ってありますよね?

(赤江珠緒)モーゼの十戒。

(町山智浩)そう。「汝、姦淫するなかれ」とか、そういうやつですけども。「殺すなかれ」とか10個、並んでいるやつですけども。それを石碑にして、州議会の州政府の建物の前に立てるっていう法案が通ってしまったんですよ。でもこれって、ユダヤ教とキリスト教以外にとっては全く異教のものですよね。

(赤江珠緒)たしかに。

(町山智浩)だからその人たちの信教の自由を侵害する行為なので、まずこの悪魔教寺院は議会を訴えて。その地元の住民を代表して訴えて。さらに、その訴えにおける運動として、その石碑の前で悪魔教のバフォメットの魔王の像をブチ立てて、悪魔教の儀式を行うぞ!ってやったんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ?

(町山智浩)で、これがすごく問題になったのは、オクラホマとかアメリカの南部や中西部の田舎というのは圧倒的にキリスト教原理主義者が多いんですよ。福音派と言われるんですけども。アメリカ全体では人口の25%。ところが、田舎の方にいくともっと増えちゃうんですよ。30とか40%とかいっちゃうんですよ。

町山智浩 キリスト教福音派映画『魂のゆくえ』『ある少年の告白』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でキリスト教福音派を扱った映画『魂のゆくえ』と『ある少年の告白』を紹介していました。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)だから、議員も彼らの票を集めているんでそういう人たちなんですよね。キリスト教福音派なんですよ。

(赤江珠緒)じゃあ政治と宗教は決して分離できていないということなんですか。

(町山智浩)できていないんですよ。そういうところだと、議会は全く。だから全然何の気もなしに「私たち、キリスト教徒だからじゃあ、この石碑を立てましょう」ってポンと立てちゃったんですよ。でも、それは憲法違反なんですよ。だから、こういう運動で大騒ぎになったんでアメリカ中のメディアが注目をして。悪魔教の儀式をだって州政府の真ん前でやるんですよ?

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)で、テレビとかでブワーッと注目されちゃったんで、結局その十戒の石碑は立てられませんでした。

(赤江珠緒)そうやって阻止していくんだ。

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